安壇美緒の作品一覧
「安壇美緒」の「読楽」「ラブカは静かに弓を持つ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
物語の結末に至るまで主人公・橘の人格を掴みきれず、何度も「橘はこういう人間だったのか」と驚かされた。
橘が過去のトラウマから自己開示が得意でない人物であることが、読者の私にも影響したのかもしれない。
ただし、これは主人公のキャラクター像が揺らいでいるという批判ではない。
これは、はじめ深海に深く潜ってしまっていたような橘が、浅葉という光に照らされて様々な角度から姿を現したというだけの話だと思う。
また、深海にいた橘が浅葉と出会って光に導かれるまま浮上し、一度底へ沈みかけてまた海面を目指すような、変化し続けた物語だったからとも言える。
私が捉えきれない位の橘の感情の変化を浅葉は当たり前のように受け止め、浅葉の言動に影響された橘が更に変わっていく。
あくまで私の場合だが、橘の変化についていけなかった箇所もあった。だが嬉しかった。それが気持ち良かった。
読者という第三者が預かり知らぬところで講師と生徒が絆を深め、影響し合って、次の場面では知らない橘がいる。そのおかげで、橘は凝り固まったキャラクターでは無い、その世界に生きる人間に見えたからだ。
孤独に会社の地下で働き俯いたままだった橘樹という人間が、音楽教室の3階で恩師と仲間と居場所を見つけ、自らの意思でその居場所に戻ってくるまでを見届けられて本当に嬉しかった。
未来を信じられるお話をありがとうございました。
Posted by ブクログ
著作権管理団体で働く青年が、チェロ教室に潜入調査に入る。人との繋がりを持たない孤独な青年が潜入先で出会う人との絆、葛藤の物語。
瑞々しく張り詰めた空気感と透明感、人との絆の暖かさを描いた作品、とても面白かったです…!
浅葉先生が人間味がありとても魅力的。展開の緊張感と最終的に主人公が選んだ結末、全て含めて読ませる展開でした。
学校、習い事含めて恩師という存在は自分にはいないですが、こんな人脈があったらな、と思わせるような活き活きとした人物像でした。
面白かった!
スパイがバレた後の、言い訳を挟まない関係再構築の展開が良い。彼が奏でる音楽同様、それは純粋なものだったのだろう。
出てくる人物、全て魅力的でした。