あらすじ
養老孟司氏、推薦! 荒俣宏氏、推薦!河川行政に長年携わり、日本全国の「地形」を熟知する著者が、歴史の専門家にはない独自の視点(=インフラからの視点)で日本史のさまざまな謎を解き明かしていく。なぜ京都が都になったか──都市繁栄の絶対条件元寇が失敗に終わった本当の理由とは何か──日本の危機を救った「泥の土地」なぜ信長は比叡山延暦寺を焼き討ちしたか──地形が示すその本当の理由関ヶ原勝利後、なぜ家康はすぐ江戸に戻ったか──巨大な敵とのもう一つの戦い赤穂浪士の討ち入りはなぜ成功したか──徳川幕府百年の復讐なぜ吉原遊郭は移転したのか──ある江戸治水物語なぜ江戸無血開城が実現したか──船が形成した日本人の一体感「地形」を見直すと、まったく新しい歴史が見えてくる!歴史に対する固定観念がひっくり返る知的興奮と、ミステリーの謎解きのような快感を同時に味わえる1冊。
...続きを読む
『養老孟司氏、推薦! 荒俣宏氏、推薦!』 権威にまるきり弱い私。
「奈良⇒京都⇒江戸と遷都がなぜ行われたのか」
「なぜ頼朝は鎌倉に幕府を開いたのか」
「なぜ脆弱な土地の福岡が巨大都市となったか」
権力者のお気に入りだったとか心情的な理由によるものではなく、地形学の専門家である著者が、そっと極上の裏話を教えてくれます。物凄く、誰かに話したくなります。ただ女子にはそれほどウケません。
個人的には、16章「なぜ大阪には緑の空間が少ないか」に目から鱗。これまで非関西人から「大阪は緑が少ない」と言われても、ふるさと愛ムキ出しに否定してきましたが、いやいや非常に納得のいく理由が書いてありました。認めます。少ないです。ざっくり理由を言うと、誇り高き庶民の街だからなのですが、詳細は読んでからのお楽しみ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
元国交省の土木官僚が書いた本。
とても面白くて一気に読んでしまった。
自分もこうした下部構造が社会を動かしているという考え方に共感するからだと思う。
Posted by ブクログ
歴史と交えてくれれば、”地理”ももっと面白くなったんだろうなぁと思う。
意味も理解せずに、地名を覚えるのは小学生にとっても苦痛だったなぁ。
土地の成り立ち、歴史的背景踏まえるととても楽しい。
そんなことをこの年で気付かせてくれてありがたい。
この書のシリーズの第1書目だからか、作者の熱量もあります。
-----------------------------------------
「やっと長良川河口堀が問題になった理由が理解できた。竹村くんの今の30糞の説明の中で『長良川流域の人々の生命と財産を守る』という言葉が3回も出てきた。そのような”天下の印籠が見えないか”という態度が、この事業がこじれている最大の理由ということがよく理解できたよ」(中略)私はいかに上から目線で説明をしていたか、人々の心に届かない言葉で強引に説得しようとしてたか。43歳の時であった。
------------------------------------------
★世界で12の文明(7つは滅んでいる)。日本は唯一の島国一国
⇒自滅しなかったのは、二度の遷都によって危機を脱したから
★恐れる湘南ボーイ源頼朝
★浅草は江戸時代治水の最重要拠点、吉原の移転を利用し日本堤を築き上げた
★赤穂浪士の泉岳寺の弔い、最重要犯罪人の扱いの背景は?
Posted by ブクログ
歴史のなぜを地形の特徴などから考察する試みが新鮮で面白い。個人的に三河の吉良家と徳川家の確執が描かれていた点が、地元民的に良かった。
もちろん地理的な特性だけではないだろうが、徳川家康が関東平野にポテンシャルを感じ、幕府を江戸に移し、様々な工事をすることで人口100万人以上を抱えられるインフラを整える構想力がすごいと思った。軍事的な才能もあるが、政治的拠点のポテンシャルを見抜く先見性には特に脱帽させられた。
Posted by ブクログ
「安全」.「食糧」、「エネルギー」、「交流軸」から見た都市論的日本史解釈。ブラタモリみたい。文系的視点ではなく、河川の専門家らしく、地理、河川、インフラ面から日本史を解説。
Posted by ブクログ
日本史の出来事を定説ではく地理と地形から考察した内容。
「なるほどねぇ~、そういう見方もあるのか、いやいやそれはちょっと…」
と、いろいろな感想を持てる内容になってる。
小名木川の画が実は真っすぐで曲げて描くことで遠近感を演出してるとか
面白い話もあってなかなか。実物の歌川広重を鑑賞したくなる1冊でもある。
で、調べたら自分の近くでは1ヶ月前に絵画展が終わってた、、、残念。
Posted by ブクログ
戦国時代からの日本史を理解する上での地政学見地からの示唆が無茶苦茶ある内容。江戸は西を下にした地図で理解する。甲州街道が半蔵門に直結している。
そもそも江戸は、豊臣が家康にした左遷であった。生活しづらい湿地を肥沃で広大な田園都市に家康が国土開拓をして行ったことが良くわかる。
また、小名木川は、軍事的な意味で造られたものであるとの新説を導き、日本のアウトバーン的水路をアウトバーンよりも何年も前に実施していたとの説に驚かされた。
Posted by ブクログ
該当する時代の地形からアプローチし、歴史上の疑問に仮説を与えてくれる一冊。
登場する地名をすぐに訪れたくなるほど、熱量のある筆致でした。とりあえず浅草寺と泉岳寺に行きたい。
Posted by ブクログ
地形専門家の著者が、地形から日本史の史実考察をする。
本当に地形から考察しているものもあれば、強引にこじつけているものもある。なかなか面白い本である。
自分の日本史の知識がもっとあればさらに面白かったと思う。
Posted by ブクログ
地形や天候から為政者の行動を読み解く。面白い。歴史の見方、その土地の見方が変わる。
文献的な証拠がないので仮説の域は出ないが、なるほどと納得させられる仮説が多々ある。空想と言いたくなる仮説もいくつかある。無理があると言うより、なんで歴史上の心情がわかるねんと突っ込みたくなる。
Posted by ブクログ
日本の地形から謎を解いている作品。
歴史はミステリ。
視点を変えれば今まで見えていなかった事が見えてきます。
京都がなせ都になったのか?
鎌倉になぜ頼朝は幕府を開いたか?
江戸に移封れた家康の本当の苦労とは?
当時の地形・気象・インフラなどの事実資料から謎を解いていきます。
今までの歴史は人文観点からの物語の為、いろいるな考えがあり議論や多様な作品が生まれています。
只その当時の地形や気象、現在のインフラから考えると又違った歴史の解釈が見えてきました。
学校の授業も歴史を地理や理科などと組み合わせれば、もっと違った物事が見えてくるかもしれないと思いました。歴史・時代小説を読んで感覚が変わってくると思います。
18章に別れ、各々に江戸・大阪・近畿・比叡山なか福岡などの謎が地形から解かれていくので、自分の興味ある土地の謎を読んでみても良いかもしれません。
そして最後の最後に推理ゲームとして、あの歴史上の最大ともいえるあの謎にもチョッとだけ触れています。
Posted by ブクログ
この本は、もっと地理っぽいのかと思ったら、歴史の思考に地理的観点を添えて再考するスタンスなので、とてもわかりやすかった。奈良から京都そして東京へと遷都した理由や忠臣蔵を巡る謎などを明確に分析しているのはとても良い。読んでよかったと思った本である。
Posted by ブクログ
元寇失敗の真因、比叡山焼き討ちの真相、忠臣蔵の謎、、、などチコちゃんネタになりそうな話題が満載。
謎解きミステリーを読んでいるような読ませ方も心憎い。
著者いわく「政治、経済。宗教など人文社会学的な解釈でなく、地形、気象、インフラの下部構造からのアプローチ」として地政学とまでは立ち入らない謙虚さも良し。
Posted by ブクログ
地理の視点から日本史の謎を読み解く。
東京住まいの自分としては、本書で約半分の頁を占める江戸時代の話しが特に面白かった。
いま学校ではどのように日本史を教えているのか自分は知らない。
でもひたすら年号や知識を覚える退屈な詰め込み型の教育ではなく、地理に限らずこのようないろいろな視点を通して歴史の授業にアプローチすれば、単に生徒の理解を深めるだけでなく、知識に幅を持たせたり、土地に対する愛着心やアイデンティティを育むことにも繋がると思う。
このような良書を探せば簡単に見つけられる時代に生きている、いまの学生が羨ましい。
Posted by ブクログ
歴史を検証するとき、今の地形や気候のままで考えない方が良いってのはよくわかる。
今の東京から戦国時代の関東が湿地帯だったなんて想像できないもんね。
秀吉から江戸への転封を命じられ、あまりの江戸の酷さに家臣たちが怒る中、当時の大阪城とその周囲、江戸城とその周囲の地形の相違を見抜いた家康の先見の明がすごいな。
しかしながら、その考えを実現するのは並大抵じゃなかったのは想像に難くない。
この本はそんなような話が満載。
源頼朝が幼少の頃島流しにあった場所が実は・・・なんてのはこの本読まなきゃ知らないままだったかもしれない。
半蔵門が正門だった説はとても支持したい。
読むとなるほどぉと膝を打つことばかりだった。
等々教科書で習う歴史よりも断然面白い検証がてんこ盛り。
歴史を一面から見ているだけより、もっと様々なデータから多角的に見た方が発見できることは多いだろうな。
ここに書かれていることはあくまでも著者の推論なのは言うまでもないがあながち間違ってもいないんじゃないかと思う。
専門家でもないから歴史の楽しみ方は多い方が楽しいやね。 ブラタモ好きな人は楽しめるのではないかなと。
Posted by ブクログ
歴史関係の良著は多数あるが、こんな現実的な観点から歴史の史実を解き明かす本は珍しいのではないか?
江戸に領地を豊臣から与えられた時、徳川家康の家臣たちは、憤怒の嵐だったに違いない、それは葦の葉が茂るような広大な湿地地帯。氾濫する利根川は農地を荒らし放題。そこに何年もかけて「鷹狩り」と称し、家康は土地の特徴を調べ尽くし、どこをどう改良すれば、多くの民が住まい、多くの農地を開墾でき、安定した財政を見込めるか?を研究し尽くす。伝伝。
はたまた、鎌倉幕府と、後から呼ばれるが、幕府と名のつく都の機能を果たした場所で、これだけ狭い土地はなかった。それはなぜか?島流しにさせられた青少年期の源頼朝、実は島といっても閉鎖的な離れ島ではなく、伊豆半島韮山町に住んでいた彼は、船で自由に移動でき、明るく日がそそぎ、海産物も山の恵みも豊富にある素晴らしい環境であった。現代でいう湘南ボーイであったのだ。平家を滅ぼし本来であれば、変わって京都に幕府を作るのが妥当であるのだが、それをしないで、閉じ篭るように狭い鎌倉へ。
それを地形、気象から見ると、当時の京都は現代の東京都ほどの人口密度でありながら、上下水道共に鴨川の水を要し、また不衛生極まりなく疫病が流行。4万という遺体が鴨川に捨てられてもいた。
湘南ボーイの頼朝にとって、そんな汚い場所は嫌だったのだ!。。。
Posted by ブクログ
友人に薦められて読みました
いやー、面白かったです
そう言うと、また次のも貸してくれるようです
江戸のことは以前「家康、江戸を建てる」で分かっていたこともあったのですが、まさか忠臣蔵が!
元寇も!
私も思っています、邪馬台国はね……
≪ 地形から 読み解く歴史 ふーむふむ ≫
Posted by ブクログ
日本史の謎に対して、地形や気象という角度から解説されている本です。
歴史家のいう通説に真っ向から異論を唱えていくというスタンスであり、なかなか刺激的な一冊。
地形を見ることで当時の国のリーダーが一体、何を考えて事業をやったのかを考察されており、特に徳川家康は、本当に長い目で日本という国を考えていたらしいことがわかります。
国づくりとその運営にまさにすべてを捧げている、為政者の鑑のような考え方と実行力は、今の日本の政治とは対照的だと思わずにはいられない。
日本人が愛してやまない、あの忠臣蔵が実は江戸幕府が国民の忠義心を煽るために仕掛けた作戦だった説も展開されてます。
これは一見すると都市伝説的なうさんくささがあるのですが、皇居半蔵門や赤穂浪士の寺など、キーとなる場所の位置や、当時の人の流れなどをもとに考えられていて、なるほどそうかもしれんと思わせる説得力があります。
この章はミステリー小説を読んでるみたいで楽しかった。
人が行き交う場所は栄え、そうでなくなった場所は廃れていく。
最後の方にある交流軸の話も結構面白くて、歴史の流れを見ると確かにそうなっている気がしてきます。
人との戦いだけではなく、多くの地形との戦いも経て、この国はつくられてきたし、きっとこれからもそうなのかな。
日本の地名を見たときに、今までよりもいろいろな感情が沸き起こるようになりそうな、そんな一冊でした。
Posted by ブクログ
地理・地形・土木の観点から史実を読みといていく一冊。
トンデモ本なような気がしないでもないが、ミステリー小説を読んでいるようで興味深い。
大阪城や延暦寺がいかに抜群の立地であったかがわかる。
利根川大工事や吉良家への仕打ちなどを読んでいると、徳川家康の執念深さと忍耐強さにゾッとする。
Posted by ブクログ
本書、全体的にはなかなかおもしろかったです。地形や歌川広重の浮世絵から歴史的事象を考察するという内容で、ミステリー調の雰囲気があります。ただし題名と中身ですが、「日本史の謎は「地形」で解ける」、というのは本書を読む限り言い過ぎではないかと思いました。本屋で目につくためにも少し誇張して言ってしまえ、というところかもしれませんが、歴史は人文社会系だけでは説明できないのと同様に、地形だけでも説明できないと思います。しかしそのあたりは寛容に読み進めていけば、本書はなかなか面白いと感じました。全部で18章からなっていて、家康や赤穂浪士、遷都など多様な事象が取り上げられていますが、読者諸氏はそれぞれピンとくる章と、全然ピンとこない章とが出てくるのではないでしょうか。また著者は浮世絵が好きなようで、特に広重の絵からインスピレーションを得ています。これはなかなか面白い。ある種の推理小説風です。しかし広重に詳しい人であればご存知のように、広重の絵は架空の事象も描かれていたり、見る人を飽きさせない良い意味での脚色があることで有名です(雪が積もらない蒲原を積雪の絵で描くなど)。ですから広重の絵を100%当時の写実的なものとして解釈することは相当危ういのですが(現実にはなかった要素を絵の中に入れている可能性が十分ある)、本書はそういう細かいところはおいて、ある種の推理小説を読んでいるような気持で読むと面白いと思います。
Posted by ブクログ
土木(河川事業)の専門家の視点で論じられ、「なるほど」とうなずける話もあれば、「う~ん」と唸ってしまうトンデモ話(信長の比叡山焼き討ち、赤穂浪士)も。
Posted by ブクログ
真偽のほどはともかく、地形をカギとして歴史上の事件を読み解く、というのが謎解きっぽくて面白かった。ほんと、真偽のほどは不明なので笑、そこにこだわらず仮説を楽しむ読み方で。
Posted by ブクログ
京都。日本海側と太平洋側、どちらも船運交流ができる位置。
京都遷都の理由。
道鏡など奈良仏教から遠ざかる。
水と森がより豊かな京都へ。
江戸遷都の理由。
木材が豊富な関東へ。
江戸は湿地帯、天下の睨む地の利も関西より悪い。
かつて森林の宝庫だった黄河、今は砂漠化が進む。黄砂が発生。朱鎔基首相は北京からの遷都を考える。
Posted by ブクログ
徳川幕府が江戸で開かれた理由、なぜ頼朝は鎌倉に幕府を開いたか、なぜ京都が都になったか。
日本史であたりまえに覚えてしまっているその場所の意味を地形やインフラを手掛かりに考察する。とても興味深いし腑に落ちることも多し。
すこし筆者が毎回ドラマチックに”発見”する描写や、人文学的な要素を避けるばかりに少し強引な考察になっている箇所も気になるけれど。
でもユニークなこういう切り口があることで歴史考察は進むだろうし、おもしろくなるね。
Posted by ブクログ
ブラタモリのネタ帳みたいで地形から歴史の史実を解く。定説を覆すものばかりで視点が面白い。徳川家康は利根川東遷の大工事をすることで、江戸を豊かな土地に変えた。これは知らなかったです。
Posted by ブクログ
いくつか説得力が弱い点も感じるが、地形や広重の浮世絵などから歴史の背景を探っていくのは推理小説のように面白い。
桓武天皇は長岡京に遷都した際、夷が侵入する可能性のある東北方向の逢坂峠を恐れて、そこを見下ろすことができる比叡山に延暦寺を創建し、僧侶集団に武力を持たせて監視させた。桶狭間の山中で今川隊が伸びきったところを大将のみを襲撃した経験のある信長は、それと同じ恐怖を抱いた比叡山を焼き討ちにした。
頼朝は人口過密で疫病が蔓延していた京都を嫌い、鎌倉に幕府を開いた。京都の人口は20万人、人口密度は4900人/km2と推測する。「方丈記」にも、疫病で4万人以上の死者が出たと記されている。祇園祭も疫病払いから始まった。
元寇が失敗に終わった理由は、日本の沖積平野は水はけが悪く、丘や山には樹木が茂るため、モンゴル軍の強みである騎馬軍団と牛車群を日本では活かすことができなかったためだった。大石久和も「国土が日本人の謎を解く」で、幕末に欧米列強の植民地にならなかった要因として、同様の考察をしている。
皇居の半蔵門は土手が築かれており、それからは尾根道の甲州街道が続く。江戸幕府は、この通りの周辺に徳川御三家や親藩、旗本を住まわせることによって防御した。赤穂浪士の3分の1が討ち入り前に麹町に潜伏していたのは、幕府が匿ったからだと断言する。高家という重要な役職にある吉良家は、討ち入り前に、両国橋が建設されてから40年しか経っておらず、下総の匂いを残す本所に移転させられていた。家康が創建した泉岳寺に赤穂浪士47士を埋葬したのは、大木戸を札ノ辻から高輪を移し、その手前で滞留した旅人を誘導することによって、主君の仇を討った忠誠心の物語を広めて幕府を安泰にするためだった。
家康が江戸入り直後に小名木川を造ったのは、道三堀で江戸城から荒川(現隅田川)沖に出た後、小名木川を通って中川、さらに舟堀川で利根川(現江戸川)に出ることによって、関東一円の北条氏を制するためだった。荒川の洪水を制御するために、右岸の浅草から三ノ輪までの日本堤を造り、吉原を移転させて人々の往来によって踏み固めさせた。また、対岸の墨田提を強化して桜を植え、料亭を誘致して今の向島が形成された。
毛利家は、広島三次盆地の発祥で、稲作を行う平坦な土地はなかった。その後、村上水軍などを傘下に入れて大阪湾から九州にかけての制海権を握り、本拠地の広島城は海に出ることを念頭に置いた太田川の砂洲につくられた。関ヶ原の戦いの後、萩に移封されて瀬戸内水軍との縁を切断され、大船建造も禁止されたため、干潟の干拓と塩田の造成による農耕民に転身した。