草水敏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
病理医というマイナーな医者を描いた作品。作中でも評判が悪いという設定の病院ではあるが、主人公を際立たせるためにか院内の医師が軒並みクズ。医療ミス(紛い)を起点に主人公が正しい病名を暴き患者を救うと言った方向のエピソードが多いが、クズ医師達の態度や思考にイライラすると同時にこんなのが実在しそうという少しのリアリティから現実の病院通いを不安にさせるような一面も。医師ではないMRや経営コンサルが現場を混乱させるエピソードなどは彼らなりに一応の正義をもっているせいで読んでいてヤキモキする。そう言った極端な悪い例のおかげもあって主人公がそれはもう魅力的にみえる。
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ネタバレ 購入済み
死を目の前にして、人は何を思うのか。
医学書に書いていない治療を求められる緩和ケア科の新人医師。
自分の代わりに怒ってくれるくらい患者と関係を深められて良かった。 -
ネタバレ 購入済み
保身の連鎖
・「データや常識と整合性のある道理だけじゃなくて、個人的な動機で判断してしまう時が、人間にはあると思うんです。
人の数だけ個人的な動機があって、それが複雑に絡み合っているのが社会なんです。
IDMC委員も30人の人間だと考えることも重要なのではと」
・「IDMC委員たちの動機って、恨みとか理想とかじゃなくて…上下関係ってないですかね?
働いている場所も仕事も違う30人が一致する動機を探してましたけど、もう理由とか事情とかないのかも」
・「医学界って医学部から徹底して年功序列世界ですから…他業種から見たら異常なくらい。
その状態を常識だと思って疑わないから、中熊先生伝ての脅しが効くと思ってる」
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ネタバレ 購入済み
JS1編完結
知らないもの、知らないから見えないもの。こんな理不尽、社会にいっぱい転がってるんだろうな。好かれる理由も、嫌われる理由も、気づけないし理解できない場合の方が多いのかも。
そしてだからこそ近しい人でも相手の気持ちに踏み込むのはとても怖い。
テーマが重いから読むのにパワー使うけど、その分読後の満足感は最高。宮崎先生頑張れ!
火箱ちゃんと森井くんがくっつく未来があるといいなあ。。。