飯島周のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
イラストが可愛いカレル・チャペック。
「長い長いお医者さんの話」「園芸家の12ヶ月」「ダーシェンカ」の著者としてしか知りませんでした。
ジャーナリストでもあり、旅行記も6点ほど出版されていて「イギリスだより」は2作目にあたります。
イギリスびいきということですが、独自のユーモアを交えながら行く先々で感じたイギリス(人)の長所・短所を率直に綴っています。
辛口批評のところもしばしばですが、旅の終わりに「イギリスにいたときはいつも、故郷はなんと美しいものかと考えていた。故郷へ帰ったら、たぶん、イギリスには他のどこよりも上等でよいものがあると考えるようになるだう。」と書いています。
日本の根付けにも興味を持ってくれていたようで、ちょっと嬉しい気持ちなりました。
その他の旅行記
1「イタリアだより」
3「スペイン旅行記」
4「オランダ絵図」
5「北への旅」(北欧三国)
6「チェコスロバキアめぐり」
何もそのうち読んでみたいです。
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Posted by ブクログ
カレルチャペックは現代からタイムスリップした人なんじゃないかなぁと思ってしまうくらい、先読み能力がすごいですよねぇ。Chat GPTの登場によってにわかに現実味を帯びてきた「AIによって仕事がなくなる」感じ。。まぁそんなのはETCや自動改札の登場、PCの登場の度にあったことなのかもしれませんが。うーんでも、”絶対”の登場を前に神格化したりするのはまだ宗教が大きな力を持っていた時代っぽい。現代においてはもっと自然に”全知全能の存在”が神とは別に、受け入れられてしまうかもしれないですね。農民が絶対の影響を受けずに、生きるすべを持っているという示唆は面白い。
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Posted by ブクログ
ネタバレチェコ人の、この方はどう称していいかわかりづらいタイプの多彩な方のようだが、ジャーナリストであり劇作家であり多くの旅行記を綴っているチャペックによる北欧の旅行記である。
当時新聞連載されたものであり、彼にとって最後の旅行記になっているようだが、鉄道と船での移動でデンマーク、スウェーデン、ノルウェーをめぐる旅行記となっている。彼の直筆によるイラストが多数含まれているのも特徴的だろう。
とはいえ、この旅行記における翻訳は、正直言って意味を受け取るのに難しい部分が少なくない。
直訳なのか、悪文なのかは不明だが、そこに込められた皮肉なニュアンスに首をかしげること暫しであった。
そうした点を加味して星三つと評価している。あくまでこのちくま文庫版の翻訳本としての評価であることは述べておきたい。 -
Posted by ブクログ
「ロボット」という語を作った(らしい。この点は後から知りましたが)、カレル・チャペックの長編。
莫大なエネルギーをわずかな資源で生み出すことのできる機械「カルブラートル」が発明されたところから物語は始まります。その機械が生み出すエネルギーの副作用として、資源の中に囚われている神(この作品の中では「絶対」と呼ばれているもの)も引き出されてしまう世界を想定したSF作品です。
序盤は「絶対」が生み出されたおかげで、みんなが信心深くなったり隣人愛を実現したり預言を与えられるようになったりと、比較的好ましい変化が描かれてますが、後半ではお互いが進行する真理がぶつかり合う結果、対立や戦争が引き起こされ、世界が破滅に向かっていきます。
端的に言ってしまえば、この作品は「自身の信仰への盲目的な追従と、それに合致しない個人や世界を許せないが故の排斥と闘争」という、よくあるテーマの一つに依拠していると言えてしまうでしょう。
中盤から、やけに話がとっ散らかるし文章の雰囲気も変わるしで、どうしたのかなーと思っていたんですが、全30章のうち12章までは最初にできていて、そこから先は新聞連載が進む中で追われるように書き連ねられていった、という内情が分かって、妙に納得できました。特に最後の5章分ぐらいでの、「何とかして話を収束させてやろう」という意図からの、力技とも言える世界の閉じ方は、個人的にはあまり好きにはなれませんでした。序盤、あんなに丁寧に描かれていたカルブラートルやその発明者、そしてそれを世界に広めた人物のその後には、ほとんど触れられずに終わっているところからも、作者が途中で「きれいに大団円を迎える」ことを諦めたように感じられます。
20世紀初頭のSF小説の代表作の一つであることには変わりがないし、偏狭的な信仰は対立と暴力を生む、ということへの教訓として読むには好いのかも。ただ、その教訓を学ぶならば、「事実は小説より奇なり」ということで、今のイスラエルとパレスチナや、アメリカとイスラムとの戦いを紐解いた方が、ナンボか有益かもしれません。 -
Posted by ブクログ
カルブラートル(原子炉)から発生する副産物ー絶対(神、真理)ーのために翻弄される人間の性を喜劇風に描いた作品。
原子力とそこから発生する副産物と聞いて平常な心持ちではいられないが、この作品においてこの科学と文明の問題は伏線にすぎない。
大きなテーマは誰もがそれぞれの真理を持ち、そして他人が自らの真理を信じたりはしてくれないという事実に対して私たちは寛容にならなければならない、ということだ。
確かにこのテーマをまとめるには、構想が十分でなく、展開もめまぐるしいという感じは否めなかったが、チャペックの心は十分に伝わってきた。
この作品が上梓されてから1世紀弱もの月日が経とうとしているが、私たちはいまだにこの手の不寛容さから逃れられてはいないのだから。