福澤諭吉のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
福翁自伝
部活の大先輩に勧められた福沢諭吉の自伝。福沢の破天荒な性格は文章にしてもなお面白く、その生きざまはぜひ真似してみたい。なんといっても福沢の因習にも社会にも全くとらわれない本質思考の姿勢と思い切りのよい性格が彼をここまでの人間にしたのではないかと思う。本質思考といえば、彼が初めて横浜に行った時、彼が苦学して会得したオランダ語が全く通じず、英語を学ぼうと決心したとき、彼が最終的に師事したのは長崎から来た子供であった。儒教的精神の色濃く残る幕末で、学びうるものは子供からでも学ぶという、本質思考はとてもすごい。なんといっても金のなかった福沢は何を学ぶにも無形財産(人脈)を頼りに飛び回り、結 -
Posted by ブクログ
齋藤孝先生の現代語訳。読み易い。
明治維新という歴史の転換点における時代の捉え方は、現在の時勢を考える上でも参考になる処が多い。
時代の転換点だからこそ、西洋事情も含めた全体的なところを押さえ、自らの現状認識を正しくし、合理的に物事を判断していく。
物事の本質を捉える際のプロセスでもある。
以下引用~
・文明とは結局、「人間の知性と徳性の進歩」と言ってよいのである。
・目的を定めて文明に進む。それしかない。
では目的とは何か。内外の区別を明らかにして、わが国の独立を保つことである。そしてこの独立を保つ手段は、文明の他にはないのだ。いまの日本人を文明の道に進めるのは、我が国の独立を保つ、ただ -
Posted by ブクログ
たまには名著をということで読んでみた。
結構分量が多くかつ、文章が硬いので若干読みづらかった。
かつ結構まどろっこしいと感じる言い方(多分これが福澤節とは思うが)自分的にはそこまで刺さらなかった。
とはいえ、現代につながる考え方も多く勉強になった。
# 個人ポイント
- 近くの原因と、遠くの原因がある
- 討幕がなったのは、異国の襲来という近因もあるが、そもそも身分制度という枠組みに対する独立心や時代の流れが遠因としてあり進んだもの
- 智力が大事
- 一歩目を踏み出す時は二歩目を考えておく
- 危機感を持とう
- 自国独立せよ。文明を進めるのが人類の目的。 -
Posted by ブクログ
文明とは、国民一人ひとりが作り出す気風、としているので、国民一人ひとりが日本人としての気概を持たなければならない、ということだと理解しました。
1.この本を一言で表すと?
・国家の独立を国民に向け強く訴えた本
2.よかった点を3〜5つ
・いまこの時にあたって、さあ、前に進もうというのか、それとも後ろに退こうというのか。進んで文明の道を歩むのか、退いて野蛮へと変えるのか。ここは進むか退くかの二者択一だ。(p33)
→強いメッセージ性を感じる。また、当時の日本の状況からの切迫感も感じる。
・いまわが国にとって至急求めるべきは智恵でなくてなんだというのか。(p208)
→現代においても同じこと -
Posted by ブクログ
現代語訳なので、とても読みやすい。若くして長崎、大阪で学んだことが礎になったことがわかるが、理解力が高く、勉強熱心であったことが伝わってくる。さらに、横浜に行ってオランダ語が通じないことを知って英語を学び始めたり、自らアメリカ渡航を志願したり、ウェブストル辞書を買ってくるといった積極的な行動が、その後の活躍につながったのだろうと想像できる。
1854年、21歳の時、窮屈な中津を出ることを目的に、兄の共で長崎に行き、蘭学を学び始める。翌年、中津に返す計略を受けて江戸を目指すが、大阪の兄の助言で緒方の下で学び始める。23歳の時に兄が死亡したため家を継いだが、母親の許しを得て大阪に戻る。1858年