旦部幸博のレビュー一覧
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著者が前書である『コーヒーの科学』に載せることのできなかった文化的背景についてをこれでもかとばかりに詰め込んだ本。『コーヒーが廻り、世界史が廻る』よりも近代史に詳しく、政治史も絡めた内容なのでかなり歯ごたえがある。
『コーヒーの科学』を先に読んだ方がよかったかなあと……ちょっとだけ後悔した。
理系である著者の文面はちっちりとしていて、ひとつひとつを積み上げている感覚がある。事実を淡々と記載しているところもあるので、かたい印象があるもののコーヒーブレイク的なコラムが差し挟まれていて、そちらはかなり気軽に読めるし、読んでいて楽しい。
地理と歴史の知識がないので、戸惑うことも多い本だったけれど、良い -
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最近は休日の朝、喫茶店でモーニングをいただきながら読書をするのが至福の時間です。そんな中で、ふと手元のコーヒーにもっと興味が湧いてきました。「どうすれば自分好みのコーヒーに出会えるのだろう?」そんな疑問を抱えながら手に取ったのが、**旦部幸博(たんべ ゆきひろ)氏の『コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか』**でした。
難解だけど面白い!コーヒーを科学する一冊
本書は、コーヒー豆の種類から抽出方法まで、「コーヒーの美味しさ」を科学的な視点から深掘りしていく一冊です。コーヒー初心者である私には、専門的な内容で理解が難しいと感じる部分も正直ありました。しかし、理系の人間としては、そのデ -
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多くの人が親しむコーヒー。かの詩人ボードレールは一日に10杯、文豪バルザックは50杯以上飲んだと言われます。
本書は、コーヒーを趣味にしようと決めたその日からみるみるのめり込んでいった科学者(著者)が、様々な角度からコーヒーを解説しています。
その様々な角度とは、コーヒーがコーヒーノキで種となり僕らが飲むまでの間の過程を切り分けての解説が主です。コーヒーノキとはどんな植物なのかということ、主流のアラビカ種は香りも味も豊かで人気ですがロブスタ種という種も病気への耐性が強いことと安価なことで栽培され続けてそれらのブレンドとして出回っている豆や粉のこと、栽培と飲み始めの歴史についてのこと、これに -
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ネタバレ作物ひとつとってもこれだけの情報があることにびっくり、どんな作物にもこれだけの物語、研究があるのだろうか。それともコーヒーだから?嗜好品に歴史あり、と言ったところか。
ティピカ種のイレギュラーさとか盗み出しの歴史(特に花束に混ぜたり)、おいしい耐病種の成り立ちなどが漫画の設定のようで面白かった。
自分は主に市販のパックのコーヒーをドリップすることしかないが、それでもフィルターの中で何が起こっているのかを知ることができて最近コーヒーを淹れるのが楽しい。お湯の流速が大事。泡を消さないよう注意。もっとも、自分はホットコーヒーは飲めないのだが。 -
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目の前のコーヒーを美味しくしてくれる一冊!!
コーヒーマイスターの資格を取るのに、読んでおいたほうが良い本…という事で手にとりました。美味しくコーヒーが飲めるようになるためのハウツー本かと思ったら…コーヒーノキの生物学的分類の話が始まってびっくり!
…そういえばこの本、ブルーバックスじゃん…
…と、最初は正直「しまった!」と思いましたが、出会えてよかった一冊です!
私たちが日常的に飲んでるコーヒーが普及するまでの歴史、一杯のコーヒーが出来上がるまでの化学変化、そしてヒトに与える疫学的な影響…今まで、漫然と飲んでいたコーヒーが奇跡の飲み物に思えてきました。
味覚研究の分野では「情報 -
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遺伝子学や微生物学の学者が趣味で突き詰め始めたコーヒーに関する本を書いた。コーヒーの品種からさまざまな淹れ方、コーヒーの科学的な効能など、コーヒーを題材に幅広く話題が展開する。
仕事柄コーヒーに関わることになったので知識を少しでも得ておこうと手に取った本。学者らしくかなり科学的な分析をしている項目もある。小難しい部分はさておき、コーヒー入門として参考になる。いろんな品種や抽出方法による味の違いの解説もあるが、これは自分で実際飲み比べするしかなさそうだ。
専門分野を趣味に生かして本を一冊書けるほど掘り下げられるというのは非常にうらやましい。 -
購入済み
コーヒー通史
ほぼ毎日欠かさずコーヒーを飲む私にとって、身近で親しみがあってわかりやすいコーヒー通史である。この様な本は往々にして、単にトピックス トリビアを寄せ集めただけのものが多いのだが、本書は生物 農作物としての歴史や、飲まれ方 飲む店などの文化史など複数の切り口から書き出されている所がなかなかに良い。
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コーヒー大好き、科学も大好きという皆さん。唆るぜ、これは!
とにかくコーヒーについて、多面的に科学のメスが入れられている。
個人的に特に印象に残ったのは(コーヒーに限定される話ではないが)「嗅盲」の話。
簡単に言えば、特定の匂い成分について、感じる人もいれば、感じない人もいるということ。36%の人が感じない匂いというのもあるし、他の匂いについても平均して1~3%は感じない人がいるというのだ(別途、調べたら、なんと半数の人が感じない匂いもあるらしい)。
たまに、「ある色を見たときに、他の人は自分と同じように感じているのだろうか?」なんていう疑問を持つ人がいるが、視覚はともかく、嗅覚に関し