あらすじ
兄が死んだ。私は兄の恋人だったひとと、兄の墓参りに来ている──……。これは、兄の恋人と私と「兄だったモノ」のおぞましい恋の話(著者名:マツダミノル/初出:GANMA!8話掲載分)
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「次にくるマンガ大賞2023」にノミネートされた注目作品です。
妹と兄の恋人が兄を偲び、その死に向き合う中で、仲を深めていく様子が描かれていくのかと思いきや…
いい意味で期待を裏切られました。
女子高生の鹿ノ子(かのこ)は、若くして病気で亡くなった兄・騎一郎(きいちろう)のお墓参りに来ていました。一緒に来たのは、兄の生前の恋人である聖(ひじり)。
そこで、鹿ノ子は見てしまったのです。おぞましい姿で、「トルナ…オレノダ…」と言いながら、聖の背中にまとわりつく兄の悪霊を。
聖に密かに恋心を抱いていた鹿ノ子は、悪霊となった兄から聖を守るため、そして、聖に恋愛対象として見てもらうために、聖が住んでいる広島に通うことを決心します。
それから、鹿ノ子と悪霊となった兄が聖を取り合う愛憎劇が始まるのです。
しかし、物語が進むとさらに別の展開を見せます。
聖へ狂信的に執着する人物や聖の元恋人の登場により、優しくて、無害そうに見えた聖の隠していた秘密や過去が明らかになっていき、サスペンスホラーの側面が露わになっていきます。
優しかった兄がどうしてこんな悪霊になってしまったのか?
なぜ兄の悪霊は聖に取り憑いているのか?
そもそも悪霊は本当に「兄」なのか?
気味が悪くて、おぞましい。でも読み進めずにはいられない。そんな作品です。
感情タグBEST3
気になる
今回は言葉の節々に気になるところが多い巻でした。伏線を張っているというか、これはいったいどう言ういみなんだろうと考えるところが多かったです。
誑かす?
言に狂うと書いて「たぶらかす」
元カノから「あの時も…」と言われてちょっと過去を思い出しながらニヤついた聖さん。
無罪じゃなさそうだよね、この件。
応援できない恋
亡くなった兄が付き合ってた恋人(性別は男)を兄の亡霊と取り合う女子高生の恋愛物語。
『兄だったモノ』というタイトル通り、恋人にとり憑いている亡霊の外見は兄の姿ではなくなっているので本当にそれが兄なのかどうかを疑いながら読んでいる。
兄という男がまたよくわからない人物で、過去には女性とも恋愛していたし、亡くなる最期は男の恋人の家で過ごしていたり、妹に向かって『お前もあいつのこと好きになるよ』と、後の三角関係(?)を匂わせるなんかご都合っぽい伏線の張り方。
途中、兄が付き合ってた女(妹とも面識あり、恋人の男とも旧知の仲)が登場していろいろ世話を焼き始めるのだが、とり憑いているモノの姿が妹とその女にだけ見えるというのも都合よくて、違和感。
ストーリーの進行上仕方ないのだろうが、そもそ男性と恋愛していた男が果たして女性を簡単に好きになるのかどうかという疑問がずっと頭にこびりついて物語に集中できない。
しかもその妹というのが、兄の恋人とつながるための口実として兄の遺骨を親に隠れて渡したり、男と会うために貯金を使い果たすまで飛行機で遠い広島まで通い続けると決意したり、兄の亡霊に対してむき出しのライバル意識をぶつけたり、痛々しいガムシャラ感ばかりが先に立ち、この子の良い所の描写や、読み手が感情移入できるところが皆無。この恋をまったく応援できない。
次の展開次第では読むのをやめようかなーと考え中です。
匿名
鹿ノ子のあんな顔を始めてみました。彼女も兄に似た部分がある?南さんは何かを感じた?南さんは実の妹の鹿ノ子よりも、騏一郎をわかっているし聖さんのこともわかっている?この先がちょっと怖いです。