吟鳥子のレビュー一覧
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「あなたは宇宙エレベーターで宇宙に行きますか?」
導入部、あどけない女子中学生・夜のこのセリフがインパクト大。
そして彼女が出会ったのは、後に人類のコクーン社会を作り出すソウイチロウだった。
ソウイチロウとその妻との出会いがきっかけに、宇宙エレベーターに乗りたいという夢を持った夜。
だが、そんな彼女を待ち受けていたのはあまりにも酷などんでん返しだった──。
本編の主人公アラタたちが登場するストーリーや、アラタの弟・大地が主人公のストーリー、そしてジラフとライオンがメインのストーリーもあり、
本編では謎めいた存在だったソウイチロウの人柄と、その周囲の人たちが描かれたオムニバス形式の番外編集で -
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架カル空ノ音 中 の感想
作者の初期作品です。
今回、大幅な加筆修正を加えた完全新装版三冊(上・中・下)として復刊されました!
ファンとしてとても嬉しいし、できるだけたくさんの人に読んでもらいたいです。
自分が初めてこの作品を読んだのは高校生の時でした。
この巻でも古鳥人類たちはみんな個性的で美しい。人間の方も役者が出そろってきたよう。
中巻は過去のリヴァー視点が多く、読んでいて苦しかった。運命は過酷。リヴァーもベアも、幸せになってほしい、報われてほしいと祈らずにはいられない。
彼らは滅ぶ運命なのか?
彼らが最後に選ぶ道を、下巻で見届けたいと思います。
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魅力的な世界観を持つ作品
よく練られた世界観と少年少女の成長過程が非常に魅力的です。
世界観としてはディストピアに近い感じ。「愛」が猥雑なものとされる世界観の中で、愛することの美しさ、醜さの両面に主人公たちが向き合っていく姿が、見ていて苦しくもあり、愛おしくもあります。また、他者との交流の中、自分と他者の命の価値について深く考え、答えを見つけていくのですが、その過程がなんとも切なく美しい作品です。
作品では、途中、衝撃の事実が発覚します。多く語られない部分もあり、読んでいる最中はどういうこと?となるシーンもあるのですが、結末を知ったうえでもう一度読むと、「ああ、そういうことか」と腑に落ちる場面がいくつかあり -
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見た目は少年か若い青年のような主人公・アラタ。しかし彼は通常の人類より寿命が長く、ゆっくり時間をかけ身体が成長し、長い時を生きる。
そのせいなのかこの2巻でのアラタの年齢は36歳のはずだが、彼のぶつける質問や言葉は時に子供のように純粋でまた子供のように残酷だ。
この2巻から登場する新キャラ、記憶をその日一日限りしか持てない男性と、彼を支える男性も良い。
永遠にターラの片想いかと思われた彼女の恋路にも大どんでん返しが待っていた。
ところでこの2巻まで読んでふと思ったことがある。
この『きみを死なせないための物語』というタイトルは、主人公のアラタが登場人物を死なせないために奮闘すると -
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少女漫画の皮を被った社会派漫画
現代の多くの日本人はナチスドイツのような優生思想に否定的だと思う。
しかし、資源や住環境に制限がある時、遺伝的に夭逝することがわかっている人を尊重できるだろうか?
このマンガは、(ちょっと賢すぎるところを除いて)私たちの周りに普通にいそうな人たちが、無意識の差別意識、管理社会、その他の多くの問題に向き合う姿を、未来を舞台に描いている。
でも、彼らが向き合う問題は私たちの社会に共通する問題で、
このマンガの可愛すぎる絵柄に騙されてはいけない!
一応、少女マンガカテゴリなので、そこそこハッピーエンドで終わり、読後感も悪くはない
…と思います。バッドエンドではないので、ご安心ください。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ友達におすすめされて読んだ本。
冒頭からぐわっときた。ネグレクトされて育ったにしては明るいけど、人を容易く信じるところとか、愛着障害なんだって本当に思う。アキがいい子で良かったねアン。
ドイツ俘虜収容所の話と絡まったあたりから、少しミステリ風味になって、アキの家の歪さも露呈したけれど、見捨てる人間もいれば拾う人間もいて、この世で絶望する必要はないんだなあと思った。
しかし、お互いに思い合っていても、人と人って本当のところではやっぱり分かり合えていないんだろうし、わかり合おうと思うと、対話は大切だ。夫との関係でも良く思うが、何か相手に引っかかる部分があったら、その時点で膝を突き合わせて冷静に話さ -
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38.39頁が地球が特別な証明
読めば読むほどに深い話です。
一度宇宙へ出た人間はやはり地球を目指すようになるんだと思います。
火星プロジェクトだとか今も進行してはいるけれど、裸足で大地を踏みしめ、風を全身で感じ、朝日や夕陽、星を眺めて味わう感動はきっと地球にしかない。
多くの動物と共存する意思を持てば、更に毎日が幸福になると思います。
未来にあぁならない為にも今できることって沢山あるような… -
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76.77ページが圧巻!!
人生観がその場で変わるような、
今ここに生きていられるってことに魂から感謝出来るようになるような、素晴らしい2ページ。
これを見て、人間に与えられた最高の恵みがなんなのか、一瞬で理解がやってきました。
草木、酸素、土壌の微生物たち…
人工的に作ることのできない神の恵み。
本当に、恣にして良いものじゃない。今、現在も進行しつつある自然破壊は自分たちの自滅をもたらすだけ。
こういう作品に込められた愛が、きっと人類の良心なんだと思う。
多くの人に届きますように。 -
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愛そのもの
ウラジーミル・メグレ氏の「アナスタシア」にも出てきたけれど、愛は優しくて温かくて人の間に、植物達との間に、全てに対する光として存在する。
見えないけれど感じることができるもの。
感情に影響を与えるもの。
つくづく、すごいものを与えられているんだなぁ。
今与えられているものが当たり前じゃなかったら、と想定すると、かけがえのない時間を過ごしてるんだということに、素晴らしい体験をしているんだということに気付かされる。
感謝を思い起こさせる一巻。