岩城けいの作品一覧
「岩城けい」の「M」「大江健三郎賞8年の軌跡 「文学の言葉」を恢復させる」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「岩城けい」の「M」「大江健三郎賞8年の軌跡 「文学の言葉」を恢復させる」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
2013年『さようなら、オレンジ』で第29回太宰治賞を受賞し、小説家デビュー。同作は第8回大江健三郎賞も受賞。
Posted by ブクログ
大学生になったマットは、アルメニアの移民2世のアビーと出会う。どれだけ長くオーストラリアにいてもアジア人・日本人のステレオタイプで見られるマットと、自分では行ったこともないアルメニアに縛られてどこにも属していないと感じるアビーの、なんというか異なる「マイノリティ」の受け止め方というか、それぞれの葛藤が丁寧に描かれていた。
MasatoがMattになり、最後にMという書名になるのはどんどん捨象されてるような印象を受けたけど、オーストラリアで生きていくために切り捨てたMasatoも自分自身としてもう一度復活させて、MattとMasatoのどちらも自分として生きていく、その重なるところとしてのMなの
Posted by ブクログ
ワトソン10年生になったマットこと真人が、人種差別や自己嫌悪とひたすら格闘する一巻。
新しくやってきたマット.Wは、戦時中に日本兵に虐げられた祖父の影響で、真人=マット.Aを目の敵にして嫌がらせをしてくる。マット.Wの「ジャップ」という言葉に縛られて、無視しきれなくなった真人の葛藤が丁寧に描かれていて苦しくなった。乱闘になった2人を謹慎処分として、2人を更生させるためにさまざまな仕掛けを用意する演劇科のキャンベル先生が教育者としてとても素敵。キャンベル先生は差別と暴力を繰り返すマット.Wだけでなく、それを徹底的に無視しようとする真人の無関心も戒める。嫌い、というのは無関心よりずっと良い。自分が