名称未設定さんのレビュー一覧

皆に読んでもらいたい

身体は女に生まれ、心は男のイツキの物語。
性同一性障害の人が抱える社会や性、家族の事が、赤裸々に表現されています。
今まで自分は知っていると勘違いしていたんだな、と知りました。
イツキの葛藤にぐんぐん引き込まれ、読んでいて辛かったり、泣きたかったり、ホッとしたり…あっという間に読んでしまいました。

読み終わって、様々な人が生きる社会についてや、自分の生き様を考えさせられています。
心にグッと衝撃のある、お話だと思います。

一気に読みました

遊郭で人気太夫をしている忍(紫乃)。遊郭に居るのには訳がありました。
また、忍にぞっこんのクリストは、なんとか遊郭から忍を救いだしたいと考えています。

読んでいるうちに、様々な謎が少しずつ見えてきて、解決していくので、すっかり引き込まれてしまいました。
忍もクリストも、話の中では外せないクリストの友人も、人柄が大層魅力的でキュンキュンしました。

2人が幸せを掴み取る時は、とても爽快で、その後の暮らしに触れられているのも、読み終わりに幸せな余韻をもらえました。

兄をひたすら慕うクリストと、その生い立ちから目標の為に、真っ直ぐなクリストを利用しようとするレイザックのお話。

王子として大切に育てられ純心なクリストに、惹かれながらもイライラして、レイザックはかなり辛く当たります。
最後はラブラブでしたが、それに至るまで、読んでいて心が痛かったです。
辛い後のハッピーエンドだったので、最後はホッとしつつ、喜びもひとしおでした。

アマゾンで長年過ごした海緯が、郁望を好きで好きでどうしようもなく、一途に迫るお話です。
海緯は大自然で育ったので、感覚が宇宙人の様。海緯の突拍子もない行動と、それに衝撃を受ける郁望のやりとりが、とても可笑しくて、沢山笑いました。
育った環境から感覚は違えど、一生懸命好きな人に気持ちを伝える様は、高尾先生の『鬼の王に～』シリーズの夜刀に似ています。
でもこの作品は、底抜けに明るい感じが好きです。
最後はここで終わり！？と思ったのですが、話の流れから、その後が容易に想像でき、二人のどたばたとしながらも、明るく過ごしていく未来をあれこれ考える楽しみがあります。
面白かったです。

強い元ヤンキーの虎央と、虎央に一途な年下一心のお話です。
ちょっと個性的な年下が幼い頃に恋して一途な様は、川琴ゆい華先生の他書『盲愛ショコラホリック』を彷彿とさせますが、お話は家族を含めて進行していきます。

元ヤンキーとはいえ、優しさの信念がある虎央に、包容力たっぷりの一心との関わりは、心がほっこりします。
子持ちの環境に負けず愛を育み、これからも様々な障害を皆で乗り越えていくのだろうなと、読み終わりも満足でした。
面白かったです。