あらすじ
その誰かは、そこにあるものが本当にあることを確認するために、彼の幅広い手をいっそう強く握りしめた。長く滑らかな指、そして強い芯を持っている。青豆、と天吾は思った。しかし声には出さなかった。彼はその手を記憶していた。──青豆と天吾、二人は「物語」の深い森を抜けてめぐり逢い、その手を結び合わせることができるのか。ひとつきりの月が浮かぶ夜空に向かって……。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
天吾の居場所と牛河の存在を発見した青豆は、タマルの協力と理解を得て天吾との再会を果たし、この世界から抜け出すためにもう一度降りようとして発見できずに命まで断とうとしたあの階段を、逆に昇っていく。たどり着いた世界は元の1984年なのか、第3の世界なのかはわからないが、生き抜く覚悟を決めて終わる最後は、シリーズ通しての伏線回収がされて、満足いくものだった。ずっと月を見上げてきた2人が、最後の最後は、夜が明けて月が消えていくまで眺めていた、で終わるのも希望を感じさせた。
Posted by ブクログ
6冊もあるが間延び感もなく、飽きることがなかったので読むのが遅い自分でも2ヶ月で一気に読めた。
物語は一言でいうと「1984年と1Q84年の間を彷徨う2人の純愛ラブストーリー」といった感じだが、一言で言い表せない部分が多すぎる。
ジョージ・オーウェルの「1984年」もやはり作中で触れられていて、「ビッグ・ブラザー」との対比で「リトル・ピープル」はなるほどと思った。
天吾と青豆の視点が交互に語られる形式だが、5巻から牛河の視点での語りが入り、(まんまと)おお!となった。
この牛河の描かれっぷりがよくこんなに表現できるなと思うほど本当に気持ち悪い(笑)のだが、本作で一番印象に残ったキャラクターだ。(天吾の牛河に対する心の声が面白かった)また、本作で一番心に残った言葉も牛河の「知識や能力はあくまで道具であり、それ自体を見せびらかすためのものではない。」という言葉だ。他にもっと心に残るようなフレーズがあったように思うけど、なぜかこれが一番だった。
他にはふかえりの宇宙人感が可愛いかった。それとNHKの集金人が怖すぎた。
あと物語の途中まで天吾に魅力を感じていなかったが、後半の方で青豆が天吾を20年ぶりに目にした時の恋する乙女の心の声を聞いているとだんだん天吾が魅力的に見えるようになったのが個人的に面白かった笑
こんな素晴らしい大作に対してこんな感想しか残っていないのは自分のせいなのか作品のせいなのかわからないが、とにかく面白いという一言に尽きる。
Posted by ブクログ
満足感がすごい。謎が多く残る結末で納得いかない人も多いだろうが、個人的には大満足。結末は賛否あると思われるが、そこに至るまでの過程は文句のつけようがなく面白く、大好きな作品です。
Posted by ブクログ
(青豆)(天吾)
すべり台にて再会を果たす
首都高の非常階段を登ると、元の一つの月の世界に
そのままホテルにて念願の行為を果たす
戻ったのは本当に元の世界なのか?
どんな世界であろうと、青豆と天吾で様々な困難を乗り越えることを決意
(牛河)
月が二つあることに気づく
知りすぎたためにタマルに殺される
空気さなぎとなる
Posted by ブクログ
2025/9/15
ヤナーチェックのシンフォニエッタを聴きながら読みました。村上春樹の本は2年ぶりに読んだけれど、歳を重ねるにつれて面白くなっていくなと感じます。文庫版は6巻までの構成になっていましたが、少しずつ内容がつながっていくところ、同じチャプターのなかで後になって話し相手の名前がわかるところがたまらなく面白かった。村上の作品に出てくる人物は博識な人が多く、つまり彼の知識がふんだんに使われているところも私にとっては素敵だなと感じます。内容に触れるのなら、私は中野あゆみとタマルがすごく好きです。
Posted by ブクログ
・青豆が人々の前で上手く微笑むことができないということにとても共感した。私も笑うことは笑えるが、ずっと歯並びにコンプレックスがあったお陰でいまだに自分の歯をむき出しにした満面の笑みには自信がないから誰かに無条件で褒めてほしい。
・普段冷静な青豆が天吾のことになると我を失って突飛な行動に出る様を見ていると恋愛や誰かを激しく好きになることはいつだって筋の通らないことなのだと思う。それこそが恋愛なのだと。
・第27章「この世界だけでは足りないかもしれない」この章が、本当に本当に良すぎた。あまりにも名場面すぎた。あまりにも心揺さぶられた。今まで誰からも本当に愛されたことも抱きしめられたこともなかった2人が、やっと、出会ってくれて本当に言葉には言い表せないほどの深く強い感情が私を揺さぶった名シーンだった。
・第29章の待ちに待ちに待った2人の美しい再会のシーンは、世間一般に溢れるいかにも世俗的な「このまま時が止まればいいのに」という感情を最大限に拡張し、強く言語化し、濃密にし、読者に素晴らしい味わいをもたらしてくれるまたしても名場面となったと思う。本当に、心の底から相手を愛し、愛され、その人と世界で2人きり、そして時間を永遠に感じるような瞬間はこの世に生まれた最上級の喜び、そして意味そのものではないかと思う。私もそれに出会えることを人生のテーマにしたいくらい、美しく、最高の名場面であった。
・青豆が天吾と出会ってから自然に笑えるようになったのがとても嬉しかったし、私も一緒にいて自然に笑えるような相手と人生を歩んでいきたいと思った。
・最終章の2人のセックスシーンは、官能的な趣も多少はありながら、そこには2人が「初めて心も身体も深く繋がることができた」という感慨深さ、感無量の気持ちで溢れかえるような代物だったと感じる。こんなにもエロスより神聖さやハートウォーミングな気持ちが勝つ濡れ場の描写は貴重だと思うと同時に、私も2人のように心も身体も一体化するような愛の営みをしてみたいと強く思った。
・また、夜の美しい営みの後明け方の窓際で2人が手を繋ぎながらただ一つの月の代わりに朝日が昇っていくのを見つめるシーンは、是非ともEd Sheeranの「How would you feel?」を流したいと思った。
最もエンディングはfull of Harmonyの「I Believe 」を流したい。
【まとめ】
『1Q84』全編を読み終えた感想としてまず言えることは、私の人生史において、至高の、これ以上ない作品に出会ってしまったかもしれないということだ。私はこの物語に出会う為に生まれてきて、この物語は私と出会う為に作られたのだと感じるほど、私の魂を揺さぶり、私の人生のテーマである「心の繋がり」と驚くほど合致したあまりにも素晴らしい作品だった。間違いなく人生一番の小説だと言える。今まで一番好きな小説と聞かれたら『スプートニクの恋人』であったが、それを遥かに上回ってきた。スプートニクでもかなり心を動かされ、生きる糧を得たと思ったが、『1Q84』はレベルが違う。私にとってこの作品は青豆にとっての『空気さなぎ』に値するくらいの代物だと言える。
とにもかくにも、1Q84は家庭環境に恵まれなかったという自覚がある人にこそ読んでほしい。愛着に問題があるような愛が足りていないような人にこそ読んでほしい。私にもそのような自覚があり、青豆や天吾の境遇や心情に深い共感を得ながら所々感情移入しながら読み進めることになった。それを踏まえた上での2人の最終的な深い感動的な結びつきは魂を揺さぶる以外の何ものでもなかった。全てが最高だった。
また、私個人の強い共感や好みだけでなく、ストーリー性にも優れていたと感じる。大筋は壮大なラブストーリーでありながらもミステリー小説のような謎や疑問、緊張感を持って物語が進んでいくため全6巻もあっても飽きずにむしろ次へ次へと期待感を煽られながら楽しく読み進めることのできる作品だった。
結局『1Q84』の「Question」よろしくその世界における謎は解明されきれないまま物語は幕を閉じたものの、それこそが1Q84であると納得できるが故に一般小説における不十分な種明かしによる不完全燃焼のようなものは感じず、完全無欠のストーリーだと感じた。少なくとも私にとっては完璧だった。こんな完璧な小説に出会ったのは初めてだというくらいに。
私はこの物語を愛している。出会ってくれてありがとう。こんな物語に、ずっと出会いたかった。
Posted by ブクログ
正直、青豆が高速道路で拳銃咥えたシーンがピークだった、面白いけどノルウェイの森をこえなかったな。なんで村上春樹はすぐ遠隔で妊娠させるんだ?
Posted by ブクログ
面白くて2週間で読み終えた。
ひとつひとつの物事とか言ったことを頭に入れておかなければと思って勢いで読み続けてた。
実際フラグ立ってたなってのもあったし、こんなことがここで繋がるのか!ってのもあった。
すごく感想を述べるのが難しい。面白いし、切ないと感じることもあるし、心が痛くなる場面もたくさんあった。ただ読み終わった後は、じんわりと良い意味であっけなく終わった感じが、より余韻を引き立たされてる。
とにかく面白かった。群像劇にあたるのかな??やはり後半の盛り上がりがいいね、群像劇は。
そして、やっぱり村上春樹さんが書く男性の人間像が好きだな。1Q84でいう天吾みたいな。
多くを求めず、淡白そうな脳みそが好き。
Posted by ブクログ
10年以上ずっと積まれていた『1Q84』を、やっと読み終えた。やっとと言っても、2週間しかかからなかったのは、この不思議な世界に引き込まれたからだと思う。ただ、青豆は階段を降りる前からタマルやマダムとはつながっている。次の世界にもタマルとマダムは存在するのか。天吾と青豆をつないだフカエリは、いったい「さきがけ」にとってどのような存在だったのか。そしてリーダーもなくなり任務を果たしたフカエリはどんな存在となったのか。死を望んでいたリーダーはなぜ、どのようにしてリーダーになったのか。「空気さなぎ」「リトル・ピープル」についても、自分の頭の中で想像し考えるしかなく、全て本当のところはわからないし、わかる必要もないのかもしれない。
Posted by ブクログ
村上春樹の小説を初めて読み終えたけど、天吾も青豆も別々の建物の303号室に偶然住んでいて、今わたしも303号室に住んでるので、この本をまず手に取って正解だった気が(勝手に)した
リトル・ピープルは謎のままだったけど、天吾と青豆に希望のある結末が訪れて読後感は爽快だった!
ところで、女性の胸の形と大きさの話が最後の最後まで出てくるのは何?
せっかくハルキワールドに浸ってるのにやめてください(;_;)
This was my first time finishing a Haruki Murakami novel, and since both Tengo and Aomame happened to live in Room 303 of separate buildings—and I’m living in Room 303 right now—I couldn’t help but feel (on my own whim) that picking up this book first was the right choice! :)
The Little People remained a mystery to the end, but Tengo and Aomame got a hopeful resolution, leaving me with a refreshing aftertaste!
By the way, what’s up with the talk of women’s breast shapes and sizes popping up right until the very last page?
I was finally immersed in the Haruki world, so please stop!
Posted by ブクログ
天吾はその光の中に足を踏み入れ、ほっと一息つくことができた。
そこにはもう死者の気配はなかった。
それは生きている人々のための世界だった。
たとえ、それがどれほど不確実で不完全な代物であれ。
この一節が、読後もずっと胸の奥に残っている。
物語の中でふたりがようやくたどり着いたのは、
1Q84でも1984でもない――おそらく“第3の世界”。
完全ではないけれど、ふたりが出会うために必要だった場所。
その世界が良い場所なのかはわからない。
けれど、たぶん、どちらの世界にも留まっていたら、
天吾と青豆は巡り会えなかった。
「不完全で不確実で、それでも光のある、生きている人のための世界」。
そう思うと、ほんの少し、心が安らぐ。
この物語を読み終えたあと、私は何度も夜空を見上げて、
月が一つだけ浮かんでいることを確かめた。
あちらではなく、たぶんここが私の世界。
不完全で、不確実で、それでも。
生きている人のための世界。
Posted by ブクログ
さきがけ、戎野先生、ふかえり、リトルピープル、空気サナギ、天吾の母、安達クミなど、何もわからないまま終わっていった。まあ論理が通用しない世界ということなのだろうが、もっと幻想的なものを求めてしまったのかもしれない。何かを示唆しているのだろうが自分の読解力、考察力では厳しかった。小松が誘拐されたのと対比して、タマルが徹底したプロなのが面白かった。牛河をしっかり殺してくれてありがたかった。牛河の死後の視点も斬新だった。終始、青豆と天吾の孤独感は、単純明快だと思った。もう少し言いずらいくらい凡庸で複雑な孤独感を知りたくなった。
小説全体としては、やはり序盤が面白かった。色々な種類の天才、孤独な人間がでてきて印象的で、訳のわからない世界にのめり込んでいく感じがたまらなかった。やっぱりふかえりが可愛らしかった。ミステリー的な謎解きの快感もあった。正直後半から展開が少なく、冗長的に感じた。もう少し劇的なものを求めてしまった。牛河のターンが特にそう感じさせたが、最後タマルに殺されたので良し。音楽、文学、心理、、哲学、ファッション、アングラな職種といったものを混ぜ合わせ、わかりやすい文章で書いてくれたため読みやすかった。ラノベに感覚が近いとも思った。村上春樹が人気なのも納得。