あらすじ
戦後占領下の沖縄。大学を中退し米軍諜報機関の翻訳作業についた私は、仕事に倦んで教師へと職を変えた。赴任先は、校舎も教科書もない高校。だが、日本の影響を受けないここで、国語ではなく“文学”を教えたい。自分の創作戯曲を生徒達に演じさせようと考える。物はないが、もう戦争はないという開放感に満ち溢れた時代の少年少女と教師を描く。著者が自分の一番輝いていた時と回想する自伝的小説。
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Posted by ブクログ
~2021.07.23
戦後の混乱期に、様々な模索をしながら、教育者として何をすべき、将来、どうあるべきか、を考えているなんて、すごい、の一言です。
戦中、日本からの厳しいしばりがあり、そして、戦場となり多くの犠牲を払ったからこそ、内地の人よりも、自由を渇望したのであろう。熊本の闇市での会話が胸に刺さる。
ただ、同内容が繰り返されているのが、「???」「何かの伏線?」と勘ぐってしまう。
Posted by ブクログ
沖縄出身の大城立裕の自伝的小説。
たしか芥川賞を獲った「カクテルパーティー」も、どこかにあったはずなのだが?
ともあれ戦後すぐの沖縄の高校を、実体験できるような小説だった。先日読んだ「青い山脈」も登場して、より親近感を増す授業になり、時に一生徒になって文字を追うことができて楽しかった。