飯島周のレビュー一覧

  • 絶対製造工場

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    ロボットの名付け親

    カレル・チャペック『絶対製造工場』
    物質をエネルギーに変換する発明品「カルブラートル」は、物質に封じられた〈神=絶対〉も解放してしまう。〈絶対〉がもたらす啓示・宗教的恍惚や奇跡によって世界は混乱と争いの時代へ。約100年前の小説だけど、風刺されている世相は現代にも当てはまると思う。

    【読書案内】絶対製造工場/チャペック

    人類はついに『絶対=神』の製造に成功した。『絶対』は、人々に陶酔を、感動を、信心を与えながら急速に増殖していく。しかし、それは、世界全体を巻き混む混乱と破壊への序章であった。
    神とは、絶対とは、真理とは何かを問う傑作SF

    「「わたしは何も信じない」マ

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    2025年11月28日
  • 園芸家の一年

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    わかるわー!と頷きまくり
    身に覚えありまくり。
    自分も、ふと気づくと庭に出て
    いつの季節も何かしらやってる。
    私の教科書みたいな一冊。

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    2025年07月28日
  • イギリスだより ――カレル・チャペック旅行記コレクション

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    1924年の5月23日~7月27日(ちょうど100年前!)、チャペックはイギリスを訪れた。本書は、その時にチェコの新聞に連載した紀行エッセイ。ロンドンからウェールズ、スコットランドまで、ほぼ全土をめぐっている。その風土や文化についてはもちろんのこと、ユーモアにあふれた人間描写がたまらなくいい。イギリス贔屓だったこともあって、懐かしいよきイギリスが活写されている。
    アイルランドへも行きたかったのに、あんなとこには行くもんじゃないとみなから止められ、行かずじまい。そのことも縷々綴っている。
    風景や人物を描いたマンガチックな絵が70以上。描いているのはチャペック本人。印象的なのはバーナード・ショーの

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    2025年05月06日
  • 園芸家の一年

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    素晴らしい本だった。
    庭いじりはやったことない私にも園芸の楽しさや苦労(その苦労も愛がある)が伝わってくる。ささやかな事をこんなにもユーモラスに表現できるなんてすごい。庭が欲しくなってきた。

    翻訳も兄のイラストも込で1つの作品になっていて、改めて文書や小説家の凄さを知った1冊だった。

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    2022年11月06日
  • 園芸家の一年

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    何かの本を読んだときに、その著者が、自分の『愛読書』として紹介していたので、読んでみたのですが、ユーモアが随所にちりばめられていて、かなり面白かったです。

    園芸好きの方なら、自分にも思い当たるフシがあることに気付き、大笑い間違いなしでしょう。
    園芸に興味がなくても、天候や植物に1年中振り回される園芸家にクスッとなるでしょう。

    植物の名前もたくさん出てきますが、そこは全然知らない植物名が出てきても何の問題もありません。かなり楽しめる1冊でした。

    雪の降ることもあり、寒い12月~2月くらいまでは、何かすることがあるの?と思いますが、園芸家にはやることが沢山あるんですね。園芸家には休みはないの

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    2022年06月10日
  • いろいろな人たち チャペック・エッセイ集

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    猫丸さんのお薦め本です。ありがとうございます。

    カレル・チャペックは1890年生まれのチェコの作家。
    プラハのカレル大学で学んだ後、ベルリンとパリに留学。
    帰国後の1916年(26歳)から創作開始。
    1921年に新聞社入社。
    生涯ジャーナリストとして活動。
    この作品はエッセイ集で
    Ⅰ男と女と日常生活
    Ⅱ文化と社会
    Ⅲ政治的動物

    ⅠとⅡは大変面白く読みましたが、Ⅲは私には少々難しかったです。

    Ⅰの男と女と日常生活は軽妙洒脱な男女の違いの妙などユーモアの溢れるエッセイが多く、例えば「毛皮なしのシラミ」では
    「それは豊かな人たちが貧しくなるようにということではなく、豊かな人たちが他人の貧しさの

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    2021年04月04日
  • いろいろな人たち チャペック・エッセイ集

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    同じ誕生日の作家ということでたまたま手に取った本。100年近く昔のエッセイなのに、すごく面白い!チャペックの時代から現代まで世の中は全く変わっていないかのようだ。文体の読み易さやユーモアのセンスが個人的にどストライクで、他の作品も読んでみたくなった。

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    2021年02月20日
  • いろいろな人たち チャペック・エッセイ集

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    日常のささいなできごとを見守るチャペックは、からかいまじりのユーモアを発揮する。鼻かぜや、女について、男について、家にまつわるあれこれ、買い物について・・・。上機嫌の底にあるのは、それほど偉くも立派でもない、人間に対する愛情だろう。その愛情が政治に向かうと、人間らしい生き方を求めての、熱い呼びかけとなる。チャペックは偏ったものの見方を嫌う。人間をひとつの鋳型に押し込めるのではなく、多様性を認めたうえで、人としての共通項に目を向ける。チャペックは、肯定の人だ。否定を重ねて唯一のものを求めたりはしない。雑然として、非効率かもしれないが、豊かだ。

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    2013年04月11日
  • イギリスだより ――カレル・チャペック旅行記コレクション

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    チェペックが行く、豊かな旅の記録・イギリス編。

    これはチャペックの温かみあふれるまなざしと、ウィットに富んだユーモアが素晴らしい旅行記。
    豊かな人間愛・郷土愛から、チャペックの人柄が透けて見える。

    内容的には、歴史とかその土地の風土とかよりむしろ、著者が見たこと、感じたことに重きが置かれているかんじ。
    でも、それだけで十分面白い!
    結構前に書かれた本なのだが、全く古臭さを感じない。チャペックが頭の柔らかい人だったんだな、とよくわかる。
    著者の自筆イラストも多数。

    このシリーズは他にもチェコスロバキア編(チャペックはチェコスロバキア出身)、スペイン編、北欧編とある。
    私は今のところ、イギリ

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    2011年07月03日
  • イギリスだより ――カレル・チャペック旅行記コレクション

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    カレル・チャペックのイギリス見聞録。挿絵も本人によるもの(なんと、絵も描けるのだ!)。ハイドパークの演説家に感心し、お巡りさんの大きさに驚き、変化のない街路に退屈する。心に響いたものを、その場所や事柄の知名度に関わりなく綴る文章は、ごく私的でだからこそ普遍的な、チャペックならではのものである。そして著者の目を通すことで、自分の知っているイギリスという国(もっとも、行ったことはない)が、とても新鮮に見えてくる。

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    2009年10月04日
  • いろいろな人たち チャペック・エッセイ集

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    作家であり、ジャーナリストでもあるチャペック。その真骨頂−エッセイ。
    是非是非、ご一読を。
    ※ネタバレの恐れのため、以下自粛※

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    2009年10月04日
  • 園芸家の一年

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    庭はいつになっても完成しない点で、人間の社会および人間の営みの全てに似ている、らしい。確かに外部世界や天変地異との付き合いを強いられながら、絶えず過ぎ去って行くものを見送り新たなものを導入し続けているね。
    読みながら私にも庭があったら、と思ったけど、あってもピーマン畑にしてしまうだろう。そして毎日毎日飽きもせずピーマンばかり食べて暮らすだろう。カレルの言う通り、野菜と庭づくりは似て異なるもの。野菜は園芸家よりも敵が多い。それはそう。鳥も虫もみんな敵だわ

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    2025年04月01日
  • イギリスだより ――カレル・チャペック旅行記コレクション

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    ほぼ100年前の旅行記。
    筆者のカレル・チャペックはチェコ・プラハ出身の、ジャーナリスト・エッセイスト・小説家・劇作家。1924年の5月から7月にかけてイギリス国内を旅する。この間に書いた紀行文がプラハの新聞に連載され好評を博した。それを書籍化したものが本書。
    「あいさつ」と題された、筆者による前書きがある。その中に心を惹かれた文章があったので、少し長くなるが引用したい。イギリスで見た光景を思い浮かべて、筆者が考えたこと、感じたことである。私には、筆者が「旅とは何か」についてを語ってくれているように感じた。
    【引用】
    わたしが思い浮かべるのは、ただ、ケントにある一軒の赤い小さな家である。なんの

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    2023年08月15日
  • イギリスだより ――カレル・チャペック旅行記コレクション

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    チェコのジャーナリスト、小説家であるカレル・チャペックがイギリスに滞在した際のイギリスに関するエッセイ。

    カレル・チャペックについては、全然知らなかったのだけれど、「ロボット」という新語を世に広めた人らしい。へぇ。
    カレル・チャペックの旅行記としては、他に、イタリア、オランダ、スペインなどがあるけれど、この「イギリスだより」は特に好評を得て、人気もあるとのこと。へぇ。

    で、内容だけど、まぁこれが独特の表現で、ユーモアあり、奇抜な言い回しあり、でわかりにくいところも多々あるのだけれど、なんか楽しい。こういう文章をウィットに富むというのだろうか。イギリスやイギリス人に対して、ズバっと毒をはいた

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    2023年04月25日
  • イギリスだより ――カレル・チャペック旅行記コレクション

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    100年前のチェコ人作家カレルチャペックのイギリス旅行記。
    軽妙な語り口でイギリスを自分の国と比較しながら語る。
    時に称揚し時に皮肉ってみたり、どこか牧歌的な雰囲気が漂っていてのんびりと読むことが出来る。

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    2023年04月24日
  • 園芸家の一年

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    園芸を始めてまだ1年だが、すでにこのような思考になってきている。雨が恋しい、土の改良のことばかり考える、植物の名前にうるさくなる。。100年くらい昔の園芸家も今のそれと変わりないんだな。ユーモアに溢れる本書だが、解説を見るに、とても大変な時代に書かれたものであり、挿絵を描いている著者の兄も悲惨な最後を遂げたとのこと。このユーモアがその時の体制への批判。園芸家の人間くさい感覚や喜び、振る舞いが、それを許さない全体主義的な時代背景への抵抗なのかと思うと、今純粋に園芸を楽しめている私は、とっても幸せだ。

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    2022年02月07日
  • 園芸家の一年

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    年年歳歳花も同じからずっていう本。

    園芸を趣味とする人の日々と業の深さをおもしろおかしく綴った軽いエッセイなんだけど、いとうせいこうさんの解説を読み、書かれた時代や社会背景を知ると、受け取り手としてのこちら側の本の味わい方が良い意味で大きく変わる。



    『真正の、最善のものは、わたしたちの前方、未来にある。これからの一年、また一年は、成長と美を加えていく。神様のおかげで、ありがたいことに、わたしたちはまたもう一年、未来に進むのだ!』

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    2022年01月08日
  • イギリスだより ――カレル・チャペック旅行記コレクション

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    チェコ語で書かれた原典など読むことはできないが、本書の訳文の多彩な文体を見ていると、翻訳大変そうだなあ、と想像できる。

    飄々とした味わい、ちょっぴりの皮肉。
    ペンクラブの招きでのロンドン行きだったそうで、当時のイギリス文人の錚々たる顔ぶれの戯画もある。
    何でも、チャペックをそれまで高く評価していたチェスタートンは、本書p.206の戯画でかなり不愉快になったとか。

    約100年前のイギリス。
    ロンドンの様子は変わったに違いないけれど。
    郊外や地方の町はどれくらい変わったのだろう。
    そして、イングランドの人々が「私たちが行かない所」と言ったアイルランドは。
    チャペックがアイルランドに執心したこと

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    2021年07月04日
  • 園芸家の一年

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    24時間365日、頭にあるのは庭のことばかり、気になって気になって来客中も旅行中もうわのそら、自慢の草木の名前を尋ねられれば聞かれてないことまで早口で語り倒し、間違えられようものなら大激怒…。弟カレルのユーモラスな筆致と兄ヨゼフの可愛らしい挿絵で活写されるアマチュア園芸家たちの生態があまりにも「オタク」そのもので腹がよじれるほど笑ったが、この牧歌的なエッセイがどのような時勢を背景に書かれたかを知って愕然とした。

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    2021年02月09日
  • 園芸家の一年

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    本書をのんびりとと、時折吹き出しながら読み終えた。巻末のいとうせいこう氏の解説を読むとこのエッセイの書かれた時代背景が書かれていて、そのことを思いながらまた振り返ると文章に、それまでと異なったライトの当たり方がされてしまった。面白かった。サボテン人間。サボテンダー。

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    2017年03月18日