藤代裕之のレビュー一覧
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読み終えた直後の、さらりとしたまとめ。
増えつづけるフェイクニュースに対して、私たちはどうすればいいのか。
嘘を見抜く、と個人スキルだけでは、もう既にどうにもならなくなっており、ニュースそれ自体の「生態系」を見直さなければならない、と著者は述べている。
騙された方が悪いだとか、見破るスキルを身につけるべきだ、といった、「自己責任論」で片付けていない点は、あまり類を見ないような気がします。
また、「疑ってかかる」ことを盲信的に取り組むのが、なぜいけないかについても言及されている。
インターネットで見るような、「メディアリテラシーの身につけ方」に留まらないような内容の深さがあって、その点 -
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ネタバレすごくよくまとまっていて、面白い。
「偽ニュースはなぜ生まれたか」というサブタイトルが象徴するように、WELQ事件などといったフェイクニュースへつながる、ネットメディアの歴史が描かれている。
当初、2016年夏ぐらいに原稿はあらかた出来上がっていたそうだが、問題意識がうまく表現できていなかったところに、まさかのトランプ大統領当選。その裏にフェイクニュースがあり、ネットの信頼性が疑われたことをきっかけに、藤代先生は一気呵成に原稿を再整理されたようだ。
私個人の感覚としては、そもそもインターネットが普及して間もなくは、2ちゃんねるなどの存在や、相手の顔が見えない怖さがあって、ネット上の言論は信 -
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終章で書かれていて初めて気がついたのだけども、著者は内閣官房防災ボランティア連携室の政策参与の方(非常勤で無給らしい)。
ソーシャルメディアというものの紹介や、このメディアを使用するにあたっての注意点や活用法が丁寧に解説されている。また、他書からの引用なども豊富であることや、文章の書き方についても言及されていて勉強になった。
ソーシャルメディアに限らず、メディアに対してどういう姿勢で向き合うかという、広い視野で解説されている。曰く「時にはソーシャルメディアから離れてみることも必要です」と。
ビジネスパーソンの立場、イベントなどの運営者の立場、そこに参加する人の立場など、それぞれの立場にお -
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ブログを書いている身として大いに参考になりました。ブログやツイッター等のソーシャルメディアの発信力を高めるヒントが満載です。誰のためのブログやツイッターなのか、改めて考えさせられました。
著書を読んで、早速自分のブログにもエッセンスを取り入れました。まずは、ブログのタイトルを変更しました。やはり何事も先人の知恵をどんどん利用するべきですね。
目次
第1章 なぜソーシャルメディアに取り組みのか
第2章 発信力は自分力
第3章 はじめてみよう発信の第一歩
第4章 差がつく情報活用術
第5章 「伝わる」技術
第6章 トラブルに対処する
終章 人とつながる
著者は元新聞社であり、現在は大学の非常 -
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本書は気鋭の学者達による大学生向けの教科書として使用されることを念頭に書かれたソーシャルメディアの過去・現在・未来です。体系立てて記されており、少し難しいですが読んで損はないのかなと。
僕が本書を手に取ったのは本屋の棚で横向きに置かれていたからでした。執筆陣は僕と同年代か少し上の世代で、現役の教員やメディア関係者が大半を占め、彼・彼女たちは教壇や職場における「最前線」に立っていらっしゃる方々なので、教科書として書かれている色合いが強いです。
過去・現在・未来…。ここに書かれているのはソーシャルメディアを使いこなし、よりよい社会をつくっていくためのことが15章にわたって描かれ、読むには -
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「フェイクニュース」は、今の時代、何らかの形で見聞きする。
著者は、フェイクニュースは情報汚染であり、生態系の問題と指摘している。個人で見抜けるレベルを超えているからだ。
テレビやラジオのような既存メディアがフェイクニュースを広める役割を果して、更にはYahoo!のようなポータルサイトも拡散するツールとなっている。
最後でメディアリテラシーに欠けている視点について次のように述べている。批判的に情報を読み解くことは、自らの考えの正しさを求める姿勢と表裏一体である。そもそも情報はあいまいなものであり、社会には正解がないことが多い。
試験問題のように模範正解を追い -
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ロシアがウクライナに仕掛けた戦争。ロシアの方からのプロパガンダがすごいのですが,それに気づかないロシア国民もたくさんいるようです。今日(2022/03/22)のテレビにも,ロシアの若者が出てきていて,「軍事施設しか攻撃していないと思う」「ほかの国で流されているのは,以前の戦争の映像だ」などと言っていました。自分が信じてしまうと,本当の映像もフェイクニュースになってしまうんですね。だから,このフェイクニュースというのは扱いづらいのです。
本書は,その扱いづらさがどこから来ているのか,ということを明らかにしてくれます。わたしたちは,もう,いつもフェイクニュースに囲まれて生きています。先のロシア -
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なぜ、ネットニュースを見てしまうのか?
私は1日に1時間を超えるぐらいダラダラと見てしまうことがあります。
「この行動はヤバい」、「時間を無駄にしている」と思い、「ネットニュースとの付き合い方」を真剣に考えたいと思い本書を購入しました。
本書は、なぜネットニュースを見てしまうか?という私の問いには、
(当たり前ですが)直球では答えてはくれません。
ただ、ネットニュースをめぐる歴史と興亡、そして負の面であるフェイクニュースが起った経緯を知ると、
上記の答えを考える上で参考になりました。
まず、ネットニュースを見てしまう、私なりの答えですが、
それは目標達成と自己目的的な欲望を満たしてくれるか -
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ジャーナリストであり、ネットメディア・ソーシャルメディアに精通する著者が、ヤフー・LINE・スマートニュース・日本経済新聞・Newspicksという5つのネットニュース界メインプレーヤーの競争と戦略、ジャーナリズムとしての責任の有り方、DeNAのWelq騒動に代表される偽ニュースが跋扈した背景などについて、緻密な取材と抱負な見識をベースにまとめた一冊。
全般的に、ヤフーに対しては私怨とも言える厳しい書き方がされている一方、私から見ればヤフーの足元にも及ばないようなメディアの使命感しか持たないLINEに対してはさほど厳しくないなど、一定のバイアスについては割り引いて読む必要がある。しかしながら -
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第6章の「大切なことを言い続ける」では
=何かを伝えたい、つながりたいというのは、
簡単なことではありません。
時には誤解を生み、なかなか人とつながれないときもあります。
それが違ったように伝わったなと思っても、
自分の気持ちを信じるなら、何度でもそれを言い続けてほしいのです。
言い続けるというのは、理解してくれないからつづけるのでは
ありません。間違っていれば透明性を保つというのは、
発信者として誠実であるということ、でもあります。
その真摯な態度があるからこそ、言葉に重みが増し、受け入れてくれるようになるのです。ソーシャルメディアでの行動が言葉に力を生むのです。誰もわかってくれない