【感想・ネタバレ】抱擁のレビュー

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Posted by ブクログ 2013年05月03日

ぼんやりとしたうす靄の中で一滴ポトンと滴を落とし、それがいつまでも波紋を広げて静まらない。時間が経つごとにこのお話がもたらす不穏な空気がじわじわと浸食してきて息苦しい。幾通りもの解釈がなされるものだと思うのだけど、これが現実か虚構(妄想)かによっても大きな意味を持って成すのでしょう。衝撃を持って本を...続きを読む閉じ、表紙の絵と金文字のタイトルを見るとぐっと迫るその意味。ゴシックロマンに溢れ、歴史と虚構が絡み合った濃密な世界にくらくらしてしまいました。「わたし」の静かな語りが儚さと哀しみをたたえます。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年02月26日

最後の一文を読んで、「怖~」と思わず口から言葉が出ていた
怖…

終盤で不気味さの正体が判明しそうになり穏やかな空気だったのが一変…
駒場コートに残ることにしたときには取り憑かれてしまっていたのか?
でもそうなると危害を加えようとしたときに止めたのはなに?

もう一度読んでみる

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Posted by ブクログ 2018年09月11日

最近新聞書評に出ていたので読んでみました。
独特の世界観。検事の前で話しているという形で物語は進みます。
二・二六事件の頃の日本の雰囲気も出ていて、公爵のお屋敷を想像しながら読みすすめました。
主人公の女性の不思議な体験をどう語りつくされるかがこの小説の面白みです。
作者がインスピレーションを受けた...続きを読むという「ねじの回転」。昔読んだはずですが、読んでいる時は全く意識しませんでした。この作品を読んでから読み直すときっと違う印象になるのかなと思います。

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Posted by ブクログ 2013年11月06日

すごい。こんなに短く簡単に美しく「ねじの回転」日本版が!

「ねじの回転」、新潮版はちょうど昨年の今頃読んでて、すごく好きなタイプの小説だったから、岩波のデイジーミラーも入っているほうも買ってある。「抱擁」読んだし、近々読もうかな。

「ねじの回転」のわからなさ、見通しのわるさがシンプルに表されてい...続きを読むるのがすごいです。

「ねじの回転」にはふたつ説があって、「抱擁」は幽霊説じゃないほうを採用したのね。もちろん、こっちのほうが面白味あって好き。

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Posted by ブクログ 2013年09月06日

「ねじの回転」「レベッカ」を連想させる。

ん?抱擁?なんで抱擁?…ああ、そうね、そういうことね。
怖さよりも、かすかに残る抱擁の切なさがキモなのでは。

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Posted by ブクログ 2011年03月04日

違和感を感じた。どこでとか、なにがっていうのは具体的には説明出来ないのだけど、読んでいる途中にぞくってした。あ、強いて言うのであれば、語りの女。彼女に一種の狂気みたいのを感じた。語りの女が語れば語るほど違和感も増し、するするとページをめくる指も早くなった。「抱擁」ってありきたりの題名が手抜きだ、と思...続きを読むっていたのだけど、読後そっけないようで熱いその二文字の言葉にぬたっとくる。

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Posted by ブクログ 2020年03月05日

2.26事件直後の昭和の時代。

侯爵の屋敷で5歳の娘の小間使いとして働くことになったわたし。

少女と一緒に生活するにつれて感じるようになる、見えないなにか。
自分の前任だったゆきのさんに関わる話。

姿のないなにかによって少女が次第に現実から遠ざかってしまうと感じたわたしは
彼女の身を守るために...続きを読む、自分の立場を犠牲にしてでも行動を起こしたこと。

少女に取り憑いていたと思われていたなにかは
実はわたし自身に取り憑いていたのかもしれない。

最後が意味深で、結局真相は読み手側に委ねられている〜。
不気味故の後味なのか。もっとすっきりしたい。

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Posted by ブクログ 2013年05月17日

ちいさな女の子のみつめる世界の独特で不思議な空気感。
最後の一文が発する謎に対する衝撃が、印象的で。
魅力的だった。

世話係の主人公と、ちいさなお嬢様の緑子。そして、ゆきの。

閉鎖的で、依存しあったちいさな世界が、不安定で心地よく感じた。
読んでいて少し、ねじの回転を思い出した。

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Posted by ブクログ 2013年01月29日

なんだかよく分からない。薄い本だからすぐに読めるんだけれど、じゃあページ数がある小説だったらもうちょっと書き込まれて理解できたのかなあと思う一方、いやページ数増えても変わらないでしょって気もするし。舞台設定というか雰囲気は嫌いじゃないんだけどなあ・・・

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年11月10日

雰囲気は好きです。お屋敷!小間使い!といったら内名あまりがまっさきに出てきてしまうのですが(笑)、より現実的というか、そういう感じはありました・・・序盤は。
後半の展開は「お嬢様を独占したい自分」という点では非常に共感できるものだと思います。おんなのこはこういう感情に陥ったりしません? 
そのわりに...続きを読む“ゆきのかもしれないなにか”について理解がおっつかなかった気がします。それが狙いなのでしょうが、読んでいる側からすればもうちょっと最後はスッキリしたいな、なんて・・・
最後の一文も「??」が残ります。うぅん、読解力が足りないのかなぁ。読んだ人とこのオチについて語り合いたいです。雰囲気には惚れているから理解したいのよー!
ただあの一文をページまたぎにした装丁さんグッジョブです。

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Posted by ブクログ 2010年09月17日

手探りで進むような、心許ない気分。どちらに転がるのか、どこに辿り着くのか、どきどきしながら読みました。

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Posted by ブクログ 2010年07月19日

2010.07.前田侯爵家の緑子の小間使いとして働くこととなった主人公のわたし.緑子には以前、ゆきのという小間使いがいたが夫が二・二六事件の首謀者の一人で後を追って亡くなったという.緑子はどうやらこの世界ではないゆきのと通じているようだ.ミセス・バーネットに相談したところ、ポゼス(possess)さ...続きを読むれていうるのは、わたしだと言われる.ある日、わたしは緑子に向かってプチナイフを振りかざす.ところが、何かの力が加わりナイフを落とす.最後、前田家に挨拶に行った際、緑子は私に抱きつき、「さよなら、ゆきの」と言った.面白いような、よく分からないような.

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Posted by ブクログ 2010年07月11日

2.26関連と聞いて読んでみたけど、そんな関係なかった(笑)
面白いんやけど、主人公が普通の子やったはずやのに急にぶっとびだしたり、書いてくれないことが多かったりして、いまひとつ腑に落ちないというかすっきりしない感じ。

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Posted by ブクログ 2010年05月31日

金原瑞人さんがこの本をおすすめ!と書いてあって、興味を持って読んでみました。
一貫して一人の女性のモノローグで語られるこのお話、最後まであきることなく読み終わりました。
が......。
最後のところがわたしには理解できず、モヤモヤとしたものが。。
結局これってどういうことなの??

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Posted by ブクログ 2010年03月02日

内容(「BOOK」データベースより)
二・二六事件から間もない、昭和12年の東京。前田侯爵邸の小間使として働くことになった18歳の「わたし」は、5歳の令嬢・緑子の異変に気づく―。歴史の放つ熱と虚構の作り出す謎が濃密に融け合う、至高の物語。

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