【感想・ネタバレ】北欧の旅 ──カレル・チャペック旅行記コレクションのレビュー

あらすじ

故郷をこよなく愛するとともに、世界の多様な風景・風俗を愛したチャベックは多くの旅行記を遺している。その優しくユーモラスな筆致は、深い悲しみと叡智を底に秘め、世界中に今もなおファンが多い。本書は1936年、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーを巡った記録。船と鉄道と車で、原始の面影を残す森やフィヨルドをたどり、壮大な自然と素朴な人間の暮しを感動いっぱいに描く。イラスト多数。

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Posted by ブクログ

80年くらいの前の北欧旅行記。船旅がメインのこの本、今は何となくオシャレで素敵なイメージしかない北欧の国々は、厳しい自然の中で様々な歴史を経てきたのだ、という当たり前のことに気づかせてくれる。とりわけ海からむき出しの岩、時には荒れる広い広い海、とりまくたくさんの木々や森。自然について執拗なほどしつこく、ありったけの比喩で書かれているのでちょっと読みづらいけど、イラストが添えられていてなんともかわいい。
旅であるがゆえの一過性物悲しさの切り取り方が響く。
「何でもない、申し上げるが、何でもないのだ。しかし美しい。描くというよりもむしろ愛撫したいような美しさ。」

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2014年09月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1936年にデンマーク、スウェーデン、ノルウェーを巡った旅行記です。鋭い描写とユーモアラスで温かみのある表現と多数のイラストで、旅行で出会った北欧の自然・民族・文化を描いています。

今夏の旅行中に読んでました。オスロからベルゲンを経由してトロンハイムまでの鉄道と船の旅の風景が、ほとんど変わっていないように見えて驚きました。また、著者は船旅の最中にアメリカの宣教師の布教集団の騒がしさに殺意を感じるほど辟易していますが、ヘルシンキ-オスロで乗った飛行機の2つ後ろの列でアメリカ人女性2人がずっと大声で話し続けているという状況に出くわして苦笑してしまいました。
フィヨルドはこんな↓感じでした。

「柔かく心地よくさざ波を立てる長い湖を航行している。何千もの細かい煌めく水面が、頂きに白い雪を持つ金色や青の岩の姿を映す。海峡はせばまり、岩と岩との間の小径に過ぎないようになる。ここでは水は、全く現実離れした状態で沈み込み、深い緑色となって、油のように滑らかに、夢のように静まり返る。」(P200)

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2012年08月17日

Posted by ブクログ

故郷をこよなく愛するとともに、世界の多様な風景・風俗を愛したチャベックは多くの旅行記を遺している。その優しくユーモラスな筆致は、深い悲しみと叡智を底に秘め、世界中に今もなおファンが多い。本書は1936年、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーを巡った記録。船と鉄道と車で、原始の面影を残す森やフィヨルドをたどり、壮大な自然と素朴な人間の暮しを感動いっぱいに描く。イラスト多数

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

デンマークからノルウェー最北の旅行記。旅ガイドというよりはエッセイだが、自然の描写の語彙力や、ノルウェーが世界の果てだと欧州人は言うがここが世界の出発点だ、などという言葉にはっとさせられる。そういうところは小説だなと感じる。グーグルイメージ検索を併用するととても楽しい。

著者は字書きとのことだが、イラストがかわいい。一筆ですっと描いていく風景、家、自然など非常に味がある。どの牛も草を食んでるのは思わず笑ってしまったが、こんなに少ない線でそれを表現できるのはただモノじゃないぞ、と本文の内容以外のところで食いついてしまった。

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2018年09月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 チェコ人の、この方はどう称していいかわかりづらいタイプの多彩な方のようだが、ジャーナリストであり劇作家であり多くの旅行記を綴っているチャペックによる北欧の旅行記である。
 当時新聞連載されたものであり、彼にとって最後の旅行記になっているようだが、鉄道と船での移動でデンマーク、スウェーデン、ノルウェーをめぐる旅行記となっている。彼の直筆によるイラストが多数含まれているのも特徴的だろう。

 とはいえ、この旅行記における翻訳は、正直言って意味を受け取るのに難しい部分が少なくない。
 直訳なのか、悪文なのかは不明だが、そこに込められた皮肉なニュアンスに首をかしげること暫しであった。
 そうした点を加味して星三つと評価している。あくまでこのちくま文庫版の翻訳本としての評価であることは述べておきたい。

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2018年08月07日

Posted by ブクログ

デンマーク・スウェーデン・ノルウェー・そしてまたスウェーデンへと移動する旅行記。
スウェーデンがものすごく良い国のように書いてある。
自然の描写が細かい。

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

カレル・チャペック氏の北欧旅行の記録。個人的に好きなノルウェー(オスロ→ベルゲン→ノールカップ)への旅が中心なので即購入してしまいました。
20世紀前半の北欧の描写なのだけど、都市部以外はたぶん今も変わらない自然です。
大量に挿入されている線画が素晴らしい。コミカルでいてすごく細かい。

ただ文章は翻訳のせいか、時代のせいか、本人の癖なのか、詩と散文の間のような感じで少々読みにくい。

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2009年10月04日

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