菅原道仁の作品一覧
「菅原道仁」の「すぐやる脳」「あの人を、脳から消す技術」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
SNS社会において、私たちはしあわせを感じられなくなっているメカニズムを解き明かし、その対処法を「プロのナマケモノ」から学び、限られた命を味わい尽くす方法を提示した一冊です。
現代人のこころの平穏を乱すのは比較・慣れ・不安といった「脳のバグ」です。まずはこの仕組みを理解し、外側の出来事に振り回されるのではなく、「今その体験に意識をむけ密度を上げる」ように脳をしつけていく「サバリング」の実践が紹介されています。また、言葉では置き換えられない体験そのものの手触りである「クオリア」に着目し、その感度を高める練習の大切さも説かれています。
本書では「感謝日記」や「不安を書き出す」という手法が提案されている一方で、言葉にすると感動が薄れてしまう「言語隠蔽効果」を指摘しています。体験を言葉に落とし込もうとすると、脳はその不完全な言葉を正式な記憶として上書きしてしまい、記憶から鮮やかな色彩が失われてしまうというわけです。
これを防止し、体験を成熟させるために、本書では以下の4つが挙げられています。
1. すぐ写真を撮らない(記憶する必要性を下げてしまう)
2. 体験中に文章を考えない(前頭前野が働き没入が弱まる)
3. 数値で測らない(アンダーマイニング効果による内発的動機の低下)
4. 「ながら」で味わわない(シングルタスク徹底し、スイッチングコストを避ける)
これらは、日頃からSNSをやっている私としてはなかなかドキッとさせられる指摘でした。旅先で写真や動画を撮ることで思い出を残し、後から見返す楽しみがあると思っていましたが、知らず知らずのうちに「レンズ越しに見た風景」ばかりが記憶に残り、SNSでの反応を意識してしまっていたことに気づかされました。少し意識して「最初の5分間はカメラをしまって五感で味わう」といった小さなルールから始めてみたいです。