宇野碧の作品一覧
「宇野碧」の「レペゼン母」「アンダーザスキン」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
彫り師の針生榴(はりゅうりゅう)はタトゥーが原因で高校を中退、最終的には母と同じタトゥーイストの道を選ぶ成長物語だと読み始めたがもっと深い話だった。タトゥーって村山由佳作品によく出てくる、それくらいのイメージしかなかった。けど魂の精神的治療にもなりうる、元々は民族的、成人の証などの意味のあるものだった。彫師、入墨が悪いのではなく世間一般のイメージが良くない、故に人より困難にあう確率も高い。それでも入れるなら正しい知識を彫師が伝えるべきだというのは正論だなあ。母に聞いた名前の由来のくだりがいまいちわからず。初読み作家さん、文章が読みやすくいい作品だったので追いかける予定。
Posted by ブクログ
様々な悩みを抱えたキャラクターたちが、山中にひっそりと佇む「町田診療所」と名付けられたセラピーに導かれ、主の町田さんと料理を共にする中で悩みから解放されていくストーリー。どのキャラクターの悩みも共感できるものばかりで、この悩みは誰しもが持っているのだという安心感と、きっと解消できるという希望をもらえる。
第1章に登場する青年は、見知らぬ何もない土地で呆然と立ちすくみ、どこへも行けないような感覚に陥っている。そんな苦しさを抱えながらも、親に迷惑をかけたくない、期待に応えられず失望させたくないというような気持ちで、必死に自分を誤魔化して生きてきた姿がとても痛ましい。他人や家族に後処理や手続きで迷惑をかけたくないから自殺に踏み切れない、というところまで思い詰めている姿には胸が締め付けられる。同時に、「私も同じような気持ちになったことがあるし、きっと誰もが抱きうる感情なのだろう」とも感じた。そんな重い空気に浸っている矢先、町田さんが警察に捕まりそうになった際、適当な言い訳をしてその場を振り切るシーンが登場する。このユーモラスな落差が、闇の中にいた主人公と私を無理やり光の中へと連れ去ってくれたかのような、大きな爽快感と安心感を与えてくれた。真面目と人生は相性が悪いという言葉には生き方のコツが込められており、ずっと心に留めておきたい。
また、SNSによる匿名の誹謗中傷が人を傷つける道具として語られるが、悩みから開放されたキャラクターが一堂に会した場で、改めて匿名とは人と人の関わりを自由にするものであると気付いたキャラクターの考えが印象的だった。これは現代のSNS時代において、私たちが常に心に留めておかなければならない大切なメッセージだと思う。