田中克彦の作品一覧
「田中克彦」の「漢字が日本語をほろぼす」「言語学者が語る漢字文明論」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「田中克彦」の「漢字が日本語をほろぼす」「言語学者が語る漢字文明論」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
ウラル・アルタイ語――ハンガリー語もフィンランド語も、トルコ語もモンゴル語も、朝鮮語も日本語もこの仲間。本書はウラル・アルタイ語の類縁関係の発見と研究の歴史をたどる。英語や印欧語からものを見ることに慣らされてしまった者(たとえば私)にとっては、発想(視点)の転換を迫られる。ウラル・アルタイ語から世界史を見直してみることもできそうだ。
田中「節」は健在。ほかの研究者への棘、ちょっとした脱線、そして個人的なエピソードが織り交ざる。随所に挟まれるトリビア、これが堪らない。
ただ、ツラン主義の章はついていけなかった。本書のタイトル『ことばは国家を超える』はこの章に由来する。
アルタイ語にはラ行が語頭に
Posted by ブクログ
▼素晴らしい本です。馬鹿を承知で煎じ詰めると、方言がことばであり、文法とか正誤など些事であり、そこにヒトの愛着と歴史があり、国家なんぞ超えた普遍の価値がある。国家は国家のために言語にマルバツをつけてレッテルを貼るが、それはそれそのように理解せねばあかんぞな、というような。
▼(引用)人の精神には弱いところがあって、何かきちんとした数字が示され、それが教科書などに印刷されると、やっと落ちついた気分になって安心できるというところがある。
▼(引用)言語とは、それを構成するさまざまな諸方言をまとめて、その上に超越的に君臨する一種の超方言とする考え方である。それは頭のなかだけで描き得るきわめて抽象
Posted by ブクログ
東欧からシベリアに至るまでの北方ユーラシアに居住する諸民族(アルタイ諸語を話す諸民族)の宗教的世界像、並びにその担い手であるシャマニズムについて解説した書。1巻に続く下巻となる本書では、シャマニズムの主役であるシャマン、そして諸々の儀礼についてを取り扱う。
本書は、20世紀初頭のフィンランド人宗教学者ウノ・ハルヴァの著書"Die religiösen Vorstellungen der altaischen Völker"(1938)の邦訳である。内容の概説・特徴については上巻である1巻のレビューを参照して頂くとして、後半となる本書は第十六章(「供養祭」)から第二十二章(「
Posted by ブクログ
“ことば”というものを“国家”との関係性で見つめることが無かったの自分に愚かさを感じさせられた。
“母語”はそこに暮らす“なかま”たちのコミュニケーションのための必然として生まれてきたものであり、それがそのなかまたち(民族)の文化を作り上げ継承してきたものなのだから、それを奪われたり、他の“ことば”を強要されることは、その断絶を意味することなのだ。だから、地域紛争は複雑で国家が操る政治で決着をつけようとすると必ず拗れることになる。
単一民族の日本人だからこのことを知らなかったのは仕方がないと、言い訳がましい言い訳を考えていたが、アイヌ、そして琉球で起きた“日本語”への統制の歴史を知らされ