舞台は未来、宇宙。地球には人が住めなくなり、人類は宇宙に設けた「コクーン」という施設に暮らしています。狭いコクーンで暮らしていくためには道徳と契約が最重要事項で、恋愛は猥雑で不道徳とみなされています。人類には「ネオテニイ」と呼ばれる、成長が遅く寿命が長い"進化した人類”が突然変異で現れて、そして短い寿命で死んでしまう奇病も発生しています。そんな世界で、主人公であるネオテニイの子どもたちがある日、歓楽街の路地で緑の髪の少女に出会うことから物語が動き始めます。出だしから説明するセリフがほとんどないので、読み始めると設定も言葉もわからないことばかりでちょっと混乱するかも。でも、少しずつ読んでいくと、世界観がものすごくしっかりしていることが見えてきて、ぐんぐん引き込まれていきます。そしてとにかく絵が綺麗。表題の「きみ」は誰を指すのか、登場人物たちはどうなるのか、まだまだ明らかになっていないことがたくさんあるようで全体像がすぐには見えないのがまた、先を読みたい気持ちにさせてくれます。SFマンガを読みたい方にもラブストーリーが読みたい方にもおすすめしたい作品です。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2022年02月05日
なんと地球はすでになく、木星の衛星になっているだけだった
絶望した人類に、アラタたちの旅という名の希望を与える
ジジは培養液にされ新たな地球の母に
Posted by ブクログ 2021年05月05日
還る故郷はすでにない。でもこれは命を繋ぐ物語。
長寿も光合成も種を運ぶために必要な変異だった。
生命は脆く儚く、でも強かなのだ。
人類は夢を見ながらコクーンに閉じこもり続けるのだろうか?
おそらく変異体は今後も現れるだろう。
そして繭を破り、アラタたちを継いで行くのだ。
改めて、生命あふれること星を今、守りたいと思った。
こうなってからでは遅いから。
神々に愛されている特別な惑星、地球。
奇跡的な命が沢山あるここで、今、私は生きている。
生活するのが大変だと思う時があるけれど、良かった、これで。
ここに生まれて良かった。
しみじみよかった。
ジジちゃんがどうなるのか?アラタとターラは?
とさまざまな物語が交錯し、でも1つの物語として胸に沁み入った。
私たちはたった1つのホシにいる。そのことを思い出す物語だった。
Posted by ブクログ 2021年03月07日
たとえ地球で生まれ育たなくても、人類は地球を焦がれ切望する…。
二転三転する激動の最終巻。
恋しさと絶望と夢と愛がずっしり詰まっていてよかった。