あらすじ
なんと潤沢な物語だろうか。
強烈なパンチラインであり、まさに「ブレイク」作品なのだ。 ――逢坂冬馬さん
予想する「面白い」の1000倍面白い! ――大垣書店京都本店 荒川夏名さん
マイクを握れ、わが子と戦え!
山間の町で穏やかに暮らす深見明子。
女手一つで育て上げた一人息子の雄大は、二度の離婚に借金まみれ。
そんな時、偶然にも雄大がラップバトルの大会に出場することを知った明子。
「きっとこれが、人生最後のチャンスだ」
明子はマイクを握り立ち上がる――!
第16回小説現代長編新人賞受賞作。
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選考委員も激賞!
こんなにスカッと面白い作品が新人賞なら、いっそ清々しいじゃないか!(中略)おかんのラップが響く今宵、この余韻!
――朝井まかて
「親との戦い」ではなく、親の側から「子との戦い」を力強く描いた、大人の小説であると感じさせられた。
――宮内悠介
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ろくでなしの中年息子と対話するためにラップバトルをする事になるお母さんのお話
早くに夫を亡くし、女手一つで梅農園を切り盛りしてきた明子
息子の雄大は35歳、二度の離婚歴があり、三人目の妻と借金残して失踪中
雄大の12歳下の妻である嫁 沙羅は農園を手伝いながら、趣味のHIPHOPとフリースタイルバトルに傾倒
沙羅が出場するフリースタイルバトルに付き添いで行った明子が目にしたものは、……
「レペゼン(represent)」は 元々は、「象徴、代表」の意
ヒップホップ用語では「代表する」の意味で使われ、主に出身地や自らの属性などに紐付けられる
HIPHOP、及びフリースタイルバトルの文化的な成り立ち
社会的な弱者や虐げられている人達の成り上がりの手段
元々のガラの悪さや特定のコミュニティーの中で発展してきた閉鎖性がある
相手をディスるというのがスタンダードで
特に女性に対しては揶揄が酷い
沙羅を傷つけられたと感じた明子の憤り
怪我での入院中の音楽的嗜好の変化からのHIPHOPへの慣れ
そして、普段は口には出さないものの、内心でのディス
鬼道楽が完全に噛ませ犬だな
後にも登場しないし、明子をデビューさせるためだけの舞台装置になっている
明子も、女性に対して性的なディスをするような場に来たいと思う女性はいないと言っているけど
実際に今のこの界隈ってどうなってるんですかね?
一時期はフリースタイルダンジョンは流行ってた印象がある
女性ファンは増えたのか?
鬼道楽に対しては敵討ちの意思があったけど、他の人とは戦う理由がないという明子
でも、とことんどうしようもない息子が相手なら……
息子と戦うため、他の人とのバトルの作戦
どんな人間であれ、みんな母親から生まれてきてるわけで
もしかして、最強のカードじゃね?
ラップバトルは、相手の言葉をしっかり聞いて、即座に反論を返さなければいけないトークバトル
明子の言葉に聞く耳を持たなかった雄大も、ステージ上ではその意味までしっかりと理解しなければいけない
そして、その言葉に対してどんな返しをするのか?
雄大とのラップバトルを控えて自信をなくした明子に、沙羅が言う
「対戦するって、相手のことを想像して、相手の立場になりきることなんだと思う。本当の勝負って相手を理解することじゃないかな」
雄大は「万年反抗期」とでもいうべき、問題ばかり起こすダメ息子だし
厳しく叱っても反省しないし、次々と問題を起こすし、明子視点で読んでいる読者としては同情してしまう
でも、実際は「親の心 子知らず」であり、「子の心、親知らず」でもあったと
明子も逆に雄大の内面を受け止めざるを得なかった、と
親子関係も色々というのが描かれている
明子と雄大、沙羅と親、そして明子の友人で農園で一緒に働く円とその息子で引きこもりの正太郎
どの親子関係も相互理解ができていないような気がする
かと言って、どうやってそのディスコミュニケーションを解決するかという方法は中々難しい
何だかんだ言って、最終的に落ち着くところに落ち着いてよかった
こんなヒューマンドラマは大好きです
あと、フリースタイルラップバトルの解像度がちょっと上がった
評価ポイント
アンサー:自分の主張だけでなく、「返し」にキレがあるか
フロウ:韻を踏む、リズムに乗っているか
バイブス:客を味方につけ、会場を支配する雰囲気
パンチライン:言葉選びのセンス
こんな事を即座に考えて即興で演じるとか、やってる内容がすごい
ただ私はHIPHOPに詳しくないので、この小説に対するHIPHOPファン目線の意見を聞いてみたい
韻を踏んでるところもあるけど、
ラップのクオリティはどうなんでしょうね?
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マイクを握れ、わが子と戦え!
山間の町で穏やかに暮らす深見明子。
女手一つで育て上げた一人息子の雄大は、二度の離婚に借金まみれ。
そんな時、偶然にも雄大がラップバトルの大会に出場することを知った明子。
「きっとこれが、人生最後のチャンスだ」
明子はマイクを握り立ち上がる――!
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Posted by ブクログ
えぐい
なんにも知らずに読んで良かった、ワクワクが詰まった話だった!
途中から普通の文章もリズミカルに読むくらい、ラップのかっこよさが伝わったしリズムとして響いてきた。
紗羅との本当の親子のような関係
初めてブタゴリラを倒すシーン
出場したMCたちが親子対決を一緒にお願いするシーン
最後、へその緒を切ると宣言、焚き火に燃やすシーン
最高。かっこよすぎた。
明子はムカついた相手への言葉をラップにして考えてて、やってみたいと思った笑
余談:実写化するとしたら明子は天海祐希さんにやって欲しい
Posted by ブクログ
2人のMCのラップという名の魂の叫びが、小説の文章なのに聞こえてきた
聞こえてきたと言うより、魂に直接響いてきたという感じがした
涙も止まらずページめくる手が震えて、早く先を読み進めたいもどかしさと、バトルを通した親と子の、おそらく初めての対話をもっとずっと見ていたいという欲がせめぎ合って、他の小説を見た時よりも感じた疲労感と大きな多幸感に確かな満足
Posted by ブクログ
Cool&Passion!こんなに格好よくて言葉に乗れる小説は初めて読むかも。歌詞もいい。面白くて一気読み。
ダメ息子を持つ母親が、目を合わせない息子とちゃんと話したくてラップに挑戦して、ラップバトルを通して向き合うシーンは感動。息子と向き合ってなかったのは自分だったという後悔と、でもしっかりしてほしいんだという葛藤。叱られてばかりでうざがっているけれど母親に感謝したい気持ちもあるんだという本音。ラップにぎゅっと詰められている分ストレートに伝わってくるので、読んでてしらけないというか。ぶつけ合って、その後の解放された感がいい。でもエピローグはちょっと話がうまくいき過ぎかなぁ。
あとラップを始めるきっかけからして格好いい。ラップがどういうものなのか、歴史や問題についてもざっくり知れる。
Posted by ブクログ
身近にいればいるほど、本音をぶつけるのを恐れてしまって、強い言葉で当たってしまう。お互い素直になれないところが親子なんだなと思えた。パワフルなお母ちゃんと熱い気持ちを持ってるけど空回ってる息子の関係が、読んでて情景が浮かんでくる感じがした。
Posted by ブクログ
エンタメとして最高。
レペゼン母だけど人間だし。
親も人間だし、子どもも人間だし。
なんとなくひとは立場で人を見てしまうけど、
違う窓から見たら、とか。わかるな。わかるようになりたいな。
Posted by ブクログ
書店員さんのおすすめで読んだ本。
軽快な文章で読みやすい。が、わたしは終始心が痛む。
ワンオペで子育てをした私は自分もしてしまった過ちばかり。自分自身を客観視させられる作品だ。
子育てはやり直せない。時間は巻き戻れない。
親子は難しい。相性もあるけど、血のつながりがなんとも邪魔してしまう。
息子とのバトルで初めて親子で本音をぶつけ合うシーンは印象的だ。
息子の抱えていた葛藤を知り、衝撃を受けるが、そのうえで、認めてくれよと言う息子に対して、「もうそれをするのは私じゃない、認める許す責任取る 全部やるのは自分自身 自信と人生作るのは自分 だからへその緒を切る おかんをやめる さよならや」と言い切った。
30超えた息子に対する最適解のように思う。
巻き戻せないから。
ずーんと心に残る一冊だった
Posted by ブクログ
レペゼン母ってことは親子の心温まるラップバトルかな、と勝手に想像して読み始めた。
ちょっと違ったのがすごく良かった!
あまり調べずに読んでほしい。
いい意味で裏切られるというか、
正直あまり語りたくない。
知らない人にこのまま読んでほしいから。
朝、ひとりで梅農園に立つ静けさ。
空気の澄み方とか、光の入り方まで伝わってくる感じ
ラップバトルとの緩急があって、そのギャップもお気に入り。
Posted by ブクログ
親にしてほしかったことって意外と親からしたらそんなこと?ってなるやつなんだろうな。それに気づいてちゃんと向き合ってくれたお母さん。レペゼン母だよ。
Posted by ブクログ
60歳過ぎで梅農家を切り盛りする「母」明子が主人公。
息子が幼い頃に夫を亡くしてから、女手一つで育児に仕事に奮闘してきたが、その一人息子はどうにも問題児。現在は何度目かの家出をした息子が残した結婚相手(明子からみたら義理の娘)さらと2人暮らし。
そんなさらに頼まれ同行したラップバトル。
……という話。
元々、口が達者な明子はさらのラップの練習に付き合ううちに少しずつコツを掴んでいくが、その実力を発揮する機会が図らずも訪れる。さらを守るため相手と喧嘩する手段として。
最終的に息子ともラップバトルをする流れになるが、その過程で過去を振り返り、息子や自分自身と向き合うことになる。
そこがこの話の肝でもある。
けど、私がこの話で一番好きなポイントは、60歳過ぎの明子が、ヒップホップという若者文化の中に飛び込み、その流儀に従って相手を知ろうとするところ。
自分の理解できないことを否定せず歩み寄ること。
これぞまさに「レペゼン母」
Posted by ブクログ
リリックが軽く見えて重いー!
バトル、サイファーの時にトラックは聞こえねど脳内DJが良い感じに流してくれてめちゃ楽しく読めた。
たとえ家族でも人に思いをぶつけるのってものすごく気を使う。
だから黙ってしまう雄大の気持ちも分からなくは無いけど。思ったことをなんでも言ってしまう沙羅との対比が第三者目線で微笑ましかった。
Posted by ブクログ
面白くてスラスラ読んだ。
元々私自身がダンスをやっていたり、音楽が好きで、ストリートカルチャーに触れていたこともあるかもしれない。
息子の嫁がきっかけでラップを始めた母親。そして、最終的には、過去に色々あって、不仲になってしまった息子とMCバトルで本音をぶつけ合う興味深いストーリーだった。
この本を読んでて思うのは、「無意識のうちに自分の価値観を人に押し付けている」ということ。
セオリーだったり、何事も原則みたいなものがある。それは人それぞれの価値観も同じだ。
自分の価値観に合わないと、違和感を感じたりして、態度や発言に表れてしまうことがある。
しかし、この本で母親の視点と息子の視点から考えられたリリックを見ていると、親が息子を思って言っていたことが、息子の重荷になっていて、自信を失うきっかけにもなっていた。
だから、何か自分の価値観と違うことが起きても、まずは相手の視点に立って、相手の考えを探ることが必要だと思った。ある意味「即レスしない」で、一呼吸置いて考えることが必要だ。
あとは、自分の好きなことや相手の好きなこと、その中で共通なことを明確にすることが、良いコミュニケーションを取るのに大切なことだということも学べた。
自分の興味のあることが題材になっている小説をもっと読んでみたいと思いました。
Posted by ブクログ
パワフル系小さい事にこだわるな肝っ玉母さんの話しだろうと勝手な予想して外した。子供をもつ親として身につまされる想いもあり、なんだかソワソワした。
今更ながら小説っていいなぁと思う。
何気なく手にして、知らないカルチャーを知って人生の裾野が広がる気がする。...過言かもしれない。
言葉は偉大だ、希望も後悔も心配も慕情も伝えられる。
8ビートじゃなくても罵詈雑言はやめよ。
Posted by ブクログ
星3.5
一時期、本屋でよく見掛けていて、でも色物ぽくて手も付けてませんでした。
でも、何かのきっかけで気になり出して。
あらすじを見ると、「母と息子のラップバトル」。
おお!面白そう!
読んでみたんですが、心の葛藤が多く、もっと単純にスカッとさせて欲しかったかな。
Posted by ブクログ
幼い頃って環境に対して感受性や語彙が釣り合ってないから、親と分かり合うことが難しい。成長するにつれてそれらが追いついてくることもあるだろうけど、一度分類してしまった感情を整理し直すのは難しい。
そういう意味では、ラップはいい媒介になったのかもしれない。人間がすべての感情を言語化して真正面に向き合えるのなら、音楽や芸術はここまで栄えてないだろうから。
Posted by ブクログ
ラップというミソジニーが席巻している世界に、64歳梅農家の母、明子が登場。
ダメ息子との対決で、息子から見た世界が見えてくる。
普通の会話では通じ合えなかった親子の、言葉が通じる唯一の方法が「ラップ」という言語だったというのが新しいし面白い。
ラップについて知らないことだらけだったので、基礎知識が身についてお得かも!