竹村公太郎のレビュー一覧
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ネタバレ[ 内容 ]
石油高騰、温暖化、食料・水不足、少子化…。
これらの問題を概念ではなく具体的なモノ、データに則して考えれば、本質が見えてくる。
知見を論じ合うのは、解剖学の賢人と、ダム行政に手腕を発揮してきた元国土交通省河川局長。
「日本人は既に一度エネルギー枯渇を経験している」「温暖化対策に金をかけるな」「小さいことが好きな日本は世界の見本になり得る」、さらに「自殺する人は傲慢」という卓見まで。
戦う農業経済学者・神門善久との鼎談も掲載。
ものの見方、日本の見方を変える一冊。
[ 目次 ]
第1章 人類史は、エネルギー争奪史
第2章 温暖化対策に金をかけるな
第3章 少子化万歳!―小さいこと -
Posted by ブクログ
肺癌と大気汚染 生態系は100年で回復しない 新しい森には虫がいない 人類の文明史のなかで植林で山の木を守ろうとしたのは日本文明のみ。 エネルギー源を日本国内で分散すべき いまの人はいらいらしがちですぐ全か無かと考えますけれども、生態系を扱うにはほどほどという考え方が重要です。エネルギーの問題も正解はなんだという態度ではなく、ほどほどのところで収めようとすればよい。 問題を直視すればかならず解決策はある。 ただしい受け取り方はあっても、ただしいやり方はない。
2015/6/7 購入にして再読
山の木を植林で守ろうとしたのはおそらく日本文明のみ
ギリシャ文明は奴隷制の上に成 -
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著者二人の対談。モノとう現実から日本を考える。竹村氏は、国土交通省の河川局長を勤めた人。石油や水、森林や河川などの下部構造から日本の文化や歴史を洞察する。いままで知らなかった独自の視点による情報が新鮮で、興味深く読んだ。江戸時代末期、日本のエネルギーとしての森林利用は限度に達し、いたるところ禿山だらけだった。その限界を打ち破ることが出来たのは、黒船来航による開国だった等々。文科系の人間が見落とすような発見に満ちている。
たとえば、アメリカ自由経済は原油価格が上がらないことを前提として成り立っていた。それを視点にするといろいろなことが見えてくる。戦後7回あった不景気のうち6回は原油価格値上が -
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歴史の疑問に地形や気候から切り込んでいくシリーズの第2弾。
水道やエネルギー、さらに日本人の性質というテーマもあって、第1弾より身近で、これから先の日本の課題も見えてくるような話題が多かったです。
このシリーズを読んで思ったのは、やっぱり歴史は<人>だということでした。
地形や気候への適応、対策が今の日本を形作ったのはよくわかったけれど、当時地形と気候が重要だと気づく人がいなければ、何もできなかったし、今の日本はないのではと思います。
日本という土地をじっと眺めたうえで、適応、対策をするために、舵を切った<人>がいる。
そんな観察力と実行力を備えたすごい人たちが、日本史上にいた、という事実