岩城けいの作品一覧
「岩城けい」の「M」「アンドウマサト三部作」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
「岩城けい」の「M」「アンドウマサト三部作」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
2013年『さようなら、オレンジ』で第29回太宰治賞を受賞し、小説家デビュー。同作は第8回大江健三郎賞も受賞。
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
Posted by ブクログ
大学生になったマットは、アルメニアの移民2世のアビーと出会う。どれだけ長くオーストラリアにいてもアジア人・日本人のステレオタイプで見られるマットと、自分では行ったこともないアルメニアに縛られてどこにも属していないと感じるアビーの、なんというか異なる「マイノリティ」の受け止め方というか、それぞれの葛藤が丁寧に描かれていた。
MasatoがMattになり、最後にMという書名になるのはどんどん捨象されてるような印象を受けたけど、オーストラリアで生きていくために切り捨てたMasatoも自分自身としてもう一度復活させて、MattとMasatoのどちらも自分として生きていく、その重なるところとしてのMなのだと分かった。
Masatoと一緒にオーストラリアに来て死んでしまった柴犬のチロのことを、23歳になっても彼はまだ大事にしている。アビーがチロに似た操り人形を作ってあげるのはとても象徴的で、柴犬のチロが日本の真人の象徴だとしたら、一度死んだ日本人真人がアビーの手によって新しく生き返ったのであって、それはアビーとの関わりを通してMasatoがMに止揚されて復活するのと相似形だ。人形のチロがどんなに本物のチロに似ていたとしてもあのチロではないのと同じように、再び取り戻された真人もあの頃の真人ではない、まさに止揚された真人なんだろうけど。純日本犬・日本人ではなく、国籍や人種の複雑さを引き受けた上での彼ら。
Posted by ブクログ
外国で暮らすことになった子どもとその家族の描写が良いのはもちろんのこと、プロットもとても良いのでちゃんと小説として楽しめた。
子どものストレスも、母親の焦りもわかりすぎて、もっと早く読んでいたら辛くなっていたと思う。渡米から一年経って、自分もマサトと同じような経過をたどった今の時期に読んで良かった。数か月前に買っていたけど、今読んで良かった。
子どもは吸収が早いから、英語ペラペラになった?、何か英語しゃべってみて。悪気なく子どもに言う人には、子を守るべき親として逆に問い返したい。ペラペラってどういう状態ですか?あなたは日本人にも、何か日本語しゃべってみてと言いますか?
親がブレない信念を持っていること、変化に適応する子どもを否定しないこと、どちらの文化も否定しないこと、子どもと同じように苦労し努力すること、本当に大事だと思った。
ぼくはイエローでホワイトで〜で描かれた移民二世とはまた違う、外国で暮らす日本の子どもの葛藤を伝えてくれる作品。これがもし、ぼくはイエローでホワイトで〜のような、よりキャッチーなタイトルだったらもっと多くの人に読まれているのではないかと思う。