あらすじ
いつだって土作りや水やりのことで頭がいっぱい。そんな園芸家たちの〈あるある〉を愛情たっぷりに描く超ロングセラー園芸エッセイ。
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Posted by ブクログ
素晴らしい本だった。
庭いじりはやったことない私にも園芸の楽しさや苦労(その苦労も愛がある)が伝わってくる。ささやかな事をこんなにもユーモラスに表現できるなんてすごい。庭が欲しくなってきた。
翻訳も兄のイラストも込で1つの作品になっていて、改めて文書や小説家の凄さを知った1冊だった。
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何かの本を読んだときに、その著者が、自分の『愛読書』として紹介していたので、読んでみたのですが、ユーモアが随所にちりばめられていて、かなり面白かったです。
園芸好きの方なら、自分にも思い当たるフシがあることに気付き、大笑い間違いなしでしょう。
園芸に興味がなくても、天候や植物に1年中振り回される園芸家にクスッとなるでしょう。
植物の名前もたくさん出てきますが、そこは全然知らない植物名が出てきても何の問題もありません。かなり楽しめる1冊でした。
雪の降ることもあり、寒い12月~2月くらいまでは、何かすることがあるの?と思いますが、園芸家にはやることが沢山あるんですね。園芸家には休みはないのです。読めば分かります(笑)。
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園芸を始めてまだ1年だが、すでにこのような思考になってきている。雨が恋しい、土の改良のことばかり考える、植物の名前にうるさくなる。。100年くらい昔の園芸家も今のそれと変わりないんだな。ユーモアに溢れる本書だが、解説を見るに、とても大変な時代に書かれたものであり、挿絵を描いている著者の兄も悲惨な最後を遂げたとのこと。このユーモアがその時の体制への批判。園芸家の人間くさい感覚や喜び、振る舞いが、それを許さない全体主義的な時代背景への抵抗なのかと思うと、今純粋に園芸を楽しめている私は、とっても幸せだ。
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年年歳歳花も同じからずっていう本。
園芸を趣味とする人の日々と業の深さをおもしろおかしく綴った軽いエッセイなんだけど、いとうせいこうさんの解説を読み、書かれた時代や社会背景を知ると、受け取り手としてのこちら側の本の味わい方が良い意味で大きく変わる。
『真正の、最善のものは、わたしたちの前方、未来にある。これからの一年、また一年は、成長と美を加えていく。神様のおかげで、ありがたいことに、わたしたちはまたもう一年、未来に進むのだ!』
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24時間365日、頭にあるのは庭のことばかり、気になって気になって来客中も旅行中もうわのそら、自慢の草木の名前を尋ねられれば聞かれてないことまで早口で語り倒し、間違えられようものなら大激怒…。弟カレルのユーモラスな筆致と兄ヨゼフの可愛らしい挿絵で活写されるアマチュア園芸家たちの生態があまりにも「オタク」そのもので腹がよじれるほど笑ったが、この牧歌的なエッセイがどのような時勢を背景に書かれたかを知って愕然とした。
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本書をのんびりとと、時折吹き出しながら読み終えた。巻末のいとうせいこう氏の解説を読むとこのエッセイの書かれた時代背景が書かれていて、そのことを思いながらまた振り返ると文章に、それまでと異なったライトの当たり方がされてしまった。面白かった。サボテン人間。サボテンダー。
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庭はいつになっても完成しない点で、人間の社会および人間の営みの全てに似ている、らしい。確かに外部世界や天変地異との付き合いを強いられながら、絶えず過ぎ去って行くものを見送り新たなものを導入し続けているね。
読みながら私にも庭があったら、と思ったけど、あってもピーマン畑にしてしまうだろう。そして毎日毎日飽きもせずピーマンばかり食べて暮らすだろう。カレルの言う通り、野菜と庭づくりは似て異なるもの。野菜は園芸家よりも敵が多い。それはそう。鳥も虫もみんな敵だわ
Posted by ブクログ
少しずつチャペックさんを読み漁ろうと思って、まずはこちらから。
自身も園芸大好きだったチャペックさんが、園芸家の各月の過ごし方を軽やかにつづってくれます。園芸というものの楽しみや、中毒性(そしてまわりがみえなくなる)みたいなのをジョークを交えて楽しく感じることができました。
Posted by ブクログ
以前、「園芸家12カ月」を読んでいるので、目新しいことはほとんどなく、懐かしさ半分確認半分で読みました。
園芸家が春を恋う様子が懐かしく、カタログを読んでとらぬタヌキを数える様子には鏡を見る思いでした。
新たな発見は11月の章にあり、名文で、明朗な真理が著されていました。
総じて園芸家は土を見て草を見ず、花すらろくに見ていないという話。
自らを笑うユーモアに、チェコの作家の地力を見た気がします。