杉田七重の作品一覧
「杉田七重」の「ヒエログリフを解け ロゼッタストーンに挑んだ英仏ふたりの天才と究極の解読レース」「恐竜発見 巨大な骨の化石の謎に挑んだ人々の物語」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
ヒエログリフ解読に、これほどまでのロマンが詰まっているとは…。正直、考古学やエジプト文明に対して特に興味はなかった。ヒエログリフは映画や漫画で聞いたことがあったので、どんなものだろうと軽い気持ちで本書を手に取ったが、大当たり。話の進み方がうまくて飽きることなく夢中で読んでしまった。
フランス人のシャンポリオンさんと、一回り年上のイギリス人のヤングさん。この天才二人が同じ時代に存在したことが奇跡。二人とも興味の根の広げ方が違うところがおもしろい。どちらが正しいというのはきっとなくて、何千年、何百年という時間をかけて、多くの人々の知恵を紡いでやっと解読できた、という事実に夢がある。
死んだコプト語を参考にヒエログリフを生き返らせ、さらに一度は闇に葬り去られたハトシェプスト女王まで見つけ出した。シャンポリオンさんの死後100年以上の時間が経ってから、ハトシェプスト女王の謎が解けたことも感慨深い。念願のエジプトで銘文を読んだ時のシャンポリオンさんの心境は、どんなものだっただろう。何千年も前の文字を読めるのは、今この瞬間、世界で自分一人だけだなんて、考えただけで興奮で卒倒しそうだ。
発見と解読の成果など、名誉のために歪み合うところは考古学だけに限らず、科学も他のジャンルでも同じなんだと知った。ヤングさんもシャンポリオンさんも天才でありながら、非常に人間らしいと思った。
Posted by ブクログ
泣ける小説でした〜!
児童書「時計島シリーズ」。選ばれた4人の男女。
本で読んだ時計島に招待され、ゲームに勝てば巨額の富が手に入る。あらすじはチャーリーとチョコレート工場そっくり。でもファンタジー要素はなくて現代、現実の物語。
登場人物みんな重めの過去や悩みがある。
みんなが幸せになれてすごくよかった。
ジャックが浮世離れした人物にみえて実はとても幼くて人間的なところもいいですね。
最後に時計島シリーズが並ぶのもいい。
物語の力と、物語が現実に影響を与えることがテーマで、ハリーポッターや児童書が大好きなわたしにはささりまくりでした。
ルーシーとヒューゴの恋愛要素はいらなかったかなとは思いましたが。
Posted by ブクログ
アウシュヴィッツ収容所を体験した人々に取材を続けている新聞記者が、いつものようにダヴィドへのインタビューをしていた。いつも通りに終わろうとしたところ、インタビューの終わりに、彼が「収容所に恋人がいたんだ。」とぽつりと呟いた事がきっかけでこの本が作られることになった。
スロバキア出身のツィッピという女性と,ポーランド出身のダヴィドという男性が出会い、恋をするノンフィクション作品です。
過酷な状況でも、危険を犯しても、人は恋をすることを求めるのだなと思った。むしろ危険な状況でいつ自分の命も無くなるか分からない極限な状況だからこそ、少しの時間でも大切にしたいからなのかもしれない。
恋物語もだが、この物語では、収容所のような人を人とも思わないような過酷な環境の中でも、ツィッピは生きる事を諦めずに、持ち前の語学力とコミュニケーション力、過去に学んできたデザインの知識を活かして、収容所の中で個室を与えられ、特別な待遇を受けるようになり、何人ものユダヤ人を裏で救っていた事に驚いた。
ツィッピは、ユダヤ人のカティアという女性と共に(彼女も簿記ができることと、たまたま看守側に自分に好意を持っている知り合いがいたことで特別待遇になる)ガス室へ送る予定の収容者の番号を使われなくなった既に死んだ収容者の番号にすり替えて、必要な死者数に達してるように見せかけたり、弱っている女性がガス室に送られないように匿ったり、バレないように慎重に収容所の人々を救っていったのだ。
ツィッピも、カティアも2人とも当時の女性としては知識や教養があった事で、収容所での事務仕事をこなせる貴重な人材として重宝された。どんな過酷な環境でも生きる事を諦めないことと、持って生まれた体力と気力、教養、運、全てを兼ね備えた人だけが生き延びる事ができたのだと思い知らされる。
物語自体は沢山の死人が出て悲惨なものですが、ツィッピとダヴィドを通した視点が常に明るく前向きで、読んでいてそこまで暗い気持ちにはならない不思議なノンフィクションでした。