圧倒される画
五十嵐大介という漫画家の作品は、コマというコマの画からものすごいエネルギーを感じる。
生命の息吹が、静かに大きな波となって読者を包み込む。
人間・動物・神・自然、それらが互いの世界に重なり合い、別視点の感覚を呼び起こす。普通の感覚とはまったく違う、普段は眠っている原始的な・本能的な感覚を揺さぶられるようで、だからこの作品を読むと、怖いのかもしれない。
この「そらトびタマシイ」は短編集となっている(ほかに短編集といえば「はなしっぱなし」がある。こちらも名作)。
「海獣の子供」のような長編もいいが、短編こそ、五十嵐大介の本領発揮だと私は感じる。