【感想・ネタバレ】パリのキッチンで四角いバゲットを焼きながらのレビュー

あらすじ

長年フランスを敬遠していた私だったが、40代半ばを過ぎて、パリ郊外に住む叔母ロズリーヌの家に居候することに。毛玉のついたセーターでもおしゃれで、週に一度の掃除でも居心地のいい部屋、手間をかけないのに美味しい料理……。彼女は決して無理をしない。いつだって自由だ。パリのキッチンで叔母と過ごして気づいたことを綴ったエッセイ。

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Posted by ブクログ

編集者的には「フランス人は料理に時間をかけない」とかなんとか、某ベストセラー本に寄せたタイトルにしたかったのかもしれないけど、著者が「フランス人」という言葉を入れたくなかったのかもしれない。

なーんて仮定に次ぐ仮定で勘ぐってしまうくらい、「フランス人」と一括りにすることを避け、丁寧に「自分の見たフランス」を追求されている著者の中島さん。お料理に詳しく、アメリカ留学経験がおありだからか異国ぐらしの解像度も高くて、読んでいてとても心地よかったです。
(外国だというだけで何でもかんでも珍しがって書く旅エッセイも多い中で)

でもロズリーヌやソフィーらの個性をどれだけフランス人という国民性に結びつけるかは、きっと本人たちにも線引きができない難しいところ。だからこの本で「フランス人のライフスタイルがわかった!」と思うのはちょっと違うんだろうな。
ロズリーヌ、とても素敵なマダムだけど、国際結婚が珍しい時代に日本人と結婚するくらいだから、一般的なフランス人女性としては相当変わっていると思うんだよね。

ていうかフランス人って、「あなたのそういうところ、フランス人っぽいね」って言われるの嫌いそう。
そして2025年現代、多民族国家フランス…特にパリに、クラシックな「フランス人」がどれだけいるのかという。

今後、「フランス人は〜」と謳う本はどんどん出しづらくなっていくのかもしれないな、なんて思いました。

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2025年07月28日

Posted by ブクログ

題名を見て読んでみたいと思い、手に取りました。
パリのおしゃれな話なんだろうなと読み始めだけど、違ってた。おしゃれはおしゃれなんだけど、
大事なことに気づかさせてくれる、ためになるエッセイでした。中島たい子さんのフランス人の叔母ロズリーヌさんとのやり取りの話なんだけど、このロズリーヌさんが素敵、カッコいい。ロズリーヌさんに教えられる事が多かったな。

私が思っているフランス人て何をやってもおしゃれ、というイメージ。でもフランス人にはただの日常の出来事。常にやっていることなんで、おしゃれということではない。逆にフランス人が日本人をそう思ってたりと、結局無いものねだりなのかな。
自分がいいと思ったことをすればいい。おしゃれだから真似をするのではなく。これが私に響いたな。

面白いなと思ったのは、梱包について。日本は梱包を丁寧にするけど、フランスはそこは大雑把らしい。だから、ロズリーヌさんが日本で梱包を見た時、眉をひそめたらしい。ここの箇所を読んだ時、確かに過剰になくらい梱包してる、外国はしてないなということに気付いた。これは風土の問題。日本は湿気があるからしょうがない。フランスは乾燥してるから梱包しないで食べ物売ってるみたい。
あとは、フランス人は物を大切にしててずっと使っている、服はそんなに持ってなくてお気に入りのものを着回してる、など思ってたことが見事に論破されてしまった。物を大切に使っているのは事実なんだけど、便利なものはどんどん使うし、服もいっぱい持っているらしい。

このエッセイのもう一つの楽しみなのが、ロズリーヌさんの作る料理。最後にレシピが載っているので、作ってみたいなと思う。マロンのアイスクリームとロズリーヌさんの娘ソフィーさんのトマトソース。これは作れそう。本当は題名の中にもある四角いバゲットが一番気になるんだけど、私にはハードルが高いな。

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2025年01月21日

Posted by ブクログ

異文化を感じれる旅と、お料理が好きな人にはドンピシャに刺さる本。最高に楽しめた。

著者の中島たい子さんは、素敵なパリジェンヌをお手本にというような、いかにもフランス人を過剰評価している日本(とくに女子)風潮を斜に構えた印象をずっと抱いていたようで、親戚がフランスにいて滞在できるき機会があるのに積極的な興味を抱いてこなかったそう。

私もフランス人の生活に興味を持った事もなく、フランス人は10着しか服を持たない系の本が流行った時、読んでみようかと思ったけれど、フランス人の気質とは自分は合わない気がしてこの手の本を手に取ることはなかった。

でも、この本に出てくる著者のフランス人の叔母さんが本当に素敵でフランス人の見方が変わった。特に叔母さんが作るお料理の絶品さが本を読んでるだけでも味わえる。挿絵も上品で可愛いし、一番感動したのはレシピ。パンやアイスクリーム、キッシュ等、何度も繰り返し作る事ができそうなレギュラー化できるレシピを知れたのは嬉しく、本とレシピと二度楽しむ事ができた。

ここに出てくるフランス人ご家族の皆さんは今、自分達に何が必要で、何をするべきなのか。自分軸がしっかりしている。買い物はしっかり吟味。お得が好きだけど、お得だからと買いまくった安い物が家に溢れていることもない。テロやコロナ禍などをきっかけに状況に応じて速やかに南仏へお引越しされたり。流されずちゃんと自分が選んだ人生をまっすぐ進んでいってるように気がして本当に素敵だなぁと思った。

自分は人に意見に流されてしまったり、必要なものやすべき事がコロコロ変わってしまいがちで、自分の軸がブレブレなのでこのように清らかにまっすぐ生きている人の人生を垣間見れて刺激になって面白かった。

あと、叔母さんのキッチンには余計なものが置いていなくて、冷蔵庫の中も物が少ない。素材をベストの形で楽しむため作り置きなどはあまりしないとのこと。プラスチック製の物も置いてない。エコ精神やポリシーがあってとか肌触りが嫌いだからキッチンに置かない…とかではなく、必要としないから使わないと。

すべのフランス人のおうちがそうであるわけではないかもしれないが、いろいろな国の文化、民族性の違いによる、生活様式、常識の違い、その土地の料理、日本がいいとかフランスがいいとかではなくて、そういう考えもあるんだなぁ…と感じたりしながら読み進める時間はとても楽しい時間だった。

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2024年11月16日

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初読みの中島たい子さん。とっても良かったです。
著者にはフランス在住の叔父さんがいて、そこで暮らしたときのことが綴られていました。

たい子さんの叔父夫婦、叔母のロズリーヌさんや娘のソフィーさんとのエピソードを楽しく読みました。
文字を追っているだけなのに異国の空気を感じたし、ロズリーヌさんがいつも軽やかで自然体で素敵。

ほんのちょっとしたエピソードが、著者の特別な思い出なんだと感じられたし、そんな小さなエピソードの1つ1つがすごくいい。

料理がたくさん出てくるのでお腹が空いてきます!
ロズリーヌさんの作る「四角いバゲット」がめちゃくちゃ食べたい。
他にもマロンアイスや手摘みの苺で作ったジャム、キッシュも美味しそうでした。
巻末にレシピが付いているのも嬉しい。

日常を離れて、異国のゆったりとした素敵な時間を疑似体験しました。
日本とフランスで食材の売られ方や種類が違っているのも面白かった。
著者のエッセイ、また読みたいなぁ。

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2024年07月12日

Posted by ブクログ

この本を読み始めて、まずパンが食べたくなった。それもカリッカリでパリッパリのバゲット。

フランスの叔母のところにホームステイした作者が叔母や従姉妹の感性や生き様に感銘を受けたことや、自分との違いに不思議に思ったことをまとめたエッセイ。
だから別にグルメ本でもなければ、詳細で緻密な食レポがされている訳でもないんだけど、出てくる食べ物のすべてが美味しそう。

巻末にレシピが載ってるのが嬉しい。
日本でも手に入りやすい食材や、代替できる食材で紹介してくれているから、「いいな〜!食べた〜い!」ってなってもチャレンジできるのもありがたいポイント。

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2024年06月05日

Posted by ブクログ

薄い本だったのでとても読みやすかった。私のフランスの知識はエッフェル塔くらいしか無かったけど、この本をきっかけにフランス人は他人からの目や「こうでなければならない」というのがなくて自由に生きる人たちなんだなと思った。美味しい、美しい、楽しいという気持ちをとても大切にしていて、私ももっとそういう気持ちを大切にしようと思った。いつかフランスに行ってみたい。

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2024年04月21日

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フランスに素敵なしんせきがいる
って素敵ですね‼️
ただ ひと月も遊びにこられるのは 大変!

フランス人は 洋服を10着しか持っていないんだ
と私も思っていましたけど そんなことはないんだね。
ロズリーヌの四角いバケットは 魅力的です。
美味しそうです。
木綿の可愛い柄のついた寝袋は 合理的だし 可愛らしいし いいですね!
この本を読んで フランスのお母さんたちも 家族と一緒にのんびりご飯が食べられないんだ。
テレビで イタリアのママたちは パスタを茹でたり ソースをあっためたりして 家族に食べさせ 自分が食べる前に 家族が食べちゃう。

そういうのは 嫌だな!お手伝いさんじゃないんだから 一緒に いただきます と言って同時に食べるべきだと思っています。
現実は あっためたりしてる間に家族は食べちゃうんですけどね。

こうした方が素敵!という自分の考えを小さい頃から育てていくのっていいですね。

もう小さな頃はとっくに過ぎちゃったけど 今からでも こうした方が素敵 と思って生きましょう。
楽しそうですもんね。

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2024年03月17日

Posted by ブクログ

一気読みした。無理しない、ものを大事にする、切り替える、てことが心地よさなのかなと思いました。四角いバケットに憧れました。

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2024年03月17日

Posted by ブクログ

とても薄い本なので読みやすかったです。作者がパリ郊外に住んでいる叔母の所に居候する物語です。驚いたのは、アイスクリームの保存は、ガラス瓶、フランスの人達は、プラスチックは、使わない。トマトソースも手作りをし、バツケットを作る事。洋服もすぐに買わずに何件も回る事など、日本人には、覆す事があるので、逆に新鮮です。フランスの人達は、物をすごく大事にすることを見倣いたいです。日本は、埋め立てゴミに、まだ使えそうな家具を持ってきたら、法律が問われますが叔母さんは使えそうな家具を、持ってきて使う精神は、あっぱれです。思わずクッスと笑いたくなりました。

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2024年02月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

フランスで生活している叔父さんがいて、子どもの時からフランスが身近だった著者。

だけどそのフランス特有のものに興味を持てるようになったのは、大人になってから。

40代半ばの著者が叔母のロズリーヌの家に滞在したときの出来事ややり取りを共有。

親戚がフランス人とはいったいどういう感じなのか、読みながら想像を膨らませる。

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2025年08月01日

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フランス人の叔母をもつ著者は幼少期にはあまりいい思いをしていなかったが、40代になりフランス人の暮らしや国民性が腑に落ちるように。

わたしは例に漏れずフランスという国が好きなジャポネゼのひとりなので、あ〜今年の夏はフランスの田舎町で過ごしたいわ〜〜とひとりごと。

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2025年04月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

毎日のお風呂でちまちま読み進めるのに丁度いい。
5〜10分こねるはずの工程も3分経たずに終えてしまうロズリーヌに冒頭からもう心を掴まれてしまった。

お風呂読書に向いている理由の一つとして、自然と食欲を掻き立てられるということも挙げられる。ごはん前にお風呂を済ます我が家にはぴったり。

心を掴まれたロズリーヌの四角いバゲットといい、バゲットに板チョコを挟んだおでかけ中の軽食、シスターのキッシュ…。レシピ付きで嬉しい!

これから服を選ぶ時、過去のソフィーのように妥協したくないなと思う反面、私もついついセールの魔力に惑わされてしまうんだよなあ…

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2025年04月24日

Posted by ブクログ

フランス人のライフスタイルについて書かれた本は多々あれど、親戚という身近な視点から描かれた内容は新鮮。

ロズリーヌさんの「ノーン!」が癖になるが、これも一重に、お客さんに美味しい食材を最高の状態で食べて欲しいからだと思うと、素敵な叔母さまで羨ましい。

ファッションや掃除の話も興味深かったが、やはり食べ物の話題は美味しそうすぎて、巻末のレシピに自分でも作れるものはないかと、目を皿のようにしてガン見してしまった。

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2025年04月24日

Posted by ブクログ

買ってから積読していた本
読み終わってしまった、、、
中島たい子さんの「漢方小説」を読んでファンになり、この本も楽しみにしていたのです
楽しみなら早く読めばと思いますよね、、、
もったいなくて、温めていました

パリに住む親戚、特に叔母や従兄弟たちの
リアルフランス人の暮らし
簡単、そして身体のことを思って作ったバゲット
ファッション
ライフスタイル

自然体でとても素敵だなと感じました

あっという間に読み終わってしまい、、少し寂しいですが、今このタイミングで読んで良かったです!

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2025年03月07日

Posted by ブクログ

エッセイや体験記のような作品は、これまであまり読んだことがなかったです。この作品はパンが美味しそうなのと、薄くてさくっと読めそうと思って手に取りました。
結果、すごく好きな感じでした。続編出ないかなあ〜

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2024年12月25日

Posted by ブクログ

フランス人と日本人の民族性・生活様式の違いは、歴史や気候などによるものなので
フランス人みたいな生活を送りたい!と思ってもなかなか日本ではそれは叶わないかもしれない。
ただ、フランス人(というか作中のロゼリーヌ)の柔軟性でありつつもシンプルな物事の考え方、こだわりの在り方はとても合理的で、自分も取り入れたいと思った。

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2024年11月02日

Posted by ブクログ

おしゃれなタイトルに惹かれて。

フランス人(あくまでも中島たい子さんの親戚の話ということだけれど)の考え方を大いに学べる本。
無理をしない生活の仕方や、自分の心の赴くままに旅することなど、自分にとっては憧れの生き方。

時折読み返したりして、TODOに追われてしまう毎日にゆとりをもたせたい。

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2024年06月12日

Posted by ブクログ

バリバリの四角いバゲットが思わず食べたくなった、中島たい子さんのエッセイ。

フランス人といえば、おしゃれなイメージ。それだけではない暮らしかたを知ることができた。ロズリーヌが作る料理は、こみ入ったものではないがどれもおいしそう。(巻末にレシピあり)カーテンまで作ったり、古本を自分で修繕したり、楽しそうな日々。古いものに価値を見いだす考え方がいい。

気軽に読めて、楽しい読書の時間だった。親類にフランス人がいて、それが当たり前すぎた、たい子さんがとてもうらやましくなった。

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2024年03月07日

Posted by ブクログ

ヨーロッパの、心地の良い乾いた風が吹いてくるようだった。
自分の感情を優先してありのままで生きていけたなら、どれだけいいだろう。

週5日働いて、毎日少しずつ疲れていて、幸せなど人それぞれであるとわかっていながらもわかりやすい幸せを求めてあくせく生きている私には、ロズリーヌのようなカラッとした女性はあまりに眩しい存在だ。

そんな私に刺さった一節。
“「感性を優先する」。理屈で考えてしまうと、どうしても完璧を求めてしまい、結果、それが負担になって続かなかったりする。“

心あたりがありすぎる。
私は悪い意味での“完璧主義“。
完璧にできるタイミングでないと動き出せないので、物事がなかなか進まない。私の足元にはたくさんの「不完璧」が積もってゆく。

あ〜〜〜もっとサラッと生きたい〜〜〜〜〜!!!と、今日もあくせく。

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2025年10月04日

Posted by ブクログ

「フランス人は10着しか服を持たない」を高校生の頃に読んで以来、久しぶりにフランス人の暮らしにまつわる本を読んだ。
どうやらフランス人でも、みんながみんな、10着しか服を着ないわけではなさそうだ。
でも、フランス人の好きなものがはっきりしている、自分の意思が明確であることが、やはり憧れるポイントだなぁと思わせられた。

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2025年01月26日

Posted by ブクログ

この本を読みながらずっと四角いバゲットが食べたかったので、最後にレシピが載ってるのは嬉しいサプライズでした!!
せっかくなのでトライしてみようと思います。

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2024年08月06日

Posted by ブクログ

「人生で落ち込んだときは、ケーキを焼け」と。
なかなかの名言だ。
私も現実逃避したいときや、仕事が進まないときにがぎって、ケーキを焼いたりパンを焼いたりする。
目に見える成果が短時間で得られ、美味しいものが焼きあがると、私ってすごい!
と自信を取り戻せるのだ。



定期試験の勉強中になぜか?
部屋の掃除をしたり、
本棚の整理をしたり、
アレかしら?

ダンナとケンカしたら台所をピカピカに磨き上げる、
アレかしら?


そうか、自信を取り戻していたのか!



レシピ集が良いです。

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2024年05月22日

Posted by ブクログ

フランス人のキッチンで学ぶ、パンの焼き方や暮らしぶり。センスの塊だが吝嗇でシンプルで頑固!という、よくあるフレンチミニマリズム礼賛ではあるものの、著者の叔母さまは愛想のないチャーミングさ?にあふれていて、好きになっちゃうね!

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2024年03月29日

Posted by ブクログ

フランスの生活に憧れ、興味がある人は必読。
観光的な話ではなくてフランスの人の生活に触れられるエッセイ。
特に食べ物のお話が好きだったかな。私も四角いバゲットや野いちごのジャム食べたーい!

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2024年03月13日

Posted by ブクログ

フランスの叔父の家での暮らし、素敵なフランス人の叔母ロズリーヌの自然体の生活スタイルに魅せられた筆者のエッセイ。とても参考になりまた憧れてしまった。

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2024年03月08日

Posted by ブクログ

感想
あたたかくゆったりとした生活。ただもったいないだけではない。モノに宿る人の思いを大切にする。だから目の前のものを愛おしく感じる。

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2024年02月22日

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