飯島周のレビュー一覧

  • 北欧の旅 ──カレル・チャペック旅行記コレクション

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    80年くらいの前の北欧旅行記。船旅がメインのこの本、今は何となくオシャレで素敵なイメージしかない北欧の国々は、厳しい自然の中で様々な歴史を経てきたのだ、という当たり前のことに気づかせてくれる。とりわけ海からむき出しの岩、時には荒れる広い広い海、とりまくたくさんの木々や森。自然について執拗なほどしつこく、ありったけの比喩で書かれているのでちょっと読みづらいけど、イラストが添えられていてなんともかわいい。
    旅であるがゆえの一過性物悲しさの切り取り方が響く。
    「何でもない、申し上げるが、何でもないのだ。しかし美しい。描くというよりもむしろ愛撫したいような美しさ。」

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    2014年09月13日
  • オランダ絵図 ──カレル・チャペック旅行記コレクション

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    ネタバレ

    著者が1931年にオランダを訪れたときの観察記。80年以上前に書かれたとは思えないほど現在のオランダ風景と重なる。運河、自転車、風車、犬。オランダの光は本当に透明でものの輪郭が細部まで見える。その色彩はクリーンで涼やか。こういう風土からレンブラントやフェルメール、ヴァン・ゴッホが出てくるんだなあという感じ。チャペックの旅行記はウィットがあって面白い。

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    2014年08月27日
  • イギリスだより ――カレル・チャペック旅行記コレクション

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    チェコの作家カレル・チャペックの
    イギリス旅行記。

    現在でも多くの外国人が集まるような
    観光スポットを訪れているが、
    「外国人ジャーナリスト」である
    彼独自の目のつけどころがあったり、
    ユーモア溢れる文体で(私は偉大なる
    作家に向かって失礼かと思うが、
    「チャーミングな文体」だなぁと
    感じる。)綴るイギリスは
    欠点もあるが愛すべき国であると、
    約十年以上も前に旅した時のことを
    思い出しながら読んだ。

    文頭につけられた「あいさつ」と
    いう文、「旅に出て、私にとって
    心に残るのは有名な観光地ではなく、
    そこで生活を営む人々である。」と
    いった内容の言葉が私の心に刻まれた。

    私達は、
    その人の

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    2013年05月03日
  • スペイン旅行記 ――カレル・チャペック旅行記コレクション

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    マチスのダンスにも似た、躍動感のある自由な線画が楽しい。靴みがきの恍惚のダンス、ろばにまたがった農民、格子窓のちっちゃな楽園、魔術的な装飾、闘牛、愛しあう男女、束縛されない率直な歌、フラメンコ、等等。
    「世界が千もの違う顔を持ちどこへ行っても異なるという理由で、全世界を愛するということのほうが喜ばしい」

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    2013年03月31日
  • 北欧の旅 ──カレル・チャペック旅行記コレクション

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    ネタバレ

    1936年にデンマーク、スウェーデン、ノルウェーを巡った旅行記です。鋭い描写とユーモアラスで温かみのある表現と多数のイラストで、旅行で出会った北欧の自然・民族・文化を描いています。

    今夏の旅行中に読んでました。オスロからベルゲンを経由してトロンハイムまでの鉄道と船の旅の風景が、ほとんど変わっていないように見えて驚きました。また、著者は船旅の最中にアメリカの宣教師の布教集団の騒がしさに殺意を感じるほど辟易していますが、ヘルシンキ-オスロで乗った飛行機の2つ後ろの列でアメリカ人女性2人がずっと大声で話し続けているという状況に出くわして苦笑してしまいました。
    フィヨルドはこんな↓感じでした。

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    2012年08月17日
  • スペイン旅行記 ――カレル・チャペック旅行記コレクション

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    スペインに興味が湧いていたので読んでみたが面白かった。カレル・チャペック。『ロボット』という言葉の考案者であることは何となく知っていたが、著書を読んだ事なかったので自分としては思いがけない発見だった。80年程前の旅行記だけど特に気にならず(現在のスペインもリーガ・エスパニョーラぐらいしか知りませんが…)街並み・人々の生活が詩的に表現されていてとてもいい。旅行でこれ程感動的になり美しく表現できるのはとても羨ましい。『アルハンブラ物語』もそうでしたがオリエント風の建築物に魅かれますね~。

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    2012年04月22日
  • スペイン旅行記 ――カレル・チャペック旅行記コレクション

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    故郷をこよなく愛するとともに、世界の多様な風景・風俗を愛したチャペックは多くの旅行記を遺している。その優しくユーモラスな筆致は、深い悲しみと叡智を底に秘め、世界中に今もなおファンが多い。本書は1929年スペイン周遊の際に書かれた旅行記。ラテン、イスラム、ユダヤ、ジプシー、バスク、そして闘牛やフラメンコ…様々な民族や風物の混交する面白さ美しさに魅せられた心躍るエッセイ。

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    2009年10月07日
  • チェコスロヴァキアめぐり ――カレル・チャペック旅行記コレクション

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    故郷をこよなく愛するとともに、世界各地の多様な風景・風俗を愛したチャペックは多くの旅行記を遺している。その巧妙でユーモラスな筆致は、深い人間愛と洞察を底に秘め、世界中に今もなおファンが多い。本書は故郷チェコスロヴァキアの国内見聞記。子どもの頃から親しみ、童話の舞台にもなった風景や人々の暮らしを丁寧にあたたかく描くなかに、鋭い社会批評が挟まれる名エッセイ。イラスト多数。

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    2009年10月07日
  • イギリスだより ――カレル・チャペック旅行記コレクション

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    故郷をこよなく愛するとともに、世界各地の多様な風景・風俗を愛したチャペックは多くの旅行記を遺している。その巧妙でユーモラスな筆致は、深い人間愛と洞察を底に秘め、世界中に今もなおファンが多い。本書は中でも特に評価が高いイギリス滞在記で、1924年にペンクラブ大会参加と大英博覧会取材のため訪れたときのもの。チャペックの「イギリスびいき」ぶりがうかがえる名著。自筆イラスト多数。

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    2009年10月07日
  • スペイン旅行記 ――カレル・チャペック旅行記コレクション

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    挿絵も雰囲気あり、ちょっと人を喰ったようなカレル・チャペックのとぼけ文章がいい具合で、楽しい本でした。

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    2009年10月07日
  • いろいろな人たち チャペック・エッセイ集

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    「灰色のスーツを白のスーツと黒のスーツの妥協と呼ぶ人たちがいるのだ。一部の人たちにとって音符dはcとeの間の妥協なのである。政治的な中央とは、その人たちにとって狂った革命主義と中世的な反動の妥協なのである。朝はたんに朝ではなくて、真夜中と真昼の間の妥協である。渇きの事実は水と火の間の妥協である。」

    「『われらがため』氏は三回も燃えさかる坑内に足を踏み入れた。そして『われらがため』はこの世を去った。『われらがため』は生き埋めにされた人たちに救助をもたらした。(プロノビス)」

    チャペックは「園芸家12か月」もオススメ。面白いよ。

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    2009年10月07日
  • 北欧の旅 ──カレル・チャペック旅行記コレクション

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    故郷をこよなく愛するとともに、世界の多様な風景・風俗を愛したチャベックは多くの旅行記を遺している。その優しくユーモラスな筆致は、深い悲しみと叡智を底に秘め、世界中に今もなおファンが多い。本書は1936年、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーを巡った記録。船と鉄道と車で、原始の面影を残す森やフィヨルドをたどり、壮大な自然と素朴な人間の暮しを感動いっぱいに描く。イラスト多数

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    2009年10月07日
  • スペイン旅行記 ――カレル・チャペック旅行記コレクション

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    どうせ出すなら全部出せちくま!と言いたくなるけれど、とりあえず文庫はありがたい。チャペックの独特の語り口がいい。

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    2009年10月04日
  • こまった人たち チャペック小品集

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    またまた入院中に読みました。
    作者によって観察された人間たちの姿を描いた短編集。共感したり、ハッとさせられたり、とにかく幅が広いのです。
    「ロボット」ということばを生み出したのはこの作者だそうです。本人はあまり気に入ってなかったようですが。

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    2009年10月04日
  • こまった人たち チャペック小品集

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    小さなアイディアやSF手前のちょっとした小品のよせあつめ。もう言い古されてしまったような教訓もあるけれど。

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    2009年10月04日
  • 園芸家の一年

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    昔に書かれた本を読んだことないし、植物の羅列をみて「?」という感じもあった。私も庭のある家で庭弄りに熱中してみたいなぁ。

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    2025年01月10日
  • 園芸家の一年

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    自分も細やかな程度に土いじりをすることがあり、その点において共感することやそんなことまで!と大変さを知った一冊。やはり命を育てるって、大変だと思いました。

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    2024年04月21日
  • イギリスだより ――カレル・チャペック旅行記コレクション

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    イラストが可愛いカレル・チャペック。
    「長い長いお医者さんの話」「園芸家の12ヶ月」「ダーシェンカ」の著者としてしか知りませんでした。
    ジャーナリストでもあり、旅行記も6点ほど出版されていて「イギリスだより」は2作目にあたります。
    イギリスびいきということですが、独自のユーモアを交えながら行く先々で感じたイギリス(人)の長所・短所を率直に綴っています。
    辛口批評のところもしばしばですが、旅の終わりに「イギリスにいたときはいつも、故郷はなんと美しいものかと考えていた。故郷へ帰ったら、たぶん、イギリスには他のどこよりも上等でよいものがあると考えるようになるだう。」と書いています。
    日本の根付けにも

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    2024年03月15日
  • 絶対製造工場

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    カレルチャペックは現代からタイムスリップした人なんじゃないかなぁと思ってしまうくらい、先読み能力がすごいですよねぇ。Chat GPTの登場によってにわかに現実味を帯びてきた「AIによって仕事がなくなる」感じ。。まぁそんなのはETCや自動改札の登場、PCの登場の度にあったことなのかもしれませんが。うーんでも、”絶対”の登場を前に神格化したりするのはまだ宗教が大きな力を持っていた時代っぽい。現代においてはもっと自然に”全知全能の存在”が神とは別に、受け入れられてしまうかもしれないですね。農民が絶対の影響を受けずに、生きるすべを持っているという示唆は面白い。

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    2023年04月16日
  • イギリスだより ――カレル・チャペック旅行記コレクション

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    カレル・チャペックの旅行記、エッセイのような一冊。
    少し読みにくいような表現があるものの、イギリスのあれこれについて色んな感想、表現を駆使して書き綴っているのが読んでいて楽しいです。
    交通機関についての話が個人的にお気に入り。

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    2022年11月09日