若林正恭の作品一覧

「若林正恭」の「帳の向こう」「青天」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 帳の向こう

    帳の向こう

    小説・文芸

    4.5
    1巻1,800円 (税込)
    現代の生きづらさを語り合った4年間の記録 オードリーの若林正恭さんがもっとも話したい相手は、哲学者の國分功一郎さんだった。 「目的と手段」の社会は終わりつつある? 資本主義の魔物に、どう立ち向かえばいい? 現代で「快適」を求めるには、勇気が必要? 二人が語り合った、現代への違和感のすべて。 【目次】 まえがき──どういうわけだか分からないが人間的な精神の仕組みに抗うことになってしまい……  國分功一郎 1 真犯人を捜して生きている 2 目的もなく遊び続けろ 3 ビッグモーター化する世界の中で 4 やっとみんな疲れてきた 5 ネオリベの帳を越えて あとがき  若林正恭
  • ナナメの夕暮れ

    ナナメの夕暮れ

    小説・文芸

    4.4
    1巻800円 (税込)
    【累計26万部突破!】 オードリー若林の6年間の集大成エッセイ 「おじさん」になって世界を肯定できるようになるまで 書き下ろし17,000字!「明日のナナメの夕暮れ」収録 恥ずかしくてスタバで「グランデ」を頼めない。ゴルフに興じるおっさんはクソだ!―― 世の中を常に”ナナメ”に見てきた著者にも、四十を前にしてついに変化が。体力の衰えを自覚し、 没頭できる趣味や気の合う仲間との出会いを経て、いかにして世界を肯定できるようになったか。 「人見知り芸人」の集大成エッセイ。 人間に、変わらないことで愛され続ける部分と 変わることで愛され始める部分があるとするならば、 この本は、後者の存在を強く示してくれる。 それは、どうしたって変わりながらでしか生き続けることのできない私たちにとって、 頼もしい光となる。(朝井リョウ/解説より) ※この電子書籍は2018年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬

    表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬

    小説・文芸

    4.4
    1巻790円 (税込)
    第3回斎藤茂太賞受賞! 選考委員の椎名誠氏に「新しい旅文学の誕生」と絶賛された名作紀行文。 飛行機の空席は残り1席――芸人として多忙を極める著者は、5日間の夏休み、何かに背中を押されるように一人キューバへと旅立った。クラシックカーの排ガス、革命、ヘミングウェイ、青いカリブ海……「日本と逆のシステム」の風景と、そこに生きる人々との交流に心ほぐされた頃、隠された旅の目的が明らかに――落涙必至のベストセラー紀行文。特別書下ろし3編「モンゴル」「アイスランド」「コロナ後の東京」収録。解説・Creepy Nuts DJ松永。 いざキューバへ! ぼくは今から5日間だけ、 灰色の街と無関係になる。 ロングセラー傑作紀行文 書下ろし新章 モンゴル/アイスランド/コロナ後の東京 俺は誓いました。 あなたのように 生々しく生きていこうと。 (Creepy Nuts DJ松永「解説」より)
  • ご本、出しときますね?

    ご本、出しときますね?

    小説・文芸

    4.3
    1巻1,650円 (税込)
    小説家って面白い! 無類の本好き芸人・オードリー若林正恭と、20人の作家たちが“自分のルール”を語りつくす。 大人気番組、ついに書籍化! 西加奈子/朝井リョウ/長嶋有/加藤千恵/村田沙耶香/平野啓一郎/山崎ナオコーラ/佐藤友哉/島本理生/藤沢周/羽田圭介/海猫沢めろん/白岩玄/中村航/中村文則/窪美澄/柴崎友香/角田光代/尾崎世界観/光浦靖子
  • 青天

    青天

    小説・文芸

    3.8
    1巻1,900円 (税込)
    オードリー・若林正恭、初小説! 人にぶつかっていないと、自分が生きているかどうかよくわからなくなる―― 総大三高の「アリ」こと中村昴が所属するアメフト部は、万年2回戦どまり。相手校の練習を隠し撮りして迎えた高3の引退大会では、強豪・遼西学園に打ち破れた。引退後、みなが受験に向かうなか、勉強にも気持ちが入らず、不良になる覚悟もないまま宙ぶらりんの日々を過ごす。自分自身の不甲斐なさにもがき続けるなかで、アリは再びアメフトと向き合う決意を固める。 青春の苦みと悦びに満ちた、著者渾身の初小説。

ユーザーレビュー

  • 帳の向こう

    Posted by ブクログ

    何となく、同じ実感を抱えているというか、他の本でも読んだような議論を実感に即して議論してくれている。

    感想としては、ここで述べられている議論を、自分の考えの整理と合わせて、他で読んだ本を引き合いに出して深めてみたいと思う。引用とかが正確ではないのは悪しからず。

    〇社会の個人化について
     <中間団体がなくなり、「その代わり責任は全部あなたが取ってください」>
     <婚活アプリは恋愛の自由市場が完璧に定着したところに登場した新しい株式市場。40前後の医者がその歳まで独身なのも、規制がゼロだから。昔だったら結婚させられてた可能性が高い→恋愛に限らず、人類史においては、規制が大きな役割を果たしてきた。近代は自由を求めてそれらを次々に廃止してきた。その結果、あらゆる場面を自由市場が覆い尽くすようになり、単に競争が激化した社会になってしまった。でも規制があった頃に戻るのもきつい。>
     これはパトリック・J・デニーンが『リベラリズムはなぜ失敗したのか』で述べている通りだと思う。「リベラリズム(=個人主義)」が蔓延した⇒モラル・道徳をぶち壊し、その結果現れた問題を、国家の法で抑制するように頼る。⇒政府の権力は増す。社会に蓄積された道徳的な資源が失われる。
     個人化は規範をぶち壊す。それで得られたものもあるけど、やっぱりしんどい社会なんだよな、と。じゃあ、規範を戻せばいいのか?と言われるとそれも違う。

    〇疲れる労働
     <同じことを反復する仕事は確かに退屈だったかもしれないけど、今は精神をすり減らすほどのフレキシビリティが労働者に求められている。>
     <自己啓発本が売れなくなってきている。バーンアウトやウェルビーイングが増えてきた。> そもそも、資本主義社会においては、常に成長が求められてきている。だから疲れるんだよね。これは、ビンチョル・ハンの『疲労社会』で述べられているとおりだと思う。資本主義社会では、効率を上げることが最大の目的。この社会の住人たちは、「従順な主体」ではなく能力の主体である。してはならない、すべきの社会ではなく、できる、の社会である。能力社会が生み出すものは、できないものとしてのうつ病患者と無能な人間。
     あるいは、山田陽子の『働く人のための感情資本論』で述べられている議論も引き合いに出したい。職場では感情は資本とされ、その感情管理を行うことで、「有能」とみなされる。これはそのまま引用するが、「感情資本主義社会では感情コントロールが自己感覚や能力感の中心に位置するとみなされるゆえ、自らの感情をコントロールすること、他者の感情について共感的に理解しつつ、それに巻き込まれない態度を習得することが精神的にも社会的にも強きもの、社会的優越の証とみなされる。自分の感情であろうと他者の感情であろうと、感情をきめ細やかに感じたりする一方で決してそれに没入せず、一歩引いた態度でコントロールすること、手続きに則って発話することが他者と状況を操作することにつながり、ひいては他者と状況を支配する権力になりうる。そしてこのような能力や権力を持っているか否かが出世や昇進、富や人脈の拡大、社会階層の異動に大きく影響するという意味で、感情は「資本」たりうる。」
     要するにこの社会では、「能力があること」が至上とされ、そのためには「感情」すらも資本として扱わなければならない社会。そんな社会じゃ疲れてしまう、というのは当然のこと。
     この本の中で<やっとみんな疲れてきた>と言っているけど、同じく『疲労社会』では、「そのような状態から解放させるための「疲労」こそが人々を連帯させ」ると述べてられている。やっとみんな疲れてきた社会を実感しているのは、その連帯の端緒なのかもしれない。

    〇暇な時間がない
     <目的を持たないものは、確かに今の社会では強烈に排除されている。>
     <目的も手段も持たない快を享受する勇気を。>
     公園で投網をする「変態」のように、何の意味も持たない時間を持つ贅沢さを持つ勇気を持つことの贅沢さ。
     ボードリヤールの『消費社会の神話と構造』の議論のとおり、現代社会の余暇は、生産のサイクルの中の「気晴らし」の時間にしか過ぎない。日々の労働で疲れた体を養うための休みは、もはや休みではなく、労働。もはや余暇は生産の時間。時間をつぶしたり、純粋に浪費することは我々にはできない。「貨幣と時間の排泄物となったのもむしろ我々の方なのである。」

    〇資本主義社会・消費社会への批判
     <消費社会は、これまでと比べ物にならないほど、僕らの感性を徹底的に規定していると思う。>
    <今の経済システムって、人を焦らせたり、恐怖させたり、心配させたりすることで動くようになってますよね。>
    <「なんでこんなに大騒ぎしてお金儲けしてるんですか?」というすごくシンプルだけど極めて重要な問いが考えられていない気がする。>
    <資本主義が極まっていくと、資本主義というシステムを外から見ること自体もできなくなる気がする。>
    <資本主義は仕組みでしかないから、止められない。法律を作るとか、人為的に止めるしかない。>
     これは、佐伯啓思の『貨幣と欲望』でも議論されている。資本主義は本質的に不安定である。資本主義の拡大はなぜ止まらないのか。その原因は貨幣にある。貨幣はあらゆるものの価値を代替する。それを求めて、教義も信念もない「資本主義」が現代社会を支配している。そもそも資本主義社会は、いかにして資源を確保して生産を高めるかではなく、いかにして総消費量を増加させ雇用を確保するかが主眼となる。「資本主義の「精神」とは、自己を喪失した人間が、その不安から逃れるためにひたすら前のめりになりながら、何かを求めて走り続けているようなもの。資本主義は本質的に「不安定」なのである。」
     そして、そうした資本主義が止められないと思うのは、マーク・フィッシャーの『資本主義リアリズム』で述べられているとおりだ。「資本主義の終わりより世界の終わりを想像する方がたやすい」「ネオリベラルな資本主義が唯一の持続可能な政治経済システムであると了解し、その地平の彼方を求める、いや、想像することさえもが不可能になってしまった、つまるところは「この道しかない」ということが謎の常識と化してしまった世界。」ただ「「当たり前」とされているものを「誰もが勝手に変えられるもの」と変えていける政治的な行為主体が必要だ。」
     もはや、資本主義は、法律とかそういったものでしか止められないのかもしれない。
     
     <資本主義という宗教。東京だから?日本だからうまく行っている?駆り立てられるような感覚>
     これは気づかなかった。ずっと東京にいるし、海外旅行もしたこともない。ちょっと都会から離れて暮らしてみれば、そう感じるのかな。

    〇格差の固定化
    <老人になると、「主観と客観の対立」が消滅する。しかし、今の若い世代は、格差を固定化されたものとしてみなしている。「現状を変えよう、それを乗り越えよう」という理想の気持ちを若者が持つのを社内の側が全力で阻止しようとしている。雇用はこれ以上ないほど流動化しているのに、階級は強烈に固定されている。和解に向けてのストーリーそのものが難しくなっている。そもそも対立も起こらない?>
    <「格差があるのがあたりまえでしょ」という時代にそれに抗ったら苦しい。だから物分かりがいい。でも、平等を求めてもいいと思う。>
     格差が固定化することによる諦めみたいなものがあるのは、実感する。みんな「中間層」になっているからかもしれない。石井洋二郎『ブルデュー『ディスタンクシオン』講義』でも中間層について議論されている。
     中間層は「遊び」がない。支配階級は余裕があり、ハッタリやペテンもつきものであることを許容し、本気になり過ぎない。中間層は無知が暴露されることを恐れ、不安に思い続ける。結果彼らは日々の行動においても、順応主義、厳格主義、禁欲主義となる。その端的な表れが子供の数。支配階級は二人以上。中間階級は一人台。庶民階級は二人以上。支配階級への上昇可能性を持った集団に属してはいるものの、まだ上昇を保証されたわけではないために、「自己への確信」を抱けない人々が、「今ある姿とあるべき姿との一致」を目指して自らに厳しい義務を課し、子供の数も控えめにして出費を切り詰め、来るべき将来のために現在の欲望を抑制する。

    〇インターネットについて。
     <Twitterやインターネットは素直に意見を述べる場所じゃない。夜道みたいな場所で夜道は一人では歩かないでしょ→デジタルネイティブが身につけてきた適応の術。>
     <若い人に「とにかく飲み会をやって、ひとの悪口たくさん言った方がいいよ」って言ってます。「そうじゃないとネットで書きたくなるだろ」>
     これは朱喜哲『公正(フェアネス)を乗り越える』の議論を想起させた。
     「重要なのが、「公と私」の区別。私的空間は「英国紳士のメンバー制クラブ」。公的空間は「中東のバザール」。バザールでは市場として、さまざまな人が集まり、取引をする。そこでは利害が駆け引きされ、商談という共同行為に臨む。居心地が悪い時もある。しかし、クラブに戻れば、気心知れた間柄で深いコミュニケーションがなされる。そこではバザールの愚痴もあるかもしれない。サイバー空間は、公と私の線引きの合意が難しい。ソーシャルメディアのトラブルは、公私の位置付けの齟齬によるのではないか?」
     飲み会が「クラブ」だとしたら、インターネットは「バザール」。その使い分けをしないと、公共空間である「バザール」は無秩序なものになりうる。

    〇だからそんなこと言えるんだろう。
     <脱成長とか、資本主義批判してるけど、それはお前が資本主義の勝者だからだろと批判される。それはそう、反論すると泥試合になるからそれはもう、金持ってるからとしか言えない。→斎藤幸平さんも同じ批判を受けている→でもそう批判を受けるのは嫌、若い時から自分は、コインシャワー使ってバイクで気持ちいい風を浴びていた時から、消費社会が喧伝する快と実感の快の差異を考えていた。>
     これは引用とかじゃなく、実感として思う。正直、受験・就活と、周りが同じ「競争」の社会にいると、そこを乗り越えないと「食えない」となってしまう状況だと、資本主義社会に批判する余裕しかない。いま、社会人になって、やっと落ち着いてきたから共感できているのだだけど、これで職を失ったりしたら、そんなことも言えなくなるのも事実だし。

    〇春日
     <春日、コスパタイパの男で、資本主義の権化のように見えるが、実はそれ自体が快?資本主義が終わっても、スローライフの社会が訪れても、新幹線の発車ベルが鳴るギリギリまで雑誌を読んでいるだろう。>
     ここは、流石としか言いようがない。
     

    0
    2026年10月25日
  • 青天

    Posted by ブクログ

    前半ちょっと集中できなかったけど、中盤からは面白かった

    高校生の部活の話なのに途中上司や自分に当てはまるようなどこにいても感じる居心地の悪さみたいなのが切なくて、後半は主人公の成長が頼もしくて、自分が置いていかれてるような気分になるくらい爽快
    そして、チームワークの良さと群れることは似てるけど全然違う

    哲学おもしろい!
    もし結果がすべて決まっている人生ならもっと自由にしてもいいじゃんと思えた

    0
    2026年10月25日
  • ナナメの夕暮れ

    Posted by ブクログ

    世間的におじさんと言われるくらいの歳の人が、ここまでに外と自分に向きあえるその素直さと言語化と、飾りがなさすぎる言葉にとても救われる。そして、そうだよね〜、私もナナメを殺さねばと思った。
    朝井リョウの解説が最高です!

    0
    2026年10月24日
  • 青天

    Posted by ブクログ

     若林正恭さんの作品は、『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』『ナナメの夕暮れ』に次いで『青天』が3冊目となります。

     過去に読んだ2冊はエッセー的な作品でしたが、今回は小説そのもの。若林さんが小説を書くと、どんな物語になるのだろうと興味を持って読み始めました。

     私が勝手に描いていた若林さんのイメージは、どこか世間を斜に構えて見ていて、「カッコいいことがカッコ悪い」と思っているようなところがある人かな。そんな若林さんの原点ともいえるものが、この物語では生々しく、そして生き生きと描かれていました。

     主人公は、高校のアメフト部員。アメフトが好きなのに、真剣に取り組むことにはどこか照れがあり、部活動にも本気になり切れない。引退後は将来が見えないことに悶々とし、不良たちとつるんでみても、そちらの世界にも染まり切れない。そんな彼が、もう一度アメフトに向き合うことを決意し、後輩たちと本音でぶつかり合い、言葉だけでなく行動で示しながら、過去の自分の弱さを乗り越えていく物語でした。

     何かに本気になるのは、時として恥ずかしいし、失敗すれば格好悪いし、頑張ったからといって必ず報われるわけでもない。それでも逃げずに真正面からぶつかってみる。そんな不器用な高校生の姿に、読んでいるこちらまで熱くなりました。

     アメフトは戦術が重要で、ポジションごとに役割が細かく分かれているスポーツだということも新しい発見でした。高校ラグビーは好きでよくテレビで観ますが、高校アメフトはほとんど観たことがありません。日本の高校アメフトはどのくらいのレベルなのだろう? オードリーのお二人が高校時代に出場した試合映像が観られるのなら、ぜひ一度観てみたいものです。

     今まで読んだ若林作品の中では、私は『青天』が一番好きです。高校のアメフト部が舞台ですが、アメフトのルールを知らなくても、試合の臨場感や緊迫感がしっかり伝わってきます。専門用語をすべて理解できなくても、選手たちが何を懸けて戦っているのか、その熱量が伝わってきます。

     現役でアメフトに取り組んでいる高校生や、これから始めてみたいと思っている人にとっても、戦術や練習への取り組み方など、参考になる部分が多いのではないでしょうか。

     でも、この作品の魅力はアメフトだけではありません。何かに夢中になること、自分の弱さと向き合うこと、そして仲間と本気でぶつかり合うこと。そんな経験が、その後の人生にどんな意味を持つのかを考えさせてくれる青春小説でした。

    0
    2026年10月24日
  • ナナメの夕暮れ

    Posted by ブクログ

    自分も若林さんと同じくらい考えてしまう人間なので、私のモヤモヤを言語化してくれる作品でした。ワードセンスが秀逸で面白かったです。また読み直したいと思います。

    0
    2026年10月24日

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