竹村公太郎のレビュー一覧
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全く新しい視点を持った歴史学。治水という観点から太古の昔から現代に至るまで街や都市が発展していったかを解き明かす。
ピラミッドは、ナイル側の氾濫を守るためにからみという手法で建設された。そしてその手法は日本から流れて行ったとの説に驚かされた。Posted by ブクログ -
歴史を地形から読み解くアプローチ。
平城京→平安京→江戸と都が遷移した理由、産業革命以前の経済1、2位の超大国中国・インドが欧米に屈する中植民地にならなかった日本、見渡す限り砂漠しかない地で一神教が生まれ、絶えず自然が移ろう多神教の日本など。
高校の歴史では事象と人物しか学ばず、なんとなくモヤっとし...続きを読むPosted by ブクログ -
この本は面白い!
ホモサピエンスの出アフリカは7万年から6万年前と考えられているのに、日本には砂原遺跡(約12から11万年前)や金取遺跡(9万年前から8万年前)の遺跡があり、サピエンスの日本上陸には、12万年前説と4万年前説がある。
これについては人類学的見地からは、4万年前以前の石器を遺したの...続きを読むPosted by ブクログ -
めちゃ面白かった。こういうの好き。
当たり前だと思っていた日本での日常は、当然だけど昔の人たちの苦労や犠牲のうえに成り立っていて、世界一のインフラを作った経緯も奇跡的だし、この人がいなかったら今頃は...と思わずにはいられません。
それにしても徳川家康ってすごく洞察力があって、戦略を立てるのがうま...続きを読むPosted by ブクログ -
今から、草むらに行って虫でも捕まえた方がいいのかな〜、っと言う読後感。抽象的な議論を積み重ねてもどうにもならない、と言うのは確かにそうだと思われた。「下」から積み上げていくことが、確実である方法である、と言うのは、確実性の高いこと、かつ自分の中で何度も咀嚼したことしか言わない(言えない)養老さんらし...続きを読むPosted by ブクログ
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『日本史の謎は「地形」で解ける』で知られる著者は、元建設省(国土交通省)のダムや河川の土木のプロ。
浮世絵の研究者ではない著者、歌川広重の残した風景画を江戸時代当時の写真として捉え、そこに描かれた地形や風俗からから、独自の謎解きが展開される一冊。有名な東海道五十三次や名所江戸百景を情緒豊かな風景画と...続きを読むPosted by ブクログ -
想像の5倍面白かった。参勤交代のおかげで日本全国に通じる「標準語」ができ、それが今でも方言がありながら共通の言語で繋がっているという最初の話から引き込まれた。
家康が江戸に来たばかりの頃は、関東は湿地帯であったことなど知らないことも多々あり、何より今と繋がってるのかという驚きが随所にあった。
歴史は...続きを読むPosted by ブクログ -
元国交省の土木官僚が書いた本。
とても面白くて一気に読んでしまった。
自分もこうした下部構造が社会を動かしているという考え方に共感するからだと思う。Posted by ブクログ -
歴史と交えてくれれば、”地理”ももっと面白くなったんだろうなぁと思う。
意味も理解せずに、地名を覚えるのは小学生にとっても苦痛だったなぁ。
土地の成り立ち、歴史的背景踏まえるととても楽しい。
そんなことをこの年で気付かせてくれてありがたい。
この書のシリーズの第1書目だからか、作者の熱量もありま...続きを読むPosted by ブクログ -
土地・気候の”事実”から紐解く あのとき の話。
愛情が溢れて読んでいて心地よい。
「西郷隆盛の像は、彰義隊を遮ってはいなかった。樺山資紀という人は心から西郷を愛していたのだ。
西郷像の前でそれを理解したとき、ほっとして目が滲んでしまった。」
のくだりは、私も電車内にも関わらず涙が溢れそうにな...続きを読むPosted by ブクログ -
これからは再生可能エネルギーの時代だが、その中でも「水力発電」が最も有望であることが非常によくわかった。Posted by ブクログ
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かなりおもしろい。地形という視点で歴史を見る。同じ様な応用がありえるかも、健康という視点で歴史を見る・・・とか。輸血、種痘、HIVさまざまな出来事が歴史を変えていくともいえる。Posted by ブクログ
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石油、温暖化、少子化、水に農業の問題。事の起こりを知ってから自分の頭でしっかり考えることをしなくては「だめ」ですなぁ!Posted by ブクログ
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面白かった。本書の耳目はやはり忠臣蔵の謎の部分だろう。聞いたこともない着目点、検証によって、今まで知っていた忠臣蔵とは全く違うストーリーが鮮やかに描き出され、痛快さに膝を打ちたくなる。
家康の江戸開府、その直後から行われ何代にも渡って続けられた壮大で、執念とも言える治水事業。源頼朝が鎌倉に幕府を構...続きを読むPosted by ブクログ -
地形・気候・客観的な資料から検証しているので、説得力がある。特に「忠臣蔵」についてはサスペンスドラマを見ているようでわくわくした。Posted by ブクログ
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今あるダムで年間2兆円超の電力を増やせるという副題がついていた。
第1章 なぜ、ダムを増やさずに水力発電を二倍にできるのか
第2章 なぜ、日本をエネルギー資源大国と呼べるのか
第3章 なぜ、日本のダムは200兆円の遺産なのか
第4章 なぜ、地形を見ればエネルギーの将来が分かるのか
第5章 なぜ、水源...続きを読むPosted by ブクログ -
ダム・河川のキャリア官僚が、気象・地形から学び・ヒントを得た文明の構造モデルから歴史の常識を見直す作業。
客観的事実を抑え、著者の感性で磨き上げた文化・文明感・物差しでの「竹村公太郎」節。
読んでいて、納得することばかりです。
17章・18章のピラミッド建設の謎、ナイル川西岸に建設された訳、そして、...続きを読むPosted by ブクログ -
土木工学を学ばれ、建設省に入省、そして、河川の仕事で日本全国の地形、気象などに関する知見を蓄積され、著者曰く、地形・気象・下部構造(インフラ)から読み解く、歴史。
人間が歴史的に残して来た社会・文化的情報から歴史を読み解くことは避ける。
しかしながら、浮世絵などは、文化的遺産としてではなく、写真デー...続きを読むPosted by ブクログ