松本健太郎の作品一覧
「松本健太郎」の「アイデア量産の思考法~市場や商品ではなく、人間を見に行こう」「あなたは他の人とはちょっと違うみたいだ セルフブランディングの教科書」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
「松本健太郎」の「アイデア量産の思考法~市場や商品ではなく、人間を見に行こう」「あなたは他の人とはちょっと違うみたいだ セルフブランディングの教科書」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
小説・文芸
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ラノベ
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
1【気分一致効果】 Mood congruency effect
その時々の気分や感情に見合った情報に目が向きやすくなる、あるいは関係した記憶を思い出してしまう効果。良い気分の時には良い情報を、悪い気分の時には悪い情報をよく思い出します。
●具体例
イライラした気分で街中を歩くと、緊急事態宣言が出ている最中に県外から来たナノバーの車にイライラして「自粛しろ」と怒り出してしまう。一方で、機嫌がいい時には自粛の最中でも営業している店を見つけると意気に感じて、ついつい買ってしまう。スピリチュアルな世界では「引き寄せの法則」と呼ばれているようです。
2【損失回避】 Loss aversion
利益の獲得より、損失の回避を好む傾向。人間はとにかく損をしたくない生き物。 行動経済学におけるプロスペクト理論を構成する1要素でもあります。
●具体例
(A)確実に1万円を貰える。
(B) 50%の確率で2万円を貰えるが、50%の確率で0円になる。
どちらかの選択肢を迫られると、多くの人は(A)を選びます。中にはリスクをとって(B)を選ぶ人もいるかもしれません。
(C)確実に1万円を失う。
(D) 50%の確率で2万円を失うが、50%の確率で0円になる。
一方で、趣旨が利益から損失になると、多くの人は(D)を選びます。どちらも平均1万円を得るか失うかなのですが、1万円を得る喜びと、1万円を失う悲しみは同義ではないのです。少しでも「損をしない可能性」に賭けたいのです。
似たような状況として「株の損切り」が考えられます。株価が下がっても、もしかしたらチャラになるかもと考えて売り出せず、余計に損失を被ってしまうのです。
3【サンクコストの誤謬】 Sunk cost fallacy
今まで投資したコスト (お金・時間・労力)のうち、撤退・中止しても戻ってこない分をサンクコストと呼ぶ。サンクコストの誤謬とは、今まで投資したコストが無駄になる恐怖から、これまで行ってきた行為を正当化するために、非合理的な判断を行う状態を指します。
●具体例
開始10分で「つまらない」と思った映画でも、1900円支払ったから、10分見てしまったから、という理由で残り110分見続けてしまう。この事例において19 00円と10分はもう戻ってこない「サンクコスト」です。すでに回収不能な190 0円と10分は判断基準から外して「映画がこの先面白くなる可能性」と「中断した場合に得られる110分の価値」を比較するのが本来合理的な行動ですが、多くの人はサンクコストを判断基準に含めて意思決定してしまいます。
4【アンカリング】 Anchoring
アンカーと呼ばれる「先に与える情報」が判断を歪めてしまう現象。「どこに基準を置くか」で人間の意思決定や感情は大きく変わってしまう。
●具体例
1974年、エイモス・トヴェルスキーとダニエル・カーネマンは、 ている国のうちアフリカが占める割合を当てる実験を行いました。ただし被験者は実験の前にルーレットを回します。ルーレット盤は細工されていて、かならず10か55で止まるよう細工されています。
10で止まった被験者は中央値で25%と回答し、65で止まった被験者は中央値で45% と回答しました。多くの被験者は、アンカーに縛られていました。もし当てずっぽうで答えたならば、どちらも同じような割合になるはずです。
5【内集団バイアス】 Ingroup bias
自分が属している集団には好意的な態度をとり、そうではない集団には反対の態度をとる傾向。「内集団びいき」とも呼びます。「地元が同じ」といった緩いものから、 学閥・財閥グループなどの鉄の掟で結びついた集団まで範囲は様々。実際に存在する集団だけでなく、目に見えないレッテルのようなものも集団と感じれば内集団バイアスが発生する可能性はあります。
●具体例
もっとも分かりやすい内集団は「ファン」です。阪神ファンが巨人ファンに対して 「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」と言わんばかりに批判するのも、アンチ巨人で固まった内集団バイアスの影響です。度が過ぎると、特定の集団(国・人種など)に対する排外主義的行動にまで発展する可能性もあります。
6【偽の合意効果】 False consensus effect
自分と他人との間に共有されている「合意性(コンセンサス)」を過度に見積もり、 同じ状況になれば、他人も自分と同じ選択や行動をするだろうと考える傾向。もし、 自分と同じ選択や行動をしない他人に出会うと、その人が特別なのか変わった存在だと見なしてしまう。つまり、自分は「常識人」で、自分の常識に合致しない人は全て「非常識」だと「レッテル」を貼ってしまう。
●具体例
スタンフォード大学の社会心理学者リー・ロスは、学生に対して「ジョーズで食べよう」と書いたポスターを背中に貼り付けて、大学中を練り歩くバイトをやるかどうか実験を行いました。
バイトを引き受けた学生たちは、30%の学生が同じように引き受けたと考え、パイトを断った学生たちは、67%の学生が同じように断ったと考えたそうです。引き受けた学生は断った学生を「臆病者」と考える傾向があり、断った学生は引き受けた学生を「変なやつ」と考える傾向にあったようです。
7【ダニング=クルーガー効果】 Dunning-Kruger effect
能力の低い人物は自身の能力を過大評価する傾向にあり、逆に能力の高い人物は自身の能力を過小評価する傾向にあります。なぜなら能力が低い故に「不足」を認識できておらず、他者の能力もまた正確に推定できないからです。しかし訓練を積み実力が付き始めると、能力の欠落を認識できるようになります。
ちなみに、なぜこのような呼び方になったかと言うと、元になった研究を実施したのがコーネル大学のデイヴィッド・ダニングと、ジャスティン・クルーガーだからです。
●具体例
学会で「勉強不足で申し訳ありませんが」「基本的な質問で恐縮ですが」と質問する老教授は、相手の無知をやり込めようとしているのではなく、単にダニング=クルーガー効果にかかっている可能性が高いでしょう。ちなみにシェイクスピアは自分の作品で「愚か者は自身を賢者だと思い込むが、賢者は自身が愚か者であることを知っている」と語っています。
8【正常性バイアス】 Normalcy bias
なんらかの被害が予想される状況に陥っても、正常な日常生活の枠組みの中で解釈してしまい、事実を認めず、都合の悪い情報を無視する傾向。人間は自分の知識にしがみついて「まだ大丈夫」だとリスクを過小評価してしまいがち。
●具体例
1982年7月23日から翌24日にかけて長崎県長崎市で発生した集中豪雨は、1時間187ミリもの雨量を観測しました。23日午後5時前には洪水警報が出たものの、連日の大雨の影響で「またか」程度に受け止められてしまいました。その影響もあって、午後9時を過ぎても避難した住人はわずか13%ほど。危険地域住民の大半が避難しなかったため、大勢が土砂災害等に巻き込まれてしまいました。死者・行方不明者は299名を数えましたが、うち262名が土石流や崖崩れに巻き込まれた方々だったそうです。
避難しなかった人々は後の聞き取り調査で「家にいても大丈夫だろうと思った」「しばらく様子を見ようと思った」と語っています。
9【ナイーブ・シニシズム】 Naive cynicism
自分より相手の方が自己中心的だと考えてしまう傾向。「人間とは自己中心的な生き物である」という見方自体は「シニカル(皮肉、冷笑的)」なので、「シニシズム(冷笑主義)」と呼ばれています。
●具体例
自分と他人が共同で作業をして、それがうまくいった場合と、うまくいかなかった場合の貢献と責任について考えます。
うまくいった場合、自分は貢献量を公平に評価しているが、他人は貢献量を自分より高く評価しているのではないかと考えます。逆にうまくいかなかった場合、自分は責任度を大きく見積もっているが、他人は責任度を自分より低く見積もっているのではないかと考えます。
いずれにせよ、自分と違って他人は自分に甘い採点をつけがちだと考えるのです!
10【心理的リアクタンス】 Psychological Reactance
選択する自由を奪われて、他人から強制されると、例えそれが良い提案であっても反発・反抗してしまう傾向。
●具体例
漫画を読み終わったら勉強をしようと思っていたのに、親から「勉強しなさい!」と強制されて一気にやる気を失ってしまった。仕事をする順番を決めていたのに、 上司から「こっちの仕事はどうなっているんだ!」と叱られて一気にやる気を失ってしまった。
11【結果バイアス】 Outcome bias
ことわざの「終わりよければ全て良し」の通り、結果が出るまでの途中のプロセスより、結果のみで判断してしまう傾向。結果を見て、因果関係のストーリーをあとから「創作」する場合もある。
●具体例
ビジネスの世界において、勝率の限りなく低いギャンブルに勝利した経営者は、「先見の明がある」とされ、「大き過ぎるリスクを取ったこと」は批判されない。逆に、 挑戦しなかったために利益を得られなかった経営者は「慎重に行動した」と賞賛されるより、「凡庸で臆病な経営者」だと批判されがちである。
12【確証バイアス】 Confirmation bias
自分の仮説を支持する情報ばかり集めて、仮説に反する情報を無視する傾向。自分の見方が正しいと思いたいがために、自分の考えを捕捉してくれる情報を求め、書籍や雑誌、WEB情報ばかり目を通す。逆に、違う見方は「自分を否定するもの」 として遠ざけてしまう。
●具体例
「オレオレ詐欺」の電話がかかってきた高齢者は、かかってきた電話の声や話の内容から「自分の記憶の中からそれっぽい話を思い出し」て「確信」し、「詐欺だからお金を振り込んではいけない」という周囲の意見を無視してしまう。自分の応援しているアイドル、またはインフルエンサーがネット上で炎上していると、そんなはずは無いと擁護し、それが火に油を注いでしまう。
13【無意識バイアス】Unconscious bias
「自分自身でも気付いていない、無意識のうちに持っている偏見や思い込み」で、 過去の経験や習慣、周囲の環境からいつの間にか「そういうものだ」と捉えている傾向。
●具体例
「理系はコミュニケーション能力が低い」「高齢者はパソコンが苦手」「最近の若者は根性がない」「男性は女性より体力がある」。これらは全て無意識バイアスの一例です。その人はコミュニケーションが苦手なだけであって、理系全員が苦手とは限りません。無意識バイアスにはなぜか主語が大きくなり、「決め付け」の傾向が強くなります。
14【現状維持バイアス】 Status quo bias
得られる「リターン」よりも、失う「リスク」に過剰に反応して変化を望まない傾向。現状を抜け出して新しい状態に移る場合、コストだけでなくリスクがある。であれば「現状」のままが良いだろうと意思決定を下すようになる。変化した後の先が見えない怖さがあるのでしょう。
●具体例
転職した方が自分の人生に良いかもしれない。他の携帯電話に乗り換えた方が、保険を乗り換えた方が、お財布には優しいかもしれない。新しいシステムを導入した方が、仕事の生産性が向上するかもしれない。それでも「乗り換え」ないのは、変化して何かを失う「リスク」が怖いからです。
15【バランス理論】 Balance theory
対人関係において3者以上の存在がある状況において、その3者間の関係のバランスを保とうとする傾向。
●具体例
例えば、ある対象(X)についてAさんとBさんで話をしていたとします。 Xについて、AさんもBさんも「良い(+)」と評価する場合、AさんとBさんの関係は「良好」になります。逆にXについて、AさんもBさんも「悪い(1)」と評価をする場合も、同じくAさんとBさんの関係は「良好」になります。ところが、 XについてAさんは「良い(+)」と評価し、Bさんは「悪い(一)」と評価する場合は、AとBは仲良くなれないのです。
AさんがBさんと仲良くしたいなら、Aさん自身の評価を変えるか、あるいはBさんの評価を変えさせるしかありません。
16【生存者バイアス】 Survivorship bias
ある特定の出来事や手段を評価する際、失敗事例は記録に残っていなかったり、目を向けなかったりして、成功事例のみを評価してしまう傾向。生存者の証言は重要視されますが、「死者」のことはいつしか忘れ去られ、「生存者」が全てであるように感じてしまうのです。
●具体例
日本経済新聞の名物連載「私の履歴書」は非常に面白いのですが、登場する人たちが全て「生存者」なので、仮にその通りに行動したとしても、成功を収めるとは限りません。むしろ特殊要因や偶然の可能性も紛れていて、再現性が極めて低いかもしれません。それでも「あの名経営者が成功したなら」と同じ取り組みに挑戦し、 失敗して二度と這い上がれなかった経営者も多いと推察します。
17【バラ色の回顧】 Rosy Retrospection
過去の出来事について不要な記憶(嫌だったこと、辛かったこと)を削ぎ落とし、 良い評価のエピソードだけを覚えている傾向。
●具体例
大人同士でケンカになった場合、仲裁者が「時間が解決してくれる」という言い方で宥めたりするのは、まさに「バラ色の回顧」が頭の中にあるから。時間が経てば嫌な記憶も忘れてしまう。同窓会に参加すると、昔話に花が咲くのも同じ理由と思われます。
18【「よく知っている道」の効果】Well travelled road effect
よく利用する道のりの移動時間を少なく見積もり、あまり利用しない道のりの移動時間を多めに見積もるなど、普段行っている作業の労力を過少評価し、初めて挑戦する作業の労力を過大評価する傾向。
●具体例
初めての作業は余裕を見て作業時間を多めに見積もりますが、何度も経験した作業は「半日でできます」と判断してしまい、結局は丸1日かかってしまうなどの経験はないでしょうか。ちなみに同じ道にも関わらず、何度も通っていると「必要な時間が短くなった」 と感じる場合があります。 あります。これは当初の「必要だと想定する時間」 が、このバイアスのために長めに見積もっていただけで、何回通ろうとかかる時間に殆ど違いはありません。慣れているから多少早歩きで歩いている程度です。
19【類似性】Similarity
環境、容姿、態度など似た者同士と一緒にいると、心地良さを感じて好意的な人間関係を成立させる傾向。「似ている」の度合いは相対的なもので、例えば異国の地で「同じ日本人」なだけで親近感を抱く場合もあるが、日本ではそれはあり得ません。
●具体例
「ジムに通ったけど3日坊主だった」という友人の暴露話を、「私もそうだ」と共感し、それを話せば、お互いに親近感を抱き合い、距離がグッと縮まるでしょう。 類似性はプライベートな話に限りません。「マーケティングに割ける人員がいないんです」というある顧客の暴露話に、「AさんもそうだったけどB社のサービスを使えば楽になった」という事例を話せば、B社に親近感を抱く可能性があります。
20【専門偏向】Professional deformation
自分の得意な分野の視点でのみ物事を観察してしまう傾向。「専門バカ偏向」と言う人もいる。
●具体例
新型コロナウイルス対策について、感染症の専門家は経済への影響を論じないし、 逆に経済の専門家は感染拡大の影響については発言しません。多くの専門家は、自分の領域においては自信満々で話せるのですが、専門外のことにはトンチンカンな発言をしてしまいがちです。あらゆる方面への影響を配慮し、バランス感覚を持って発言できる人は非常に稀です。
21【身元のわかる犠牲者効果】Identifiable victim effect
被害者が「特定可能な個人」の場合、そうで無い場合と比べて、はるかに強い反応を示す傾向。「人数の大きさ」よりも、たった1人のストーリーに人は興味を惹かれます。
ナチス政権下のユダヤ人大量虐殺に直接的関与したアドルフ・アイヒマンは、自身の戦争裁判に対して「1人の死は悲劇だが、集団の死は統計上の数字に過ぎない」 という言葉を残しました。大勢の死は単なる数字ですが、たった1人の死は人々の心を激しく揺り動かします。
●具体例
毎年アメリカにおいて発生する100万人の死者は、単なる統計上の数字としてしか理解されませんが、「マーティン・ルーサー・キング・ジュニア」たった1人の死は、アメリカ社会を大きく変えました。
新型コロナウイルスによって亡くなられた人数は日々更新されていきましたが、コメディアンの志村けんさんが亡くなられた時、未知のウイルスに対する恐怖や怒りの感情が日本人の間に強くかき立てられました。
22【感情移入ギャップ】 Empathy gap
「まさか自分はそんな風には思わないだろう」と考えていても、いざ当事者になってみると思いもよらなかったような感情を抱き、行動してしまう傾向。つまり現在の感情が、かつての判断・感情を「無かったこと」にしてしまっている。
●具体例
お腹が満腹の状態で「明日からはダイエットを頑張ろう」と決意を新たにしても、 いざお腹が減るやいなや暴食してしまう。昨日のやる気や、太っている自分への怒り、 腹立ちの感情はどこかに消えてしまい、今の空腹感がすべてに勝ってしまうのです。
23【誇張された予想バイアス】 Exaggerated expectation bias
実際には起こりにくい「極端な想定」が、現実に発生すると考えてしまう傾向。先んじて入手した情報を誇張して受け止めてしまうのです。現実は、想像ほど深刻ではないことも多く、極端なケースばかり起きるわけではありません。
●具体例
「大地震が起きるかもしれないから家は買わないほうがいい」「事故にあうかもしれないからパイクには乗らないほうがいい」などと考えてしまう場合がありますが、 起こる確率が極端に低い最悪の事態のことばかり考えていると、正しい判断ができなくなってしまいます。新型コロナウイルスを受けて最悪の事態に備える重要性が叫ばれていますが、一方であらゆる事態において「最悪」に備え続けると、「最悪」が起きなかった場合に肩透かしを食らうかもしれません。
24【共有情報バイアス】 Shared information bias
ある集団内で既に共有されている情報については議論されるのに、共有されていない情報については議論されない傾向。集まったお互いが「何を知らないか」を「知らない」ので、情報共有がされないまま意思決定に至る場合があります。特に緊急事態においては共有をしている時間もないので、お互いが「知っている前提」で話し合い、さらに混乱を招くのです。
●具体例
「将来、私たちのビジネスはどうなるか」といった未知の物事が多い議題は議論が進まず、「今のオフィスより賃料が安い物件に引っ越すべきか」「駐輪場代金を会社で支払うべきか」といった具体的で既知の物事については議論が盛り上がります。
25【イノベーション推進バイアス】 Pro-innovation bias
実際には弱点や限界があるにもかかわらず、社会全体が新技術の有効性を過剰に楽観する傾向。イノベーションが起きれば社会が良くなると勝手に評価しがちですが、 そのイノベーション自体が起こる確率も低く、「ぬかよろこび」となるケースは多いのです。
●具体例
「高速増殖炉が実用化されればエネルギー問題はなくなる」などとかつては言われていましたが、残念ながらいまだに実用化されていません。「インターネットが社会に浸透すればオフィスが不要になる」と言われていました。たしかに新型コロナウイルスの影響でテレワークが推進されていますが、一方テレワークできない仕事の存在も再認識されており、オフィスが完全に不要になることはなさそうです。
26【投影バイアス】 Projection bias
自分と同じように他の人も考えるはず、相手も自分の意見に同意するはずだと、自分の考えを他人に投影する傾向。相手の考えを理解するのではなく、自分の考えを相手に押し付けてしまう。
●具体例
「女性は産む機械」「知恵を出さないやつは助けない」「私はすごく物分りがいい、すぐに忖度する」といった「政治家の失言」は「みんな自分と同じ考えだ」と思い込んでいるためになされるので、少なくとも発言した本人ははじめ「失言だと思っていない」のだと思われます。
27【ギャンブラーの誤謬】 Gambler's fallacy
主観的な考えを優先し、確率論に基づいた予測を行わない傾向。たとえば少数回だけ試した結果表、表、表と続けば「次は必ず裏が出る」「次も表が出るかもしれない」 と、その前の結果から予測してしまう(本来なら表と裏が出る確率は50%ずつ)。
●具体例
1913年8月18日にモンテカルロカジノでのルーレットゲームで、20回連続でボールが黒に入るという事件が起こりました。ルーレットに細工がないと仮定すると、 20回連続してボールが同じ色(赤または黒)に入る確率は6660万回に1回という、非常にまれな事象でした。「こんなに黒が続いたのだから次こそ赤が出るはずだ」 と考えたギャンブラーはきっと破産したでしょう。
28【確率の無視】Neglect of probability
確率を無視して判断する傾向。人間は確率を直感的に把握できないため、めったに発生しない小さなリスクを非常に過大評価したり、あるいは逆に「めったに起きないから大丈夫だ」として対策を怠ったりする。
●具体例
「飛行機」「電車」「船」「自動車」のうち、事故に遭遇する確率が一番高い移動手段は 「自動車」ですが、墜落事故の印象が強いせいか、飛行機移動を忌避する人が少なからずいます。
一方で、東日本大震災に起因して発生した福島第一原子力発電所の事故は、地震・ 津波が直接の原因にも関わらず「あのような規模の地震はそうそう起きないて全国で原子力発電所の稼働が再開し始めています。
29【サンプルサイズに対する鈍感さ】 Insensitivity to sample size
少数のサンプルを調べただけで全体の傾向を理解したつもりになったり、代表的な値だけに注目したりする傾向。特に「率(%)」について、どれだけのサンプル数を集めたのかを無視してしまうと数字を見誤ってしまう。大勢に聞くよりも、少数の「良い」とする意見だけを取り上げて「こんなに評価されている」と宣伝するのは間違っています。
●具体例
4回コイントスを行って1回表が出たコインを「表が20%出るコイン」と捉えるのは間違っています。表が出る確率が50%だったとして、それを確かめるのにコイントスを4回しか行わないのはサンプル数が不足しています。
他にも、30%の人がAよりもBを美味しいと評価しました、と宣伝したとしても、 回答者がたった10人であれば、もう少し大勢に聞けば結果は変わった可能性があります。
30【錯誤相関】Illusory correlation
AとBに相関が無い(関係性が無い)のに、関係性があると思い込んでしまう傾向。 運命論者や占い好きに、錯誤相関は多いかもしれません。
●具体例
黒猫が目の前を横切った日は、何か不幸が起きる。シャーペンの中の芯が折れた日は、何か不幸が起きる。こうした「迷信」が生まれるのも、黒猫が横切った偶然や、 シャーペンの中の芯が折れた偶然と、なんら関係が無い不幸を紐付けるからです。
31【観察者期待効果】Observer-expectancy effect
仮説に一致するデータばかり探してしまったり、逆に仮説に反するデータを見落としたり、研究者が無意識のうちにデータを誤って解釈する傾向。「こうである」と思い込みが生まれてしまうと、偏った目線でデータを見てしまうのです。
●具体例
新型コロナウイルス対策を巡って「PCR検査を積極的にするべきだ派」 に隔離が必要な感染者を増やすべきでは無く、PCR検査は絞り込むべきだ派」の真っ二つに分かれてTV局だけでなくネット上でも舌戦が繰り広げられています。 いずれも双方の主張を論理的に否定するだけでなく、自分の仮説に合致するデータのみを拾うため、会話が噛み合っているようで噛み合いません。
32【バックファイア効果】 Backfire effect
信じたくない情報や自説にとって都合が悪いエビデンスに遭遇すると、もともとの信念を変えるよりも当初の信念をより強固に信じるようになる傾向。バックファイアとは、もともとエンジンで燃焼しきれなかったガスがエンジンの外で爆発する現象を指していますが、転じて「裏目に出る」の意味で英語の慣用表現となっています。
●具体例
国論を二分するような問題(日本国内であれば沖縄問題、原発問題、新型コロナウイルスへの対応、他にも国際政治に関する問題など)においては、バックファイア効果が起きやすいと言われています。自分と異なる立場からの発信について、頭から嘘だと決めつける光景が日本においても見られます。こうした効果が、フェイクニュースの土壌となっているとも言われています。
33【ナイーブ・リアリズム】 Naive realism
自分だけはバイアスに囚われる事なく客観的に物事を見ているというバイアス。自分は客観的に現実を認識しているので、他人も自分と同じように認識できるはずだと思うあまり、他人の認識が自分と異なっているとその人の考え方は不正確で歪んでいる、と感じてしまうのです。
●具体例
「自分が投票した候補者が選挙で落選したのは票が不正に操作されていたからだ」「新型コロナウイルスに自分はまだ感染していないので世間は過剰に反応しすぎだ」「うちの会社がリモートワークを導入しないのは何か裏があるからに違いない」などと自分の判断を正当化するあまり、「陰謀」などの根拠に乏しい「仮説」を無条件に信じてしまう。
34【自己充足的予言】Self-fulfilling prophecy
ある「予言」通りの結果が起こると「予言が当たった」ように錯覚する傾向。そもそも、その結果は人が無意識のうちに「予言を実現するよう」に行動した結果だった可能性があります。自ら予言を当てに行っているのです。
●具体例
朝起きて「今日は良い日だ」と感じると、良い事象ばかりに意識が向きがちですが、 逆に「今日はダメな日だ」と感じたら、悪い事象ばかりに意識が向きやすいものです。 ほかにも、「部下はやる気がない」と直感すると、それに合致する情報ばかり目に入り、「やっぱり、私の見立ては正しかった」と判断しがちです。
35【バーナム効果】Barnum effect
誰にでも該当するような曖昧で一般的な記述を、あたかも自分にだけ当てはまるものだと捉えてしまう現象。
●具体例
「あなたは他人から好かれたい、賞賛してほしいと思っており、それにかかわらず自己を批判する傾向にあります」
「弱点を持っていても、あなたは普段それを克服することができます」
「あなたは使われず生かしきれていない才能を、かなり持っています」
「一見規律正しく自制的ですが、内心ではくよくよ悩んだり、不安になったりする傾向があります」
「自分にもあてはまっている」と思われるかもしれませんが、文章はいずれも一般的な内容ばかりです。これはバートラム・フォアが1948年に行った実験で、これらの指摘が自分にどれくらいあてはまっているかを0(まったく異なる)から 5(非常に正確)で学生たちに評価させましたが、このときの平均点は4・26と、 ほとんどが「あてはまる」と答えていました。
36【単純接触効果】Mere exposure effect
初めは興味がなかったり、苦手だったりしても、何度も見たり聞いたりしているうちに良い印象に変化する傾向。音楽や衣服、あるいは広告のようなものだけでなく、 対人関係にも当てはまると考えられています。
●具体例
選挙に勝つ方法として、毎朝選挙区の街頭で演説して顔と名前を覚えてもらう、選挙期間中はとにかく候補者の名前を連呼する、といった方法が行われています(それが良いか悪いかはさておき)。
SNS時代になってもツイッター、フェイスブック、新聞広告など複数の媒体の広告に何度も触れているうちに記憶され、印象が良くなってきます。そもそもツイッターのRT機能は「単純接触効果」を増大する役割を担っていると考えられます。
37【同調バイアス】 Conformity bias
次の行動を選択する際に、まずは他人の行動を観察してから、大勢が選んでいるのと同じ内容を選ぶ傾向。強いこだわりがない場合、選択が不安な場合は、とりあえず周囲に合わせようとします。皆と一緒だと安心できるのかもしれません。
●具体例
学校や職場での「イジメ」を目撃した人は、加害者にはならなくても「イジメ」自体は見なかったことにしたり、同調バイアスがエスカレートすると加害者に加担する場合さえあります。
2003年2月18日、韓国で地下鉄火災が発生し、192人の命が奪われる大惨事がありました。事件後に発表された報道で、煙が充満した車内で平然と人々が座っている写真が公開されました。窓を割って逃げるのが最善策のようにも思いますが、 おそらく「誰も慌てていないから窓を割って逃げるほどではないのだろう」と誰もが思ってしまったのでしょう。
38【敵対的メディア認知】 Hostile media effect
メディアはいつも自分の思想とは反対側に歪んでいると認知する傾向。「マスメディアが世論を操作している」と考える人が多くいますが、メディアに懐疑的な人が多いため、実際にはあまり影響力が無いともいわれています。
●具体例
ある報道について与党支持者は「野党寄りの報道だ」と感じ、野党支持者は寄りの報道だ」と感じることがあります。「もっと公平・公正に報道して欲しい」 とする発言は、誰にとっての公平さ・公正さなのでしょうか?
39【ゼロサムヒューリスティック】 Zero-sum heuristic
「利益の総量は一定」と捉えてしまい、誰かが利益を得れば、その分だけ誰かが損をすると考えてしまう傾向。利益の総量を増やすように考えれば良いのですが、自分が関与できない領域となると「自分が損したくない」と感じる想いが強く働くようです。
●具体例
1990~2000年代に起きた「官僚批判」では、高級官僚が得をすれば国民が損をするように感じてしまったため、「高給取り」批判の大合唱が起きてしまいました。その結果、官僚は「大変な割に給料が安い職業」と見なされ、志望者が減っているといわれています。国家の舵取りを担う人材が減ったせいで、国全体の利益も減ってしまっています。
40【ゼロリスクバイアス】 Zero-risk bias
ある問題の危険性をゼロにする事を優先し、他の重要な問題をないがしろにする傾向。危険性の割合を1%から0%に減らすためのコストは、100%から10%に減らす場合に比べてはるかに高いのですが、人はコストを度外視してゼロリスクを追求しがちです。
●具体例
新型コロナウイルスへの感染を完全に根絶するために手っ取り早いのは、全人類の一切の外出を禁止することです。しかしそうなると誰が重篤患者を診察し、食材を提供し、日常から出るゴミを処分するのでしょうか。あらゆるリスクを0%にしようとするなら、その他のリスクが増加することも合わせて見なければならないのですが、人はそれを無視してしまいがちです。
Posted by ブクログ
スマホアプリや商品売買などのからくりを通して経済学やマーケティングについてわかりやすく説明している本だった。
専門用語の説明や、企業が考えていることなどがかいてあり、とても勉強になった。
元々、マーケティングに興味があって借りたが、もっとマーケティングを学びたいと思った。
この本で知ったこと、学んだこと
1 「ビジネスモデル」→企業が顧客の欲望をかきたてるものをつくるしくみ。
2 2ヶ月パケット通信料無料などのプランや、無料アプリは、第三者からの広告料・課金ユーザーからの課金・アプリ運用会社のお金で成り立っている。みんながウィンウィンになるしくみ。
3 「使用価値」→自分にとって価値があるから払うというもの。主観的価値ともいう。供給量が増え続けると、かえって価値がさがる。
「交換価値」→自分とほかのひとにとって価値があり、なにかと交換してでもほしいもの。客観的価値ともいう。
これらの○○価値は、状況によってかわる。
期間限定にすると、ほしい人がふえ、交換価値があがり商品の値段をあげやすい。
4 「所得効果」→自分の懐事情がかわらない時、商品の値段がかわると、需要がかわること。
5 物の値段があがる→供給がふえる。(需要を一切無視した場合。)黒字になり、工場や人件をふやすことができる。
物の値段がさがる→供給がへる。(需要を一切無視した場合。)商品ができるまでにかかるお金(原価)割れをしてしまい、大赤字でつくれなくなる。
「均衡」→需要と供給が自然に調和されること。
6 価格弾力性が高い→物によっては、値段を少しあげるだけで一気に需要がへること。(価格の変動に弱く、値上げしにくいもの)
価格弾力性が低い→値上げしても需要がへらないこと。(価格変動に強く、値上げしやすいもの。使用価値が高いもの。例えば、トイレットペーパーなど)
価格の弾力性を決めるのは供給される数量。資源が高騰すると供給量にも限界がある。そのため、多少値上がりしても、需要がある。
7 市場→買いたい人が売りたい人と交渉して買うかどうかを決める場所。
市場の大きさ=購入者数×購入金額×購入回数
8 無料アプリは、需要がどんどん大きくなっていくことが予想される。しかし、同じ内容ばかり供給し続けていると、すぐに飽きられる。
しかも、元々無料なため、価格をおとして人気をおとすこともできない。そのため、定期的に新しい内容を供給し続けることが必要なビジネスモデル。
9 マーケティングリサーチ→マーケターが、なぜその商品をかったか顧客にきいたり、普段の買い物の状況、思っていることなどをきいて、自社の商品開発やサービス開発にやくだてること。
10 マーケターは、顧客が0.1秒で判断した理由・買った理由・買わなかった理由を論理的具体的にときあかす職業。
人の行動を観察して、こころを探り、行動や反応をかえていくのも仕事。
11 インサイト→顧客が自ら進んで買う心理。
イノベーション→これまでのあたりまえを ぶち壊して、だれも想像しなかった新しい体験をつくること。
12 人は、未来の価値より目の前の価値に目を奪われやすい。
13 プロスペクト理論→手に入れる喜びよりも失う悲しみのほうが人は重視しやすい。
14 保有効果→なにかを失うくらいなら、手離したくない。持ち続けようとすること。人はその心理の傾向がある。
15 サンクコスト→いままで投資した金や時間、労力といったコストのうち、中止したり撤退したりして、戻ってこない分のこと。
16 アンカリング→さきに与える情報(アンカー)によって、人の判断を歪める現象。
17 ナッジ→本人にとって、よりよい選択を後押しすること。
スロー思考→合理的に注意深く考えたうえで判断すること。
ファスト思考→感情的で直感的な判断のこと。
18 バイアス→人のゆがみや偏りのある判断のこと
バイアスを利用した選択肢の示し方
その1 インセンティブ
人の意思決定や行動を変化させる要因。
その2デフォルト
とくにこだわりが無ければ、人は基本的に初期設定のものをえらぶこと。
オプトイン方式→同意したい場合に意思表示する必要がある選択肢のだしかた。
オプトアウト方式→同意したくない場合に意思表示をする必要がある選択肢のだしかた。
その3フィードバック→選択したけっかどうなる・どうなったのかを伝えて効果を実感してもらう方法。
19 スラッジ→望ましくない選択を選ばせるしくみ。ユーザーによりいい選択をあきらめさせたり、気づけば損している不利益な状況に陥らせたりと、ナッジを悪用させたしくみ。
20 ダークパターン→ユーザーをだまして意図しない行動へと誘導するような明らかに悪意のあるしくみ。
Posted by ブクログ
暇を持て余してブラブラした書店の児童書コーナーにて発見。
『スマホアプリがなぜ無料なのか』というタイトルから、ふむふむ広告宣伝料の話だなとは思いつつ手に取ってみるとサブタイトルに『10代からのマーケティング入門』の文字が。
これまで経済について真面目に考えてこなかったので、本著を含むシリーズがターゲットにしている中学生と同じレベルから学んでみようと思って購入。
読みはじめてみると、まあ面白い。
中学生の時にこの本に出会いたかった。
流石に深い内容までは書いていないが、現在主流のビジネスモデルや経済学について浅く広く記されている。さらに、巻末では中学生に対する未来の展望や人としての生き方について筆者の熱い想いが書かれている。
大人でも読み応えのある1冊になっていると思う。