竹村公太郎のレビュー一覧
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地形で読み解く日本史第二部。前作と違って石田光成みたいなつまらない誤字がなく、前作と同様面白いのでグイグイ引き込まれた。
彼の説が正しいかどうかは置いといて。地理や気象といった下部構造が文化等の上部構造を決定づけるってのは納得。日本人の小さな物を好む文化や勤勉な性向があること、日本将棋の発展など。他にも横浜の水道や石狩川の整備、江戸から東京まで地方の支えがあっての発展だったこと、木がエネルギーだったために山が荒れ果てたころ黒船がきて石炭にエネルギーが切り替わった話。海外にも飛んでナイル西岸のピラミッド群はナイルをリビアの砂漠で消滅させないためで、ギザのピラミッドは耕作する人々の灯台だったという -
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田町と品川の間にある背の低ーいトンネル は、東京〜横浜間を初めて駆け抜けた蒸気機関車が武家屋敷街を抜けられなかったから出来た、といったローカルネタから、東京が首都になったのは何故かというマクロなものまで。
元・国土交通省および同河川局長による一 冊。挙句の果てに、ピラミットはなぜナイル河の西側のみに群立しているのかにも迫っちゃいます。
人が造作を加えるのには、机上にあって決してわからない実際的な理由が必ずある。 石狩川はなぜ執拗に真っ直ぐする必要があったのか! はっきりいってメチャクチャ面白いです。 他に2シリーズがあるそうで、必ず読むと思う。 -
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荒俣宏氏、驚嘆! 「地形で読み解けば、全地球の文明・文化が理解できる。第2弾は古代エジプトの謎まで!」
養老孟司氏、激賞! 「なぜ日本は世界一の長寿国になれたか──。その問いを解く鍵が『大正10年』にあったとは!」
河川行政に長年携わり、日本全国の「地形」と「気象」を熟知する著者が、人文社会分野の専門家にはない独自の視点(=インフラからの視点)で、日本の歴史・文明・文化の様々な謎を解き明かす。
◎なぜ江戸は世界最大の都市になれたか
◎なぜ家康は「利根川」を東に曲げたか
◎なぜ日本は欧米列国の植民地にならなかったか
◎「小型化」が日本人の得意技になったのはなぜか
◎日本将棋はなぜ「持駒」を -
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養老孟司氏と元国土交通省竹村河川局長との対談形式の本である。
幼年期を少国民と過ごされた方らしいコメントがほんの少し目に入るが、
意図的に読み飛ばす。情報は多く入手し吟味する。
以下に備忘録を掲載。
<石油>
・アメリカの自由経済は原油価格を一定にするに限りの自由:無限にオイルを供給することが条件
・1965年に油田の発見がピークであり、ゆえに石油の供給ピークは現在。
・アメリカは第二次世界大戦頃まではダントツで石油産出国だったが60年代から輸入国になる。
・肺がんを引き起こすのは煙草ではなく、車等の公害が主因。
・排出権は炭酸ガス規制上で成立する商売
・アメリカのエネルギー問題は解決が難し -
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値段(760円)の割に相当お得な本である。
きっかけ:石破茂農林水産大臣のすすめ
普段考えてもみなかった視点を得られ、世の中の見方に関して相当考えさせられた。自分たちの存在のベースになっているものはエネルギーということに気付かされた。
○アメリカの言う自由経済は、原油価格が上がらないという前提あっての概念なんですよ。(p14)
アメリカの言う自由経済には、実は「無限にオイルを供給する」という条件があった。
ex;70年代から石油の輸入国になる フランクリン・ルーズベルトが、40年代半ばにすでにサウジに行っている。
○先の日米戦争は油で始まり油で終わった。(p20)
ヒトラーがバルバロ -
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社会の変化の表層を追いかけている。いつでも足元がグラグラと不安定だ。
養老先生は現代社会のさまざまな課題を概念ではなく具体的なモノやデータに即して考えれば本質が見えてくると言う。ダム行政に手腕を発揮してきた国土交通省河川局長との対談や農業経済学者との鼎談で見えてくる事象に、そうだったのか!!と胸に手を当ててしまった。
あの昭和天皇は「先の日米戦争は油(石油)で始まり油で終わった」とか「雑草という草はない」など自然科学者として健全な精神を持っていたとの部分も記憶に残る。
日本の環境や食料、エネルギーについてきちんとした視点を持つことを学んだ。