天海社作品一覧
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4.5両親から受け継いだ小さな洋食屋のシェフ兼オーナーの「若」には、気になる男がいた。 社交的な常連客とは距離をとるように、隅の席に座り黙々と食事をする”「お客さん」。 そんなある日、若は閉店後の店で件のお客さんから誘われる。 なけなしの理性で「店主と客」という関係を理由に断ろうとしたのも束の間、 お客さんの赤い舌を目にした瞬間、若の身体は震えるほどの興奮を覚えてしまい――!? 口が悪くて素直じゃないけど、実は世話焼きで繊細な「お客さん」と、 普段は冴えないお人よしだけど、舌フェチスイッチが入ると別人のようにエロくなる「若」。 不器用な二人が織り成す異色の「舌フェチBL」!
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3.5
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4.0「ドキドキすると消えるんだ、俺」 目付きは悪いが至って平凡な高校生の藤瀬泰人は、はからずもクラスの人気者・清水郁馬の秘密を知ってしまう。手が触れ合っただけで藤瀬の目の前から消えてしまった清水は、なんとドキドキすると姿が消えてしまうという不思議な体質の持ち主だった。にわかに信じがたい話だが、清水が嘘を吐いている様子はない。そして今後のためにも、ドキドキしても簡単に消えないように特訓をしたいので付き合ってほしいと頼まれ、断りきれず流されるままに了承してしまった藤瀬。自分に触るだけで本当にドキドキするのだろうかと半信半疑だったが、清水は何かにつけて特訓と称しては藤瀬に触れようとしてくる。夏の終わりが迫るに連れて、徐々に特訓内容がエスカレートしていき……。
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-杉崎千春。25歳独身、OL。私は…セ○クスでイったことがない…。気の合う友達と女子会してみても、変わり映えのない毎日にストレスやフラストレーションはたまる一方。中の奥でイかされると人生観が変わる…なんて本当なの? 悶々と悩みながら見つけたのは、清潔感あふれたとあるクリニックのホームページ。「女性のためのオーガズム開発」「プロが貴女のお手伝いをします」…そんなうたい文句と懇切丁寧な説明に、勢い任せで検診予約!緊張の当日、クリニックに現れたのは…。ファンシーグッズが似合いすぎるカワイイ系男子ドクターだった!ほ…ほんとにこの人がイかせてくれるの…??
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-「夜の務め?お主が望むならしてやらんこともないぞ?」花咲村唯一の神社の一風変わったしきたり。それは、境内にあるご神木の木蓮が時期外れに咲き乱れた時、神に純潔の嫁を捧げるというもの。姉たちがすでに純潔を捨てていたために、代わりに選ばれたのは男である操緒。仕方がないと意気込んで嫁いだ先で出会ったのは、イケメンな神様・清だった…!?「嫁」というからには、夜の務めを予想していた操緒だったが、仕事というのは炊事、洗濯、掃除など、家事ばかり。ある日、自分の歓迎会で弱いくせに酒を飲んでしまった操緒が清にキスを迫ってからというもの、二人の関係にも徐々に異変が…?庭に積もるは桜の花びら、オレの心に積もるは恋心!?山神・清とその嫁・操緒の純情ラブストーリー。
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3.0「我が赤羽家のメイドになりませんこと?」極貧生活を送る美容師見習い・日名子の目の前に現れた貴婦人・天子。好条件に誘われるがままついていくと、そこは「鶏」を信仰対象としている「華禽村」。一夫多妻制など、特殊な風習のある奇妙にも美しい閉鎖された世界に戸惑う日名子が任せられたのは、住み込みで村のトップである当主・ケイの髪の手入れをすることだった。長髪を輝かせる美しいケイ。ケイの尊い声を聞くことは、妻以外できないという。その夜、部屋から艶めかしい声が聞こえてくる。ケイの第一婦人である天子と…昼間には聞くことのできなかったケイの声。「ちょっとだけ…」部屋を覗く日名子が目にしたのは――。
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2.7「一回 体感してみたらいいんじゃない?」アダルトグッズの営業部に転属になって以来、佐久間宏一の成績は最下位続き。理由は至って簡単。彼には大人のオモチャを欲しがる奴の気持ちが分からなかったのだ。こんな物どうやって売ればイイんだよ!極太のバイブを見つめながら愚痴を言っても、気分は落ちるばかり……。ヤケ気味な彼の前に現れたのは、若くしてヒットメーカーと評判の男、開発部の美郷だった。次々と名作アダルトグッズを作り出す美郷に対し、こんな物を作るぐらいだからどうせヘンタイなんだろ……と見下す佐久間。だが、そんな態度を見透かした美郷は、自慢のバイブを佐久間の眼前に突き出して……!こんな感覚知りたくなかった……。ノンケ男子を襲うヤバイ快感!ドSイケメン×流され系リーマン――発情系調教ストーリー。
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3.5お父さんの会社を救うため、イケメン実業家と結婚することになった私、仁科美姫(にしなみき)。マンガ家志望の冴えない私が、なんでこの人に選ばれたのかわからない…。しかし本当は私と正反対のモテモテな双子の妹が見初められていて、勝手に私の名前を名乗っていたみたい!! 名前は私、中身は妹として、この結婚を乗り切らなくちゃ…。そうこうしているうちに結婚式は終わり、旦那様からはウェディングドレスのままエッチしたいと言われ…。どうしてこんなことになっちゃたんだろう? サディスティックな旦那様の言葉ぜめに、エッチなセリフも言わされて、私、自分で自分が止められなくなっちゃう…っ!!
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-半年間大切につきあってきた彼女・ゆいちゃんに、突然フラれた山田陽向(やまだひなた)。彼女を奪っていったのは、大学でも女たらしで有名な八潮流星(やしおりゅうせい)で、これが常に女の子をとっかえひっかえのとんでもない男。失意の中でヤケ酒中の陽向は、うっかり医学オタクの姉が作った「女体化薬」を飲み干して、美少女になってしまった…!? 流星に仕返ししたい陽向は、美少女の自分にホレさせてから捨ててやろうと計画するが、流星のくどきの手腕に振り回されて、キスを奪われてしまう。だんだん女の子のように心が揺れていく陽向…はたして誰が誰に惚れるのか? 波乱が波乱を呼ぶ、男女逆転ラブコメディ!!
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-彼氏にヒドイ振られかたをした実紗は、居酒屋にて女友達相手にヤケ酒で大荒れ中。たまたま近くの席にいた見知らぬ男に絡みまくって…気がついたら、なんとそいつとエッチ中!? 「私、カレシ以外とはエッチしないのに…!?」。その男、彰人はイケメンなんだけど仕事ナシ。天然なのか非常識なのか、どうにも不思議なキャラクター。追い出したのはいいけれど、なんと実紗の職場の不動産屋でお客として再会しちゃって、さらにはなぜか、実紗の部屋で同居することになっちゃって…!!!! 大人気・水口舞子が贈る、一夜の“アヤマチ”から始まった、無職年下フリーターとの同棲コメディ。こんな恋愛の始まり方だって、あってもいいんじゃない!?
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-学校を休んでいた時に無理矢理、生徒会書記に選ばれてしまった拓は、生徒会長の秘密を知ってしまう。美形で金持ちの御曹司、成績優秀で校外の女生徒からモテモテの君塚生徒会長の大胆な秘密…。それは学校でも「番長」と呼ばれて恐れられている綾小路先輩を、生徒会長が女装して抱きしめたりしているのだ。混乱する拓に生徒会長は、「これは生徒会が学園を支配するために綾小路の暴力を借りている。その見返りだ」と冷静に言い切る。倒錯的な世界の中、拓はだんだんと生徒会長のことで頭がいっぱいになってきて…。「会長は綾小路先輩のことが好きなんですか!?」大人気、つづき萌重がBLの世界に初挑戦、小悪魔的な生徒会長から目が離せないっ!!
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-シングルマザーの家庭で育った大学生のアヤメ。今まで周りに男の人がいなかったため、男性が少々苦手。そんなある日、母がイタリア人と再婚することを告げられる。突然のことに驚きつつも、新しい住まいに引っ越すことに。玄関を開けると、そこには超絶美形の男性が!? なんと母の再婚相手にはイケメンの息子・エリオがいて、今日から自分の義兄だという。母たちは長いハネムーンに出かけてしまい、しばらくエリオとふたりきりで暮らすことになったアヤメは、エリオとうまくやっていこうと考える。しかし、エリオはイタリア式の挨拶だと称して、過剰なスキンシップをとってくる。イタリア人の挨拶って、そんなところまで触り合うの――!?
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-「声が抑えられない……これが感じるってことなの?」大手製薬会社で働く愛佳は“イケない体質”がコンプレックスで、恋愛に積極的になれずにいた。そんなある日、愛佳は薬品を持ったイケメン白衣男とぶつかってしまう。彼の持っていた薬品の入ったビンが落ちて割れ、あたりに漂う不思議な香り。白衣男は「早くここから立ち去れ!」と言い放つ。急いでその場を離れた愛佳だったが、その後の飲み会の席で身体に異変が。「身体が熱くて胸の奥がじんじんする……」。思いを寄せる上司、五十嵐から声をかけられると、その感覚は倍増。急いでトイレに駆け込むと、秘部からはしたたるほどの愛液が。愛佳は、我慢できず自慰行為にふけってしまい――?
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2.3杏は都内で一人暮らしのちょっとイケてない恋を忘れた芋女。ある日道端でお腹をすかせ倒れていた外国人を拾ってしまう…薄汚れていた男だったが風呂から上がってくると驚くほどのイケメンで!? 均整の取れたスタイルに褐色の肌はまるで黒豹のように精悍で…だがその男モルテザはとにかく常識知らず、風呂から上がっても身体を拭きに来ないと素っ裸で超上から目線の物言い。呆れる杏だったが世間知らずの彼を放っておけずつい泊めてしまうことに…。手を出さないように言い含めた杏だったが雷鳴に怯えつい彼の腕に抱かれてしまう。「お前の事は俺が守ってやる…」そう言うモルテザの腕が杏のパジャマの中へ入っていく!? この非常識なイケメンの正体は???
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-夜も更けた大学の構内。女子大生のさつきは、出会ったばかりのイケメンと藪の中で身を寄せ合っていた。「なんで私、いきなりハグされてるの!?」すべては数分前、さつきが柵をよじ登ろうとしている人影を見つけたことから始まった。声を上げそうになったさつきに気付いた男は、彼女の口をふさぎ、さつきもろとも藪の中に飛び込んだのだ! 男性経験の少ないさつきは、ドキドキが止まらない。彼の正体は、さつきと同じ大学の准教授、喜多見で、教授から逃げている最中だった。終電を逃してしまったさつきは、喜多見の行きつけのバーに連れて行ってもらうことに。飲みすぎてすっかり酔ったさつきに「大人の味を教えてやる」と喜多見の唇が迫り――。
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4.0「嘘だろこんなに気持ちいいなんて!!…」牧本澄海(スカイ)は家賃滞納で住居まで追い出される無職のクズ男。幼馴染の仲の良い昇にまたお金の無心に訪れていた。製薬会社のエリート研究員である昇からは既に一千万円を超える借金がありさすがにこれ以上タダでは貸せないと密かに開発した新薬の実験台になることを持ちかけられる。最低一ヶ月データを取らせてくれたらここに住んでも良いし借金もチャラにしてくれると…ヤバい薬かとも思ったが説明も聞かずノータイムで薬を飲み込む澄海。意識を失い目を開けると女の子の身体になっていた!?体の反応が見たいと性感データを求められる澄海、約束だしと応じるが女の肢体は嘘のように感じやすくて…
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4.0体育で汗を流す美作秋吾(みまさま・しゅうご)と冬至拓海(とうじ・たくみ)は幼馴染。8年前に両親と死別した拓海が祖母のいる田舎に転校してきたのが縁だった。当時からの悪友である春や夏次郎も交えて4人でにぎやかな高校生活を送る拓海だったが、幼い頃から不器用ながら自分を守ってくれる秋吾のことが気になってしょうがない。ある日、病気がちの祖母を見まいに来た秋吾が無防備に眠り込んでいる姿を見た拓海は、思わず唇を重ねてみるが……。ただの仲の良い友達――そう思っていた幼馴染が自分の知らない“顔”を持っていた。言い知れぬ寂しさと衝撃に想いが乱れる拓海……この夏はイクとこまでいくしかない!?
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3.0――恋をしている。泥臭く相手にかじりついて、もがいて我を見失うような――高校生の田宮純は、母親同士が知り合いだったため一緒に育った馬庭隆――隆兄ぃに、ものごころつく前からずっと想いを募らせていた。イケメンリーマンの隆兄ぃは男が好きで、おれも男。それがこの難しい恋のたったひとつの希望――の、はずだった……。隆兄ぃの家に忍びこんだ純は、よりによって隆兄ぃが“女”と睦みあっているところを目撃してしまう。――なぜ!? 隆兄ぃも男が好きだったはずなのに!? 小さなころからあたためてきた純の想いは隆兄ぃに届くのか。キュン死確実の青春ラブストーリー!
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4.5「ねぇ、もう一回イれてもいい?」一流商社に勤めるOL・瑞穂は仕事一筋、真面目だけが取り柄の26歳。仕事が上手くいかずカフェで落ち込んでいた時、かっこ可愛い新人バイトのカフェ店員・鷹城と出会う。彼の淹れた美味しいコーヒーと優しい言葉に癒される瑞穂。「明日もまた来てください。待ってます」。鷹城は意外にも瑞穂より年上の29歳。「好きですよ。一生懸命に努力する姿、僕は好きです」鷹城はそう言って微笑む。日に日に仲を深め晴れて付き合うことになったふたり。鷹城の唇が、瑞穂の体を優しくなぞっていく――…はずだった。「ごめん瑞穂。俺、ちょっと止めらんない」――鷹城くんって、もしかしてすごく…激しいッ…!?
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3.0かわいらしい顔つきと単純バカな性格のせいで女子にモテない男子高校生の芹(せり)。文化祭で他校生と知り合い彼女を作ろうと意気込んでいたが、先輩からの頼みを断れずに嫌々ながら女装させられることに。女装した姿で校内をうろついていた芹は、他校のチャラそうな男子生徒に声を掛けられる。自分のことを女子だと思ってナンパしてくる相手にドン引きしつつも、声を出すと女装している男だとバレてしまうため無視をする芹。しつこく付きまとわれてイライラしていたが、そのナンパ男は「君って童貞?」と芹に尋ねてくる。 コイツ、男だとわかってるのにナンパしてきたのか…!? 動揺する芹をよそに、その男は芹にいやらしい手つきで迫ってきて――?謎のナンパ男×童貞ヤンキーのガチンコ攻防戦ラブ。
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-官能小説家として活躍している小鳥遊慶一は、老若男女を落としてしまう「魔性の男」。そんなある日、彼は編集者の発案で、人間味を学ぶためにシェアハウス「大塚壮」に住むこととなる。それは、彼の作品にはただひとつ、「人間味」が足りないからだった。 小鳥遊がそこで出会ったのは個性の強い面々と、由貴和弥というブルーカラー然とした青年だった。由貴のたたずまいに創作意欲が刺激された小鳥遊は、由貴を気に入ってちょっかいをかけるようになり――指をしゃぶり、キスをして、AV鑑賞に、まさかのあんなことまで……!? 男子限定シェアハウス「大塚壮」を舞台に、不器用な男たちが繰り広げる恋愛模様を描く「シェアハウスの恋人」シリーズ4作目。過去シリーズの登場人物も再登場!
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-ある朝伊坂は、見知らぬ美少年のベッドで目を覚ました。 しかも、片足をベッドのパイプに繋がれた状態で。 事態が飲み込めず冷や汗を垂らす伊坂に向け、美しい少年は微笑む。 「あれぇ、忘れちゃったんですかぁ? あーんなに熱い夜を過ごしたのにぃ……」 身の危険を感じ、少年の部屋を逃げ出した伊坂だったが、その日を境に美少年・杜屋は伊坂につきまとうようになる。 初めのうちこそ性に奔放な子供の気まぐれだと思い適当にあしらっていた伊坂だったが、飄々とした態度の裏に隠された、“本当の杜屋”を垣間見てしまい……。 シェアハウス大塚壮に集う男たちの濃い模様を描く人気シリーズ「シェアハウスの恋人」第3作!
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-ロックバンドMoonLight Stepperのボーカル・基山要とギター・矢澤修二は高校の同級生。 傍から見れば何てこともない些細なきっかけ、でも二人にとっては運命的とも呼べる出会いによりバンドを組んで早7年。 メジャーデビューを目前に控え、期待や不安、焦燥感に駆られるようにして毎日を過ごしていた。 「高校の同級生」「バンド仲間」そんな言葉だけでは表現しきれない微妙な関係。 そんな二人の関係を変えたのは、基山の告白だった。 「ずっと、修くんのこと、見てたから」 長年の思いをぶつけるように唇を食み、下半身に触れられた矢澤は…!? 男子限定シェアハウス「大塚壮」を舞台に、不器用な男たちが繰り広げる恋愛模様を描く「シェアハウスの恋人」シリーズ2作目。 1作目「シェアハウスの恋人~俺様攻めサラリーマンにほだされました~」の主役だった柊と西村も再登場!
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5.0舞台は極東にある黄金の国。この島国には、男と女というほかに体のつくりで阿族・伊族・吽族という三つの性があり、子を孕ませる力がある女や、子を産む力のある男もいた。他の種族よりも多くの子種と大きなまら、そして逞しく頑丈な身体を持つ阿族である猩々緋鉄佐は、子持ちの男やもめばかりが集められた妓楼『巣父館』で、一人息子の米太郎を育てながら色子として春を売り、暮らしていた。そんな鉄佐のもとへある日、舶来品の上等な人形のような面立ちの若い男・光春が客として訪れる。ひと悶着ありながらも鉄佐は、儚げで美しい姿からは想像もつかない激しい魂を持つ光春に惹かれ、光春もまた鉄佐の逞しい身体に宿った、繊細な魂に惹かれるようになる。愛を深めていく二人だったが、鉄佐のもとに光春の許婚・薫子が尋ねてきて――。種族や性別、本能を超えたところにある“愛”を求め合う二人を描いた、新感覚オメガバース作品。【著者情報】くもはばき(クモハバキ)姓をくもは、名をばきと発します。北海道小樽市出身・東京都町田市在住。五月六日生まれ。デビュー作は『明日はきみと笑うシャラララ』(白泉社花丸文庫)。趣味は陸上競技観戦と、海外旅行の計画を立てること。割合とトンデモオメガバースでしたが楽しんで頂けましたら幸いです。
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2.3悠久堂の営業マン・西村侑李には大嫌いな相手がいる。ライバル会社である三星商事の若きエリート・柊真聖。侑李は、度々コンペで真聖と一緒になり、惨敗する日々を送っていた。今日もこてんぱんにやられた上、自宅に帰ってみると、大家に「三世代同居するから」と追い出されるはめに。なんていう厄日なんだと思っていた侑李だったが、その後訪れた不動産屋で、ある一軒の物件と出会う。それは、男性限定のシェアハウス・大塚荘。安易に金額で選んだ新居だったが、そこで鉢合わせたのはまさかの真聖だった……!聞くと、真聖も大塚荘の住人だという。最初は嫌々だった侑李だが、一緒に暮らすうちに自分だけに見せる真聖の本当の顔を知り……。【著者紹介】あいざわ あつこ(アイザワ アツコ)2011年、コミュニティFMのラジオドラマを書き始める。2013年にゲームライターとしてデビュー。二人の幼児と三匹の猫に邪魔をされながらも、どうにかパソコンに向かい日々勤しんでいる。
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4.0子供の頃神隠しにあった同源道生は、 ひょんなことから自分を異世界から助け出してくれた渡月と再会する。 渡月は神隠しに会った人間を神から取り戻す『神隠し交渉人』をしていることを道生に告げ、 神隠しにあいやすい道生の体質を変えるために、 自分とセックスしろと迫って来る。 道生は訳が分からないまま渡月を抱き、 いつのまにか渡月の仕事を手伝うようになってしまう。 道生は渡月が神に自分の体を差し出し、 それと引き換えに神隠しにあった人間を連れ戻しているという事実を知りショックを受ける。 しかしすでに心に痛みを感じる事もなくなるほど神に体を差し出し、 神隠し交渉人としての仕事をこなす渡月に、 道生は次第に苛立ちを感じ始めて…。 【著者紹介】 石川 奈々生(イシカワ ナナオ) 代表作:「誘惑★オフィスLOVER2」(一部シナリオ) 神に捧げるあなたの体、俺に独り占めさせてください
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2.0やっと取れた休日。 多忙な勤務医の唯鶴は、 ふと立ち寄った書店で不思議な青年・陽仁と出逢う。 数日後、唯鶴は病院で陽仁と再会。 登校途中で倒れて運ばれてきた男子高校生を訪ねて来たという。 陽仁の慌てぶり。 二人は恋人同士? 唯鶴の心は微かに揺れながらも、 次第に打ち解け、お互いのことを知っていく。 現在ニートだという陽仁は、 唯鶴のような医学関係に進みたいからという。 その勉強を手伝うことになる唯鶴。 そして部屋へ通うようになった陽仁に、 ある時唯鶴は押し倒されて……。 著者 稀崎朱里(きざき あかり) 陽射しと人ごみが苦手で引きこもってまったりするのが好きですが、 いまは落語に夢中で、完全防備にて寄席廻りをしています。 いちばんのお目当ては前座さん。 代表作:『唇の掟~マフィアと恋に堕ちて~』『赤ちゃんとハードボイルド』『腕の中のラプンツェル』ほか
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-ホストクラブ『夢幻』で働く結城嘉人は、その日もいつものように仕事を終えた。吹き付ける風の冷たさに辟易しながら自宅へ向かう。今後のことも考えた方がいいが、今日のところは酒でも飲んで寝てしまおう。暢気に考えていた嘉人は、しかし、すぐに足を止めることになった。足下に、子どもが一人しゃがみ込んでいる。白い肌に、銀糸の髪。透明なガラス玉の瞳に見つめられ、嘉人は驚いて息を呑んだ。(……綺麗だ)思わず見とれた嘉人に、猫のような仕草で擦り寄ってきた。「ねえ、僕のこと拾ってよ」――突き放そうとしても、子どもは決して引いてはくれない。帰れと告げれば、ガラス玉の瞳から感情が全て消え去って、帰る場所がない、と告げる。著者紹介 木原梨花 宮城県生まれ、シナリオライター。別名義にて一般向け小説デビュー後、シナリオライターとして活動中。ゲームシナリオ、ドラマCDの脚本などを執筆。本作にてBL小説デビュー。
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-新人声優の大翔はBLの仕事を受けたが、さんざんな演技しかできなかった。男性との経験なんてないとはいえ落ち込んでいると、ほとんど面識などなかったはずの憧れの人気声優高杉が食事に誘ってくれる。思わず愚痴をこぼすと、経験してみればいいと軽く言われ、冗談のはずが一夜を共にすることに。後で連絡をと言われはしたもののできずにいるうちに、高杉の収録に参加する機会が訪れた。高杉の演技に感動した大翔は、自分にはいろいろと足りないものがあると悟る。そんな大翔に高杉は恋人ごっこをしないかと持ち掛けてきた。著者紹介 春河ミライ 10月15日生まれ。乙女系携帯アプリにてデビュー。現在はTL、BL小説を中心に活動。プロレスと映画とお酒を愛している。将来の夢は風の向くまま気の向くままに放浪すること。代表作:『BET!! ~カラダを賭けたポーカーゲーム~』『お城でBL(共著)』『ひなたのつき(PCゲーム)』
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4.0「ほら、イケよ。いいんだろ。首絞められてイっちまえ」―大学生の宮原彰文は、何年にも渡って幼馴染である瀬川真人に暴力を伴った性的関係を強要している。親同士の事情もあってか、宮原の行為すべてを従順に受け入れ続ける瀬川。しかしここ半年程、瀬川は関係を解消すべく画策しているようで、宮原は落ち着きを失くしていった。理不尽に瀬川を痛めつけてきた癖に、彼を深く想い執着している自身を自覚していく。瀬川に優しくしたい、ずっと一緒に居たい。けれど同時に、殴って首を締め上げて押さえつけていたい衝動が走る…矛盾を解消出来ない宮原は次第に追い詰められていくのだった。一方瀬川は宮原の進路を案じる様子を見せながらも、同じ大学の女性と親密になり始めて…。 著者紹介 しじま智子 さそり座AB型。2011年よりBLゲームシナリオ・BL小説を執筆。近況:友人の薦めでおでんに魚肉ソーセージを追加。美味しかったです。代表作:監禁BLゲーム「貴方日記~ユーフォリア~」(シナリオ/監修)
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-夜の新宿。聞き込みをしていた刑事・神崎蒼斗は酔っぱらいに絡まれている男を見つける。すぐに助けに入り、その場を収めるが、その男に抱きつかれキスされて驚く。翌日、着任間もない参事官に呼ばれ執務室に向かった蒼斗の目の前にいたのは、昨夜助け、キスされた男だった。東大法学部を中退して入庁した超エリート・伊澤純也。蒼斗の相棒としてしばらく行動を共にするよう命じられる。戸惑う蒼斗に参事官は告げる。「私は、あなたが持つ不可解な能力のことを知っています」と。絶対服従の上下関係。しかし蒼斗の反発する気持ちはやがて……。著者紹介 有実ゆひ 大阪府吹田市出身。二〇一六年十月、『社長と猫もふライフ』でBLデビュー。猫ライフ。動物大好きで南アフリカ共和国まで野生の動物を見に行ったことも。現在、真空管アンプでレコードを聴きながら執筆。
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4.0孤児のココリナは、幼いころ学院長のギルフォード公爵に拾われて以来、全寮制のイースバーン王立学院で使用人として働いている。イースバーンは魔術が存在する国。魔力を糧に、不思議な術を操ることができる一部の人々を『魔術師』と呼び、この学院で魔術を修めた者は『魔導師』の資格を得る。魔導師は真の精鋭。この国では貴族であれ平民であれ、魔力持ちは優遇されている。だが、そんな話は魔力のないココリナとは無縁の話。何かにつけて動作が緩やかでおっとりしたココリナは、生徒たちから邪険にされ、疎まれている。そんなココリナにも、先月から古代語の講師として赴任してきたラングスだけはやさしく接してくれていた。ココリナと同じく魔力を持たず穏やかな雰囲気のラングスは、生徒たちからは「昼行灯先生」などと呼ばれているが、古代語の知識に関しては魔道省幹部からも一目置かれている。ラングスを尊敬している学院首席のアリシアは、ラングスがココリナを構うのを快く思わず、魔力を使ってココリナを子猫に変えてしまう。屋外に放り出され、冷たい雨に打たれて生きる望みも失いかけたひとりぼっちのココリナ。だがそんな彼女を拾い上げたのは、ラングス先生!? 猫嫌いだとばかり思っていた彼の溺愛ぶりに戸惑うココリナだったが、やがてラングスのあたたかい膝の上ですやすやと眠るようになっていく……
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3.0侯爵であり騎士団長のカルヴィンを慕っている伯爵令嬢のジェシカ。父の親友である彼から受ける子ども扱いに不満を抱いている。想いを伝える方法はないだろうか。ジェシカの気持ちが空回りしている様子に、メイドのボニーは、「誘惑なさっては?」とアドバイス。あでやかなナイトドレスを身に着け、ボニーの手引きで、ジェシカは彼が滞在している部屋へ夜這いを仕かけることに! 彼は「閨事の勉強でもしにきたというのか?」と問い、今まで見たこともないような怖い顔をする。そしてジェシカに覆いかぶさり――翌朝、カルヴィンは一夜の責任をとろうと、ジェシカの父に婚姻の許可を取りに向かうが、裏切られたと激怒する父に邸から追い出されてしまうのだった。
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3.4王宮侍女のロシータは、仕事一筋のあまり侍女仲間から変わり者扱いされている。コンプレックスの赤毛を揶揄されるばかりか、時には嫌がらせを受けることも。だが、侍女室長とは深い信頼関係で結ばれていて、周囲の声は気にならない。ある日、侍女室長から騎士団棟の会議の準備を頼まれる。そこで三年ほど前に助けてもらったことのある、憧れの騎士団長・レオンシオと再会したロシータは、母の形見のペンダントを一緒に探したことから、レオンシオと急速に接近していく。やがて、二人は愛し合うように。だが、それを知らない王太子がレオンシオに縁談を持ちかけたと聞き、ロシータはレオンシオの将来を思えば身を引くことを決意するのだった……
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3.3
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3.5悪魔と同じ赤い目、同じ銀色の髪で生まれたマリリは、氷海の部族の長である父から忌み嫌われ疎まれながら育ってきた。銀海の大国に和平を申し入れた父は、その証として成長した末娘のマリリを人質としてアイレンベルクの王・アルスタッドに献納。しかし、マリリが武芸をたしなむことを知って、アルスタッドはにわかに関心を寄せ、マリリを寵姫として迎え入れたのだった。初夜。刺客ではないかと身体のすみずみまでアルスタッドに調べられる。耐え難い羞恥と恐ろしさにマリリはパニックを起こしてしまう。王に屈辱を与えてはいないだろうか? おそるおそる顔を上げるマリリに、アルスタッドは優しい声をかけ、毎夜マリリの元に通ってくるようになる……。【著者紹介】栢野 すばる(カヤノ スバル)都内在住。2015年 アルファポリス・ノーチェブックス『氷将レオンハルトと押し付けられた王女様』でデビュー。趣味は晴れた日の散歩、年に何度かの旅行。代表作:『殿下のお子ではありません!』『氷将レオンハルトと押し付けられた王女様』
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3.9政略結婚を経て高圧的な態度が変わらない夫・クロード。 シンシアは、ある日弾みでクロードを花瓶で叩いてしまう。 執事からは亡くなったと告げられたのだが……。 生きていたクロードは、 以前とまるでちがう人格になっていた!? 趣味は刺繍、レース編み。 乙女男子となった夫との、奇妙で新たな結婚生活とは……? 【著者情報】 深森 ゆうか(ふかもり ゆうか) 二〇〇八年頃からWeb上に小説を公開しはじめる。 趣味は寝ながら読書に一人旅。肉大好き、デザート大好き、酒大好きなトド。 代表作:『花嫁修業は、伽での旦那様の喜ばせ方』、『大逃亡~女騎士の恋の受難~』
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-見習い魔女であるヴィオラは、最強の魔女・エルヴィーラの唯一の弟子だ。師匠のエルヴィーラは、その美貌と魔術で超有名人。だが、とてつもなく怠惰であり、ヴィオラは今日もエルヴィーラの世話で忙しい。そんなヴィオラには想いを寄せる相手がいた。その相手は“滅竜騎士”であるラーシュ。“滅竜騎士”は単独で竜を斃した騎士に与えられる称号、騎士たちの憧れの存在だ。異国風の風貌に、鋭い目つきのラーシュを多くの女性は怖がっていたがヴィオラは違った。二年前、貴族たちに襲われそうになったところを助けてくれて、優しく気遣ってくれたラーシュ。その時からヴィオラは彼に恋をしている。 とある日、ラーシュがお菓子好きと知ったヴィオラは、お菓子屋巡りを提案する。デートを重ね、彼の素顔に触れるたびに想いを募らせるヴィオラ。一方のラーシュもヴィオラが大切な友人以上の存在になっていることに気付くのだが、ヴィオラの身には、ある危機が迫っていて……!?
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3.0大陸南端のマイスタンタン王国は、人口も少なく、外交もほとんどない、平和だが貧しい小国である。昨年の火山の大噴火で国王はじめ多くの重臣を失い、急遽王位を継いだのは、まだ7歳のクレドール。どこかの国と同盟を結ばない限り、とても生き延びていけない。だが、弱小国の幼すぎる王に嫁いでくる姫はなかなか見つからない。そんな王と王国のために名乗り出たのは、クレドールの姉でまもなく18歳を迎えようとするルキア王女だった。だが結婚適齢期のルキア王女の見合い話も難航。いっそよその国に頼らず、特産品や観光資源で国を富ませることができないか思案しはじめたルキアは、ある日王立図書館で古い魔導書を発見。どうやら昔の王族は、魔法が使えたらしい。魔導書に従って試すうちに、ルキアは召喚の術が使えるように。そして何度目かの呪文を唱えると……降ってきたのは、ドラゴンと傷だらけの美青年!?
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1.0リシィ島には蘇生の力で私腹を肥やしている聖女がいるという。聖女が自国を脅かす存在であると認識したイデリア国のランベルト王子は、聖女殺害のためリシィ島へ赴くのだが……。そこには、華奢で肌の白い女性が塔の最上階に閉じ込められていた。彼女の名はクラリーチェ。どう見ても蘇生の力で金儲けをしているようには見えない。堅物で正義感の強いランベルトはクラリーチェをそのままイデリア国へ連れて帰ることに。やがて側近から、聖女の力を奪うためにはクラリーチェを女にすること、つまり処女を散らすことが必要だと知らされたランベルト。冷酷になりきれない自分に気付きつつも、彼女を抱くと決めたランベルトはクラリーチェの部屋へ行くのだが……!?
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3.8男爵家の元令嬢だったクリームヒルトは、ライニンゲン公爵家にメイドとして仕えている。彼女には誰もが認める料理の才能があった。晩餐会の料理の手伝いでクリームヒルトは今宵も大忙しだ。ようやく休憩できると思っていると、ライニンゲン公爵家の嫡男であるオスカー坊ちゃまが泣いていることに気付く。聞けば意地の悪いアルフレートに体型のことで悪口を言われたのだという。オスカーは美しい金色の髪、琥珀色の瞳、整った顔立ちをしていたが、体型だけぽっちゃり気味だったのだ。この一件をきっかけに、クリームヒルトはオスカーのダイエットをサポートすることに。だがダイエットも順調に進んでいた矢先、クリームヒルトはオスカーの元を去ることになってしまう……。——それから時は経ち、王都の人気レストラン「黒猫軒」の料理人としてクリームヒルトは今日も忙しく働いていた。そしてある日、金色の髪の美しい青年が店に通ってくれていることに気付くのだが……。
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4.0砦を抱き、騎士が駐屯する国境の街・アローナの収穫祭は、「嫁取り祭り」ともいわれている。祭りの日に想いが通じ合った二人は、生涯仲睦まじく暮らせるという。アローナの宵祭りをめぐる市井の男女の恋の行方。 街の食堂『跳ねる仔馬亭』では看板娘マリアの明るく元気な声が響いている。昼の遅い時間に店を訪れたのは、裕福な商家の三男で家業を手伝うセリオス。五年前、マリアが学校を卒業して以来、ずっと通ってくれている常連だ。末っ子で「妹がほしかった」というセリオスは、マリアをそう見ているのだろう、何かと気にかけてくれている。そんなセリオスを兄のように慕っていたマリアだったが、いつしかセリオスを男性として意識するようになる。まもなく宵祭りがはじまる。ふいにセリオスが「宵祭りで逢ったら、一緒に屋台のものでも食べよう」とマリアを誘った。宵祭り――。セリオスはその意味をわかっているのだろうか? 考えすぎだと自分の気持ちを抑えながら、それでもマリアは祭りの二日目に、せいいっぱいおしゃれをして出かけたのだが……
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-[1~3話を収録した合本版です]杏は都内で一人暮らしのちょっとイケてない恋を忘れた芋女。ある日道端でお腹をすかせ倒れていた外国人を拾ってしまう…薄汚れていた男だったが風呂から上がってくると驚くほどのイケメンで!? 均整の取れたスタイルに褐色の肌はまるで黒豹のように精悍で…だがその男モルテザはとにかく常識知らず、風呂から上がっても身体を拭きに来ないと素っ裸で超上から目線の物言い。呆れる杏だったが世間知らずの彼を放っておけずつい泊めてしまうことに…。手を出さないように言い含めた杏だったが雷鳴に怯えつい彼の腕に抱かれてしまう。「お前の事は俺が守ってやる…」そう言うモルテザの腕が杏のパジャマの中へ入っていく!? この非常識なイケメンの正体は???
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4.2
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3.8幼いころ、魔物の遠征征伐で父を亡くした伯爵令嬢のシャーロット。騎士一家に生まれた彼女は令嬢としての道に背を向け、騎士になることを夢見て祖父から剣の手ほどきを受けて育った。やがて成長した彼女は騎士団に入団、周囲の女性に対する差別的な扱いに屈することなく、副団長にまで昇進した。自分にも他人にも厳格さを求めて今の地位を手にいれたシャーロットだったが、ある日突然、ダイナミクス性がサブに変異してしまう。しかも抑制剤が合わず、このまま騎士団にいつづければ秩序を乱すのは必至。だが……絶対に辞めたくない。不安を抱えるシャーロットを見舞いに訪れたのは、騎士団長のアーサー。誰にでも優しく接するこの上官は、ドムでもあった。優秀な部下を辞めさせないため、アーサーはシャーロットに欲望をかなえるためだけのパートナーになることを申し出る。そして二人の秘密の関係がはじまった。セーフワードは、「愛してる」——
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4.0「俺のことは忘れてどうか幸せになってくれ」——幼い頃から剣術に励んできたレジーナは、騎士団に入団するため王都へ旅立つ幼馴染のフレデリックと、生まれ育った町を一望する丘で夕日に包まれながら愛を誓い合った……はずだったのに、彼から届いた手紙にはそう綴られていた。たったの一カ月で心変わりするなんて信じられない! 怒りを胸に、レジーナは剣術の修行に没頭し、四年後には町の自警団で最強の剣士となるまで成長を遂げた。ある日、山賊に襲われていたシャーロット王女を救ったことで、レジーナは彼女の護衛として騎士団入団を勧められる。シャーロット王女は反対勢力に狙われており、婚約者も襲撃されて重傷を負ったという。事情を知ったレジーナは二つ返事で引き受け、騎士団入団を決意する。入団式を終え、近衛隊に配属されたレジーナが上官に挨拶にいくと、そこにいたのは——四年前に自分を捨てたフレデリックだった! 心の整理がつかないまま、国王主催の夜会で警備任務に就くと、そこへ現れたのはシャーロット王女の婚約者を演じる、仮面をつけたフレデリックで——
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5.0飢餓と魔物の襲撃から国を守った元大聖女のソフィアは、すべての神聖力を使い果たして失業中。恩賞として生涯困らないほどの金銀は得たものの、働かないと落ち着かないと就職活動に勤しんでいた。だが、国を守った英雄を雇うなんて恐れ多い! と、どこも雇ってくれずに途方に暮れていた。そんな時、彼女が偶然再会したのは、昔馴染みの騎士団長・ウィルフレッド。事情を話すと、騎士団で長く雇ってくれるというではないか——否! 長年、ソフィアに片思いをしていたウィルフレッドは、「永久就職先候補なら、ここにあります」と言ったのだ。プロポーズをしたのである。喜々として騎士団に入団したソフィアは、聖女として培った医療関係の知識や炊事のスキルを存分に発揮し、団員たちの士気は高まった。ウィルフレッドが「好きだ!」と言えば、「私もです!」と元気に返される始末。そんなある日、ウィルフレッドに縁談話が持ち上がり……
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1.0フィッシェルとマリーは、王国初の魔術科設置校である聖ヴァルド学院に通う幼馴染。ある日、ふとした誤解からマリーは婚約者と大喧嘩の挙句、婚約破棄を宣言。本当は彼のことが好きだったのだと後悔を口にするマリー。そんな折り、彼女を迎えにきた兄のレイに学院がにわかに色めき立った。王国屈指の魔力の強さから「氷の魔術師」といわれる彼もまた、フィッシェルにとっては幼馴染である。それと同時に、恋心を抱く相手でもあった。しょせん叶わぬ想いと自分の気持ちに蓋をしているフィッシェルだったが、そんな想いは親友であるマリーには見抜かれていた。後日招待されたお茶会で、いつかは義理の姉妹になりたいと告げられた後、フィッシェルはマリーの代わりとしてやってきたレイとお茶をすることになる。穏やかな時間が流れる中、森の方から魔物の気配が!? そして、駆けつけた二人が見たのは……変わり果てたマリーの姿だった。絶望するフィッシェルの前で、レイは強力な氷の魔術で魔物を死に追いやる。だが、この事件をきっかけに時間の歯車が狂い始める──なぜマリーの死は繰り返されるのか? そして、なかなか一歩が踏み出せないフィッシェルは悲劇のループからレイとマリーを守ることができるのか?
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4.5馬車の事故で前世が32歳の会社員であることを思い出したカンデル子爵の娘、10歳のコゼット。実母マリーンからは虐待に近い扱いを受けていたのだが、事故の後、そんな母親の様子がおかしい。「コゼットたーん!」と突如溺愛してくる母に戸惑いしかない。不審に思い母のベッド下にあった日記を見ると、なんと母も転生者で同じ事故で記憶を取り戻したのだと知る。しかもマリーンの前世は17歳の女子高校生だった! 日記によると、ここは彼女が愛読する漫画に描かれた世界。聖女コゼットがヤンデレ王太子クリスと結婚すると、悪役母マリーンは処刑されてしまうらしい。「死にたくない!」とコゼットを溺愛してくるマリーンだが、やることなすことポンコツすぎて、何度もコゼットに死亡フラグが立ちまくる! 「だめだ、この母親、ポンコツすぎる……!」 ポンコツ母としっかり娘、そして時々ヤンデレ王太子の、溺愛・執着ラブコメディ。
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5.0グレンデール帝国ハイランディの騎士団で副騎士団長を務めているリッカは、ちょっとしたアクシデントから、二歳年下の部下で「リッカの犬」と呼ばれるほど彼女を慕うラインハルト=グライバルと二人だけで遠征することになった。無事に任務を終わらせ、ラインハルトと飲み交わそうと酒場に出かけたリッカ。しかし、ラインハルトを待ちながら先に一杯始めたところで、不覚にも何者かに媚薬を盛られ、店を出た路地で男たちに襲われてしまう。 意識が歪む中、にじり寄る男たちに抵抗しようと両手の拳に力を込めたリッカだったが、そのとき、背後から場を切り裂くような声がして……!?
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-ナタリアは人の魔術に干渉する何かを発しているに違いないのだ──しかも、無自覚で。 王立ヴィラーゴ魔術学園は、コルダ王国髄一の学び舎。ロベレ侯爵家の養女であるナタリアは学業成績は優秀なものの魔術の才能はからっきし、義姉オンディーヌの世話役として学園に入学していた。一方、スカウトのために学園へと訪れていた魔術騎士団長ライル・バルティンは、ひょんなことから魔術で銀猫に変身し、ナタリアの部屋へと入り込んだ。しかし、気が付けば四半刻ほども彼女の膝の上で過ごしてしまうことに。魔力消費が激しく通常なら数分間、猫の姿を保つのが精いっぱいのはずだったにも関わらず、猫の本能そのままに寛いでしまった自身に驚くライル。さらに人の姿に戻った後もまったく消耗していないのだ。これは、あの娘のせいなのか、それともあの部屋に何か自分の魔力に干渉するような物が置かれていたのか? ナタリアに関心を持ったライルは、その原因を突き止めるため学園長に依頼された生徒の失踪事件の調査を受け、臨時教師となって彼女との接触を試みるのだが……!? 二人の出会いから、国が、世界がその力をこぞって求める"アークシリア"を巡る物語が動き始める──
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1.0エレーナは幼い頃「俺がきみを守るから」と言って助けてくれたユリウスに恋している。今、彼は隣国へ留学中だ。帰国したらこの想いを告げる、と決めている。ユリウスがいないこの五年間、エレーナは女性らしすぎる抜群のスタイルに成長し、多くの男性から迫られるようになっていた。元来気弱で泣き虫だった彼女が男性嫌いにならずにすんだのは、ひとえにユリウスという初恋の人がいたからだ。男性からの誘いをトラブルなくかわすため、あの手この手を使って逃げている間に、女性たちから「手練れている」「男を弄ぶ慣れた女」「誰とでも関係を持つ」というレッテルを張られ、さらにはひどいいじめも受けるようになっていた。そうした日々もユリウスから届く手紙に励まされ、いよいよユリウスが帰国——だが、ユリウスは女性たちに囲まれ、まんざらでもないような表情で楽しげに話をしているではないか。女性慣れをした様子にエレーナの心は凍る。知らない間にユリウスは、遊び人になってしまった!?
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4.0エルド王国のディトン伯爵家の長女・レイリアは、嫁ぐ義妹を前に奥歯をギリギリと噛みしめていた。事あるごとに張り合ってきた義妹アンジェラが、小国の第三王子とはいえ玉の輿婚を果たしたのだ。悔しさに唇を噛むレイリアは、義妹を超える「王妃」の座を目指すことを誓う。そんなある日、王立銀行の使者が彼女を訪ねてくる。首を傾げるレイリアに銀行員が告げたのは、彼女の祖母が、生前、身寄りもなく仕事を失った青年に船を与え、その青年が今や海運王と呼ばれるほど財を築いたという話だった。その恩返しとして、レイリアに財産の半分を相続させたいという。一夜にして大富豪となったレイリアだが、義母の広めた噂によって、財産目当ての求婚者が押し寄せる。追い詰められた彼女の前に現れたのは、第二王子アシュレイン。彼はレイリアを救い、「俺と結婚するのはどうだろう?」と提案する。王子の求婚は断れない、しかし第二王子では「王妃」にはなれない。悩むレイリアは、親友アリスのアドバイスで「夫選びの競技会」を開催することに。果たしてレイリアは、目指す「王妃」の座を手に入れることができるのか!?
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4.3[1~3話を収録した合本版です]かわいらしい顔つきと単純バカな性格のせいで女子にモテない男子高校生の芹(せり)。文化祭で他校生と知り合い彼女を作ろうと意気込んでいたが、先輩からの頼みを断れずに嫌々ながら女装させられることに。女装した姿で校内をうろついていた芹は、他校のチャラそうな男子生徒に声を掛けられる。自分のことを女子だと思ってナンパしてくる相手にドン引きしつつも、声を出すと女装している男だとバレてしまうため無視をする芹。しつこく付きまとわれてイライラしていたが、そのナンパ男は「君って童貞?」と芹に尋ねてくる。 コイツ、男だとわかってるのにナンパしてきたのか…!? 動揺する芹をよそに、その男は芹にいやらしい手つきで迫ってきて――?謎のナンパ男×童貞ヤンキーのガチンコ攻防戦ラブ。
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-幼い国王の摂政の座に就いたラフェドは、先々代国王と商人の娘との間にできた庶子である。王族は神の末裔とされるこのシェンハーザ王国では、国の実権を握るラフェドの出生に対する貴族の不満の声があちこちから聞こえてくる。一方では娘を嫁がせて権力を得ようと考える者も。政治的しがらみから逃れるため、ラフェドは、王を神としてとりわけ熱心に信仰する信徒会から妻を迎えると宣言。庶民出身でも「神の花嫁」である信徒会の女性であれば、貴族たちも文句を言うまい。そう考えたのだった。初夜に現れたのは、12年前に自分をかばって傷を負った王家隠密の……リオリエル!? かつて彼女は身を挺してラフェドを守ったものの、暗殺者を生け捕りすることができずに刺殺。その騒ぎで周囲に顔を見られてしまったために任務失格と自ら信徒会に戻り、いつかまたラフェドの役に立ちたいと訓練を重ねてきたという。そして舞い込んだのがラフェドの妻の”任務”。妻ならば、昼もなく夜もなくラフェドを守ることができると、喜々として語るのだった。少女時代のリオリエルにケガをさせてしまったことに負い目を感じるラフェドは、彼女を拒む。「妻として抱けない」のがその理由だ。だが、リオリエルはなぜか「ご安心ください!」と自信たっぷり。曰く、尊すぎるお方を夫として男性として愛することはない、絶対に愛しませんから!
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1.0「だったら——俺としてみようか。恋愛。ごっこじゃなくて、本気のやつ」 母の死をきっかけに心を病んだ父と共に、十二年間田舎で静かに暮らしてきた伯爵令嬢アメリア。没落寸前の家を再建するため、久しぶりに王都へ戻った彼女は、婿探しも兼ねて思い切って夜会に参加することに。しかし、眩しすぎる社交界で場違い感に圧され、侯爵令嬢となった幼なじみのキャロラインには雑草令嬢と嘲笑われてしまう。 そんな夜会の中心で令嬢たちに囲まれていたのは、“国いちばんの色男”と噂されるジェイス・レイザム。アメリアの初恋相手——かつては人と目を合わせるのも苦手な、優しく内気な少年だったはずの彼が、今や社交界で誰もが憧れる華やかな貴公子へと変貌していた。 二人とも別世界の住人になったのだと実感した。けれど、婚活を続けることを早々に諦めたアメリアが退出しようとしたその時、さきほどまで令嬢に囲まれていたジェイスが声をかけてきて——!?
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-村の外れから連なる森の一軒家にひとりで暮らしている薬師のルファナ・アガス。三年前に事故で亡くなってしまった母からの教えを基に作られたルファナの薬は抜群に効くと村人たちに重宝されていたが、ある時から彼女の薬には本来のものに加えて余計な効果がつき始めてしまう。熱冷ましには歌いたくなる効果、頭痛薬には走り出したくなる効果……。それらはちょっとしたイタズラのようなものばかりで今のところ深刻な事態は起きていないけれど、その原因は全く分からないままなのだった。 ある日、薬の素材採集に出かけたルファナは森の中で倒れていた男を見つける。高価な身なり、白銀色で発光しているかのような髪……美しい人形のようなその男は、怪我をしているにも関わらず毒を警戒してか薬を飲もうとしない。ルファナは自らそれを一口含み、安心した男に薬を飲ませたあと、休息させるために彼を家に招き入れた。やがてふたりの身体に明らかな異変が現れて……! まさか、今回の薬の副作用は媚薬効果なの——!?
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-大手製薬会社の診療所で産業医として働く凛子は、半年ほど前に別れた元カレの医師から「裏切られた」と職場で吹聴され、追われるように病院を辞めた苦い経験を持つ。新しい職場は居心地がいいものの、当時のことを思い出してクヨクヨすることも。そんな日は、美味しいものを食べて元気を出すようにしている。最近見つけたお気に入りの小料理屋でカウンター席を案内され、料理の優しい味に癒されていく凛子だったが、盛大な溜息を漏らす隣席のイケオジに、ふと目を留めた。溜息の回数も多いし、お酒の飲み方も早い。「大丈夫ですか?」と声をかけると、相手は由隆と名乗り、会社経営者だそうだ。私生活もなく不眠がちという彼の話を聞くうちに、凛子は健康上のアドバイスをしたり、手をマッサージしたりと、お人好しぶりを発揮。すると由隆から、不眠緩和のためのマッサージをしてほしいと頼まれる。無下には断れず躊躇する凛子だったが、由隆に拝み倒され由隆の自宅で施術することに。マッサージが効いたのか、うとうとしはじめた由隆に、ようやく安堵する凛子。だが、「おやすみなさい」を告げる凛子を由隆は……
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-「聞いて、狼さん。私今、好きな人を鏡に映し出す魔法を使っていたの。失敗したかと思っていたのに、なぜかあなたを変身させちゃったみたい」 バルフォア王国の辺境”月桂樹の森” にある小さな家で、エステルは高名な魔術師アルバータのもと、弟子として暮らしている。弟子入りから二年。魔法紙や魔法インク作りの腕は確かだが、肝心の使い魔を呼び出せず、正式な魔術師にはなれないまま。エステルは魔術師になって、自分の力で自由に外に出られるようになりたかった。——そうしたら、あの人に会いに行くんだから。けれど結界に守られた家の外へはひとりで出ることもできず、エステルは焦りを募らせていた。ある夜、酒に酔った勢いで召喚の呪文を繰り返していたエステルは森の木々の間から赤い瞳を光らせて近づいてくる一匹の狼に気づく。もしかしたら呪文に応じてくれた使い魔? 高鳴る胸の鼓動を抑えきれないエステルだったが、こっちに来てと言い終える前に意識が途絶えてしまう。そして次に瞼を開けた時、そこにはエステルの片思いの相手、第三騎士団長ゲイリー・コープランドがいて——?
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-エイリー伯爵家の末っ子アビゲイルは、ふわふわの銀髪と青い大きな瞳が魅力的な、ぽっちゃり体型の令嬢。家族からたっぷり可愛がられ、幼馴染の公爵令息クライヴも「きみはありのままでとても素敵だよ」と言ってくれていた。だからアビゲイルは、安心してぽっちゃり街道を突き進んできたのだ。それなのに、十七歳のある日、クライヴにまさかの一言を告げられる。「……痩せたほうがいいんじゃないかな?」 思いがけない言葉にショックを受けつつも、健康を見つめ直したアビゲイルは、ダイエットを決意! アビゲイルにおやつを与えたくて仕方がない家族総出のお菓子攻撃にもめげず、努力と根性で挑み続け——一年後、ついにスリム体型に大変身。社交界でも注目の的となり、かつて見向きもしなかった男性たちが手のひらを返して求婚してくる。そして、あのクライヴまでもが……舞踏会の場で、突然の公開プロポーズ!? 初恋の彼に求婚されるなんて夢みたい。けれど、痩せた途端にプロポーズなんて、やっぱり私の外見だけを見ているの? もしまた太ったら——? 戸惑いの中、クライヴの様子にもどこか違和感があって……
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-夜の静寂に包まれた神殿で、セリーヌは特別な役目を果たしている。朝夕の祈りを欠かさず捧げ、訪れた人々に祈りの加護を授け、心に生じる淀みを浄化する——そんな務めを、十年以上にわたり続けてきた。その稀有な力ゆえに羨望を集める一方、特別であることは孤独でもあった。そんな彼女がある夜に出会ったのが美しい青年アルバンだった。神殿に迷い込んだ死者である彼は、他の魂たちと異なり自ら言葉をかけ、穏やかにセリーヌに微笑んだ。その日から毎晩、ふたりは密やかに語らうようになる。だが、アルバンは本来この世に留まっていてはならない存在。彼が輪郭を失い、何もかもわからなくなってしまうのは恐ろしい。あるべき場所へ送り出さねば——そう決意したセリーヌに、彼は思いがけない願いを告げる。「君を抱きたい。愛している」と。君に受け入れられ、幸福な気持ちで旅立ちたい——アルバンの切なく甘い声に、セリーヌは……!?
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-銀髪に深紅の瞳、さらに「石の声を聞く力」をもつ雪鈴(しゅえりん)は、正妃候補・美麗(めいりー)の簪が偽物だと見破り、怒りを買ってしまった。今では嘘つきの罪人扱いで、片隅の館にひっそり暮らしている。話し相手は、側仕えの喬(ちゃお)と、祖母から「巫女の証」として譲り受けた白い石・白露(はくろ)だけ。 そんなある日、背が高く気品をまとった美しき姫・藍(らん)が雪鈴を訪ねてくる。彼女の力を知った藍は、宝物庫で続発している「宝玉のすり替え事件」の調査協力を依頼する。「あの方が姫君ではなかったら、きっと恋をしていた」——雪鈴は藍への苦しい想いを胸に秘めながら、持ち前の能力で次々と偽物を暴いていく。だがその矢先、後宮で侍女の変死事件が発生。さらに「妃候補の命が狙われている」という石の声が!? 次々と巻き起こる事件のなかで、雪鈴と藍の距離は静かに近づいていくが……。 果たして、後宮に渦巻く陰謀の黒幕は? そして、雪鈴の切ない恋の行方は?
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-「今日から君の身体は、私のものだ」——。 製薬会社で秘書を務める須堂雅は、二十七歳の誕生日に淡いプロポーズの期待を抱いていた。 だがその夜、電話一本で無惨にフラれてしまう。怒りと戸惑いを抱えたまま、別部署の忘年会に勢いで参加した翌朝——やけ酒で記憶を失った雅の隣にいたのは、辣腕で恐れられる開発本部長・新田零士だった。担当秘書として常に行動を共にしている上司と寝てしまったという事実を前にその場から逃げ出す雅だったが、正月休み明けにようやく顔を合わせた零士にはあの夜の出来事が無かったかのようにふるまわれてしまう。酔っていたせいで記憶が曖昧なのかもしれない、だったらこのままで。全て夢だったと思う事にしよう——。そうして表面上は元の関係に戻った二人だったが、次第に雅の心は零士に惹かれていく。そんな矢先、同僚秘書から零士の常務昇進と婚約の噂がもたらされ、雅の心は大きく揺れる。さらには追い打ちをかけるように、父が緊急搬送されたとの知らせが雅に届いて……!?
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4.4「貴女はとても評判が悪い。義妹のシンデレラに嫉妬して彼女を虐げているという噂があるが、本当か?」 初対面の資産家エリクから不躾な質問をぶつけられた私――ペトラ。ここは童話「シンデレラ」の世界。私はシンデレラの義姉であり転生者。優しい義姉でいたつもりが、ニートまっしぐらな干物女のシンデレラを清く正しく更生させていく過程で、いつしか私は「意地悪な義姉」と囁かれるようになっていた。エリクの誤解はすぐに解けたものの、なぜか彼は私に興味を持ち始める。そしてある事件をきっかけに、私を自邸へと招く。「すぐに帰すと言ったのは嘘だ。俺には貴女しかいない、結婚してくれ!」ほんの少し前までは、汚いものでも見るような目で私を見ていたはずのエリク。それが今では熱い眼差しを向けてくる。おまけに、断りきれなかった私を彼はベッドに押し倒し、既成事実を作ろうとする始末! 脇役として平穏な余生を送るはずの私が、主役になる日が来るなんて――⁉
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-田中れいかです。20歳。確か、入院してて。病室で乙女ゲームをしていて ……。目の前の美男子に、自分のことがわかるかと聞かれたから、そう答えた。でも彼が言うには、私は黒崎伶花で、彼は相棒の烏間慧らしい。それって昨日のゲーム? 潜入捜査官なのに、デスゲーム運営組織の黒幕に惚れて悪の女幹部になり、破滅を迎える悲劇のキャラ。もしかして、流行りの「悪役転生」では? だが、医師から下された診断は、一時的な記憶障害。目の前のこのイケメン・烏間慧は、本来ならとっくに死んでいるキャラ。私がかばったらしく、それに責任を感じた彼に、いきなりプロポーズされて……? あ、昨夜、酔った勢いで関係を持ったんだった。
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-勇者パーティーの一員として魔王討伐を果たし、世界に平和をもたらした聖女フィオナ。大歓声で迎えられた凱旋パレードの日、心底ホッとしたのも束の間、聖騎士と魔導士の熱愛が発覚し、勇者は王女と婚約、斥候は娘と感動の再会と、仲間たちはみんな幸せそう。気づけばフィオナだけがぼっち状態だった。焦るフィオナは決意する──「そうだ、婚活しよう」。 魔王との戦いで聖なる力を使い果たし、神殿を卒業したフィオナは、信頼する侍女イルダに協力してもらい、王都で婚活を始める。けれど相手は、挙動不審な商会の跡取り息子に、ママの評価が絶対のマザコン伯爵、棺桶健康法を実践する健康マニア公爵……と曲者揃い。そんな中、フィオナの心の支えになっているのは、五年前に旅先で出会った騎士レオとの文通だった。「助けが必要な時は、いつでも駆けつけます」と、あたたかい言葉を綴る彼に、「いい報告ができるように、次こそがんばろう」とフィオナは前を向く。そんなある日、レオの手紙を、いつもの鷹ではなく一羽の黄色い小鳥が届けにきた。勝手に “ピイちゃん”と名づけたその鳥は、手紙を運ぶだけでなく、いつもフィオナに寄り添い、勇気をくれて……
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2.0「私の子種を受け入れろ。そして私の子を孕め」 建国から八百年を誇るサルマイーナ国。王都ルディカイヤの王城で社交シーズンの始まりを告げる祝宴が開かれる中、音楽と人々の話し声が届かない政務宮でギルバート・コンティーノ公爵は業務を続けていた。彼の濃く澄んだ青い瞳に自らを映さんと大勢の令嬢達やその母親が彼を探し求めている。けれども誰もその氷の心を溶かすことが出来ない『氷の公爵』……いつしかそれがギルバートの代名詞のようになっていた。そのころ、平民の娘ルイゼット・クラフトは警備隊の詰め所に駆け付け、公爵の家に押入った理由を鉄格子の中に捕らわれた父親に問いかけていた。そんなルイゼットにあそこは母さんの家だと主張する父。母さん——ルイゼットの祖母は確かに伯爵家の娘だったときく。が、その家はとっくに没落しており、由縁があったとしても人の家に侵入していいわけが無い。父の処遇はかなり厳しいものになると思われた。ルイゼットは悩んだ末、その邸の主……ギルバート・コンティーノ公爵に父への恩赦を願い出るが——!? 女性嫌いの氷の公爵×苦境に立たされた平民の娘 愛人契約から始まるラブロマンス
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-カリュクス社の社長・宇月晴馬は、動画配信アプリの大成功を皮切りに次々とヒットを生み出し、業界を牽引する気鋭の実業家。長身で整った容姿に加え、誠実で気さくな性格で社員から慕われる存在だ。そんな理想的な上司のはずの宇月だが、彼の専属秘書に任命された日下部巴は、初日から彼に冷たくあしらわれ、挨拶しても無視される有様。彼の態度に悩む巴だが、同僚から宇月本人の指名だと聞かされ、さらに困惑していた。一方で、巴には大切にしているもうひとつの顔がある。個人Vtuber「トモトモ」としての活動。配信を通して誰かの笑顔を生み出すことが生きがいだった。そんな中、恋人との関係には暗雲が立ちこめていた。配信よりも恋人を優先すべきという一方的な価値観に苦しみ、理解の得られない日々が続く。心のもやもやを抱えながら続けた配信で、視聴者の“うるま”から気遣うメッセージが有料チャットで送られてくる。自分の変化に誰よりも早く気づいてくれる“うるま”の存在は、巴にとって大きな救いとなっていた。そしてある日、宇月から「不要」と突き放すような言葉を受けた巴は、ついに抑えていた感情をぶつけてしまい——!? 完璧社長×嫌われ秘書 推し活から始まる勘違いラブ!
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4.0男爵令嬢リリアベル・ハートネットは、五歳で王子エルヴィン・ブライティに一目惚れをして以来、身分違いの恋と知りつつも遠くから彼を見つめ続けてきた。努力の末に王侯貴族ご用達の王立学園へ入学し、彼と挨拶を交わせる関係にまではなったものの、恋心を伝えることはできないまま切ない日々が過ぎていく。しかし、高等部二年生に進級したまさにその日、リリアベルは自身が乙女ゲーム「ルミナリアの学徒」のモブキャラであり、エルヴィンが攻略対象のヒーローの一人であることに気づいてしまう。いわゆるモブ転生……しかも、ゲームはバグだらけのまま三ヶ月でサービス終了したいわく付きである。ヒロインがバッドエンドを迎えると、リリアベルもその悲劇に巻き込まれ無残な最期を迎えてしまう。生き延びるため、転生前の記憶を駆使して早速行動を始めるリリアベルだったが、怪我をした白猫にいきなりキスされたことから物語は大きく動き出す。猫の正体はエルヴィンだった。古から遺る王家への呪いによって獣化しており、異性との接吻で一時的に呪いが解ける……と告げられる。エルヴィン攻略ルートが解放される前にあえなくゲームがサ終してしまったため、この先どのようなストーリーが展開されるか全く読めない。戸惑うリリアベルだったが、獣化の呪いは接吻だけでは解決しないとエルヴィンに押し倒されてしまい……!? 品行方正もとい絶倫ドSな王子×転生モブヒロインのバグから始まるラブストーリー!
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-「ディーンは……本当にわたしでいいの?」 卒業式の日。クレア・コートニーは、同級生のレオと学院の中庭で大樹を見上げて感慨に浸っていた。クレアは学院を卒業後、レオの六歳年上の兄、ウィルキンス伯爵家の当主ディーン・ウィルキンスと結婚することになっている。幼い頃、初めて出会ったその日から彼は特別な存在だった。人見知りだったクレアにも優しく接してくれた初恋の相手。年の差のせいで一緒に学院生活を送ることは叶わなかったが、離れていてもディーンへの想いは強くなる一方だった。そんなクレアにディーンとの縁談が持ち込まれたのは十五歳の頃。ディーンと一緒になれる未来に心が弾んで婚約した。けれども、変わらず優しい彼の隣で幸せを感じながら、もっと相応しい人がいるのではないか、この先、自分以外の女性を好きになってしまったら——と、そんな答えのない不安がクレアの胸をかすめて……
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3.0「ノーラ・ウイットリーッ! 今日をもってお前をこのパーティーから追放するっっ!」 女勇者レヴィは、非力なE級の魔剣士ノーラをパーティーから外す決断を下した。国家から災害級モンスター討伐の緊急招集を受けた今、彼を同行させれば命の危険すらある——そう判断したのだ。戦力としては頼れずとも、野営や財政管理などで仲間にとっては欠かせない存在だった。仲間の反対を受けながらも追放を貫くレヴィ。それでも諦める気配を見せないノーラにレヴィは、酒場で出会ったS級魔剣士アイザックを “新しい仲間”だと宣言し、強引に別れを告げた。だが、討伐のためやって来た駐屯地で、宿敵ともいえるS級パーティー『紅蓮』の一員となったノーラが再び目の前に現れて……!?
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4.0私はこの美しい幼馴染に、何年も片想いを続けている。 春の陽射しの中、赤絨毯が敷かれた階段を下りてくる新郎新婦。吉沢奈津は、初恋を実らせた姉の晴れ姿を見つめていた。新郎の弟・北島理玖にハンカチを差し出され、自分が涙を流しているのに気付いた。心配そうに顔を覗き込む理玖はいつもとは違って、スーツ姿で髪も整えられており顔の造りがよく見える。理玖に見惚れたり、はしゃぐ参列者の女性たち。彼女達のように無邪気に好意をあらわすことができたらいいのに……。そう思いながらも奈津は「幼馴染」という関係のまま気持ちを隠すと決めていた。——今さら好きだなんて……そんなの絶対言えないよ。 時は流れ、二十九歳の誕生日を目前にして『北島整形外科クリニック』での初出勤の日を迎えた奈津。セクハラに苦しみ前職を離れたものの、理玖の父であるクリニック院長の好意により、医療秘書として働くことになったのだ。大学病院で研修中の理玖も二年後にはここで勤める予定だという。嬉しいような困るような、そんな複雑な思いを抱えた奈津の前に白衣を羽織り、相変わらず綺麗な顔をした彼が現れて…… スパダリ御曹司と甘く切ない幼馴染の再会ラブストーリー!
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-藍衣は昨年、唯一の身内である母を病気で喪った元ヤングケアラー。今は保護猫カフェでアルバイトをしながら高校に通っている。ある日、バイト中に先輩が酔って藍衣に絡んできた。店長が留守で困っていると、止めに入ってくれたのは先ほど母の墓参りで見かけた美少年。吉祥院紅雅と名乗る金髪に空色の瞳のその客は、藍衣と同い年の高校生だった。吉祥院グループは幅広い業界でトップシェアを誇る財閥系企業グループで、紅雅はその経営者の息子で御曹司だそうだ。『御曹司の暇つぶし』というチャンネル名で動画配信をしていて、その場で藍衣に手伝いを依頼。保護猫カフェの宣伝にもなるかと考えた藍衣だったが、500人の視聴者が見守る中、いきなり「彼女」と紹介されて……
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-かつて、ラントレア公爵家の令嬢・シャンティの前から、オーガスト・カーニッツは去っていった。それは彼女が人生で初めて味わった——苦い失恋の味。三年後、婚約者との面会を控えたシャンティは憂鬱な朝を迎えていた。婚約者である従兄のトレビィは昔からお調子者の見栄っ張りで、オーガストとは大違い。けれど、すでに生家の子爵家を出て立派な騎士になっている彼にはもう会うことも叶わない。そんな中、面会にやって来たトレビィにケチな彼からは考えられないような高価な宝石たちを贈られる。疑問を抱いたシャンティが訊ねてみると、彼は違法と思われるものを『薬』と偽り国外へと売りさばき、脱税していることを悪びれもせず得意げに語りだした。従兄の悪事に青ざめ、犯罪だと伝えようとしたシャンティだが、その瞬間、騎士の一団が彼らを取り囲む。そこにはあのオーガストの姿が! 思わず見とれるシャンティだが、トレビィと親族一同を国王の命で拘束する、と告げられ絶句する。しかしオーガストは、そんなシャンティと両親に意外な提案をしたのだった。 「ひとつだけ、お嬢様が牢獄行きを免れる策があります。お嬢さんに、私と偽装結婚していただきます」 う、ううううううそっ……わ、私が、私が……——ずっと好きだった人と、結婚!?!?
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-ロスフェルト伯爵家は王命を前に一家総出で頭を悩ませていた。ここ数年、各国で猛威を振るっている感染病・トウサに倒れた隣国の第二王子の療養先として領地クラーセンが選ばれたのだ。王族が滞在するとなると適当なもてなしで済ます事は許されない。けれど、近年領地の整備に力を入れ蓄えを放出していたロスフェルト家には全く財政的な余裕が無かった。いざとなれば支度金と持参金から出すしかないという父の言葉に、フェリーネは、もし王子の滞在を理由に婚約宣誓式を延期出来たら…と願わずにはいられなかった。なぜなら、彼女の心にはかつての初恋の人の影が色濃く残っていたからだ。数年前、トウサが蔓延する隣国に医療団の一員として向かい、看護活動に明け暮れていた際に出会った彼、ユーリ。不揃いに伸びた彼の黒い前髪の間から、碧の瞳がのぞくのが好きだった。フェリーネの視線に気がついた彼の瞳が、前髪の下で細められるのが好きだった。痩せた彼の背がフェリーネより高いところも好きだったし、筋張った手の動く様子も好きだった。でも、すべては過去のことだ。そのはずだったのに……。 突然名前を呼ばれ、フェリーネは反応できないでいた。まさか、とこぼれ出そうになった言葉を抑えようと口元を両手で覆う。婚約を控えた今になって、ユーリが、初恋の人が目の前に現れて——
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-ティアナは16歳の誕生日を迎えるたびに、時間を遡ってしまう。回帰するたび、祖国は滅亡の危機に瀕していた。戦火、陰謀、疫病——どれほど抗っても、未来は変わらない。この回帰を繰り返す原因を突き止めるためにも、ティアナは常に新しい選択をしなくてはならなかった。そして今回、彼女が選んだのは、一度も試してこなかった幼馴染であり王太子・アルタとの結婚。だが、ティアナの思惑とは関わりなく、アルタはすでに「結婚するならティアナだけだ」と心を決めていた。驚くほどとんとん拍子に婚約が決まり、ティアナは次第に真っ直ぐに愛を伝えてくるアルタに惹かれていく。しかし「9年後にはまた回帰して、彼の傍から離れてしまう」という切実な恐れを抱き……。そんな中、祖国を脅かす疫病の蔓延を防ごうと奔走するティアナだったが、なぜかアルタは彼女の行動を制限し、さらには誰も知り得ないはずのことを口にする。もしかして、アルタはティアナの回帰を知っているのか? もし知っているのなら、なぜ邪魔をするのか? アルタへの疑念と愛の狭間で揺れるティアナは——
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5.0王城で侍女として働くアンネは、主人の部屋に飾る花を摘もうとしていたところ、見たことのない真っ黒な猫と目があった。何故かひどく胸騒ぎがして追いかけると、黒猫は突如、庭に散歩に出ていた国王ベルトランの前へと出ようとした。咄嗟に猫と国王の間に飛び出したものの、その瞬間、凄まじい光に包まれアンネの記憶はそこで途絶えてしまう。次に目覚めると、どうも身体の様子がおかしい。血管が浮いている日に焼けた大きな腕……。すると、仕えている王姉のマリーディアが心配そうにアンネに声をかけてきた。ベルトラン、と何故か敬愛する王の名でアンネを呼んでくる。周囲の様子に慌てて姿見を覗き込むと、そこに映っていたのは自分の顔ではなく、精悍な見知った顔だ。まったく現状についていけず途方に暮れるアンネだったが、あることに気づく。私が陛下だとして……それなら、アンネはどこに? 静止する声も構わず隣の寝室に飛び込んだアンネは、半ば予期していたものを見た。 「アンネ、お前も目が覚めたのか」 そう、それは、アンネの体を使って豪奢な椅子に貧相な体を埋もれさせながら腰掛けているベルトランの姿だった—— 二人は無事、元の身体に戻ることが出来るのか!? 俺様陛下×天然侍女の入れ替わりラブコメディー!
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-大東産業株式会社、通称DTIで派遣社員として勤務している美優。大企業が持つ威風と、そこに集う優秀なスタッフたちに囲まれ、自らも社員登用のチャンスを掴もうと、どんな仕事でも決して手を抜かずに対応している。秘書課の女たちに見下されても笑顔を忘れない。エリートぞろいの社内で、恋活にも余念がない。そんなある日、美優がダブルワークで勤めるスナックに、技術営業の石崎が現れた! かつて美優は石崎に密かに恋心を抱いていたのに、「あなたのような女性は苦手なんです」と面と向かって言い放たれたのだ。だがスナックでの邂逅の日を境に、二人の距離は少しずつ縮まっていく。やがて美優は石崎の家に行くことになるのだが—— 大企業を舞台に頑張る女子の恋を追うDTIシリーズ第6弾!
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-女神を戴き魔法の力が満ちる神秘の国アルバート。十八を迎え、初めて王家主催の夜会に参加することとなった辺境伯令嬢アマーリエは、王太子との婚約を控え鬱々としていた。幼少期になされた婚約だったが、最終的な確定はアマーリエの社交デビューの年にすると決められている。アマーリエの母は二十六年前この世界に現れた二代目聖女だ。この婚約は聖女たる母の浄化の力と聖魔法の能力を継いだアマーリエの血を王家に取り込むため、国の都合で勝手に取り決められたものだった。かつて母は、周囲の期待をよそにキラキラ優男系王子をフッて思い人……屈強な筋肉を持つ辺境伯子息である父と結ばれた。一方、見掛け倒しの筋肉にしか興味のない王太子や辺境の筋肉自慢の男たちに辟易していたアマーリエは、屈強な男性よりも繊細な美しさを持つひとが好きだった。そう、彼女の聖魔法の教師、上級神官ヴィルフリートのような。けれども神官は教義を基に婚姻も子作りも禁止されている。その上、誰もが王太子とアマーリエの婚姻を望んでいるのだ。ヴィルフリートへの思いが成就する可能性は無いかと思われた。だが、そんな気の進まない夜会で事態は一変して……!?
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3.3島全体が『王立魔法学院』という魔法の技術や歴史を学ぶ学校になっているイーシャ島。ラトナ・バインガニーは厳しい採用試験を潜り抜け、教師として、かつて青春を過ごした学院に戻ってきた。在学中からの夢を叶えたラトナをかつての恩師たちは暖かく迎え入れてくれたが、ひっそりと立つ長身の男性の姿を見つけた途端、ラトナの胸がどくりと鳴った。サフェード・カル・アーダルシュ。公爵家の次期当主にして勉学の先輩でもあり恋人でもあった男。いまだ別れを引き摺るほどに恋焦がれた初恋の人がそこにいた。別れてから七年。やっと夢を叶え、最近ようやく新しい恋をしてみたいと思えるようにもなったのに、ここで再び心を乱されたくはない。──それなら。 「す、すみません! 私、実は二年前に事故にあって、なぜか高等部の時の記憶がないんです!」 飛び出したのは、サフェードどころか高等部時代をすべて覚えていないと言い張るとんでもない嘘で……!?
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-彩夏は恋愛シミュレーションゲーム【マジック☆レボリューション】のキャラクター、ウィリアム・シュラルド(通称:ウィル)を激推ししている。どんなに仕事に忙殺されても頑張れるのは、ひとえにウィルのおかげである。ゲームに興じながら二次元と三次元の超えられない壁に淋しさを覚えていた彩夏だったが、ある朝目覚めたら、隣にはウィルの姿が! しかも、「お前、そんなに面白いやつだったのか」って……しゃべった!? これは夢? そして、こちらの世界で暮らすことになったウィルと彩夏との同棲生活が始まった。だが、幸せを噛みしめるほどに、いつか来る別れを考えてしまう彩夏。そんなある日、突然ウィルが体調を崩してしまう。原因は魔力の低下で、これを補うには、彩夏の体内に流れている、魔力によく似たものを吸収するしかないらしい。彩夏はウィルを救うため、自分のすべてを捧げると伝える——
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-契約社員として総合商社に勤める沙莉。今夜も残業を終えて馴染みのバーで飲んでいると、男女の別れ話が聞くともなしに聞こえてきた。女性の身勝手とも思える言い分にもやもやしながらも、そんな女性に潔く終わりを告げる男性にどこか心惹かれた沙莉は、一杯ごちそうしようかなどと考えていた。やがて沙莉の隣に移動してきた男性の横顔を見てみれば……なんと同じ会社の営業部のエース・浅染だった。愚痴に付き合ってと言われるままに、沙莉の失恋話も告白することに。以来ふたりは距離を縮めていく。浅染に惹かれていることを自覚する沙莉だったが、引く手あまたの人気者である浅染には噂話や女の影が絶えない。この心地よい関係を失わないよう、沙莉はかつて幼なじみへの恋を封印したように、浅染に芽生えた気持ちも封印すると決意する——
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1.0病弱な兄のスペアとして幼少期から後継者教育を叩き込まれてきた侯爵家当主ローズは、一般的な令嬢のような社交を経験してこなかった。その上、男性に対して心が開けず色恋沙汰など皆無。そんな有様から、彼女には『氷の女侯爵』という二つ名がつけられていた。——少しでも何か心に響く男性に出逢ったら、絶対に捕まえること! 数少ない友人のアドバイスを胸に建国祭に参加したローズだったが、偶然、氷の女侯爵を建国祭最終日までに落とせるか——と数人の男性達から自分自身が賭けの対象にされたことを知る。適当に弄んで返り討ちにしてやればいい。そう考えていた彼女の許へやって来たのは、銀に近いプラチナブロンドに透き通った淡いブルーの瞳の見入ってしまうほど麗しい男。侯爵のパートナーの座を目当てに擦り寄ってくる男達には辟易していたローズだったが、ありふれた誘い文句を告げる男の目は、これまでに近づいてきた男達とは明らかに違っていて——
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3.0ここは、前世で大好きだった、魔法が存在する恋愛ファンタジー漫画の世界。私は、前世で最推しだったクリスティアン殿下の婚約者である公爵令嬢・ルウナに転生している。この世界で、前世の技術を活かし、アクセサリーや雑貨に魔法の効果を加えたハンドメイド品を製作していた。そして、大好きなクリスティアン殿下とは良好な関係を築き、幸せな日々を過ごしている——けれども、問題がある。ルウナは悪役令嬢で、原作通りならヒロインを虐めた罪で、もうすぐ死刑になる運命なのだ。破滅の道なんて絶対に歩かない! そう決意した私は、取り巻きを作らず、ヒロインのヒルダ嬢とは極力関わらないようにし、悪目立ちすることなく魔法学園を無事に卒業した。だが、ある日、クリスティアン殿下が優しい眼差しで私のハンドメイド品の製作を見守り、夢のような幸せを感じたのも束の間、ついに彼とヒルダ嬢が運命の出会いを果たしてしまう。果たしてルウナは、無事に破滅を回避して、クリスティアン殿下と結ばれることができるのか!?
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-弟の担当医(推し)が小説投稿サイトに小説を連載してるの? ヤングケアラーのつむぎは、先生を応援することにした! 毒親家庭だったうえ、その両親すら事故で亡くして以降、病弱な弟の面倒を見ているつむぎ。ひそかに好きな、かかりつけの小児科医の恵一先生がウェブに小説を投稿しているらしいと知って、さっそくチェックしてみた。だが、「この小説は長期間にわたって更新されていません」というメッセージが。そういえば看護師らが、埋もれているだの、スコッパーに見つけてもらえたらだのと話していた。一念発起してスコッパーとなり、読み専のネットコミュニティに入ったつむぎは、恵一先生の小説の推し活を始める。リアルでバレないかとドキドキしていたが、弟の後押し(?)もあって、デートすることに。やがてつむぎは、ウェブ小説沼にも恵一沼にもはまっていく…… 番外編として、作中小説『余命1年の魔女ですが、死ぬ前に悪役を救おうとしていたら原作にない三角関係が始まっちゃいました!?』も収録
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2.0継母と義妹によって悪役令嬢に仕立て上げられてしまった公女アデリアは、『軍神』『銀の英雄』と称えられる大公ジークハルトとの婚約破棄を申し渡される。そしてアデリアは素直にそれを受け容れた。だが、追い打ちをかけるようにジークハルト本人から修道院行きが命じられ……いや、そんなの、原作になかったでしょう? アデリアは、令和の世ですべてにおいて残念な子の生まれ変わり。前世の記憶も、原作の記憶もあって、できる限りの手は打ってきたつもりだった。修道院に連れていかれる前に屋敷を脱出したアデリアは、亡き母の遺言にしたがって、教会裏のレーゼル商会へ。そんな彼女を出迎えてくれたのは、わが子同然に愛してくれた乳母だった。そこでアデリアは、レーゼル商会は亡き母が出資したということを知り、自立を決意。さらに乳母から今や継母の計略でコーヒー豆とカカオの輸入で失敗して破産寸前であることを聞かされて、黒幕たちに立ち向かうことを心に誓うのだった。——ザッハトルテで勝負よ。
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4.0「よし、じゃあ約束だ。大きくなったら一緒にお城で暮らそう」 ユスティーナは四歳のとき、突然やってきた異母妹と継母を新しい家族だと紹介された。父であるクロニエ子爵は、ユスティーナに関心を寄せず、継母のソニヤには冷たく突き放され、そばかすのある顔を見て嘲笑される。反対に、肌に染みひとつない可愛らしい顔をした異母妹のライラは溺愛されていた。それでも、新しい家族に馴染もうと奮闘するユスティーナだったが、六歳になったある日、今まで言われてこなしていたことが、ソニヤによるいじめであり、自分だけが疎外されていることに気づいてしまう。 新しい家族の絆が生まれればと思い、ピクニックに誘ってみるも叶わず、一人出かけたユスティーナは、伯爵家の屋敷の裏庭で剣の稽古をする子供を見かけ声をかけた。ニコと名乗る美しい少年はエルヴァスティ伯爵家の親類にあたり、家の事情があってここで暮らしているという。交流を重ねて仲良くなる二人。将来は城で仕事をするというニコに、騎士になるのだと思ったユスティーナは、家にいるよりも自由で、ずっと一緒にいられるかもしれないと、自身も城で働くことを宣言するのだが……!?
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