あらすじ
ある夏の午後、ドイツに留学中の瀬部麟一郎と恋人クララの前に突如、奇妙な円盤艇が現れた。中にはポーリーンと名乗る美しき白人女性が一人。二千年後の世界から来たという彼女が語る未来では、日本人が「ヤプー」と呼ばれ、白人の家畜にされているというのだが……。
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Posted by ブクログ
3月20日、BOOKOFFで人を待ちながら次に読みたい本を物色?!していた所、地震警報が鳴り響き、あっという間に立っていられない程の揺れに、思わずしゃがみこんだ。
そんな私の脳天を直撃してきた本が、家畜人ヤプーであった。
いつかは手を出そうな予感がしていたこの作品に縁を感じて購入。
いやいやいや.....。そういう趣味嗜好は無いけれど、何という世界観なのか??
この時代にこんなものが書けるとは...。
婚約していた、クララと麟一郎の二人がポーリーンに出会うことにより、運命を変えられてしまう。
麟一郎が、人間の気持ちをクララに対する愛情を持ったままヤプーに改造されていく様が、不憫で可哀想で、自分がヤプー側の気持ちになっているのかと気づき何か凹んでしまった。
しかし、久しぶりに後味の悪さを思う存分感じた作品だった。
Posted by ブクログ
マゾヒズムここに極まれりといった感じですね。
人体改造ネタはもちろんのこと、「アマテラスの正体が実は……」といった日本神話を解体するような、右翼団体をブチギレさせたアイディアも秀逸です。
Posted by ブクログ
自分の中にも日本人としての誇りがあったんだなと思い起こさせてくれた作品
起きているできことはすべてグロテスクで荒唐無稽なんだけど
それをあくまでSFとして説明しよとしているところに誠実さを感じる
それらがあくまで作者がしてほしい願望であるところが狂いに拍車を掛けている
ぜひとも世界で出版して欲しい作品
その時は出版された国の人種を家畜役にしてほしい
どんな反応をするのか楽しみだ
江川達也が漫画化したが彼にはMの願望がなかったのでそれなりだった
ヤプーが日本人に見えなかったのもまずかった
Posted by ブクログ
これはすごい。ドグラ・マグラ以上の奇書に出会った気がします。
怖いというより、こういう世界だったら家畜扱いされてた自分が今ぬくぬくと読書している優越感に浸ったり嗜虐心被虐心を間接的に味わったりして快感を感じる本なのでは…私は好きです…。
Posted by ブクログ
単純に凄く面白い。エログロナンセンス文学として名高いが逆に人間臭さがない分、下手に重たい小説よりもはるかに読みやすい。人間の尊厳なんてものが、同じ人間の中でこそ貶められ快楽にすり替わるということが良く分かる。
ところどころ、何だか未来ではこうなるのかもしれない…と思わず納得してしまうような描写に日本人として厭な汗が額ににじむことだろう。だけど、この本は深く考える必要はないのだと思う。絵空事として笑い飛ばす精神があれば5冊楽しく読める…はずである。
Posted by ブクログ
あまりのこじつけ上手に腰くだけ。
本当にそうなのか?と錯覚してしまうぐらい
この本に引き込まれた。
自分の価値観や発想にはない
逸脱したセンスや奇抜さには
ため息しかでない。
しかし、生理的に受付けない人が大半であろう。
一般向きではないことは確か。
「友人に紹介できない一冊」とも言える奇書。
変態!と罵られたくないから
私はエロ本同様の扱い。
Posted by ブクログ
ヤプーを読むなら小説を読め! または石ノ森漫画だ!
白人貴族女に同調して読むならわが世の春な住みよい世界。男は三つ指ついて妻に尽くす、ガチガチの女性優位社会。
黒人は半人間。日本人は…実は人間を僭称した家畜だったのだ! だから慈畜精神にのっとり何してもOK!
という未来に迷い込んだ日本人男とドイツ女の、昭和に書かれたSF風エログロSMスカトロ趣味小説。
著者の趣味全開。でも昭和だからそんなに刺激が強くない(笑)
個人的には巨大果物とオロニア乳のアイスクリームが食べたい。そして猫だけはヤプー化されていないところに深く深く満足しました。
Posted by ブクログ
構想も設定も、よく思いついたなあと感心するばかりですね。
マゾヒズムの極といいますか、内容が内容なのであまり気軽にお薦めできない作品ではあります。
でも私としてはいち押しです!
真面目に皮肉してる
解釈は人それぞれ、
奇書であることは間違いない。
大統領選に落選する予定のトランプちゃんに英訳版を謹呈したら、選挙後ね、
喜ぶかもしれない。トランプちゃんは、
女尊男卑、白尊色卑の皮肉に気がつくかな、多分気が付かない気もします。
スウィフトの原典だと、yahooの主人は馬なので、同じようなもの?
イヤ、馬からはあんな野蛮、低脳、凶悪な生き物と一緒にするなと、
意思疎通ができれば怒られそうな出来ですね。
英訳あるのかしら。日本に閉じ込めておくには勿体無い出来。
プロパガンダが足らないかもしれません。
お好みで。
Posted by ブクログ
なんだこの小説は!
未来世界のSF小説なんだけど理系に疎い自分にはそれっぽい解説をつらつらと並べられるとなるほどそういう事もありうるなぁと思わされてしまう。
ただ麟一郎が哀れで彼の行先が心配でたまらなくなる。
一体この先どうなってしまうんだろう。
物語に引き込まれつつ第二巻へと進みます。
ただ自分なら肉便器にされるのだけは勘弁してほしい。
Posted by ブクログ
まさに奇書。でも後書きにもあるように時代背景が違うから当時人と同じ感覚では読めていないのだろう。
この版は再編集しているらしく、そのせいなのか前半と後半で濃度が違うように感じる。食傷気味だかもう一巻読み進めてみようかな。
Posted by ブクログ
独特の世界観をもつ、かの有名な一冊。
単なる、「SM小説」とか「猟奇小説」という見方をする人もいるが、実は、もっと奥底の深い話。
ただし、作者がそれを素直に肯定していないところも面白い。
Posted by ブクログ
世界観が凄過ぎます。異常です。
ヤプー(日本人)、セッチン(肉便器)、ヤープドック(畜人犬)、チンポー(珍棒)etc。
不明です。
何語?何人?時代は?場所は?すべてが??から始まります。
ジャンルもよくわかりません。SF?ファンタジー?エログロ?スカトロ?SM?鬼畜?神の話?
多分全部含まれますし、日本人(家畜人)の扱いがヒドすぎ。
もう、読みながら想像の限界を超えます。「えっ?えっ?どんな姿形?」となります。
だから1巻だけ読んで即座に漫画版を購入。
これが1950年代に連載されていたものとは更に驚き。
でも50年後にこの本を読む人も多分驚くと思う。
Posted by ブクログ
これは、この気持ちはどう言えばいいのか……
どんなに日本が世界で活躍しても、所詮は奴隷以下の家畜として生きている、そう絶望的な気持ちになった。その絶望的な気持ちこそがマゾヒズムの極致であって、この作品の魅力のひとつなのだろうけど。
単純に物語として楽しめる、というレベルは超えている。日本人である主人公、ドイツ人(白人)であるヒロイン。この二人が徐々に、そして決定的に離れていき、主人公がヤプーになるというこの1巻では、同じ日本人としての屈辱的な思いが心を支配する。でもそれでも、いや、それだからこそ、ページをめくらずにはいられなくなる。魔力というよりは怨念に近いものがあった。
日本人である主人公が家畜になっていく様は、序盤で主人公がヒロインに馬をプレゼントするというシーンを思い出すととてもやりきれない。なんという皮肉。
すべてが倒錯するこの作品の世界で、読者はなにを感じればいいのだろう。
Posted by ブクログ
ストーリー的に面白い/面白くないは二の次として、緻密な妄想に彩られた世界観をこれだけ事細かに描写し、既存のものに全く異なった意味付けをして、それらを隙間なく敷き詰めて全く別の平行世界を作り上げた、その完璧なるオタク的精神に感動する。
Posted by ブクログ
●100327
これは子供には読ませたくないなあ。ただ、こういう世界観を考えつき、作り上げることが出来る人がいるということを知ることは重要かもしれない。読んでいるうちに僅かずつではあるが本書の世界観に馴染んでしまうことに、少し嫌悪感を抱きながらも、「人間はそういう性質なのだ」と感じた。
構造主義的な観点で読むと、自分という人間の幅を広げる意味で良いかもしれない。
Posted by ブクログ
かつてこんなに予想を裏切られた小説はありませんでした。
「発禁」「エログロ」「SM」てうわさだけ聞いていたんですが
SF小説って知らなかった…
非常に面白くよみました。
SMというよりマゾヒスト幻想です。
個人的に前半の方が好き。
Posted by ブクログ
15年ぶりくらいに再読。
初めて読んだ時も衝撃よりも面白さを感じたけれど、今回も同様、やっぱり面白すぎて腸が捩れそうになった。
なんといっても言葉を充てるのがほんとにうまい。卑劣で下劣な描写なんて取るに足りない。
ゲラゲラ声出して笑ったり失笑したり、電車の中で読むのはちょっと大変だった。
続きを覚えてないので第2巻以降も楽しみ。
Posted by ブクログ
これはびっくり。TikTok?で激ヤバ本(語弊)と紹介されてて、あらすじ読んで、ふーんちょっと読んでみたいかも〜と思っていた矢先に読める機会があったので…設定がきちんとされすぎていて、途中で辞書?みたいなページがめちゃめちゃ入る。読書初心者にはなかなか時間かかる、読むのに ふう、となる 本でした 再編集?されていたみたいで、あとがきで知ったんですけどこの作者さん、結構得体の知れない人物らしく、それにもびっくり どういう原理、理屈で未来人、またはそれを取り巻く環境が成り立っているのか現代の環境を踏まえながら説明しつつ、なるほどそれならできなくもないかーとなる絶妙なポイントで成り立っている(気がする)想像力が貧困なのでこんなに細かく説明してくれてても えっ…つまりどうなってる?と思いながら読みました 瀬部氏、どうなるやらと思いますがすでに人外な施術は終わってしまったのであとはもう未来人に馴染んだクララに家具として扱われるのでしょう…わたしも黄色人種なので気が抜けない←? 初めてこういう本を読んだ なんでもありやなぁ面白かったです
Posted by ブクログ
二千年後の世界では日本人の末裔は家畜人になっているって・・・貴志祐介著『新世界より』のバケネズミを思わせる。人(家畜人ヤプーでは白人のこと)を神と崇めるところも似ている様な。1956年から『奇譚クラブ』に連載がはじまる。長編SF・SM小説という括りらしい。摩訶不思議なおはなしであった。幻冬舎アウトロー文庫版では5巻で完結。
Posted by ブクログ
結婚を控えたドイツ人女性のクララと日本人男性の麟一郎のカップルは、ある日ドイツの山中で未来人の墜落現場を目撃してしまう。帝国EHS(イース)から来たと名乗るその未来人は、アクシデントにより身体が硬直してしまった麟一郎を治すため、二人をイースに連れていく事を申し出る。あらゆる技術が発展したその国は、アングロサクソン系の白人を頂点に、黒人の半人間の奴隷、そして様々な肉体改造を施され字義通りの肉便器や性玩具に身を変えられてしまったヤプーと呼ばれる日本人により形成された完全なる格差社会であった。また、徹底的な女権主義国家でもあり、権力は全て女性が握っていた。そうとも知らず麟一郎と二人、イースに行く事に同意したクララ。初めは麟一郎の容態を気にかけていた彼女だったが、次第に権力と暴力の甘美なる魅力に陶酔していく。知ってはいたけど内容はかなりえげつない。だいぶ人を選ぶので要注意!ヤプーと言われる日本人があらゆる肉体改造を受ける様子や、白黒黄色人種からなる格差社会の様子など、イース文明を科学的文献を参考にしている体でつまびらかにしている。私達が日々家畜に行っている事と、かつて奴隷や穢多非人と呼ばれる人々に対して平気で行っていた(現在も一部行っている)行為の残虐性を思えば、本作で描かれた世界もあながちあり得なくないのかもしれない。どーーーっしても拭えなかった疑問は一つだけ。「ヤプーの加工にそれだけの労力をかける意味はあるのか?!もっと楽な方法あるだろ!」ただ暇で裕福な人間が行い得る悪行の例は歴史の貴族を見れば枚挙にいとまがないので、こちらもあながちあり得なくもないのか…。
Posted by ブクログ
誰でも一度は夢想したり、思いついたりするエログロい事。
そんで物書きだったら一度は書いてみようかと思うけど、決して書かない。
そんな内容でした。
この文庫版だと5巻まで出てるみたいだけど、オレはこの一冊でお腹いっぱいです。
白人女性が神のように扱われる遠い未来の世界、
黄色人種は人以下とされ、人体改造によって、便器になったり、椅子になったり、性具になったり、小人になったり、、、そんな世界に連れてこられた現代人?の日本人男性と、白人女性のカップルが、、みたいな話です。
グロ注意
Posted by ブクログ
初正三。よくもまぁこんな世界観を作ったものだと関心する。・・が、しかし兎に角不快だった(-_-;;テン〇ー家の扱いまであぁだとは。そりゃあ問題になるわな... orz
Posted by ブクログ
人の考えが変えられてゆく事の怖さ。自分の判断が揺らぎ、やがて染まり、元々そのように考えていたと思わされる。
思考のすり替えと、選民意識。統治者・従属者。
Posted by ブクログ
読んでいるうちに日本人は本当に欧米人種より劣った人種であるかのような刷り込みを受けているような気分になる。
作者の想像力、設定の作り込みには畏敬の念を感じるが、その異常性は読む人を極端に選ぶだろう。
Posted by ブクログ
1956年から連載された沼正三のSF&【SM】小説。
未来世界。白人至上、女権主義国家にて家畜として奉仕する元「日本人」たち、ヤプーと呼ばれ服従に喜びを感じて品種改良や肉体改造をされている存在となっています。
未来帝国イース、テラ・ノヴァ古代文明、有翼四足人…などの設定があるこの物語は確かにSFファンタジー小説の枠組みです。ただこれらの言葉よりも多く小説にちりばめられているのは、畜人、肉便器、生体家具、舌人形などなど。
もうこーゆーのダメなひとは読むのが無理なストーリーです。
印象的に感じたのは人間=家畜とした世界感。リアルな世界では人間以外の動物は当たり前に家畜となってます。人間のために生かされています。でもこれは普通の感覚です。
品種改良でブランド牛豚鶏だらけ。結婚できないので霜降りステーキ大好きです。ベルルッティの革靴最高です。毛皮もありでしょう。
一方でセクシャルな面でも、同性愛、獣姦、ペドなど。二次元愛なんかもそうですかね。
この小説はそんな価値観の違いの究極な形です。
ただこれを身近なことにスケールダウンしても本質は似てませんか?
オススメはできませんが。
Posted by ブクログ
沼正三が誰なのか??っていうのはさておいて
スウィフトのガリヴァー旅行記「 フウイヌム国渡航記 」を是非セットで読んで欲しい!!
この本の本質が分かる。
Posted by ブクログ
著者の意図からは外れてる気がしますが、私が思うに日本人の大半は他の民族が自分達のことをどう見てるかという事について全く見当がついていないし、こんな恐ろしい本も読んでみるべきだと思う。