香納諒一の作品一覧
「香納諒一」の「アウトロー」「蒼ざめた眠り」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
「香納諒一」の「アウトロー」「蒼ざめた眠り」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
早稲田大学文学部卒。1991年『ハミングで二番まで』でデビュー。『幻の女』で第52回日本推理作家協会賞を受賞。『贄の夜会』、『心に雹の降りしきる』など数多くの作品を手がける。
Posted by ブクログ
シリーズが重なるにつれ、新作がどのように書き継がれてゆくかという点に興味があるし、マンネリ化を避ける策は、その後どう取られてゆくのかという辺りにも好奇心の虫が騒いだりする。
さて『刑事 花房京子』のシリーズも4作目。そもそも女性主人公のシリーズというのが、まず香納諒一作品として珍しい。本シリーズは倒叙形式だから、男性作家であってもこのヒロインを創出しやすかったのかなとも思える。主人公である花房京子の心理に踏み込むことなく、そもそもヒロインにあまり語らせず、ただただ犯罪の真実を追求することに才能を発揮させてゆく手法である。だからこそ犯罪者側から見ても、また読者から見ても、この女性刑事・花房
Posted by ブクログ
本書のタイトル、気になりませんか? ぼくは気になる。坂下巡査が旅立ってシリーズは終わるのであろうか? さてどこに旅立つのだろうか? そのことばかりが脳裏を掠める中の読書時間であった。これまでの本シリーズで登場してきた多くの個性的キャラたちが、新宿という坩堝でまたしても対立し、闘い、血を流し、涙を流す物語である。いつもながらの都会の闇。そのままに。
ここでも多くの異なる組織に属する人間たちが、激突を繰り返す。暴力と逃走。交番内でのパワーバランスも微妙にぶれてきている。というより交番内の警官たちが結束しているようでいてそもそも不安定であるように見える。否、交番に限らず、主人公坂下巡査の人生に
Posted by ブクログ
長く読書をしているにも関わらず日本の出版事情にさほど詳しくない。海外小説読みのぼくには、国内小説の出版の仕方に関して、いろいろな不思議があるのだが、その一つは、同じ作者でも、作品により、文庫・ソフトカバー・ハードカバーという本の種類の差があることだ。もちろん出版社の判断の差もあるのだろうが、作品やシリーズにそれぞれの重みを作者が付加しているとは思えないので、誰がそれを判断するのかである。香納諒一という作家だけを見ても、本シリーズは最初の二作はハードカバーだったのだが、三作目からは文庫に変わった。日本版コロンボという風味のある花房京子シリーズは、最初から通してソフトカバーである。物語に昭和の
Posted by ブクログ
1970年代、昭和の川崎を舞台にした『川崎警察』シリーズ第二弾が登場。何と言っても読みどころは、巷に溢れる凡百の警察小説シリーズと異なり、昭和という時代とその世相を背景に起こる事件を、その当時の方法で捜査してゆくという点に尽きる本シリーズなのだが、70年代を関東で過ごしたぼくにとっては、当時の空気感のようなものが懐かしい。70年代を主に十代で過ごしたぼくよりもさらに少しだけ若い作者の手によって、こうした時代を蘇らせる作品が書かれるとは珍しい。今あの時代を振り返るのはさぞかし大変な作業だったろうと想像される。しかし、この時代、とりわけ沖縄返還の前年という独特に揺れる国内の空気を見事に再現してい
Posted by ブクログ
上手い!
話の運びの上手さから事件が次々と展開を替えていくのを、読者は車谷刑事と共に事件にのめり込んで行かされる。この展開がスムーズであるため無理なく楽しめた。
返還前の沖縄からの麻薬密輸から、政財界のフィクサーの殺害、密輸に関わって死亡した母親の思い、沖縄の貧しさの中で助け合いながら育った子供たちの思い、自らを犠牲にしても相手を助けようとする思い。
これらを読み進めるうちに小説への感情移入が加速してゆく。
物語終章を迎える間際にぐっと涙腺が緩んでしまう熱い展開もあり、車谷の語る母親の最後と相俟って、心を熱くする警察小説となっていた。
前作の「川崎警察下流域」も良かったが、
車谷デカ長の清濁合