沼正三のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ正体不明の作家、沼正三氏によって上梓されたもの。当初の発表は1956年より『奇譚倶楽部』にて。以降単行本出版にあわせて加筆訂正され、幻冬舎版が最終稿。
なお幻冬舎版は5巻組で本作が初巻。
内容は一言で言うと、超未来SF/SM小説?
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いやあすごい作品でした。ぶっ飛びました。
2000年後の未来で、日本人(だけ)が黄色人種の中でも家畜とされ、科学の力で奇形や小人にされ、白人にサーブするという世界。
その未来から来た白人(UFOの墜落)を助けた日本人とドイツ人のカップル。
彼らが、かのUFOに乗って未来での日本人(ヤプー)の取り扱いに驚愕するというもの。日本人麟一郎はもう奴隷以下の家畜の扱い。その許嫁クララはいつの間にか麟一郎を忘れ、未来の貴族生活に魅了されてゆくという筋。
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ちなみに未来ではヤプーは遺伝子操作や医薬品用の実験などにも使われ、さらには原種を過去の日本に狩りに行ったりするとか。ちょっと豚さんや牛さんの気持ちが分かります。。。
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まーでも、すごいのは1950年代で未来の在り方を描くということ。創造力の奔出。
・未来人は女性上位。
・未来人はトイレに行かない(トイレからこちらにやってくる)。
・下働きは家畜たるヤプーが行い、さらにそのヤプーの管理を黒人奴隷が行う。厳密な階級社会。
そしてこれら細々とした設定(科学技術)や歴史が漢字(英語・ドイツ語のルビ付き)で縷々語られる。
下の話題やスカトロ系の話を極々真面目に熟語で表現する、みたいな(トイレ専用ヤプーが人間のふんや尿を口で受けてそのまま完全消化するという。。。)。
だからこれ、ふざけてんのか、真面目なのか、よく分かりませんよ。
でも、きっと真面目に丹精込めてここまで昇華させたのでしょうね。本当に好きで、根詰めて考えないと、こういうのは作れないと思います。
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ということで、沼正三氏の作品でした。
五巻セットでしたが、なんだか一巻でおなかいっぱいになりました。。。
悪徳の栄えのごとく、価値転倒の極北として文学史に残る可能性はありますが、これを読んで生きる糧になる、という性格のものでは決してなかったと思います。
また、『これ面白かったよー』と他人に教えられるものでもないですね。そんな本ネタを聞いてくれるひとなど周囲に居ませんが。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこれはびっくり。TikTok?で激ヤバ本(語弊)と紹介されてて、あらすじ読んで、ふーんちょっと読んでみたいかも〜と思っていた矢先に読める機会があったので…設定がきちんとされすぎていて、途中で辞書?みたいなページがめちゃめちゃ入る。読書初心者にはなかなか時間かかる、読むのに ふう、となる 本でした 再編集?されていたみたいで、あとがきで知ったんですけどこの作者さん、結構得体の知れない人物らしく、それにもびっくり どういう原理、理屈で未来人、またはそれを取り巻く環境が成り立っているのか現代の環境を踏まえながら説明しつつ、なるほどそれならできなくもないかーとなる絶妙なポイントで成り立っている(気がする)想像力が貧困なのでこんなに細かく説明してくれてても えっ…つまりどうなってる?と思いながら読みました 瀬部氏、どうなるやらと思いますがすでに人外な施術は終わってしまったのであとはもう未来人に馴染んだクララに家具として扱われるのでしょう…わたしも黄色人種なので気が抜けない←? 初めてこういう本を読んだ なんでもありやなぁ面白かったです
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購入済み
手際よくコミカライズ
原作は70年近く前に発表された沼正三の長編SF・SM小説である。結構ボリュームのある原作を手際よくコミカライズしているので、ストーリー展開を追うのにはなかなかに便利な作品である。ただ大変残念なことに絵柄があっさりしすぎていて、原作の持っている「妖しさ」が伝わってこない。大暮維人のような繊細で妖しい絵がほしいところである
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Posted by ブクログ
結婚を控えたドイツ人女性のクララと日本人男性の麟一郎のカップルは、ある日ドイツの山中で未来人の墜落現場を目撃してしまう。帝国EHS(イース)から来たと名乗るその未来人は、アクシデントにより身体が硬直してしまった麟一郎を治すため、二人をイースに連れていく事を申し出る。あらゆる技術が発展したその国は、アングロサクソン系の白人を頂点に、黒人の半人間の奴隷、そして様々な肉体改造を施され字義通りの肉便器や性玩具に身を変えられてしまったヤプーと呼ばれる日本人により形成された完全なる格差社会であった。また、徹底的な女権主義国家でもあり、権力は全て女性が握っていた。そうとも知らず麟一郎と二人、イースに行く事に同意したクララ。初めは麟一郎の容態を気にかけていた彼女だったが、次第に権力と暴力の甘美なる魅力に陶酔していく。知ってはいたけど内容はかなりえげつない。だいぶ人を選ぶので要注意!ヤプーと言われる日本人があらゆる肉体改造を受ける様子や、白黒黄色人種からなる格差社会の様子など、イース文明を科学的文献を参考にしている体でつまびらかにしている。私達が日々家畜に行っている事と、かつて奴隷や穢多非人と呼ばれる人々に対して平気で行っていた(現在も一部行っている)行為の残虐性を思えば、本作で描かれた世界もあながちあり得なくないのかもしれない。どーーーっしても拭えなかった疑問は一つだけ。「ヤプーの加工にそれだけの労力をかける意味はあるのか?!もっと楽な方法あるだろ!」ただ暇で裕福な人間が行い得る悪行の例は歴史の貴族を見れば枚挙にいとまがないので、こちらもあながちあり得なくもないのか…。