辻原登のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2010.07.前田侯爵家の緑子の小間使いとして働くこととなった主人公のわたし.緑子には以前、ゆきのという小間使いがいたが夫が二・二六事件の首謀者の一人で後を追って亡くなったという.緑子はどうやらこの世界ではないゆきのと通じているようだ.ミセス・バーネットに相談したところ、ポゼス(possess)されていうるのは、わたしだと言われる.ある日、わたしは緑子に向かってプチナイフを振りかざす.ところが、何かの力が加わりナイフを落とす.最後、前田家に挨拶に行った際、緑子は私に抱きつき、「さよなら、ゆきの」と言った.面白いような、よく分からないような.
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Posted by ブクログ
○2010/07/10
中古屋にて長いタイトルが気になって、短編集だっていうことで購入。面白いものもあったけど、で、これはどいう言いたいの?っていうのが。
不思議な話というか度を越した狂気と言うか、最後まで読んでみると一番しっくりくるテーマは”奇憚”だろうか。そういう話書くぞーって意気込んだはいいけど最終的に話の意思のほうが強くなってしまった印象。
想像してたのと違って、っていうのとはまた違うんだけど、雰囲気からすると期待ほど奮わなかったなと。でも一番最初の”ちょっと歪んだわたしのブローチ”が面白かった。何か似たような話を読んだ気がするのは後か先か…。