仲達志のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレグーグルの設立から成長するまでが非常に細かく書かれており、素晴らしい。
■特に面白かったこと
・グーグルが検索技術を開発した当時、バイドゥも含めて同じことを考えている企業が多かった。
グーグルが生まれたのは歴史的必然であり、グーグルが成功したのはプロダクトへの信念と自由な環境にあった。
・社内への情報は非常にオープンだったが、社外に対しては非常に情報を隠していた
・内製化にこだわり、自分たちでデータセンターを設計・運営してしまう
・ある意味インフラ企業としてどうあるか、という考え方
・非常に選民的で、その基準は大学の偏差値と成績
・コードイエローという非常事態宣言があり、その宣言が -
Posted by ブクログ
数多くのグーグラーへのインタビューをもとに、グーグルがどんなことを考えて実行してきたか、どんなことを考えて実行しているのかが詳細にわかる力作だと思う。
はじめに、ブリン氏もペイジ氏も、しっかり経営しているのだなと感じた。
技術面でも、経営方針でも、採用でも。
研究室の延長のようなグーグルですら、採用基準には野心があることを挙げている。私にはこれが足りないと感じてはや数年。
驚いたのはアプリの更新の評価。ユーザーにより更新前か更新後のものを表示し、行動の差を測っている。なるほど、サービス中のことだから、効果の有無を示すのに最も説得力がある。
「グーグルの製品はマシン主導。人間の偏った見方 -
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Posted by ブクログ
GDPは第二次世界大戦中のアメリカが国民所得推計を測る為、生み出された。漠然と、戦争能力を査定するための指標が始まりだと認識していた。また、お金でカウントできないものは含まれない。つまり、犯罪率が低く、公共サービスの高い効率性、健康で長い平均寿命など、こうした点はGDPに含まれない。本著は、こうしたGDP信仰に冷や水を浴びせる一冊だ。しかし、こちらはGDPなんて端から絶対視していないため、自ら冷や水を浴びる。まるでアイスバケツチャレンジだ。
人々の幸福感は絶対的な富の量ではなく、周囲の人間との相対的な差異によって決まる。不平等賃金を拒否する猿の例を引くが、まさに。カウントして、労働を測り、比 -
Posted by ブクログ
週刊東洋経済でインタビューを読み、興味がわいたので書店で購入しました。結果から言うと満足しています。GDPの限界論については以前から一連の議論がなされていたかと思いますが、ここ数年間の議論熱の高まりを見ると、今度こそ本当に変化が起こるのではないかと感じており、その背景や世界中での議論の広がりなどは本書から包括的に理解できました。著者はフィナンシャル・タイムズの記者ということで、現地での取材を前面に打ち出した記述が多いのですが、特に新興国の統計作成官へのインタビューはなかなか興味深く読みました。統計作成は政治に密接に関係していること、それは特に新興国では顕著だということがにじみ出ている内容でした
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Posted by ブクログ
読むのにとっても時間がかかった。理由は、この本は学術書や実用書の類ではなく、「面白いノンフィクション、ルポタージュ」の体裁だから。
いつものようにビジネス書を読んでいる時ならば、マーカーと付箋を片手に「読み返した時に拾うところ」を残していく感覚で読み進めるのだけども、今回は実に時間がかかった。エキサイティングな小説を読んでいるように活字を追ったし、適度に難解なので読み返すこともしばしば。
読書感としては「フラット化する世界」(トーマス・フリードマン)とよく似ている。ジャーナリスト特有の時折ユーモアや皮肉を交えた饒舌な筆致。貨幣価値に交換可能な尺度ばかりに注目すると本来的な幸福観を歪めたり見 -
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Financial Timesのアジア編集長にして元日本特派員のDavid Pilling氏、日本を巡る渾身の論考、世界的にもかなり売れているらしい。
第1章、津波の章だけでも読む価値があるが、本書のもっとも魅力的な点は、日本という類まれなる秩序と繁栄を手にした国に対する最大限の敬意を表明しつつも、根拠のない「日本特殊論」には一切くみせず、他の多くの国と同じように、多くの悩みを抱えた不完全な存在として描いていることだ。
「・・・日本人は自国がほかに例のない調和の取れた社会であると考えたがる傾向があるが、他国と同様、この国にも階級、地域、性差、年齢などによる対立があるし、主流派の文化に対抗する -
Posted by ブクログ
著者は、フィナンシャル・タイムズの元東京支局長。東日本大震災の体験をきっかけとして、この本を執筆した。
主なテーマとしては津波と東日本大震災、著者が考える日本の歴史、現在の日本について考察している。震災以降、日本に対する海外の見方は悲観的だが、日本は決して衰退していないと説く。日本はこれまで、何度も厳しい危機的状況に陥っているが、その度に復興する力を示してきた。だから様々な議論はあるが、今後も上手くやっていけると考察している。但し、現代の日本人に対しては手厳しい意見もあり、特に日本の政治家の右傾化には不信感を持っているようだ。
ジャーナリストらしい視点で多くの日本人にインタビューし、現代の日本 -
Posted by ブクログ
<目次>
第2部 日本を支配する「歴史の呪縛」
第7章 経済と金融
第8章 ビジネス
第9章 社会的・文化的変容
第10章 政治
第11章 日本と世界
<内容>
筑波大のマーフィー教授の日本論下巻。現在の日本は、第二次世界大戦前に戻りつつあるという。それはあほな首相の妄想のためではなく、官僚が主導する「アメリカ従属国家」をさらに推し進めるため、だという。アメリカは日本を「お友達」としてそれを認めるのではなく、対中国の捨て鉢として、役に立つから利用しているに過ぎない、という。日本は明治政府を作った政治家たちが死んだ後、残念ながらきちんとした政治家が生まれず(田中角栄はや -
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Posted by ブクログ
モンテッソーリ教育(子どもの自主性を尊重する教育法)の申し子である二人の若き天才が、「世界をよりよくする」という高い理想と、「邪悪になるな」という強力な理念、それに「アルゴリズム至上主義」ともいうべき徹底した合理的・論理的思考をベースに、同様の価値観をもつ天才集団を形成し、優れた検索エンジンと画期的なネット広告モデルの開発により、業界の覇者に上り詰めるまでのサクセスストーリーが前半。
後半は一転して「追われる立場」となった彼らが、その崇高な理想や理念への拘りがゆえに、中国参入の失敗や相次ぐプライバシー問題、反トラスト法訴訟に見舞われ、ついにはソーシャルネットワークサービスにおいてフェイスブッ