佐藤卓己の作品一覧
「佐藤卓己」の「あいまいさに耐える ネガティブ・リテラシーのすすめ」「池崎忠孝の明暗」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
著者はこれまで数々の著書や論考で、「輿論(よろん)」と「世論(せろん)」の違いを重要な論点として論じてきた。「輿論」とは、一定の熟議を経て国民の間に形成される公的な意見(public opinion)であるのに対し、「世論」は世間の空気や感情に左右される大衆的な意見(popular sentiments)を指す。戦後、常用漢字で「輿」の使用が制限されたため、現在では両者を表記の上で区別することが難しくなっている。
今日の政治は、新聞やテレビなどが行う「世論調査」の数値に敏感に反応し、目まぐるしく変化する世論に政治が左右される「ファスト政治」の様相を呈している。本書は、こうした状況から脱するた
Posted by ブクログ
• 世論(セロン)と輿論(ヨロン)という使い分けは非常に明快であり、今までなぜ知らなかったのかというくらい腑に落ちた。世論とは、移ろいゆく国民感情の総和であり、輿論は理性的な熟議により形成される公論である。ルソーの一般意志と言う概念に近いのかもしれない。本書では、以下の通り、分類されているため、付記しておく。
輿論=Public Opinion→世論=Polular Sentiments
可算的な<デジタル>多数意見定義類似的な<アナログ>全体の気分
19世紀的・ブルジョア的公共性理念型20世紀的・ファシスト的公共性
活字メディアのコミュニケーションメディア電子メディアによるコントロール
理想
Posted by ブクログ
この本を読んでいる間に参議院の選挙がありました。選挙期間中、そして選挙結果に覚える心のざわめきと本書の描く昭和になる前後から日中戦争、太平洋戦争に突入までの社会の空気がなにかシンクロしているようで非常に強い読書体験になりました。トマ・ピケティ「21世紀の資本」を読んだ時、戦争が社会格差を解消するイベントである、という指摘に動揺したを覚えています。本書を読んで戦争だけでなく軍隊も階層格差を平準化を可能にする装置として存在していたのだと感じました。第一章の始めに記載された松本清張「紙の塵ー回想的自叙伝」の「ここにくれば、社会的な地位も、貧富も、年齢の差も全く帳消しである。みんなが同じレベルだ」とい
Posted by ブクログ
久しぶりにメディア史関連の本を読んだ気がするが、随所で目からうろこが落ちる思いをし、非常に面白かった。「流言」という素材は、社会史やメディア史ではちょいちょい扱われているものであるが、そうした流言研究史をきちんと批判的に摂取し、新たな分析を加えている。
構成は全9章プラス「はじめに」と「おわりにかえて」。1章から9章までそれぞれ具体的な「流言」が扱われている。簡単に紹介しておくと、第1章が有名な火星人襲来の話。第2章は、関東大震災時の流言。第3章が「キャッスル事件」、第4章が二・二六事件、第5章が「造言飛語」、第6章が従軍慰安婦問題などから「歴史のメディア化」が論じられ、第7章は(反体制では