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Posted by ブクログ
ばけもの好む中将こと、左近衛中将宣能に怪異めぐりに付き合わされる、
主人公の右兵衛佐宗孝の物語、第5巻。
宣能は、怪異めぐりに行くことがなくなり、案じていた宗孝は、
宣能のために、姉に怪異を聞き、怪異めぐりの下見をし、宜芳を誘う。
その一方、東宮が恋をし、それに巻き込まれていく。
宣能に対する、怪異は苦手(平安時代の人の大半が苦手)の中で、宗孝は、
無理をしてでも、宣能のために行動している姿が、出世のためか、
友達としてなのか、それとも・・・、その一方の東宮はなぜ、好きになった
相手に身分を明かそうとしないのかが、どこかのファンタジーの恋愛的
要素をていしていて、6巻以降に新たな展開があるのかないのか気になるところ。
Posted by ブクログ
容姿端麗、頭脳明晰、高貴な血筋で将来有望ながら怪異譚に目がない変わった趣味を持つ左近衛中将・宣能(のぶよし)と彼に振り回されつつも親しくなっていく右兵衛佐・宗孝(むねたか)コンビのシリーズ第五作。
前作のお寺騒動から一息ついたところから始まる。
いつもなら宣能が怪異譚を仕入れてきて意気揚々と宗孝を現場に連れていく…というパターンなのだが、今回は何故かそのお誘いがない。
宗孝は怪異に近づく必要がなくてホッとするような、宣能との関わりが薄れていくようで寂しくなっていくような。
実は宣能は、前作の騒動で人が殺害される現場を見たことから自分の立場を改めて突きつけられて塞ぎ込んでいたのだった。
そのため元気のない宣能を励ますために、宗孝が本来関わりたくもない怪異譚を仕入れて下調べをし、宣能をその現場に連れていくという逆パターンが出来上がる。
今作では宗孝の新しい姉上の登場はなし。お転婆な十二の姉君に一方的に恋心を抱く東宮のなんとか彼女を振り向かせたい作戦と、宣能が元のような元気を取り戻せるのかという2つの軸を中心に進んでいく。
東宮の初恋の方は、十二の姉君は東宮の正体を知らずわがまま放題に育てられたお坊ちゃまと思っているので全く相手にしてくれない。更に東宮の母・弘徽殿の女御にとって十二の姉君は主上(天皇)の寵愛を独り占めしている梨壺の更衣の妹なのだから、もし東宮の恋心が知れたら大変なことになることは容易に想像がつく。
宗孝は宣能を励ますために懸命に怪異譚を仕入れその現場に連れて行ったり、宣能の妹である初草の君とも親交を深めていく。その中で初草の君の母親と宣能の父である右大臣の驚きの関係を知る。
この時代そういうことはよくあることなのかも知れないが、たしかに複雑。
宗孝もそんな兄妹にどう接して良いのか戸惑うのだが、そういう素直さ正直さが宣能や初草の君には好意的に映る。
その血筋や政治的野心から近づいてくる輩が多い中で、本当に自分たちを心配して親しみを感じてやってくる宗孝は宣能や初草の君にとっては得難い存在なのかも知れない。
終盤になると宣能も元気になってきて、それはそれで再び宗孝は振り回されていくことになっていくのだけれど、いつものパターンが戻ってきてくれるのは嬉しい。
そして東宮の恋があまりにも可愛らしくて笑ってしまった。『蜻蛉日記』は読んでいても、頭でっかちなおぼっちゃまであった。プレイボーイの中将・雅平に恋愛指南を頼むところからどんな騒動になるのだろうかとワクワクしてくる。
まだまだ弘徽殿の女御の存在は怖いし、初草の君がどう成長しどのような将来が待っているのか分からない。
何より宣能がこれから政治の世界でどう生きていくことになるのかも分からない。
十の姉君と敵対する狗王の暗躍がどうなるのかも気になる。
しかし今しばらくは怪異譚探しの世界で宗孝を付き合わせながら宣能にはこころ安らげる日々を過ごして欲しい。
次はどんな怪異譚、どんな騒動が待っているのだろう。
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