【感想・ネタバレ】ともぐい(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

明治後期、北海道の山中で一匹の犬を相棒に狩猟に生きる男・熊爪。人里に馴染めず山を縄張りとする彼は、冬眠を逃し徘徊する凶暴な熊「穴持たず」に対峙する。穴待たずとの死闘、そして盲目の少女・陽子との運命的な出会い。獣と人間との境界を超えた理屈のない命の応酬の果て、熊爪が見たものとは。「生きる」とは何か、という問いに真っ向から挑んだ、圧巻の直木賞受賞作。(解説・角幡唯介)

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ネタバレ

猟師として里から離れて山で一人で暮らしてきた熊爪。

怪我をおってこのさきどうするかとなったときに、赤毛の大きな熊に戦いを挑み、戦いつつも殺してくれと願う場面が印象的だった。

山で生きていきてきたから山で死にたい的なことなのかな

熊と対峙する場面はもちろん、自分は何なのか、熊か人間かと迷っている様子が読んでいて面白かった。

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2026年10月30日

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タイトルからは面白さが想像できず、熊のお話しかあ...と普段なら手に取らない作品。
たまたま作者さんの講演会に行く機会があり、お話しもとても面白く読んでみることに。
想像以上に引き込まれて、文章からは匂いや音までも伝わってくるリアルさに飲み込まれ、一気読みしたくなる本でした。
最後も想像を遥かに超え、なぜそうなったのか...ともっとよい案はなかったのか考えてしまいます。
しかしこれは読み手が感じ取ったままがそれぞれの正解なのですね。
読書会したいです。

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2026年09月22日

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人間は羽がないから鳥がどんな気持ちで空を飛ぶのか分からんだろう。逆に、鳥は羽がなくて地面を歩くしかない生き物の気持ちは分かるまい。

お前の幸福というものは、何だろうね。あるいは、幸福というものを感じる能力が、お前にはあるのか、ないのか、どちらだろう。

あんた猟師だろう。俺がたとえあんたから懇切丁寧に狩りのやりかたを教えてもらっても、多分あんたと同じように鉄砲を撃つことはできねえ。それが技術ってやつだ。誰でもやれることじゃねえから技術って言うんだ。

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2026年09月17日

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個人的に熊の話が好きで笑
ついつい手に取った1冊でした。

勝手に熊と人だけの対峙する物語を
想像して読み進めていたけれど
ただの熊と人だけじゃなく人と人、
熊と熊、女と男、雄と雌、色んなモノ同士の
本能まみれの物語だったなと思う。

最初から最期まで熊爪の生き様が
本当にかっこよかった。
熊爪の人間らしい部分として性欲が濃厚に
描かれていたのも良かった。


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2026年09月02日

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ネタバレ

面白かった。
知らない世界について想像力を掻き立てられた後の満足感はやっぱりいいね。

さて、『ともぐい』は熊小説ではあるけど、歴史を扱った小説でもある。時代は明治時代で、日露戦争に突入する以前の北海道におけるある地域で生きる主人公を描いた物語。

日露戦争といえば、日本がそれに勝利し、本格的に西欧列強の仲間入りを果たした画期となった戦争として有名で、それ以前には日清戦争に勝利を果たしている。ただ、この戦争で勝利してしまったがゆえに、日本は西欧的な帝国主義へと本格的に歩を進めてしまう。

日露戦争以前の日本は、ロシアとの戦うかどうかに関する様々な論戦が活発に行われたり、日英同盟を結んだり、対ロシアを想定した準備がなされたりする時期にあたる。そんな時代状況の中で、小説の前半ではその波がまだ押し寄せてきていないが、後半になるとついに波及することになる。

実は、それと並行するように、熊爪の人生も変容を余儀なくされる。熊爪のアイデンティティに揺らぎが生じた第一の出来事は余所者熊との死闘による重症であるが、第二の出来事は商い先である屋敷の変化(衰退)と言える。屋敷は熊爪にとって人間が多くいる煩わしい場所である一方で、食糧や鉄砲の玉など、必需品を購入するのに必要な金を得る唯一の場所でもあった。したがって、屋敷は熊爪の生活にとって必要不可欠な場所であった。

屋敷の人々はどれも気味が悪く、理解不能で、苦手な部類に入る人もいたが、それでも生活になくてはならないため通い続けた。極めて合理的な判断と言える。

だが、日露戦争が現実味を帯び始めると、屋敷の商売も立ち行かなくなり、戦争を支えるための炭鉱に手を出すようになる。熊爪はそれに誘われるも、半端者であるが故に決めきれずにいる。

そして、この時点で、熊爪は屋敷の変化を既に感じ取っており、以前から思慕を抱いていた片目盲目の娘を連れ去ることを決意する。そして、屋敷から離れて、と同時に事実上猟師を引退し、山で再び生活し、死を迎える。

最初、なぜ明治という特定の時代を設定したのか分からなかったが、振り返ってみると、熊爪自身が気付かぬうちに時代の流れに巻き込まれていることを示すためで、またそれに抗うことは不可能であることを示すためだと思う。熊爪は作中で何度も、「俺には関係ない」と言っているが、残念ながら時代の流れは確実に熊爪の生活に影響していた。

『ともぐい』は自然界の論理を反映した小説であるとともに、近代化の途上である明治日本における人間社会と自然界との接触により生じたある個人の人生の過程を描いた小説でもあると思う。

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2026年09月01日

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ネタバレ

読みながら頭の中に情景が浮かび続ける。かなり生々しい描写も多く、こんなにリアルに読者に想像させるのはすごいと思った。熊と人の対峙がテーマだと思っていたが実際はそれだけではなく、人間の内面や生き方について考えさせる小説。ラストは全く想像していなかった展開で、なぜそうなったのかとずっと考えている…。
熊爪は自身が熊になりきれない事を悟った。
人間になろうとしたがそれもなりきれなかった。
『殺されなきゃ死ねないんだし、あんたは』という陽子の言葉は、熊など野生の生き物にも当てはまる言葉。陽子は熊爪を熊と認識したんだろう。
熊爪が兎を殺す所を見ていたのも殺す決意を固める伏線だったのか。
熊同士。人同士が殺し合った。
そういう意味でこの『ともぐい』というタイトルなのかなと。

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2026年08月25日

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生と死 自然界の生き方について

『ともぐい』を読み終えて、まず強く残ったのは、フィクションなのにノンフィクションのような生々しさだった。熊と人間が生きる山の世界があまりにも現実的に感じられ、物語を読んでいるというより、実際にそこで生きている人間を見ているような感覚になった。

特に印象に残ったのは、自然界の本質や、生と死について描かれているところ。
食べるために殺し、殺したものを食べて生きる。人間も動物も、結局は自然の循環の中にいる一つの生き物にすぎない。そうしたことを、綺麗にまとめるのではなく、生々しいまま描いているのがよかった。

その中でも熊爪は、とてもいいキャラクターだった。
人間社会の善悪や常識よりも、「どう生きるのか」という本質だけを見ているような人物で、熊爪の生き方そのものが作品のテーマを体現しているように感じた。

死ぬこと自体は、なんとなく最初から予想していた。だからこそ、最後まで気になったのは、「熊爪がどのように生きるのか」だった。
途中では自分なりに先の展開を予想しながら読んでいたが、良い意味で予想とは違う進展もあり、最後まで楽しめた。

最後に陽子とのストーリーも展開や結末が良かった。熊爪が最後まで熊爪として生きた、その生き方の延長にあの結末があるように感じた。

そして、何より犬が可愛かった。
ただ、熊爪自身が犬を人間的な意味で「愛している」というより、犬を犬として、狩りをする上での存在として見ているところも含めて、熊爪らしい関係だったと思う。

読み終わったあとには、中孝介の「サンサーラ」が頭の中でずっと流れていた。
生きること、食べること、殺すこと、死ぬこと。そしてまた別の生命へつながっていくこと。『ともぐい』の読後感と、あの曲の持つ「生きる」という感覚がすごく重なった。

今回は何の下調べもせずに読んだので、先の展開を自分なりに予想しながら読めたのもよかった。
何年か経って、自分自身の感じ方が変わった頃に、もう一度熊爪の生き方を読み返してみたいと思える作品だった。

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2026年08月22日

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山でひとつの生き物として生きる男の体温、体臭、汗、血を感じる迫力ある物語。
それを山の静の部分を織り交ぜて装飾なく伝える筆力も素晴らしく、短文で織りなす文体も潔い。
結末は何を暗示しているのか。
母性の凄まじさか、男の居場所が無い時代の変化か。それとも、生の意味からの解放か、はたまた地球上に根付く望みは無いヒトの異質さか。
筆者の他作品にも俄然興味がわきました。

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2026年08月18日

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明治後期の北海道。猟師として自然の中で生きる熊爪は、一頭の熊との因縁や人との出会いを通して、生と死、人と自然の境界に向き合っていく。圧倒的な自然描写と命のやり取りが胸を打つ、直木賞受賞作。

圧倒的な自然描写と、熊との息詰まる攻防に引き込まれた。しかし、私の心に最も残ったのは熊爪の死生観だった。

熊爪は命を奪うのではなく、「いただく」という感覚で生きているように感じた。必要以上には求めず、自らが与えられた生も、いつかは自然へ返すもの。その循環を受け入れているからこそ、生にも死にも執着しない。彼が見つめていたのは、生き延びることではなく、生と死の均衡を崩さず、自分にふさわしい生を全うすることだったように思う。

便利さや豊かさを追い求め、「もっと」を望みがちな現代だからこそ、「足るを知る」という言葉の意味を改めて考えさせられた。そして、『ともぐい』というタイトルもまた、生と死の均衡という、本作が描こうとしたものを象徴しているように感じた。熊爪の生き様は、読み終えた今も静かに問いを投げかけ続けている。

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2026年08月06日

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ネタバレ

温度、湿度、匂い、空気、登場人物の気配を感じる小説だった。

主人公は強く大きい。猟や熊との戦い、妻を娶ることで「生きる」ことを再解釈していくが、弱き者に淘汰される皮肉な展開。

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2026年10月31日

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獣臭さの描写がすごく、女性作家が描いたとは思えない雄目線の内容で驚いた。
終わり方も、想定外の急展開に、続きを想像させる余韻があったが、作家自信が書きたい内容が書けたから「あとはみんなで想像して!」というスパッとした終わり方で、それもそれで面白かった。

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2026年10月26日

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ネタバレ

渓谷、沢、小川、狩るもの、狩られるもの。まるでスクリーンに映し出されるようにこれらの世界をくっきりと認識出来たのは、流石の直木賞受賞作家の手腕と言うべきか。情景描写もさることながら、まるでこの作品を書くためだけに培ってきたかのような、完璧な言葉使いと比喩。最初からそこにあることが決まっていたかのように理路整然に、しかし隠せない内なる力強さと共にある言葉の数々。文章越しでも伝わってくる自然の美しさと人間の関わり方。一読する価値は多いにあると思う。
しかし、赤熊を倒してからの後半の部分は、正直(これ要る?)と感じた。全体を通して見れば確かに狩るものから狩られるものへとの変化、そして循環と綺麗にまとまっているが、細かい部分で見ると所々違和感を感じることもあった。
赤熊を倒した時から、もう主人公の生きることへの意欲や感激は無くなり、そしてそのバトンは陽子へと、その子供たちへと渡された、という感じか。こういった終わり方をするということは、少なくとも陽子はこれからも子供たちと生きるつもりなのだろう。
二部作みたいな感じで熊爪を殺した後の陽子、または子供を主人公にした物語があったら、それはそれでとても面白そう。

総括
老人と海然り、本作然り。(生きる)という理屈以外は存在しない自然界の雄大さには毎度のことながら圧倒される。
便利なものに囲まれ、なんとなく日々を過ごしてきた自分に、生きるとは何かということをまざまざと見せつけられた気がした。

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2026年10月25日

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第170回直木賞受賞作。
明治後期の北海道を舞台に、猟師の熊爪は相棒の犬とともに山に入り、自然の中で獣を狩りながら生きています。自然で生きる逞しさや厳しい過酷な世界が、本作では圧倒的な筆力で描かれています。

本書を読んでまず驚かされたのは、その生々しさです。獲物を仕留め、肉を喰らい、また自らも喰われる側になり得る。文明や倫理観によって覆い隠されている「生きること」と「食べること」の本質が、剥き出しの形で突きつけられます。

しかし本作は単なる狩猟小説ではありません。人間と獣、人間と自然、そして人間同士の関係までもが複雑に絡み合い、「生きるとは何か」という根源的な問いへと読者を導いていきます。熊爪の姿を追ううちに、人間もまた自然の一部でしかないのだと思い知らされました。

美しい自然描写の一方で、物語には常に死の気配が漂っています。その緊張感はページをめくる手を止めさせず、ときに息苦しさすら覚えるほどでした。それでも目を背けることができないのは、この物語が人間という生き物の本質を真っ直ぐに見据えているからなのでしょう。

読み終えた後に残るのは爽快感ではなく、畏れにも似た感情です。命を奪うこと、命をつなぐこと、その循環の中で生きること。命の重みを、改めて考えさせられる一冊でした。

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2026年10月07日

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ネタバレ

一読の価値あり。おすすめです!

ヒトと自然の境界にある(異質な)者同士。ヒト側の境界にある陽子と自然側の境界にある熊爪。熊爪は陽子を通じてヒト側にいきかけ、陽子は熊爪を通じて自然側に行きかける。そして最後は陽子の熊爪の殺害という行為を通じてそれぞれが元の場所に戻る。

熊爪をヒト側に向かわせるきっかけになったのが自然からの拒絶(クマに対する敗北)だったのがまた示唆でもある。

同じ猟師と熊について描いた作品でも、邂逅の森はあくまでヒト側から境界と共生、対立まで描いていたという点で違いがある。

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2026年10月04日

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直木賞

冒頭から続く、リアルな鹿の解体シーン。
作品全体を通して、血なまぐさい描写が続く。
これが女性の作家の作品だとは驚きだが、作者の河崎秋子さんは、もと羊飼いであり、動物の解体などは日常的に行っていたことだろう。
前に、河崎秋子さんのエッセイを読んだが、羊肉の出荷に際して、特別に感情を揺さぶられることなく、プロとして冷静に処理をされていた。
それは、この小説の主人公、熊爪にも通じるところがある。

熊爪は生活のため、たまに白糠の町に降りるのだが、熊爪を忌避する町民がほとんどのところ、熊爪に親切にしてくれる人は、やはりどこか怪しい雰囲気を漂わせている。

怖くてなかなか手に取れなかったのだが、ようやく読めてよかった。直木賞が納得の筆力。

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2026年10月03日

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ネタバレ

読み始めは果たして最後まで読み切れるのだろうかと不安になるような生々しくグロテスクな描写がこれでもかと続き目を背けたくなることも何度もあったが圧倒的筆力でぐいぐい読ませる。冒頭から穴持たずとの対峙までは読んでるだけで臭い、怖い、可哀想、気持ち悪いなどのネガティブ感情がすごかった。でもそれ以上に単純に面白い。熊爪という男の魅力もすごいし白糠のお屋敷に住む人々の優しさの中の怪しさ、なんといっても令和の都会では絶対に知ることのできない動物たちの生き様、全てが魅力的で面白かった。穴持たず、赤毛との決闘では何が何だか、なんでそうなる、なんでそう思う!?など全く理解の範疇をこえていたがヒィヒィ言いながらも読み進めてしまう不思議。終始臭いにおいがたちこめた小説だった。

ラスト、熊にはからずも不戦勝してしまい命を持て余していた熊爪は里から妊婦を奪い小屋で一緒に暮らし始める。妊婦は子を産み、熊爪は陽子と赤ん坊と相棒の犬となにやら日本昔ばなしに出てきそうなのほほんとした日々を送る。その時点でもう熊爪には死ぬ以外の道は絶たれていたように思う。だって。最初あんなに魅力的であんなにおもしろかったのに後半まじで面白くなかった。もちろん小説自体は面白いです、熊爪が面白く無くなってしまった。魅力がなくなってしまった。興味が失せてしまった。やっぱり熊爪のピークは赤毛を殺したあとの獣すぎる珍行動までだよなぁ。あそこで果てて熊爪はもう死んでいたんだよな。あとなんか熊爪のペースに乗せられてあのまま小屋で陽子と子どもと犬に囲まれ幸せに暮らす…みたいなルートが見えてしまった人もいるようだが、陽子が殺すの当たり前だろう。熊爪のことなんか恨む対象でしかないだろ。身重で極寒のくっせぇ山小屋に連れてこられたんだよ地獄だよ当たり前だろ。気持ち悪い、女のこと穴としか思ってないようなまさに獣。そもそも赤毛と合体した時点でなんか変な病気とかもらってんじゃないの!?
こんな話を女性が!?書いてるの!?と信じられなかったがラストを読んで納得した。つまらないただの獣となった熊爪をあそこで殺してなんか意味ありげな死、みたいになったけど単純に陽子は自分を誘拐した性加害者に反撃しただけだと思う。犬、お前だけがまともだった。

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2026年09月30日

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自分の周辺に人やモノが溢れている場に身を置いている自分からすると、描写が非常に生々しく時折、背景を想像のを放棄したくなることもあった。

自然界の本能や直感のまま生きる熊爪。

自分を含めた人間は動物的な勘が鈍くなっている今、真反対に生きる熊爪が羨ましい。

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2026年09月24日

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明治時代の北海道
その山中で暮らす猟師のお話でした
相棒の犬が狩猟を助けてました
鹿や兎や熊を狩り、肉や毛皮を売っての生活
売るために町へ出て人と交わる
熊との闘いはすごかったですがこの物語は
それだけではありませんでした
そして結末は果たして猟師が望んだものだったのか

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2026年09月21日

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んぉぉ。一気に読んでしまったから時間にすると短かったのに、読後も熊と犬が居座っている…犬よかった。やっぱり犬は良い。

最近やってるゲーム(何の話?) 、身一つで生えてる草とか岩とかひたすら集めて季節を生きながらえていくんだけど。熊爪の山での生活と重ねてしまった。獲物が取れたら嬉しい。少しも無駄にしたくない。たくさん取れたら余裕があるうちに遠出を!山菜、まだここにたくさんあるのにカゴに入らない!

北海道の春…あれ、そういえば…意外に、厳寒の冬より秋口・春先の描写が多かったように思うな?春がやってくる、根雪は木の幹の周りから解ける(動物のお医者さんで長靴が雪に埋まっちゃう話があったよね?)日中解けた雪は日没後また凍ってザラメみたいな氷の粒になる、晴れた日に、木の枝に積もった雪が急にどさーっと落ちること…自然の風や雪解けの匂いを知っている、やっぱり自分は道産子だなーと身近に感じながら読んでいた。

鹿や熊の生態も知らないこと多くて面白かった。そうなんだ、鹿、食べ過ぎたら起き上がれなくなっちゃうんだ!あと、熊が、積もりはじめたら10日たらずで冬眠に入るという話。

野生動物のように山で生きてきた熊爪が、鼻っ柱をへし折られたことをきっかけに周りのヒトにも影響されつつ自らの人としての生き方を省み…という話かと思えば、いや。やっぱ俺はそんなめんどくさい!全力で抗っても死ぬ時は死ぬのみ!勝負! かと思えば、生かされ、かと思えば…

うーん、むずかしかった。
雄熊が、雌熊が連れていた子グマを自分の子かも知れないのに殺してしまうという逸話→からの→雄熊はそもそも行為が目的になってて子とか知らんし みたいな話…あーなんか雄あるあるでわかるような(一雌の意見です笑)。幼いというか純粋というか、至ってシンプルというのか?この辺りは母親と全然違っている。熊爪と陽子と良輔と、重ねてあるのかないのか? 陽子のうごきもわからない。
良輔の方の事情よくわからなくて社会情勢や時代背景を調べたが、没落の原因が分からんかった(無知) この時代特有の、ごちゃごちゃと濃ゆい感じ…阿寒湖からきた太一みたいな適当なやつはたくさんいたろうし、陽子やふじ乃などなんかの呪いかってくらい不気味さを感じたけど、全国に散らばる怪談など読んでたらドロドロした因果の元が発生してるの明治に多い印象あるよな。人とヒトの関係性が濃厚でつながりも多くてびっくりするがまぁ酷い。

そういえば赤毛、かつて熊爪が会ったことのある子グマだったのはなかなか熱かった。


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2026年09月02日

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ネタバレ

人里離れた山中の小屋で狩猟して独りで生活している猟師の生涯。小屋のそばに来たクマや、もう一頭若いオスとたびたび戦うが、大けがをおってしまう。その戦いの様子の描写は武骨で、荒々しく、引き込まれる。

狩猟した獲物を持ち込んでいた商店から女を奪って小屋で暮らし始めるが、いずれこの女に殺されてしまう。この女は小屋に来た時にすでに商店主人の子供を懐妊していた。熊の行動に例えて、この猟師は子供を殺してしまうのではないかとの描写がされたが、逆にこの猟師の子供を妊娠した女が子供を守るためか、猟師に毒を盛り、さらに小刀で殺害し、小屋を脱出する。この辺の動機が今一つ理解できなかったが、その後の猟師、女などの行く末のまとめ方はさすがであった。

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2026年09月02日

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読み終わった感想はとにかく迫力のある作品だったと思う。前半は息を呑む様な緊迫感で読み進めた。
また一つ知らない世界を知れたような独特の世界観だった。
でも好き嫌いが分かれそうな作品。
私はかなり好きだった。

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2026年08月28日

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明治時代になったばかり、北海道東部の山の中に村田銃で狩りをしながら熊爪は生活していた。仕留めた動物は、肉にして人里へ売りに出る。人とは最小限にしか関わらず、しかし熊爪はその生活に満足していた。山に春が来ると、熊が冬眠から目覚める。しかし、山にやってきたのは隣の山の熊「穴持たず」であった。穴持たずは冬眠もせずに人里などを荒らし、食い物を求めて凶暴化しながら熊爪の山にやってきた。熊爪は自分の山に入ってきた穴持たずに憤慨し、狩ることを決心する。一人と一匹の戦いはどちらが勝つのか…

初読み作家さんだったけど、描写がすごい。息遣いが聞こえそうになるほど、情景がありありと浮かび、すぐに読んでしまった。静かな山と狩りの緊張感の様子がとても印象に残った。熊爪は赤毛に同族意識を持っていたのではないか。初めて尊敬できる、そして自分と対等の戦いができる、自分のことを理解してくれている熊。その熊が、熊爪に「孤独」を教え、そして最後は…変わってしまった時点で熊爪は詰んでいたのだと思う。食うか食われるかの世界の緊張感が、常に呼んでいる間に付き纏って面白かった。

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2026年08月17日

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明治の北海道で猟で暮らす男「熊爪」のお話ですが、冒頭の鹿猟からなかなかの迫力。熊との対決がメインですが、何も知らない山の男と町の人たちの微妙な交流が読ませます。

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2026年10月03日

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世の中は色んな共存がある。
獣と人の狩るものと狩られる者、男と女、前の時代と次に来る時代、人と自然、その他諸々。
それらは共存しながらもお互いに食らいあい、逃れる事も出来ずメビウスの輪の様にそこにあり続ける。
しゅじんこの熊との死闘の後の虚脱感や諦念は50歳もそこそこを過ぎると分からないでもない感があり、上手い表現だと感心。流石直木賞。

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2026年09月13日

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山で狩りをして暮らす熊爪。
全てのものが淡々とドライに描かれる。醜さも美しさもなく、自然の理を描いた作品でした。
熊との戦いの中で死ねなかった時から、掛け違ってしまった熊爪の人生。どう生きるかよりも、どう死ぬかをずっと問われているような話でした。

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2026年09月06日

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◼️ 河﨑秋子「ともぐい」

繰り返されるのかなと。既視感。熊ものは好きだけど、乗り切れなかった。直木賞。

熊、熊猟の書きもの、好きで良く読みます。星野道夫のアラスカの熊、吉村昭「羆嵐」、最近でいえば西村武重「ヒグマとの戦い ある老狩猟家の手記」。ほかもろもろ。で、インパクトがあった作品といえば熊谷達也「邂逅の森」です。自分の本懐、本当の姿は熊猟師だと信じた男の話。

この作品も似ているところがあります。思うに、熊猟という題材は日本の国に根付いているもので、猛獣の怖さ、命を賭した猟の迫力と命を守るための専門性、荒っぽさ、命と向き合うこと、自然への畏怖と理解、など何かを訴える力があるのではと思います。なので、手法やテーマを変えて取り上げられるのではないかと。

熊爪は北海道・白糠の町から歩いて1日ほどの山小屋に住む猟師。熊の肝や獣の毛皮、肉、山菜などを町で売って金を稼ぎ銃弾や必要なものを買う。大きな商家の主人・良輔は熊爪を快く迎え入れていたが、家には不穏な空気が漂っていた。熊爪はその家に住む盲目の少女・陽子と出逢う。やがて冬にも冬眠しない"穴持たず"の熊を狩ろうとして、大怪我を負ってしまうー。

予想外の展開。目の前で繰り広げられた野生に救われる主人公。そして宿願を果たす寸前で外される。

「ともぐい」というタイトルのテーマは盛り込まれていると思う。予想外の展開も好みだ。

猟師であることにひたすら徹し、人間界のことは煩わしいと思う熊爪。粗く、研ぎ澄まされる。だから感じ方も違うし、人に媚びない。孤独なぞものともしない。逆に言えば、新鮮さを生み出すためのキャラクター設定だと思う。

本読みをしていると、肯定するタームと、否定するターム、あれこれ気に入らない時期がある。最近ちょっと後者の気がある。

うまく作ろうとしているのが見える気がする。取材したものを提示したいという気配がする。この題材に既視感があるからか、物足りない。描写が足りず、簡単に済んでいるとこがあるようだと、なんか受容するのをためらっている自分がいる。自分は熊ものを知っている、と奢っているのもあるだろう。失って、そのままで、なぜか分かんないような最期を遂げて、エピローグもさらっと。

熊も熊猟も、自然への畏怖を読むのも、詳しい動植物の知識も大いにそそられ、楽しかった。しかし物語的には、集中して読んだわりに、もうひとつ、もうふたつ、私には満足感の欠ける作品だったかな。

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2026年08月23日

Posted by ブクログ

うーん、なんか私には難しかったですね。
生と死の描写が生々しいので、生と死について描きたかったのか?
と思うが、読んでいて生と死を感じられたかというとそうでもないし
ストーリーも猟師と熊の戦いがメインかと言われるとそうでもない感じだし
あと登場人物に共感もできず…
まぁ私には合わなかったな

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2026年08月22日

Posted by ブクログ

個人的にはめちゃくちゃ引き込まれる内容だったか?と問うと微妙なところ。結局最後の結末に関してなぜ??というのが大きい。

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2026年08月15日

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