【感想・ネタバレ】東京ナイトメアのレビュー

あらすじ

結婚式の会場に、突然死体が降ってきた!? 東京の空には有翼人の影が……。完全無欠の美貌と最悪の性格、とてつもない財力を持つスーパーヒロイン・薬師寺涼子が勇躍、捜査に着手する。国家機密も周囲の迷惑も無視して踏みこんだ先では、まさかの展開が。キャリア官僚の制服はレオタード。傍若無人の怪奇事件簿、第二弾。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

数十年ぶりに勘違いが是正されました。
私、薬師寺涼子と小早川奈津子をごっちゃにしてました。
どちらも田中芳樹の作品に登場する人物です。

最初に読んだのが『創竜伝』で、小早川奈津子の強烈な個性というか、アクの強さに驚きました。
敵も味方も関係ない。
天上天下唯我独尊。
金も権力もすべて自分のためのもの。

次に読んだのが『摩天楼』。
敵も味方も関係ない。
天上天下唯我独尊な薬師寺涼子。
でも、警察?完璧なスタイル?
…多分、『創竜伝』のあの人の、巨体になる前の前日譚だ。
しかしなぜまあ、あのような変貌を遂げることになってしまったのか。
よし、シリーズものみたいだから、いずれ読んで謎を解明しよう。

そして、『摩天楼』の続編であるこれを読んで、勘違いに気付いたのである。
っていうか、『創竜伝』を再読したので、名前の違いと、心根のありようが全然違うことに気づけたのでした。

薬師寺涼子は、いい。
いや、性格は悪いけど。
でも、自身の正義感に基づいて行動するからね。
手段は問わないけど。
他人のことは知ったこっちゃないと言っていても、彼女のターゲットはあくまでも政治家や宗教家や大企業の経営者で、税金を使って私腹を肥やすようなやつらと、そのおこぼれにありつこうと蠢いているやつらばかりだ。

今回はほとんど使われることのない財務省の三田分室(大豪邸)を舞台に、最初は政治家と宗教家が幽霊会社を通じて助成金を着服している件を追っていたはずだったが、その地下で行われていた怪物の生成の秘密まで知ってしまい…。

作者がストレス解消のために描いたというだけあって、読んでいるほうもストレス解消ができる。
なんといっても、日ごろ私腹を肥やしているであろう政治家たちを糾弾しきれないのは、それなりの手続きを通してて法に則った言動でないと弾劾できないから。
それを薬師寺涼子は、まず自分の頭で考えて体を動かして、手段は問わず、理屈は後からこじつけることで結果を出す。

本来なら、正義を振りかざせば手段は問わない的な行動は好きではない。
でも薬師寺涼子は、好きな言葉として「勝てば官軍」を挙げている。
確信犯だ。

そして田中芳樹お得意の、軽妙な会話のやり取り。
目に浮かぶかのような、派手で大仰なアクションの数々。
これはもう極上のエンタメ小説として笑って流すしかなかろう。
きっかけは勘違いだったけれども、これからもシリーズを読んでいこうと思う。

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2025年03月22日

ネタバレ 購入済み

お涼さまシリーズの2作目。
相変わらずパワフルなお涼さま。今作も楽しませていただきました。
陰陽師に怪物に黒魔術、一つ間違えばナンセンスと言われそうなものですが、お涼さまのキャラがそうはさせないのです。
ちょっとしたエンターテイメント、面白かったですよ。
今まで、フツー⁉︎の警察ミステリーばかり読んできたので、お涼さまシリーズ読了後、元に戻れるか心配です。
お涼さま大好きです。

0
2021年09月17日

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