小説・文芸 - 作品社作品一覧

  • 山本周五郎[未収録]ミステリ集成
    -
    「少年少女譚海」掲載の冒険譚から、「新少年」掲載の短篇ミステリ、「講談雑誌」掲載の艶笑譚まで――。 文豪・山本周五郎による、これまでの全集/選集に収録されていなかったミステリを大集成! 長篇3作品、短篇10作品、すべて単行本初収録! 〈周五郎少年文庫〉の完結直後、山本周五郎の作品を蒐集されている小林俊郎氏から所有している周五郎作品のリストをお送りいただいた。そのリストには「少年少女譚海」、「新少年」を中心に、単行本未収録の二〇作品のタイトルと初出誌が記されていた(その中には長編連載『幽霊要塞』の全巻号揃もあった)。早速、小林氏に連絡を取ったところ、貴重な雑誌を貸していただくことができ、本書『山本周五郎[未収録]ミステリ集成』』の刊行に繋がった。  本書は、『山本周五郎探偵小説全集』にも、〈周五郎少年文庫〉にも収録されていない、周五郎が戦前に発表した探偵小説の中でも特に珍しい作品ばかりを収録した。全作が単行本初収録で、底本はすべて初出誌である。(「編者解説」より)
  • 泉鏡花きのこ文学集成
    3.0
    1巻2,970円 (税込)
    「牛肉のひれや、人間の娘より、柔々(やわやわ)として膏(あぶら)が滴る……甘味(うまい)ぞのッ」 “世界に冠たる「きのこ文学」作家”泉鏡花の8作品を集成! 『原色日本菌類図鑑』より、190種以上のきのこ図版を収録! その魅力を説く「編者解説 きのこ文学者としての泉鏡花」付!  お姫様は茸(きのこ)だものをや。  紅茸と言うだあね、薄紅(うすあこ)うて、白うて、美い綺麗な婦人(おんな)よ。  山路はぞろぞろと皆、お祭礼(まつり)の茸だね。坊様も尼様も交ってよ、尼は大勢、びしょびしょびしょびしょと湿った処(ところ)を、坊主様(ぼんさま)は、すたすたすたすた乾いた土を行く。湿地茸(しめじたけ)、木茸(きくらげ)、針茸、革茸(こうたけ)、羊肚茸(いぐち)、白茸、やあ、一杯だ一杯だ。  初茸なんか、親孝行で、夜遊びはいたしません、指を啣(くわ)えて居るだよ。……さあ、お姫様の踊がはじまる。(「茸の舞姫」より)
  • 宮沢賢治きのこ文学集成
    NEW
    3.0
    1巻2,970円 (税込)
    とりて来し 白ききのこを見てあれば なみだながるる 寄宿のゆうべ “日本を代表するきのこ文学者”宮沢賢治の短歌・詩・小説・童話を集成! 『泉鏡花きのこ文学集成』に続く、「きのこ文学」シリーズ第二弾! その魅力を説く「編者解説 きのこ文学者としての宮沢賢治」付!  楢夫(ならお)は夕方、裏の大きな栗の木の下に行きました。其(そ)の幹の、丁度(ちょうど)楢夫の目位高い所に、白いきのこが三つできていました。まん中のは大きく、両がわの二つはずっと小さく、そして少し低いのでした。  楢夫は、じっとそれを眺めて、ひとりごとを言いました。 「ははあ、これがさるのこしかけだ。けれどもこいつへ腰をかけるようなやつなら、ずいぶん小さな猿だ。そして、まん中にかけるのがきっと小猿の大将で、両わきにかけるのは、ただの兵隊にちがいない。いくら小猿の大将が威張(いば)ったって、僕のにぎりこぶしの位もないのだ。どんな顔をしているか、一ぺん見てやりたいもんだ」  そしたら、きのこの上に、ひょっこり三疋(さんびき)の小猿があらわれて腰掛けました。(「さるのこしかけ」より) 【内容目次】 短歌四首 詩:何をやっても間に合わない/休息/おい けとばすな/スタンレー探検隊に対する二人のコンゴー土人の演説/秘境/林と思想 小説・童話 さるのこしかけ/三人兄弟の医者と北守将軍/あけがた/車/ビジテリアン大祭/税務署長の冒険(抄録)/谷/二人の役人/どんぐりと山猫/狼森と笊森、盗森/鹿踊りのはじまり/土神ときつね/朝に就ての童話的構図 編者解説 きのこ文学者としての宮沢賢治 飯沢耕太郎 【著者プロフィール】 宮沢 賢治 (ミヤザワ ケンジ) (著) 1896年岩手県花巻生まれ。盛岡高等農林学校(現岩手大学農学部)卒業。1921年から花巻農学校で教諭を務める。1926年に退職し、羅須地人協会を設立、農業技術指導などを行なうが、1928年に過労で倒れ、以後は療養生活を続けながら執筆活動を行なう。1933年9月21日没。享年37。生前に刊行された単著は、詩集『春と修羅』(1924)、童話集『注文の多い料理店』(1924)のみであったが、1934~35年には文圃堂から全3巻の全集が、1939~44年には十字屋書店から全6巻+別巻1の全集が刊行された。戦後も筑摩書房から数次にわたって全集が刊行されている。 飯沢 耕太郎 (イイザワ コウタロウ) (編) 1954年生まれ。写真評論家、きのこ文学研究家。きのこ関連の著書に、『世界のキノコ切手』(プチグラパブリッシング、2007)、『きのこ文学大全』(平凡社新書、2008)、『マジカル・ミステリアス・マッシュルーム・ツアー』(東京キララ社、2010)、『きのこのチカラ きのこ的生き方のすすめ』(マガジンハウス、2011)、『フングス・マギクス 精選きのこ文学渉猟』(東洋書林、2012)など、編書に、『きのこ文学名作選』(港の人、2010)、『きのこ文学ワンダーランド』(共著、DU BOOKS、2013)、『世界のかわいいきのこデザイン』(共著、DU BOOKS、2016)、『きのこ漫画名作選』(Pヴァイン、2016)、『泉鏡花きのこ文学集成』(作品社、2024)など、監修に、玉木えみ『少女系きのこ図鑑』(DU BOOKS、2013)、玉木えみ『増殖・少女系きのこ図鑑』(DU BOOKS、2015)などがある。
  • MEMORABILIA 谷川俊太郎
    NEW
    -
    1巻2,640円 (税込)
    ★作品社公式noteで「第一章」公開中→「MEMORABILIA 谷川俊太郎 試し読み」で検索! 半世紀にわたる親交の思いのほどを筆にたくした、とっておきの詩と真実―― 谷川俊太郎さんと長年公私にわたって交流を重ねてきた詩人が、これまであまり語られることのなかった貴重なエピソードを交えながら、その思い出を綴る。 〈飄々とした筆致で綴られる敬意とからかいのないまぜ(笑)。親しかったからこそだなあ。父は勉さん大好きでした。いつも気にかけていました。無頼な風なのに繊細で優しい。そしてミュージシャンの私は勉さんと朗読とピアノで対決♫した思い出、とても大切。俊太郎愛に溢れた勉さんの語り。私も知らなかったことと、そうか、こういう見方もありか満載!〉――谷川賢作(音楽家) 【目次】 第一章 ネリリし キルルし ハララし――「二十億光年の孤独」 第二章 詩人のふりはしているが 私は詩人ではない――「鳥羽 1」 第三章 自分の些細な感覚にこだわってみよう――『ナンセンス・カタログ』 第四章 ひとつのアルカディアに近いところだったかも――「我がアルカディア」 第五章 高原へ来て 世界を欠席してしまった――「山荘だより」 第六章 結局死というのは結婚なんですね。――『魂にメスはいらない』 第七章 声は涸れ 足は萎え 母を売りに行った――「母を売りに」 第八章 本物のヌードと画のヌードはどちらが 本物のヴァギナと画のヴァギナは――「画廊にて」 第九章 かっぱかっぱらった かっぱらっぱかっぱらった とってちってた――「かっぱ」 第十章 父はやせていたからスープにするしかないと思った。――「父の死」 第十一章 詩なんてアクを掬いとった人生の上澄みねと――「マサカリ」 第十二章 あの青い空の波の音が聞えるあたりに 何かとんでもないおとし物を――「かなしみ」 第十三章 そしてという 接続詞だけを 残して――「そして」 第十四章 僕はもう芸人になることを目標としてがんばっているんですから。――「決まり文句を捨てて いけるところまで クールに ホットに」 第十五章 すべて終わったと知ったあとにも 終わらないそのあとがある――「そのあと」 第十六章 ひとのからだとこころの深みに 未生の詩は太古から用意されていた――「永遠の一滴」 あとがき 【著者プロフィール】 正津 勉(しょうづ・べん)(著) 1945年、福井県生まれ。同志社大学文学部卒業。詩人・文筆家。詩集:『惨事』(国文社)、『正津勉詩集』(思潮社)、『奥越奥話』(アーツアンドクラフツ)、小説:『笑いかわせみ』『河童芋銭』(河出書房新社)、評伝『忘れられた俳人 河東碧梧桐』(平凡社新書)『乞食路通』『つげ義春 「無能の人」考』『つげ義春 「ガロ時代」』(作品社)、評論:『裏日本的』『辺境的』(作品社)ほか。
  • 山本周五郎[未収録]時代小説集成
    -
    「少年少女譚海」、「講談雑誌」、「新少年」などの雑誌に発表された人情譚、怪異譚、冒険譚――。 文豪・山本周五郎による、これまで単行本に収録されなかった作品、流布版との異同の多い作品を一挙集成! 長篇2作品、短篇19作品、幻の作品群が姿を現わす!  山本周五郎が戦前に発表した時代小説は、探偵小説ほど未発見の作品は多くない。それでも散逸が激しい「講談雑誌」や少年雑誌、注目される機会が少ないマイナー雑誌や専門誌などに掲載された作品は、埋もれたままになっている。  本書には、『山本周五郎探偵小説全集』にも、〈周五郎少年文庫〉にも収録されていない、周五郎が戦前に発表した時代小説の中でも特に珍しい作品ばかりを収録した。その多くは単行本未収録で、単行本が底本として流布している作品の初出誌版、逆に初出誌が底本として流布している作品の初単行本版なども収めた。興味のある方は、バージョン違いの作品を比較してみるのも一興である。(「編者解説」より)

最近チェックした作品からのおすすめ

無料で読める小説・文芸

一覧 >>