松岡和子の作品一覧
「松岡和子」の「リア王 ――シェイクスピア全集(5)」「お気に召すまま ――シェイクスピア全集(15)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
ジュリエットちゃん好きだーーーーッ!!!
『ロミオとジュリエット』、ファム・ファタール発言いただきました。
「結婚」という言葉を先に出すのもジュリエットちゃんなところも好きなんよ。翻弄しようというつもりもないのにそうしちゃう。ピュアな残酷さを持っている。ってか現時点でもファム・ファタールと言ってもいいのでは? でも自分で偽毒を飲む根性があるから、健気系ファム・ファタール(とは?)
会って間もない年上ロミオにthou=「お前」(※古典的な単語)と呼びかける点もファム・ファタールの片鱗と言えるかもしれない。す……好きだ……。
『オセロー』若く純真なデズデモーナさん、という指摘もハッとなる。たしかに辻褄があう。彼女の「全身で生に向かうその姿勢」という評価にも興味を覚えた。
どこで見た記述かは失念したが、ハムレットについて「一直線に死に向かう人物」と指摘している文があった。
評価だけを見るとハムレットとデズデモーナさんは対象的だ。しかし何故か同じ匂いを感じる。一直線に生に向かうことと死に向かうことは、案外同じ意味なのかもしれない。不思議だ。
『ハムレット』に関するこの本での指摘で一番印象深いのはハムレットの独白の数。異例の多さ、と言われている。
たぶんこの量って減らすことは簡単だったと思う。常にホレイショーが隣にいて、彼に語り聞かせるとか。あるいは『リア王』のように道化を登場させ、話し相手にするとか。シェイクスピアもそれは考えたんじゃなかろうか。
でもやらなかった。そこがいいんだと思う。視線を強く意識する劇であることが強調される。そしてハムレットの孤独が浮き彫りになる。素晴らしい演出だ。
この独白の多さと、ハムレットの最期のセリフが『いまは、沈黙』であることは、呼応しているような気がするが……。どうなんだろう。このセリフが最期なのって、何か気になるんだよね。
絶対意味あるよね。何だろう。沈黙とは何だろう。沈黙と対極にあるのは何だろう……それが問題だ。
Posted by ブクログ
別の方の訳でハムレットを読んだ1年後、本作を松岡和子さんの訳で拝読しました。
ローゼンクランツとギルデンスターンは初見時にあんま注目してなかったけど、今見るとハムレットがすごく辛いな。旧友だったのに敵側に……。最後に処刑ってなって『良心はちくりとも痛まない』ってハムレットが言うシーンは悲しかった。
ふたりのことあんまし友だちだと思ってないからこんなこと言ったのかなって思ってたけど、逆な気がする。ハムレットは彼らのことを好きだったんじゃないかな。ハムレットは愛する人に裏切られ続けるよね。旧友ふたりもだし、ガートルードさんもだし、オフィーリアちゃんもだし。もしかしたら叔父も。
(この雰囲気、意外とアテネのタイモンに似ている?)
ハムレット自身も言ってたけど、ハムレットも被害者なんだと今は思う。「関節の外れた世界」が生んだ「狂人ハムレット」の被害者。
なお、クローディアスひとりが悪いというのもちょっと違うと思っている。何だかもっと大きなものが後ろにありそう。権威への欲望という概念、演技という人類が覚えてしまった悪しきシステム、……。
弱き者、汝の名は人間。
Posted by ブクログ
堂々とデズデモーナさんに「悪口だけが私の取り柄」と言うイアーゴー。騙す側の彼が「特技は悪口だ」と公言してるのは意外だ。オセローもデズデモーナさんも身分のある人だから、誠実なフリをして近づく悪党には慣れているのかな。だからむしろ悪口が得意なんて言うイアーゴーが正直に見えるのかも。もしくは道化みたいで接するときに警戒心が薄くなるのかも。
しかし「正直」という言葉がしょっちゅう出るね。オセローはイアーゴーを正直と言いすぎ。だから心の内では彼を疑ってるのかなとも思う。後戻りできないから正直だと信じようとしてる、みたいな。
面白いくらい鮮やかに騙されていくので、ラストを見るまでは悲劇か喜劇か分からない感じがした。これは興味深い発見だ。
読みながら私は何度もシェイクスピアの喜劇『ウィンザーの陽気な女房たち』を思いだしていた。(イアーゴーがロダリーゴーを刺した後、芝居がかった喋り方するのも、実はちょっと面白かった)
もし誰も死ななければ悲喜劇カテゴリになった作品かもしれない。
シェイクスピア作品はジャンルに縛られない魅力がある。
松岡和子さんの「デズデモーナさんは若い女の子」説はかなり濃厚だと私も思う。第二幕第一場のイアーゴーのセリフに、オセローとデズデモーナさんは年齢の釣りあいが取れていないと明示されているし。(角川版の訳も年齢差へ言及した訳だった)
若いのに狡猾、というセリフもあるね。
年の差の悲劇と言えるかもしれない。
Posted by ブクログ
ハムレット観劇のために。ハムレットはちゃんと読んだことがなかった。オフィーリアには憧れてきたけれど。
「いまの世のなかは関節がはずれている」
「ことば ことば ことば」
「このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ」←生きるべきか死ぬべきかが有名ですが
これらのセリフもグッときますが、
ハムレットの魅力のすべてを表現したような…
「何を言う、俺は胡桃の殻に閉じ込められても、無限の宇宙を支配する王者だとおもっていられる」
とくに、母である王妃に対しての思いを独白する悩めるハムレットの何気ないひと言、
「すぐに(と言うだけなら簡単だ。)」
この短い台詞、舞台で確かめてまた胸にぐぐっと迫る。
「…言葉の刃は用いても、本物の剣は抜くまい。
舌と心があざむき合ってくれればいいのだが。
言葉でどんなに責め苛もうと、
それを行為に移すのは、この心が許しませんように。」
父が亡くなり2ヶ月足らずて、現王のクローディアスの妃となってしまった母をどうしても許せない息子の葛藤を言葉の中で苦悩するハムレットの姿につい、つい彼のことを庇護したくなってしまう。
オフィーリアにあんな酷いこと言った弱い男とわかっても…