【感想・ネタバレ】コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのかのレビュー

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Posted by ブクログ 2019年02月07日

著者が理系で化学や生物に精通した人であることから、「そう攻めて欲しかった!」という切り口や視点、考え方や論理の運び方がなされているのがとても好印象で、のめり込んで読むことができた。大抵の本はなんというか、ここまで潜って欲しい、こういう疑問を解決して欲しいという所まで議論をし尽くさず、「○○という物質...続きを読むがあるからこう感じる」止まりで消化不良感が強い。だからこそこの本は、似たような思考回路を持つからなのだろうか、面白みを存分に感じることができた。
また、事実や考えに対しても誠実かつ慎重な姿勢で著述していることも良い。著者自身が立てている仮説など、「なるほどなぁ」と感じる物が多く、本当に「コーヒーを科学」できる一冊であると感じた。

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Posted by ブクログ 2022年10月17日

コーヒーが好きでおいしいコーヒーを求めることを突き詰めすぎて、コーヒーで起きている科学的な現象を全部確認してしまいましたという感じの本です。
確かにコーヒー豆は生物で育成条件には地学的な条件が必要で、コーヒー豆に熱を加えて焙煎するところで化学的な変化が発生して、お湯に抽出する際には物理的な動きが絡ん...続きを読むでくると……なるほど確かに理科の全分野を総動員しないと解明できないものだったのですね。
それでも最後は室温とかでもおいしさが変わるので、全部を理解しても必ずおいしいコーヒーが作れるというものでもないようで……。

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Posted by ブクログ 2022年03月13日

珈琲について科学的に分析した本。
高校生程度の化学・生物に関する知識があれば、苦労なく読めるのではないか。
コーヒーノキに関する植物としての分析から、コーヒーのおいしさに関する豆の化学物質の分析までをわかりやすくおこなっている。
同じ筆者の著書である「珈琲の世界史」と合わせ読むことで、コーヒーに関す...続きを読むる基礎的な知識を得ることができるだろう。

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Posted by ブクログ 2021年11月08日

とても面白かったです!ここまで科学するのかと思うぐらい筆者は分析しています。それに理系的な視点に加えて歴史的な面からもコーヒーが考えられていたのも良かったです。

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Posted by ブクログ 2021年09月27日

科学的な側面から見たコーヒーのしくみについての本で,何かしら知識があればより一層楽しめる。

著者の専門はがんに関する遺伝子学および微生物学であり,それを含めて,本書で発揮される知識の幅は非常に多岐にわたるものである。

その中でもいくつか変わったキーワードを挙げておく:

遺伝子解析,抽出技術,味...続きを読む覚に関する成分,ガラス転移現象,化学反応,抽出曲線,クロマトグラフィー,起泡分離,コーヒーリング現象,エビデンス,アデノシン受容体

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Posted by ブクログ 2020年08月23日

コーヒーの歴史から抽出法や飲み方まで、詳細なデータに基づいて書かれています。科学的な記述に終始しているのに筆者のコーヒーに対する深い愛が感じられるのが素晴らしい!コーヒー好きなら知っておきたいこと満載だし、コーヒーに興味がなかった人にもおすすめです。

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Posted by ブクログ 2020年07月07日

コーヒーの歴史、成分、薬理…等々を概観できる良書。種々のことが網羅して書いてあるので、最初から全て理解しようとするのではなく、ざっと読んで後から辞書的に使うのが良いかもしれない。

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購入済み

コーヒーの科学

2020年02月15日

生化学や医学に慣れてない人には、後半はやや難解かも知れませんが、非常に分かりやすく、コーヒーの利点、欠点を冷静に述べています。
単に、こうやったら美味しいコーヒーが煎れられる!といった本でないところが良い!
コーヒー好きのコーヒーオタクのための本です。

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Posted by ブクログ 2018年07月28日

歴史、種類、成分、人間の味覚、健康への影響といった色んな面からコーヒーについて科学的に説明してくれる本。特にコーヒーと人類の付き合いの歴史と、人間の味覚がコーヒーの何をどう知覚するのかといった話に引き込まれた。

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Posted by ブクログ 2024年04月10日

科学的思考に弱いので自分にとっては苦行なページも多かったが、全体としてコーヒーの科学的側面をたとめた本としては敷居が低いと思う。まだ分からないことも多いので、この本をもとに、まとめ直した本が随時著されることを期待したい。

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Posted by ブクログ 2023年12月24日

遺伝子学や微生物学の学者が趣味で突き詰め始めたコーヒーに関する本を書いた。コーヒーの品種からさまざまな淹れ方、コーヒーの科学的な効能など、コーヒーを題材に幅広く話題が展開する。

仕事柄コーヒーに関わることになったので知識を少しでも得ておこうと手に取った本。学者らしくかなり科学的な分析をしている項目...続きを読むもある。小難しい部分はさておき、コーヒー入門として参考になる。いろんな品種や抽出方法による味の違いの解説もあるが、これは自分で実際飲み比べするしかなさそうだ。

専門分野を趣味に生かして本を一冊書けるほど掘り下げられるというのは非常にうらやましい。

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Posted by ブクログ 2022年10月08日

コーヒー大好き、科学も大好きという皆さん。唆るぜ、これは!

とにかくコーヒーについて、多面的に科学のメスが入れられている。

個人的に特に印象に残ったのは(コーヒーに限定される話ではないが)「嗅盲」の話。

簡単に言えば、特定の匂い成分について、感じる人もいれば、感じない人もいるということ。36%...続きを読むの人が感じない匂いというのもあるし、他の匂いについても平均して1~3%は感じない人がいるというのだ(別途、調べたら、なんと半数の人が感じない匂いもあるらしい)。

たまに、「ある色を見たときに、他の人は自分と同じように感じているのだろうか?」なんていう疑問を持つ人がいるが、視覚はともかく、嗅覚に関しては、実際に「同じようには感じてはいない」ということになる。

味は匂いに多分に影響されているというし、こうした個々人の「匂いセンサー」違いが、味の好みに影響していることは間違いないだろう。

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Posted by ブクログ 2021年10月23日

コーヒー豆から焙煎、抽出、飲んだ後の作用まで、コーヒーに関わるあらゆる工程を物理的・化学的に解説されていて、コーヒーの基礎知識がない私にとってはかなり難しい内容でした…。

ですが、大学で行った実験と絡んだ内容がちらほら紹介されていたので、「あの時の実験と同じ原理がコーヒー抽出に働いているのか!」と...続きを読む感動しました。

コーヒーマニアかつ科学オタクの方にとっては、かなり勉強になる、唆られる本だと思います。

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Posted by ブクログ 2021年06月19日

医学・生化学の専門家が、趣味でコーヒーを調べ尽くした素晴らしい総説。植物としてのコーヒーノキの分類や歴史、風味成分の知見、コーヒー特有の焙煎や抽出、健康との関係など、考えられるテーマを丁寧に網羅する内容は圧巻。そしてすべての論が客観的で誠実な科学的態度で貫かれている。科学的思考に触れる意味でも良書。

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Posted by ブクログ 2021年04月17日

自分にとって、コーヒーってなんだろう?

この本を読めば、いつもの一杯のおいしさが変わり、コーヒーに関する接し方も変わる。

コーヒーを科学的に知ることで、うまみの理由や、おいしく飲むコツ、ぼやっとしてた健康への影響などについて、具体的に理解することができる。

毎日、生涯 飲み続けるだろうコーヒー...続きを読む
その正体と魅力に踏み込むと、人生がもっと豊かになる。

コーヒーとは?

まさに筆者が主張する、
「クオリティ・オブ・ライフ」の向上!

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Posted by ブクログ 2021年03月28日

科学の視点から語る珈琲のあれこれ。久しぶりに知的好奇心を強く刺激してもらった。面白い。
細菌学などを専門にする医学博士である筆者の"本業"をいかした視点も多いが、歴史や道具にまつわる話も端的にまとめられており、「珈琲総論」の感がある。まとめ方がシンプルかつ論理的なので腹落ちしやす...続きを読むいのもよかった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年01月12日

・コーヒーに関する科学をとことん詰め込んだ本,コーヒー豆の生産から我々の口に運ばれるまでに至る精製,焙煎,抽出といったそれぞれの過程で植物学的・人文科学的・化学的・医療的・疫学的な解説が事細かに記してある.全てを理解し読み進めるのは正直骨が折れる.化学に疎い自分はところどころ飛ばしたが,全書を通して...続きを読むコーヒーの奥深さを知ることができる.

すぐに使えるなと思ったコーヒー雑学
・その人の体質などにもよるがコーヒーの覚醒効果は1杯でも得られる.飲みすぎると副作用が大きくなるだけ.
・コーヒーがもたらす健康への影響は善悪両面ある.詳細は本書にて.(研究を生業とする筆者自身が1000を超える論文に目を通した上で述べているのでその説得力は巷のメディアなどとは比べ物にならないだろう)
・1杯のコーヒー→15分ほどの睡眠で,その後のリフレッシュが期待できる.

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Posted by ブクログ 2018年11月25日

コーヒーのおいしさを科学的に分析した一冊。個人的にはコーヒーに「甘み」を感じるのは糖分が含まれているからと思っていましたが,実は嗅覚からの共感覚である,という話が印象に残りました。

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Posted by ブクログ 2018年05月01日

コーヒーに凝る人ならば満足できそう。講談社現代新書からこちらを読んだが、逆なら良かったかも。歴史の専門でないと、本書で大量に削られた草稿があちらかもしれない。難しい話は飛ばしても問題ない。

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Posted by ブクログ 2018年02月11日

コーヒーの味を表現する語彙が興味深かった。これだけ言語化されたものはないのでは。奥深さを解明し、表現している良書だった。これを知る事で、これからコーヒーの味の感じ方が変わるのではないだろうか。

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Posted by ブクログ 2021年06月17日

コーヒーの実からいわゆるコーヒー豆を取り出す二にはどのような操作がなされているのか、焙煎とはどのような化学反応が起きているのか、さまざまな入れ方で風味が変わるのはどの成分がどのように抽出されるからか、コーヒーのおいしさを科学した本

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年09月13日

コーヒーに興味ある人は読んでも損はない
速読練習の一環で手に取りました。
308ページ中25分で100ページ程3分の1
文庫本はやはり分厚い。

さっと読んだので詳しい用語は中々覚えられなかったがコーヒーの流れや近年で大きく広まり嗜まれるようになったのを知れたので面白かった。

ざっくり印象に残った...続きを読むこと

・収穫→焙煎→抽出があるが焙煎は生産地ではなく消費地で行う事。
・コーヒー豆は植えても生えてこない。
・昔は薬として愛用されており、
一部では覚醒作用のある神秘の飲み物として部族が飲んでいたなどの歴史がある。
・1900年代から日本には大きく広まり
缶コーヒーを広めたのは日本。
UCCコーヒーが独自開発して自販機があるという日本独自の文化のおかげで広まった。

など簡単ではあるがたくさんのことを学べた。
前半にはコーヒーの歴史、後半には抽出の仕方や美味しさについて詳しく記載があるので好きな方にはおすすめです!

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Posted by ブクログ 2023年01月28日

第4章に入ったあたりで飽きてきたので一時離脱、また気が向いたら続きを読みたい
(故、とりあえずそこまでの感想)
コーヒーが収穫されてから飲料として提供されるまでの本当に基本的な工程さえ知らずに「まあ、普段から飲んでるしな」くらいの気持ちで読み始めた身としてはそもそもの「収穫→精製→焙煎→抽出」につい...続きを読むての部分でさえ真新しいことを目にするかのような気分で読み進めることができた
実際上記にある読み始める前の私のような方々も多いだろうと思うので、その場合はぜひ読んでみてほしい
きっと新たな視点が得られるだろう

コーヒーの「科学」とタイトルにある通り、本当にあらゆる科学的視点からコーヒーについて論じているが、私自身は「おいしさの科学」のあたりで飽きてきてしまったので自分が興味を持てそうな分野から読む方がいいのかもしれない

なんとか内容を覚えようとメモ等を取ったりしていたがおそらく数ヶ月後には忘れてしまっているだろう、なんとも嘆かわしい

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Posted by ブクログ 2023年01月22日

コーヒーの美味しい淹れ方を知りたくて手に取りました。淹れ方とそれに関連する科学的背景がわかっただけでも満足ですが、コーヒー豆の種類や歴史などの記載も結構厚めでそちらはそちらで楽しめました。デカフェのコーヒーってどうやってできているんだろうというのもずっと疑問に思っていたので、そこもスッキリポイントで...続きを読むした。

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Posted by ブクログ 2022年05月10日

理系の単語に慣れてない私にとってはしばしび理解に苦しむところがあったが、いままで飲むだけでしかなかったコーヒーがどのようなプロセスを通じてその段階に至っているかを理解できて面白かった。
おいしさはには情報も関与してあると書いてあったが、おそらく本当だろうなと思った。

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Posted by ブクログ 2022年03月03日

生粋の化学者の興味に従う内容。
余すところ無く、コーヒーに関するアレコレを記載。

ストーリー性は薄いため、読み続けるのに努力を要する。
辞典的に使うには良し。

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Posted by ブクログ 2021年12月01日

コーヒーを様々な角度から科学的に見るブルーバックスらしい本。
コーヒーを飲むとトイレに行きたくなるメカニズムがよく分かっていないというのは意外だった。

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Posted by ブクログ 2019年10月07日

コーヒーの基本知識はもちろんのこと、コーヒー成分を科学的に説明してくれていて、より深く知ることができた。その分内容が少し難しくて理解できない部分もあった。

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Posted by ブクログ 2019年04月07日

コーヒーの美味しさを科学的に説明した一冊
化学用語がたっぷり出てきて読むのが辛かった。
ちょっと自分にはマニアック過ぎた

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Posted by ブクログ 2018年11月23日

☆☆☆2018年11月レビュー☆☆☆

科学の視点からコーヒーを語る。
アラビカ種、ロブスタ種、精製、焙煎、抽出。コーヒーの基本知識を学ぶことができる。

★★★2019年3月レビュー★★★

ロブスタは病気に強い。
だが品質に劣る。インドネシア、ベトナムでロブスタが多いのは、アラビカが「コーヒーさ...続きを読むび病」にやられたから。
少しずつコーヒーの知識を増やしていこう。

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Posted by ブクログ 2016年03月25日

 微生物や遺伝子の研究者である著者による、コーヒーを科学的に分析した本。コーヒーのもととなる植物について、コーヒーの歴史、コーヒーのおいしさ、焙煎や抽出の過程、健康への影響など。
 おれは最近職場でもインスタントのコーヒーを1日数杯飲むようになり、コーヒー好きではあるけれど、インスタントのコーヒーし...続きを読むか飲まないので、「ゲイシャ」とか「コナ・ティピカ」とか品種も知らなければ、浅煎りとか深煎りというのもあんまりよく分からないし、ターキッシュコーヒーとかダッチコーヒーとか聞いたことはあるけれどもあんまりよく分からない、という程度の感じで読んだ。おまけに化学嫌いのド文系。正直、おれにはハードルが高そうな本だと思って読んだが、意外と面白く読めたことが驚きだった。特に、第1章~第3章までは、コーヒーや生物・化学に関する知識が一切なくても分かりやすく一から解説してあり、入門者でも楽しんで読める。いくつか面白かったところを挙げると、まず「コピ・ルアク」という「動物の糞から採る、世界で最も高価なコーヒー」(p.21)というのがあるらしい。一方で、「コピ・ルアクでは、狭い檻に閉じ込めたジャコウネコにコーヒー豆を無理矢理食べさせて作る業者」(p.22)がいるらしく、フォアグラみたいな感じなのか、と思った。コーヒーノキ属は125もの種がある中で、「『コーヒー』を取るために栽培されているものは何とたったの2種類」(p.31)というのも驚きだ。アラビカ種とロブスタと呼ばれるカネフォーラ種らしく、2種類の特徴が分かりやすく述べられている。例えばアラビカ種は自家受粉が可能、カネフォーラ種は不可能らしい。そしてこのアラビカ種の故郷は「ビクトリア湖北西に位置するアルバート湖の周辺」(p.40)らしく、世界中で栽培されて飲まれているコーヒーの元の場所が推定できるなんてロマンがあるなあと思った。こういうところを可能なら旅行で行ってみるというのも面白そう。栽培の伝播の話で、どうやってイエメンからアラビカ種の栽培が広まっていったかという経路には「ティピカ」と「ブルボン」という2通りある(p.69)らしく、それぞれにストーリーがあって興味深い。
 第4章以降は、コーヒーを楽しむ人じゃないとピンと来ない部分も多く、第4章の味の部分は初心者でも何となく話は分かるが、第5章、6章の焙煎、抽出の話はおれにはあんまりよく分からなかった。おれがコーヒーが好きなのは味よりも香りの面が大きいが、ヒトは鼻先香と口中香の2種類を感じるらしく、「ニューロガストロノミー(神経美食学)」みたいなことを考え出す学者もいる(p.122)というのが驚きだった。何でも研究の対象になるのか、という感じ。味覚の話で、バニラエッセンスの「バにリン」というのがコーヒーには入っているらしく、これは「『正露丸の野い』のグアヤコールにアルデヒド基が一つ付いただけの構造です。このたったの一カ所の違いで、全く異なるバニラの甘い香りに感じるのですから、つくづくヒトの嗅覚とは不思議な者です。」(p.148)ということで、これも面白い。何か一カ所の違いがこんなに感じ方に違いを生む、というのは本当に不思議だ。また、コーヒーの「焙煎度」には8種類あるらしく、シナモンからイタリアン、スパニッシュまで、ということらしいが、地域差が結構大きいということらしい。面白いと思ったのは「アメリカは地域差が大きく、ボストンや西海岸ではシナモンやライト、東部はやや深めでハイ~フルシティ、南部がもっとも深くてフレンチ以上」(p.172)らしいが、なんでこんなはっきりとした地域差が生まれるんだろう。おれが勉強していた社会言語学のアメリカ方言のところなんかは、東海岸で方言の差異が顕著で、それはもともとヨーロッパのどこの国からの移民が多く集まってできた植民地かに影響されていたり、ということがあったが、そういうことと関係あるのか?アメリカのコーヒーの歴史を辿って方言学の成果と類似するところが見つかったら面白いかも、と思った。
 最後の第8章は健康の話なので、コーヒーを飲む人なら誰でも興味のある話だと思うが、いかにも堅実な感じで好感が持てた。良い悪いといった分かりやすい話に持ち込むのではなく、学問的に正しいが故に必然的に分かりにくくなる部分を分かりやすく解説している、という感じだった。例えば「『脳の活性化』と聞くと、脳の活動状況を光り具合で示したPETやMRIなどの『脳画像』を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、じつのところ、あの手の画像だけでは脳のどの部位が活動しているかはわかっても、具体的にそれでどのような効果があるかの十分な証拠にはならないものがほとんど」(p.276)みたいな記述は、「脳科学的に正しいことが証明されています」とかなんとか言ってそれっぽい画像を見せているのは姑息な方法なのかもしれない、とか思ってしまった。他にも、コーヒーの長期影響をプラスマイナス両面述べた上で、「善悪どちらが大きいか?」(pp.293-5)の話は、もはやコーヒーの話というよりは、科学的、客観的とはどういうことかについて、統計について考えさせられる話で、勉強になった。
 最後に、コーヒーはカフェインが入っていて冴える、というのもある一方で、おれ個人的にはあの香りにリラックス効果を感じるのだけれど、それは科学的にはどう説明されるのだろう、とか思った。(16/03/25)

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