作品一覧

  • アンダーザスキン

    アンダーザスキン

    小説・文芸

    3.9
    1巻2,530円 (税込)
    「私、タトゥーイストになりたい」。 母の肌に彫られたタトゥーの美しさに魅せられ、同じ道を志した針生榴。 厳しい修行を積み重ねてタトゥーイストとなった榴だが、ある事件を機に母と決裂してしまう。 辛く苦しい別れを乗り越えタトゥーショップを開いた榴だが、慣れない経営者の仕事に弟子との対立、そして世間からの偏見の眼差しに晒されるうちに、本来の自分がわからなくなってしまい……。 「魂がもとめるものを、なかったことにできない」。 タトゥーイストとして生きる榴が辿り着いた答えとは。静かに情熱が燃え上がるヒューマンドラマ。
  • キッチン・セラピー

    キッチン・セラピー

    小説・文芸

    3.7
    1巻1,870円 (税込)
    今夜、ひとりでキッチンに立ちたくなる一冊。 第一話 カレーの混沌 旅先での出来事をきっかけに、人生の「迷子」になってしまった大学院生。 ひと皿:スパイスと「ある物」を使って作るカレー 第二話 完璧なパフェ 家事と仕事と子育てに追われ、自分の好きなものを忘れてしまった母親。 ひと皿:「彼女にとって」一点の曇りもなく完璧なマンゴーパフェ 第三話 肉を焼く キャリアを地道に積み上げるも、周りとのライフステージの変化に思い悩む医師。 ひと皿:生きる力を取り戻すための肉 最終話 レスト・イン・ビーンズ 町田診療所の主、モネの過去が明らかに。いま、豆を愛したある人のことを偲ぶ。 ひと皿:持ち寄った、それぞれの大切な料理 「どうして私たちは、大切なことから真っ先に忘れるようにできているのだろう」
  • 午前二時のチャンギ空港

    午前二時のチャンギ空港

    小説・文芸

    3.0
    1巻1,980円 (税込)
    11歳の夏、山間の村を夏季合宿で訪れたトモは、まばゆい存在感を放つ少女に出会い、惹かれていくが・・・・・・(「優しくない友達」)。 アニメの聖地巡礼のため、バイト先の娘・ぶっちゃんとイタリアを旅する大学生のさや。アクシデントだらけの珍道中で二人が目撃するのは――(「わたしとぶっちゃんと、黒い奇跡」)。 バリ島で開かれる、絶交してしまった親友の結婚式。かつての親友の祖母・百合子さんとの出会いをきっかけに、美波は思いがけず式場へ同行することに(「通り雨」)ほか全5篇を収録。 『レペゼン母』『キッチン・セラピー』などで注目の新鋭が贈る、女性同士の友情と人生を、色とりどりの〈旅〉を通して描きだす5つの物語。 ◆著者プロフィール 宇野 碧(うの・あおい) 1983年神戸生まれ。大阪外国語大学外国語学部卒。放浪生活を経て、現在は和歌山県在住。2022年『レペゼン母』で第16回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。著書に『キッチン・セラピー』『繭の中の街』『アンダーザスキン』がある。
  • 繭の中の街

    繭の中の街

    小説・文芸

    3.8
    1巻1,870円 (税込)
    歴史の中で多くの出会いを見届けてきた神戸の街を舞台に、様々な形の出会いと別れを描く傑作短編集。ある時は運命的な男女の出会いを、ある時は破滅的でさえある恋を、またある時はパラレルに存在する神戸での不思議な邂逅を描く。読後感も、時にはジャンルさえも全く異なる独立した物語である一方で、それらは確かな繋がりを持ち、それぞれに響き合って作品世界を美しく彩る。読み終わった後、必ず誰かと語り合い、分かち合いたくなるような魅力に溢れた1冊。 『エデンの102号室』 大学受験に失敗し、モラトリアムに生きる布珠は、異人坂でどこか浮世離れした男性、シンと出会う。博識な彼に日に日に惹かれていく布珠は、ある日、シンの部屋で書きかけの神話を見つける。 『let’s get lost』 目まぐるしく変わっていく、どこかで見たような視界。あるいはどこかで聴いたような世界。そのなかでかつてあった大切な存在について想いを馳せる、一人の男性の物語。 『つめたいふともも』 就活に苦戦する大学生の明彦は、兄の知り合いである美羽という女性と偶然知り合う。磊落な美羽に心の癒しを得る明彦だが、やがて彼女に隠された重大な秘密を知ることになる。 『赤い恐竜と白いアトリエ』 ガントリークレーンの操縦士である左巴は、刹那的で衝動的な生き方をしている。そして、彼女の働く会社の傍のコンテナには、ただ白い絵を描き続ける一人の画家が棲んでいた。 『秋の午後、神様と』 九歳の「わたし」は、さびれた神社で覇気のない神様と出会う。 『プロフィール』 かつて地上に棲む人間と分かたれた、翼を持つ一つ目の種族が存在する世界で、港湾労働者として苦役する足守大地は彼のプロフィールに興味を持った一人の≪一つ目≫と邂逅する。 『待ち合わせの五分前(おわりとはじまりの詩)』 初めて出会う相手との待ち合わせに向かう五分前を、街が見守っている。
  • レペゼン母
    値引きあり

    レペゼン母

    小説・文芸

    3.9
    1巻499円 (税込)
    なんと潤沢な物語だろうか。 強烈なパンチラインであり、まさに「ブレイク」作品なのだ。 ――逢坂冬馬さん 予想する「面白い」の1000倍面白い! ――大垣書店京都本店 荒川夏名さん マイクを握れ、わが子と戦え! 山間の町で穏やかに暮らす深見明子。 女手一つで育て上げた一人息子の雄大は、二度の離婚に借金まみれ。 そんな時、偶然にも雄大がラップバトルの大会に出場することを知った明子。 「きっとこれが、人生最後のチャンスだ」 明子はマイクを握り立ち上がる――! 第16回小説現代長編新人賞受賞作。 ーーーーーー 選考委員も激賞! こんなにスカッと面白い作品が新人賞なら、いっそ清々しいじゃないか!(中略)おかんのラップが響く今宵、この余韻! ――朝井まかて 「親との戦い」ではなく、親の側から「子との戦い」を力強く描いた、大人の小説であると感じさせられた。 ――宮内悠介
  • レペゼン母

    レペゼン母

    小説・文芸

    4.1
    1巻1,540円 (税込)
    マイクを握れ、わが子と戦え! 山間の町で穏やかに暮らす深見明子。 女手一つで育て上げた一人息子の雄大は、二度の離婚に借金まみれ。 そんな時、偶然にも雄大がラップバトルの大会に出場することを知った明子。 「きっとこれが、人生最後のチャンスだ」 明子はマイクを握り立ち上がる――! 『晴れ、時々くらげを呼ぶ』『檸檬先生』などで最注目の新人賞から、今年も文芸界のニュースターが誕生! 第16回小説現代長編新人賞受賞作。 ーーーーーー 選考委員も激賞! こんなにスカッと面白い作品が新人賞なら、いっそ清々しいじゃないか!(中略)おかんのラップが響く今宵、この余韻! ――朝井まかて 「親との戦い」ではなく、親の側から「子との戦い」を力強く描いた、大人の小説であると感じさせられた。 ――宮内悠介

ユーザーレビュー

  • レペゼン母

    Posted by ブクログ

    ろくでなしの中年息子と対話するためにラップバトルをする事になるお母さんのお話

    早くに夫を亡くし、女手一つで梅農園を切り盛りしてきた明子
    息子の雄大は35歳、二度の離婚歴があり、三人目の妻と借金残して失踪中
    雄大の12歳下の妻である嫁 沙羅は農園を手伝いながら、趣味のHIPHOPとフリースタイルバトルに傾倒
    沙羅が出場するフリースタイルバトルに付き添いで行った明子が目にしたものは、……


    「レペゼン(represent)」は 元々は、「象徴、代表」の意
    ヒップホップ用語では「代表する」の意味で使われ、主に出身地や自らの属性などに紐付けられる


    HIPHOP、及びフリースタイルバトルの文化的な成り立ち
    社会的な弱者や虐げられている人達の成り上がりの手段
    元々のガラの悪さや特定のコミュニティーの中で発展してきた閉鎖性がある

    相手をディスるというのがスタンダードで
    特に女性に対しては揶揄が酷い

    沙羅を傷つけられたと感じた明子の憤り
    怪我での入院中の音楽的嗜好の変化からのHIPHOPへの慣れ
    そして、普段は口には出さないものの、内心でのディス

    鬼道楽が完全に噛ませ犬だな
    後にも登場しないし、明子をデビューさせるためだけの舞台装置になっている

    明子も、女性に対して性的なディスをするような場に来たいと思う女性はいないと言っているけど
    実際に今のこの界隈ってどうなってるんですかね?
    一時期はフリースタイルダンジョンは流行ってた印象がある
    女性ファンは増えたのか?

    鬼道楽に対しては敵討ちの意思があったけど、他の人とは戦う理由がないという明子
    でも、とことんどうしようもない息子が相手なら……


    息子と戦うため、他の人とのバトルの作戦

    どんな人間であれ、みんな母親から生まれてきてるわけで
    もしかして、最強のカードじゃね?


    ラップバトルは、相手の言葉をしっかり聞いて、即座に反論を返さなければいけないトークバトル
    明子の言葉に聞く耳を持たなかった雄大も、ステージ上ではその意味までしっかりと理解しなければいけない
    そして、その言葉に対してどんな返しをするのか?

    雄大とのラップバトルを控えて自信をなくした明子に、沙羅が言う

    「対戦するって、相手のことを想像して、相手の立場になりきることなんだと思う。本当の勝負って相手を理解することじゃないかな」


    雄大は「万年反抗期」とでもいうべき、問題ばかり起こすダメ息子だし
    厳しく叱っても反省しないし、次々と問題を起こすし、明子視点で読んでいる読者としては同情してしまう

    でも、実際は「親の心 子知らず」であり、「子の心、親知らず」でもあったと
    明子も逆に雄大の内面を受け止めざるを得なかった、と

    親子関係も色々というのが描かれている
    明子と雄大、沙羅と親、そして明子の友人で農園で一緒に働く円とその息子で引きこもりの正太郎

    どの親子関係も相互理解ができていないような気がする
    かと言って、どうやってそのディスコミュニケーションを解決するかという方法は中々難しい

    何だかんだ言って、最終的に落ち着くところに落ち着いてよかった
    こんなヒューマンドラマは大好きです


    あと、フリースタイルラップバトルの解像度がちょっと上がった
    評価ポイント
    アンサー:自分の主張だけでなく、「返し」にキレがあるか
    フロウ:韻を踏む、リズムに乗っているか
    バイブス:客を味方につけ、会場を支配する雰囲気
    パンチライン:言葉選びのセンス

    こんな事を即座に考えて即興で演じるとか、やってる内容がすごい

    ただ私はHIPHOPに詳しくないので、この小説に対するHIPHOPファン目線の意見を聞いてみたい
    韻を踏んでるところもあるけど、
    ラップのクオリティはどうなんでしょうね?

    ---------------------
    マイクを握れ、わが子と戦え!

    山間の町で穏やかに暮らす深見明子。
    女手一つで育て上げた一人息子の雄大は、二度の離婚に借金まみれ。
    そんな時、偶然にも雄大がラップバトルの大会に出場することを知った明子。
    「きっとこれが、人生最後のチャンスだ」
    明子はマイクを握り立ち上がる――!
    ---------------------

    0
    2026年10月29日
  • レペゼン母

    Posted by ブクログ

    対比とメタファーが抜群に上手い作品

    最後まで読むと、「だから骨折してヒップホップ聴くようになったんだ」とか「だから円さんはめちゃくちゃ痩せてるんだ」とか、いろんな要素がいろんなところで繋がって、全く無駄のない作品。

    さらに、冒頭あたりの「母と息子の会話が漫才みたい」というシーンも、後々母と息子で全国のヘッズを沸かせる良い前振りになっている。

    これを300ページで読ませる筆者の筆致がすごい

    0
    2026年10月03日
  • アンダーザスキン

    Posted by ブクログ

    彫り師の針生榴(はりゅうりゅう)はタトゥーが原因で高校を中退、最終的には母と同じタトゥーイストの道を選ぶ成長物語だと読み始めたがもっと深い話だった。タトゥーって村山由佳作品によく出てくる、それくらいのイメージしかなかった。けど魂の精神的治療にもなりうる、元々は民族的、成人の証などの意味のあるものだった。彫師、入墨が悪いのではなく世間一般のイメージが良くない、故に人より困難にあう確率も高い。それでも入れるなら正しい知識を彫師が伝えるべきだというのは正論だなあ。母に聞いた名前の由来のくだりがいまいちわからず。初読み作家さん、文章が読みやすくいい作品だったので追いかける予定。

    0
    2026年07月08日
  • キッチン・セラピー

    Posted by ブクログ

    様々な悩みを抱えたキャラクターたちが、山中にひっそりと佇む「町田診療所」と名付けられたセラピーに導かれ、主の町田さんと料理を共にする中で悩みから解放されていくストーリー。どのキャラクターの悩みも共感できるものばかりで、この悩みは誰しもが持っているのだという安心感と、きっと解消できるという希望をもらえる。
    第1章に登場する青年は、見知らぬ何もない土地で呆然と立ちすくみ、どこへも行けないような感覚に陥っている。そんな苦しさを抱えながらも、親に迷惑をかけたくない、期待に応えられず失望させたくないというような気持ちで、必死に自分を誤魔化して生きてきた姿がとても痛ましい。他人や家族に後処理や手続きで迷惑をかけたくないから自殺に踏み切れない、というところまで思い詰めている姿には胸が締め付けられる。同時に、「私も同じような気持ちになったことがあるし、きっと誰もが抱きうる感情なのだろう」とも感じた。そんな重い空気に浸っている矢先、町田さんが警察に捕まりそうになった際、適当な言い訳をしてその場を振り切るシーンが登場する。このユーモラスな落差が、闇の中にいた主人公と私を無理やり光の中へと連れ去ってくれたかのような、大きな爽快感と安心感を与えてくれた。真面目と人生は相性が悪いという言葉には生き方のコツが込められており、ずっと心に留めておきたい。
    また、SNSによる匿名の誹謗中傷が人を傷つける道具として語られるが、悩みから開放されたキャラクターが一堂に会した場で、改めて匿名とは人と人の関わりを自由にするものであると気付いたキャラクターの考えが印象的だった。これは現代のSNS時代において、私たちが常に心に留めておかなければならない大切なメッセージだと思う。

    0
    2026年06月07日
  • レペゼン母

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    えぐい
    なんにも知らずに読んで良かった、ワクワクが詰まった話だった!
    途中から普通の文章もリズミカルに読むくらい、ラップのかっこよさが伝わったしリズムとして響いてきた。

    紗羅との本当の親子のような関係
    初めてブタゴリラを倒すシーン
    出場したMCたちが親子対決を一緒にお願いするシーン
    最後、へその緒を切ると宣言、焚き火に燃やすシーン
    最高。かっこよすぎた。

    明子はムカついた相手への言葉をラップにして考えてて、やってみたいと思った笑


    余談:実写化するとしたら明子は天海祐希さんにやって欲しい

    0
    2026年05月28日

新規会員限定 70%OFFクーポン 今すぐGET