ともぐい(新潮文庫)

ともぐい(新潮文庫)

小説・文芸
781円 (税込)

3pt

明治後期、北海道の山中で一匹の犬を相棒に狩猟に生きる男・熊爪。人里に馴染めず山を縄張りとする彼は、冬眠を逃し徘徊する凶暴な熊「穴持たず」に対峙する。穴待たずとの死闘、そして盲目の少女・陽子との運命的な出会い。獣と人間との境界を超えた理屈のない命の応酬の果て、熊爪が見たものとは。「生きる」とは何か、という問いに真っ向から挑んだ、圧巻の直木賞受賞作。(解説・角幡唯介)

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    ともぐい(新潮文庫)
  • タイトルID
    :
    2331819
  • 電子版発売日
    :
    2026年07月29日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

閲覧環境

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ともぐい(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    タイトルからは面白さが想像できず、熊のお話しかあ...と普段なら手に取らない作品。
    たまたま作者さんの講演会に行く機会があり、お話しもとても面白く読んでみることに。
    想像以上に引き込まれて、文章からは匂いや音までも伝わってくるリアルさに飲み込まれ、一気読みしたくなる本でした。
    最後も想像を遥かに超え、なぜそうなったのか...ともっとよい案はなかったのか考えてしまいます。
    しかしこれは読み手が感じ取ったままがそれぞれの正解なのですね。
    読書会したいです。

    0
    2026年09月22日

    Posted by ブクログ

    人間は羽がないから鳥がどんな気持ちで空を飛ぶのか分からんだろう。逆に、鳥は羽がなくて地面を歩くしかない生き物の気持ちは分かるまい。

    お前の幸福というものは、何だろうね。あるいは、幸福というものを感じる能力が、お前にはあるのか、ないのか、どちらだろう。

    あんた猟師だろう。俺がたとえあんたから懇切丁寧に狩りのやりかたを教えてもらっても、多分あんたと同じように鉄砲を撃つことはできねえ。それが技術ってやつだ。誰でもやれることじゃねえから技術って言うんだ。

    0
    2026年09月17日

    Posted by ブクログ

    個人的に熊の話が好きで笑
    ついつい手に取った1冊でした。

    勝手に熊と人だけの対峙する物語を
    想像して読み進めていたけれど
    ただの熊と人だけじゃなく人と人、
    熊と熊、女と男、雄と雌、色んなモノ同士の
    本能まみれの物語だったなと思う。

    最初から最期まで熊爪の生き様が
    本当にかっこよかった。
    熊爪の人間らしい部分として性欲が濃厚に
    描かれていたのも良かった。


    0
    2026年09月02日

    Posted by ブクログ

    生と死 自然界の生き方について

    『ともぐい』を読み終えて、まず強く残ったのは、フィクションなのにノンフィクションのような生々しさだった。熊と人間が生きる山の世界があまりにも現実的に感じられ、物語を読んでいるというより、実際にそこで生きている人間を見ているような感覚になった。

    特に印象に残ったのは、自然界の本質や、生と死について描かれているところ。
    食べるために殺し、殺したものを食べて生きる。人間も動物も、結局は自然の循環の中にいる一つの生き物にすぎない。そうしたことを、綺麗にまとめるのではなく、生々しいまま描いているのがよかった。

    その中でも熊爪は、とてもいいキャラクターだった。
    人間社会の善悪や常識よりも、「どう生きるのか」という本質だけを見ているような人物で、熊爪の生き方そのものが作品のテーマを体現しているように感じた。

    死ぬこと自体は、なんとなく最初から予想していた。だからこそ、最後まで気になったのは、「熊爪がどのように生きるのか」だった。
    途中では自分なりに先の展開を予想しながら読んでいたが、良い意味で予想とは違う進展もあり、最後まで楽しめた。

    最後に陽子とのストーリーも展開や結末が良かった。熊爪が最後まで熊爪として生きた、その生き方の延長にあの結末があるように感じた。

    そして、何より犬が可愛かった。
    ただ、熊爪自身が犬を人間的な意味で「愛している」というより、犬を犬として、狩りをする上での存在として見ているところも含めて、熊爪らしい関係だったと思う。

    読み終わったあとには、中孝介の「サンサーラ」が頭の中でずっと流れていた。
    生きること、食べること、殺すこと、死ぬこと。そしてまた別の生命へつながっていくこと。『ともぐい』の読後感と、あの曲の持つ「生きる」という感覚がすごく重なった。

    今回は何の下調べもせずに読んだので、先の展開を自分なりに予想しながら読めたのもよかった。
    何年か経って、自分自身の感じ方が変わった頃に、もう一度熊爪の生き方を読み返してみたいと思える作品だった。

    0
    2026年08月22日

    Posted by ブクログ

    山でひとつの生き物として生きる男の体温、体臭、汗、血を感じる迫力ある物語。
    それを山の静の部分を織り交ぜて装飾なく伝える筆力も素晴らしく、短文で織りなす文体も潔い。
    結末は何を暗示しているのか。
    母性の凄まじさか、男の居場所が無い時代の変化か。それとも、生の意味からの解放か、はたまた地球上に根付く望みは無いヒトの異質さか。
    筆者の他作品にも俄然興味がわきました。

    0
    2026年08月18日

    Posted by ブクログ

    明治後期の北海道。猟師として自然の中で生きる熊爪は、一頭の熊との因縁や人との出会いを通して、生と死、人と自然の境界に向き合っていく。圧倒的な自然描写と命のやり取りが胸を打つ、直木賞受賞作。

    圧倒的な自然描写と、熊との息詰まる攻防に引き込まれた。しかし、私の心に最も残ったのは熊爪の死生観だった。

    熊爪は命を奪うのではなく、「いただく」という感覚で生きているように感じた。必要以上には求めず、自らが与えられた生も、いつかは自然へ返すもの。その循環を受け入れているからこそ、生にも死にも執着しない。彼が見つめていたのは、生き延びることではなく、生と死の均衡を崩さず、自分にふさわしい生を全うすることだったように思う。

    便利さや豊かさを追い求め、「もっと」を望みがちな現代だからこそ、「足るを知る」という言葉の意味を改めて考えさせられた。そして、『ともぐい』というタイトルもまた、生と死の均衡という、本作が描こうとしたものを象徴しているように感じた。熊爪の生き様は、読み終えた今も静かに問いを投げかけ続けている。

    0
    2026年08月06日

    Posted by ブクログ

    獣臭さの描写がすごく、女性作家が描いたとは思えない雄目線の内容で驚いた。
    終わり方も、想定外の急展開に、続きを想像させる余韻があったが、作家自信が書きたい内容が書けたから「あとはみんなで想像して!」というスパッとした終わり方で、それもそれで面白かった。

    0
    2026年10月26日

    Posted by ブクログ

    第170回直木賞受賞作。
    明治後期の北海道を舞台に、猟師の熊爪は相棒の犬とともに山に入り、自然の中で獣を狩りながら生きています。自然で生きる逞しさや厳しい過酷な世界が、本作では圧倒的な筆力で描かれています。

    本書を読んでまず驚かされたのは、その生々しさです。獲物を仕留め、肉を喰らい、また自らも喰われる側になり得る。文明や倫理観によって覆い隠されている「生きること」と「食べること」の本質が、剥き出しの形で突きつけられます。

    しかし本作は単なる狩猟小説ではありません。人間と獣、人間と自然、そして人間同士の関係までもが複雑に絡み合い、「生きるとは何か」という根源的な問いへと読者を導いていきます。熊爪の姿を追ううちに、人間もまた自然の一部でしかないのだと思い知らされました。

    美しい自然描写の一方で、物語には常に死の気配が漂っています。その緊張感はページをめくる手を止めさせず、ときに息苦しさすら覚えるほどでした。それでも目を背けることができないのは、この物語が人間という生き物の本質を真っ直ぐに見据えているからなのでしょう。

    読み終えた後に残るのは爽快感ではなく、畏れにも似た感情です。命を奪うこと、命をつなぐこと、その循環の中で生きること。命の重みを、改めて考えさせられる一冊でした。

    0
    2026年10月07日

    Posted by ブクログ

    直木賞

    冒頭から続く、リアルな鹿の解体シーン。
    作品全体を通して、血なまぐさい描写が続く。
    これが女性の作家の作品だとは驚きだが、作者の河崎秋子さんは、もと羊飼いであり、動物の解体などは日常的に行っていたことだろう。
    前に、河崎秋子さんのエッセイを読んだが、羊肉の出荷に際して、特別に感情を揺さぶられることなく、プロとして冷静に処理をされていた。
    それは、この小説の主人公、熊爪にも通じるところがある。

    熊爪は生活のため、たまに白糠の町に降りるのだが、熊爪を忌避する町民がほとんどのところ、熊爪に親切にしてくれる人は、やはりどこか怪しい雰囲気を漂わせている。

    怖くてなかなか手に取れなかったのだが、ようやく読めてよかった。直木賞が納得の筆力。

    0
    2026年10月03日

    Posted by ブクログ

    自分の周辺に人やモノが溢れている場に身を置いている自分からすると、描写が非常に生々しく時折、背景を想像のを放棄したくなることもあった。

    自然界の本能や直感のまま生きる熊爪。

    自分を含めた人間は動物的な勘が鈍くなっている今、真反対に生きる熊爪が羨ましい。

    0
    2026年09月24日

ともぐい(新潮文庫) の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    ともぐい(新潮文庫)
  • タイトルID
    :
    2331819
  • 電子版発売日
    :
    2026年07月29日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
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