堀川アサコのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
幻想シリーズ第五作。
第一作の「幻想郵便局」の続編という位置付け。
あの世へ旅立つ入り口の『登天郵便局』で、死者が成仏せずに消える事件が多発。鍵を握るのは『罪を洗い流す』という噂がある謎の温泉。
再び戻ってきたアズサが温泉の在りかを探すことに。
懐かしい『登天郵便局』の面々、狗山比売との再会が嬉しい。
第一作より残酷さが薄れていたので良かった。しかしアズサの初めて受けた告白の相手が…とは、なんとも幻想シリーズらしい。
浦島汽船も気になる。いつか取り上げて欲しい。
楠本の大奥様の登場が少ないのが残念。スミレと有働は上手く行ってる様子。
罪が洗い流せることは良いことか。死なないのは良いことか -
Posted by ブクログ
幻想シリーズのあたたかな感じが好きで読んできたけれど、この物語は少しだけ趣が違う。
主人公の友哉は「日記堂」店主の猩子に言いくるめられて無料のバイトをすることになってしまう。
意外にも日記を買い求める客は多く、それぞれに目的とする日記を猩子にすすめられて買っていく。
というよりも、お試し読みをした後に満足したなら代金を払うシステムになっていて友哉は驚く。
店主の猩子は友哉の父親とも旧知の仲らしく、ますます猩子は何者なのか?という疑問が友哉の中でふくらんでいく。
これまでの物語に比べて主人公である友哉の人物像が上滑りしているような気もする。
それでも、ほんわりとしたあたたかさとスパイス程度の怖さ -
Posted by ブクログ
「幻想郵便局」にも登場したマリコさんが登場している。
あんなに寂しがりだった…友達もいないと言っていた…マリコさんの幸せそうなようすに、ちょっと嬉しくなった。
後になってみれば、あんなところにもこんなところにもと伏線は張られているけれど、少しも不自然さがない。
「あぁ、こういうわけだったのか」と納得することばかり。
終盤に用意されていたいろいろな解決につながる場面は、一気にファンタジーからホラーへと空気を変える。
その落差も物語の結末にあたたかさを増す結果になっているように思う。
寂しさは異様な執着心を生むほどに辛いことなのだろう。
でも、たとえ幽霊になっても心さえしっかりと持っていれば幸せに -
Posted by ブクログ
面白かった。登場人物達もとても好き。
前作関係の人達がチラホラでてくるのもとてもいい!
不思議とこの作者の本は読み始めが少しモタっとする気がする。中々読み進められない。
けど途中からはグイッと惹きつけられる。
レビュー見ると、この人の本は好き嫌いが分かれ易いのかな
ファンタジーは苦手だけど、この人のは読める。
西加奈子より読みやすい。
だけど、もう少し心理描写とか背景とか細かいとこを描いていたらなと思う。
もう少ししっかり説明が欲しい場面がギュウギュウに詰められ過ぎていたりザクッと大まかだったりで、んん?となる。
独特の雰囲気は好きなんだけど。