作品一覧

  • 院内カフェ
    3.6
    1巻1,500円 (税込)
    ロングセラー『漢方小説』の著者が、中年期の身体や心模様を軽妙なタッチで描き、気持ちがほっこりなごむ傑作。総合病院のカフェを舞台に、不妊の夫婦、患者との関係を模索する医師などが、治療とは何かを問いかける。
  • おふるなボクたち
    3.0
    1巻715円 (税込)
    「古いもの」が好きなケンは、古代遺物の『レコード』が奏でる魅惑的な調べに聴き入る毎日を送っていた。そんな彼が恋をしたのはジャケット写真の中で微笑む女性。「彼女に会いたいんだ」大それた願いは思いがけぬ出来事を招き……。(「ボクはニセモノ」) 中古品やおさがり、古いものに宿る思いが巻き起こす物語を、ユーモアとシニカルで包み込んだすこし不思議な短編集。
  • かきあげ家族
    3.0
    1巻770円 (税込)
    スランプ中の老映画監督・中井戸八郎のもとに、仕事をやめた長男と離婚した長女が出戻ってきた。家には引きこもりの次男もいて、中井戸家は十数年ぶりに一家集結してしまう。そんな中、八郎が家宝にしている世界的名監督の遺稿がネットオークションに出ていることが発覚する。家族の誰かが出品したとにらんだ八郎は、密かに犯人捜しを始めるが……。最も身近だが最もわかっていないかもしれない家族をめぐる、笑いと涙の珠玉作
  • 漢方小説
    3.9
    1巻407円 (税込)
    【第28回すばる文学賞受賞作】川波みのり、31歳、脚本家、独身。胃がひっくり返ったようになるのに、眠れないのに、病院に行って検査をすると『特に異状なし』。あのつらさは何? 昔の男が結婚したショックのせい? それとも仕事のストレス? 最終的にたどりついた東洋医学で、生薬の香りに包まれながら、みのりが得たものは。心と体、そして人間関係のバランスを、軽妙なテンポで書き綴る。仕事も、恋愛も、なんとなく疲れちゃった…。大丈夫! そんなときの処方箋。
  • この人と結婚するかも
    3.3
    1巻440円 (税込)
    気になる男性と出会うたび、「この人と結婚するかも」って直感する。けど、結果はいつも外れ。このままじゃ私、ただのイタい妄想独身女!? 二度と変な直感は抱かないと反省したのも束の間、英会話教室で出会ったケンのことが早速気になって……(『この人と結婚するかも』)。その他、迷走する男の勘ちがいを描く『ケイタリング・ドライブ』を同時収録。女も男も、恋をしたら妄想がとまらない!
  • 心臓異色
    3.3
    1巻1,320円 (税込)
    スーツ姿から「会社員」と呼ばれた稀代の大泥棒は、運命の女性と出会い泥棒から足を洗うことに。二人が見つけた新居は、過去に盗みに入ったことのある中古の一軒家だった――(「家を盗んだ男」)。ユーズド人工心臓を移植してから、食べ物の好みや行動が変わってしまった男。心配する恋人の説得で、その心臓の前のオーナーをたどってみると――(「心臓異色」)。異色作家が描く、どこか懐かしくてすこし不思議な短編集。
  • そろそろくる
    3.5
    1巻407円 (税込)
    「泥棒?」アパートに入ると、仕事道具の紙や画材が散らばり、キッチンは卵の殻がへばりついている。自分でやったこととわかっているが、それにしても……。生理前に必ず陥るこのパターン。イライラしたり落ち込んだり。でもこれもやっぱり自分なのだ――。彼や友人たちの理解を得ながら、生理を通して、自分を見つめなおしていく秀子。PMS(月経前症候群)と格闘する30代の女性を軽快に描く。
  • 建てて、いい?
    3.8
    1巻523円 (税込)
    「家、欲しいな」思わず呟いた自分の言葉に驚く30代半ば、独身、アパート暮らしの長田真里。結婚相手を見つけるのでもなく仕事に成功するのでもなく、ひとりで心地よく暮らせる家を建てるのって、ありですか? 従妹の友紀子や両親を始め世間の壁を越えることで見えてくる風景。「彼の宅急便」を併録。
  • 泥酔懺悔
    3.8
    1巻660円 (税込)
    お酒のせいなんです!! お酒の席は飲める人には楽しく、下戸には不可解……。女性作家によるエッセイ11連作。■無理 朝倉かすみ/下戸の悩み 中島たい子/初めての飲み会 瀧波ユカリ/十八の夜の話 平松洋子/ザル女という噂 室井滋/酒瓶にも警告ラベルを!? 中野翠/ひとりでお酒を飲む理由 山崎ナオコーラ/下戸一族 VS 飲酒派 三浦しをん/白に白に白 大道珠貴/損だけど 角田光代/好きでもきらいでもない 藤野可織
  • ハッピー・チョイス
    3.8
    1巻387円 (税込)
    貴世は39歳、独身、小説家。体験のない「殺人」は書けても、体験のない「結婚」が書けずに悩んでいる。そんな貴世が、結婚小説のリサーチのため蕎麦打ち合コンに潜入。なんと急性蕎麦アレルギーを発症するものの、朦朧とする意識の中で、ある男性と出会い……。出会いをよせつけない磁場を抜け出して、遠かった「結婚」がついに現実に!? 幸せを求めて、貴世が選んだ「私らしい結婚」の答えとは?
  • パリのキッチンで四角いバゲットを焼きながら
    4.0
    1巻658円 (税込)
    長年フランスを敬遠していた私だったが、40代半ばを過ぎて、パリ郊外に住む叔母ロズリーヌの家に居候することに。毛玉のついたセーターでもおしゃれで、週に一度の掃除でも居心地のいい部屋、手間をかけないのに美味しい料理……。彼女は決して無理をしない。いつだって自由だ。パリのキッチンで叔母と過ごして気づいたことを綴ったエッセイ。
  • 万次郎茶屋
    5.0
    1巻715円 (税込)
    動物園の片隅で、ひっそり地味に生きる老いたイノシシ・万次郎の密かな夢は、いつかカフェを開くことだった。幼いころから万次郎の絵を描き続ける画家志望、しかし才能はないエリは、万次郎を主人公にした絵本を描くことを思い付くが……。笑って泣けて、また笑える表題作「万次郎茶屋」を始め、ちょっと不思議で、じんわりしみる全6編を収めた珠玉の短編集。

ユーザーレビュー

  • 泥酔懺悔

    Posted by ブクログ

    小学校から大学まで同じだった友人に勧められて読んだ。
    語彙力なくて上手く感想言えないけど、個人的に中島たい子さんのが好きだった。
    もともとほぼ飲めなかったから下戸の気持ちもわかるし、世間的なお酒の立ち位置とか共感だったし、記憶なくす友達と重ね合わせて見てしまった。
    勧めてくれた友人はいつも私に新しい感性や向上心を与えてくれる。またおすすめを聞きたい。

    0
    2025年11月14日
  • パリのキッチンで四角いバゲットを焼きながら

    Posted by ブクログ

    編集者的には「フランス人は料理に時間をかけない」とかなんとか、某ベストセラー本に寄せたタイトルにしたかったのかもしれないけど、著者が「フランス人」という言葉を入れたくなかったのかもしれない。

    なーんて仮定に次ぐ仮定で勘ぐってしまうくらい、「フランス人」と一括りにすることを避け、丁寧に「自分の見たフランス」を追求されている著者の中島さん。お料理に詳しく、アメリカ留学経験がおありだからか異国ぐらしの解像度も高くて、読んでいてとても心地よかったです。
    (外国だというだけで何でもかんでも珍しがって書く旅エッセイも多い中で)

    でもロズリーヌやソフィーらの個性をどれだけフランス人という国民性に結びつけ

    0
    2025年07月28日
  • 万次郎茶屋

    Posted by ブクログ

    表紙がかわいい。SFもしくはファンタジー風味の短編集。軽い手触りで読めるけど、終盤「万次郎茶屋」「私を変えた男」まできてウワァ(嬉)となる。読めてよかったー。
    けなげでやさしい万次郎。彼の毛皮の手ざわりと、憧れの珈琲の香りが胸に残るよう。新田くん、80パーマン、エリちゃん、平井さん、みんな親しく思えて名前で呼びたくなる。

    0
    2025年02月05日
  • パリのキッチンで四角いバゲットを焼きながら

    Posted by ブクログ

    題名を見て読んでみたいと思い、手に取りました。
    パリのおしゃれな話なんだろうなと読み始めだけど、違ってた。おしゃれはおしゃれなんだけど、
    大事なことに気づかさせてくれる、ためになるエッセイでした。中島たい子さんのフランス人の叔母ロズリーヌさんとのやり取りの話なんだけど、このロズリーヌさんが素敵、カッコいい。ロズリーヌさんに教えられる事が多かったな。

    私が思っているフランス人て何をやってもおしゃれ、というイメージ。でもフランス人にはただの日常の出来事。常にやっていることなんで、おしゃれということではない。逆にフランス人が日本人をそう思ってたりと、結局無いものねだりなのかな。
    自分がいいと思った

    0
    2025年01月21日
  • パリのキッチンで四角いバゲットを焼きながら

    Posted by ブクログ

    異文化を感じれる旅と、お料理が好きな人にはドンピシャに刺さる本。最高に楽しめた。

    著者の中島たい子さんは、素敵なパリジェンヌをお手本にというような、いかにもフランス人を過剰評価している日本(とくに女子)風潮を斜に構えた印象をずっと抱いていたようで、親戚がフランスにいて滞在できるき機会があるのに積極的な興味を抱いてこなかったそう。

    私もフランス人の生活に興味を持った事もなく、フランス人は10着しか服を持たない系の本が流行った時、読んでみようかと思ったけれど、フランス人の気質とは自分は合わない気がしてこの手の本を手に取ることはなかった。

    でも、この本に出てくる著者のフランス人の叔母さんが本当

    0
    2024年11月16日

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