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黒船来航に端を発する近代国家への急速な発展、第二次世界大戦敗北後の奇跡の経済成長、そして2011年3月11日の東日本大震災後に人々が見せ続ける粘り強さ。たび重なる「災いを転じて」、この国はいつも並外れた回復力を発揮してきた――。名門経済紙《フィナンシャル・タイムズ》の東京支局長を務めた英国人ジャーナリストが、3・11を起点として描き出す日本の実像とは? 近・現代史への確かな理解をもとに、安倍晋三、稲盛和夫、村上春樹、桐野夏生、古市憲寿ら著名人から東北の被災地住民まで、多くの生の声と豊富な経済データを織り交ぜ、日本の多様性と潜在力を浮かび上がらせる。海外メディアの絶賛を浴びた画期的傑作。
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Posted by ブクログ
Financial Timesのアジア編集長にして元日本特派員のDavid Pilling氏、日本を巡る渾身の論考、世界的にもかなり売れているらしい。
第1章、津波の章だけでも読む価値があるが、本書のもっとも魅力的な点は、日本という類まれなる秩序と繁栄を手にした国に対する最大限の敬意を表明しつつも、根拠のない「日本特殊論」には一切くみせず、他の多くの国と同じように、多くの悩みを抱えた不完全な存在として描いていることだ。
「・・・日本人は自国がほかに例のない調和の取れた社会であると考えたがる傾向があるが、他国と同様、この国にも階級、地域、性差、年齢などによる対立があるし、主流派の文化に対抗する非主流派(サブカルチャー)が存在し、社会構造の変化によって流動化することもある。だから『日本人はこう考える』というフレーズで始まる発言はまず疑ってかかった方がいい」(上巻、P.47)。
もちろん、日本人から見ればあまり深さのない事実のサマリーと感じる部分もあるし、例えば避けてとおれない戦争や憲法の問題についてこちらの言い分を主張したくなるあれやこれやはある。が、本書はほとんどのトピックで様々な意見を両論併記的にカバーしている。結論としてはどうも「左寄り」の肩を持っている気がする、と思う人は確かにいるかもしれないが、英国のジャーナリズムにとって権力との緊張関係は大前提、といった点も考慮する必要があろう。
ともあれ、杉田玄白の解体新書から小泉政権の郵政改革まで、これほど網羅的にカバーした本は滅多にないし、それを世界のEducated personが関心を持って迎え入れたということに深く思いを致さずにはいられない。そして日本の抱える課題についてこれでもかとあげつらったこの本は、しかし読めば「それでも再起する」日本への最大級の賛辞でもあることがわかるはずだ。
ここに描かれた日本像は、Financial Timesの信用力もあいまって海外から当面の「スタンダード」として受け止められる可能性が高い。そのことを、私としては(100%都合のいい本なんてあるわけない前提で)十分納得できる、と感じた。
Posted by ブクログ
著者は、フィナンシャル・タイムズの元東京支局長。東日本大震災の体験をきっかけとして、この本を執筆した。
主なテーマとしては津波と東日本大震災、著者が考える日本の歴史、現在の日本について考察している。震災以降、日本に対する海外の見方は悲観的だが、日本は決して衰退していないと説く。日本はこれまで、何度も厳しい危機的状況に陥っているが、その度に復興する力を示してきた。だから様々な議論はあるが、今後も上手くやっていけると考察している。但し、現代の日本人に対しては手厳しい意見もあり、特に日本の政治家の右傾化には不信感を持っているようだ。
ジャーナリストらしい視点で多くの日本人にインタビューし、現代の日本人とは何かを考察しており、とても面白かった。最近はメディアの日本賛美論が蔓延していて、日本の凄さを世界に誇り喜ぶ風潮がある。良い話を聞くのは確かに気持ち良いが、それを鵜呑みにするのではなく、日本に対する辛口の意見も読んで、自分の考え方が偏っていないかバランスを取ることも必要だろう。この本は、そういう目的で読むといろいろ考えさせられることも多かった。
Posted by ブクログ
黒船、敗戦、バブル崩壊、3.11と多くの国難に見舞われながら、その度に立ち上がってきた日本という国と日本人の物語である。上下巻に分かれている。原題は『Bending Adversity: Japan and the Art of Survival』そのまま訳すと「災い転じて福となす:日本とその生き残りの芸術」といったところか。英語の他にも独、伊、仏、中国語などに翻訳されるようである。上巻では、3.11の地震と津波に襲われた被災地から物語ははじまる。そして、震災の時に日本人が見せた規範意識の高さから、話は「日本論」へと移っていく。本書の第一の特徴は著者が直接インタビューするなどして得てきた情報が多いことである。『国家の品格』の藤原正彦、言わずと知れた作家『村上春樹』、そのほかにも政治の中枢にいる人間や海外の政治学者や作家などその取材先は多岐にわたる。違和感のある記述もあるが、それも含め日本を良く知る外国人がどのように日本を見ているのかがよくわかる。
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ビジネス・実用
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