森茉莉のレビュー一覧

  • 記憶の絵

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    森鴎外の娘、森茉莉のエッセイ。
    鴎外は自分の子供を洋風に名付けた。長男は於菟(おと Otto)でちょっと残念な感じだが、長女の茉莉(Marrie)は良い。深窓の令嬢感が溢れている。

    約350ページの中に約120個のエッセイが詰められている。それぞれ2~3ページ程度でさらりと纏められてあり、電車の一駅分の区間でも読めてしまう。

    エッセイのテーマとしては、タイトルにある通り、森茉莉の回想録が中心となり、それこそ自身の最も古い記憶から辿り、尋常学校、高等女学校、嫁入り、洋行、父鴎外との死別、帰国、そして離婚を以て締めくくられている。
    前半は身辺雑記的なエッセイも多いのだが、嫁入り以降はひたすらに

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    2020年03月29日
  • 貧乏サヴァラン

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    面白かったです。本物のお嬢様で、食いしん坊な茉莉さん、自分の好きなものがはっきりしていて、すぐぐらぐらしてしまうわたしは彼女がとても羨ましいです。料理は得意だという茉莉さんの食べ物の描写が美味しそうで…白身魚と野菜のサラダは他のエッセイでも度々でてくるのですが、一番気になる料理です。贅沢って気持ちの持ち様なのですね。料理も、お菓子も、お酒もうっとりでした。茉莉さんはいつまでも少女のような人だな。

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    2017年09月06日
  • 貧乏サヴァラン

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    品を備えた人が書く文章というのは、いじけてもサマになる。好奇心旺盛な人も、どんな状況に置かれてもそれを楽しんでしまうところがある。そんな感じの人。
    どくとるマンボウの北さんもそういう感じがあってなんか似てるかも。共に偉大な医者作家の子だし。
    最後のほうで、友人知人に宛てた書簡もあるけど、必ず食べ物の話になるほどの食いしん坊さん。
    サヴァランも、作家の名前というだけじゃなくてお菓子のサヴァランの意味と響きのよさで、貧乏サヴァランと自称しているのかと思います。

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    2015年02月15日
  • 貧乏サヴァラン

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    生い立ちゆえに肥えてしまった舌。年老いて、もはや豊かではないけれど気まま。一人で、狭いアパートで暮らす。夜の間つけっぱなしの蛍光灯。素敵。

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    2015年01月08日
  • 貧乏サヴァラン

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    ネタバレ

    実際に会ったら相当大変な人だろうな、と思われる森茉莉。
    その価値観には深く共感してしまう。食べ物への執着やこだわりや、毒舌が他人事と思えない。
    森茉莉が現在も生きていたら、30過ぎて自分のことを女子とのたまう人々をばっさり一刀両断であろうな、とにやりとした。
    自分のことを森茉莉とかいう変なばあさん、と自称するあたりに美意識を感じる。
    作中に、父である鴎外や、室生犀星やその他交流のあった文豪の素顔が描かれていて読み物としてとても面白いのはもちろん、食べ物の描写が素晴らしい。
    森鴎外の著作権がきれて、食うのに困って文筆家業を始めたというが、DNAというか才能なんだろうなあ。
    食べ物の描写になるとひ

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    2014年04月18日
  • 貧乏サヴァラン

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    森茉莉の食べ物エッセイからよりすぐりのものを集めた本。森茉莉の贅沢貧乏の心意気、父親や欧州に関する様々なうっとりするようなエピソード、そして読んでいるだけで食べたくなる料理の描写。でれをとっても素敵。

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    2013年12月22日
  • 貧乏サヴァラン

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    貧乏ちゃうんちゃう、と思うが、お金をかけない贅沢ということかな。
    そこが食べ物のええところかしら。
    安くて美味しいものがたくさんある。
    舌が痩せてるだけか?
    大概は腹が膨れればよいのだ。
    「贅沢貧乏」も読みたいです。

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    2013年02月23日
  • 貧乏サヴァラン

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    森茉莉さんの本、実は初めて読みました。読んでいて趣味が友人と合いそうだなあと思いながら読みました。

    惣領の甚六と言うか…まあ長女の甚六、とでも言うのか。おっとりはしてなさそうですが(笑)。こう、世間ずれしていて我が強そうな人は家族は大変そうだなあと思いました。それにしても素直な人だな。言いたい事ややりたいことをきっちり出来る人と言うのは潔くて良いな、と思ったりその我の強さが鼻についたり難しいものです。面白かったのでまた違う本でも読んでみようかと思います。

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    2013年01月15日
  • 記憶の絵

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    森鴎外の娘。 表現の美しさのDNAがしっかりと受け継がれている。読んでいて気に入ったフレーズを何度も読み返してうっとりしてしまう。

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    2013年02月05日
  • 貧乏サヴァラン

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    森鴎外の娘だよーとだけ説明をうけて譲り受けた本
    率直な感想は食べることが好きな方なんだな〜と思った
    面白かった けど、どうしてもエッセイを普段読まないから読みにくさは感じてしまったこれは私が悪い

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    2025年07月08日
  • 貧乏サヴァラン

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    森鴎外の娘。ということはかろうじて知っていた。ただ、どんな文章を書いて、どんなことを思っていたかは恥ずかしながら知らずにいた。エッセイ一冊でわかることには限りがあるが、どんな時代でも食いしん坊で、食べることが大好きな人はいる。自分の好みのためなら労を惜しまず、ちょっと抜けているようで、しっかりしているような女性の姿がそこにある。ラジオを聴きながら文章をしたため、めんどくさがりながらも食には貪欲。今の私たちと変わらぬ人となり。「私は貧乏でもブリア・サヴァランであるし、精神は貴族なのである。」は冴えてる。

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    2025年04月28日
  • 貧乏サヴァラン

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    西洋的なメニューや食べ方が
    洒落てて美味しそうだけど
    現代では謎?な組み合わせや
    なんの食材かピンと来ないものが
    あったり...時の流れを感じた...
    やっぱり日本の旬の食物の描写が
    美味しいく思えたな〜

    食べ物のエッセイに鴎外や家族
    著名人とのエピソードが
    挟み込まれているところが
    興味深く面白いかった
    コケティッシュな感じが彼女の魅力

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    2025年03月28日
  • 猫は神さまの贈り物〈小説編〉

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    ネタバレ

     「猫は神さまの贈りもの」、全くそうだと思います(^-^)9人の作家の猫短編小説・詩アンソロジーです。次の4作品を楽しみました。①吉行理恵(1939~2006)「雲とトンガ」②室生犀星(1889~1962)「猫のうた」「愛猫」③佐藤春夫(1892~1964)「猫と婆さん」④宮沢賢治(1896~1933)「どんぐりと山猫」

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    2023年03月09日
  • 貧乏サヴァラン

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    何度も読んだけども、今回は文章を味わうようにして読んだ。様々な料理を、豊かな文章で、表現しているのが、さすがの筆力。とてもおいしそうだった。

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    2022年12月30日
  • 猫は神さまの贈り物〈小説編〉

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    古今の文学者もやっぱり猫が好き、という作品集。
    という感じかな。
    猫は出てくるものの、けっこうお文学な感じが予想外。
    猫猫らぶりぃ、なお話を期待しちゃってたわw
    星新一が、猫のでてくるショートショートを書いてたのがなんだかフフフで嬉しい。「エス氏」登場のおなじみの作風の中に猫なんだもの。
    宮沢賢治はちょっと童話っぽい雰囲気が「らしくて」いい。

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    2020年10月23日
  • 貧乏サヴァラン

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    以前この著者の『贅沢貧乏』を読んだが、内容は非常に似ている。向こうは洋服やインテリアなどのお洒落についても述べているが、本書は食に特化している。

    こういうのが粋で、ああいうのは粋じゃない‥‥なんて事が書かれていて、いわば昭和版枕草子。言ってみたら大きなお世話なんだけど、この人自体が何処かずっこけた所があるので、なんとなく許せてしまう。

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    2020年03月31日
  • 記憶の絵

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    森茉莉さんというと、森鴎外の長女で、若くして結婚してパリに在住し、その文章が三島由紀夫に高く評価され、という華やかな一面がすぐに思い浮かぶ。一方では、(料理を除き)家事全般が苦手で、一人住まいの部屋はゴミ屋敷と化し、親族も手を焼いていたという面も思い出される。

    このエッセイでは、森茉莉さんが持っているその両面が顔を出していて興味深く、美しかったパッパ(鴎外)との団子坂での暮らしから、夫とのパリでの生活、そして友達に借金を繰り返す暮らしまでが綴られている。

    とくに、このエッセイに収められた「陸軍省の木陰道」は、職場の父親を訪れた記憶を美しく描いています。また、パリの生活なども興味深く読みまし

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    2016年03月21日
  • 貧乏サヴァラン

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    毒舌が面白い。
    貧乏でも美味しいものを!というこだわりが感じられます。
    自分のやり方を貫く、かっこいいけど駄目なチャーミング頑固おばあさん。

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    2016年02月24日
  • 貧乏サヴァラン

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    何不自由なく蝶よ花よと育てられたお嬢様。
    時代は移り自身は年老いて没落しても、なおその感覚が抜けない哀れで可愛らしいお婆ちゃん。

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    2016年02月24日
  • 貧乏サヴァラン

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    自己陶酔型文章、または言いたいことがいっぱいありすぎるからかとても読みにくい文章。しかし、読み進むうちに作者の文章のリズムに慣れた。美食家ブリア・サヴァランを知らない私は、題名にあるサヴァランはてっきりケーキのサヴァランだと思っていたが、読んでこの題名にやっと納得した。かなり独特な食へのこだわりを持っていると思われるが、各人それぞれだから、そう思うとおもしろい。食べ物の見方、接し方が変わりそう。

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    2015年07月17日